【生成AI考】第1部(05) 無断学習、文化を侵略

https://www.yomiuri.co.jp/world/20240214-OYT1T50020/

20240911 02
しかくプログラムの公開は有効だ ティム・オライリー氏(ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン客員教授)
コンピューター業界の歴史は独占の歴史だったとも言える。初めに『IBM』がコンピューターを独占し、『マイクロソフト』が新たな独占勢力として台頭した。今のシリコンバレーのビジネスモデルも、独占を得る為の競争になっている。我々が最初に考えなければならないのは、集中の弊害だ。

AIの分野で規制整備が急ピッチで進む中で、集中は潜在的に最も大きな弊害であるにも拘わらず、見落とされている。大手企業は規制を受け入れようとしているが、それは規制のコストを受け入れる余裕がある為で、他の新規参入企業にとっての障壁を上げている。

インターネットの黎明期は、開発の為に巨額の資金を調達する必要はなく、投資家に返済する必要もなかった。しかし、今は何十億ドルも調達し、投資家に返済する必要がある。こうした短期的な利益を追求するビジネスモデルは弊害を招く。一例として、アメリカのある鎮痛剤を巡る危機があげられる。鎮痛剤は医療にとって重要だが、更に稼ごうとする製薬会社が積極的に薬を売り込み、中毒に繋がっている。

インターネットの広告ビジネスも同様だ。『Amazon.com』等のインターネット通販サイトを使うことで、私達は大量の商品を検索できるようになった。一方、インターネット通販業者は広告ビジネスで、良い製品よりも悪い製品を高い価格で目立つ場所に表示しているケースがある。AIでも利益を生み出すという動機付けが技術を支配し、暴走するリスクがある。

今求められているのは、透明性だ。世界中の企業が財務情報を開示してきたのと同様に、AI企業にもモデルの開示が必要だろう。開示を義務づけることによって、企業の独占を防ぐことができる。情報を開示させれば、市場では競争が活発化する。企業が安全性の確保に手を抜いていないかどうかも判断できる。一つの企業が全てを手に入れるのではなく、人類の集合知の基盤を作った上で、様々な人々が多様なビジネスを構築していくのが望ましい。

コンピュータープログラムの設計書を広く公開するオープンソースモデルは非常に有効だ。政府がAI開発に投資するのも、透明性を高める一つの手段だろう。昨年11月に起きた『オープンAI』の内部の混乱は、非営利団体であっても企業統治が十分でないことを示した。巨額の資金が使われ、知的資本を持つ従業員が大きな力を持っている場合、従来の企業統治の方法では限界がある。自発的な規制は役に立たない。

著作権の問題も重要だ。我々は著者と協力して価値のあるコンテンツを作成してきた。だが、AI企業が海賊版データベースを入手し、内容を訓練に使うのであれば、著者に損害を与える可能性がある。収益が全て吸い取られることになれば、オリジナルのコンテンツを制作する人々はいなくなる。コンテンツの出所を特定することが重要だ。企業が市場を支配して収益を搾取するのではなく、長期間に亘って成長が好循環で生み出されるような仕組みが欠かせない。 (聞き手/ロンドン支局 中西梓)

続きを読む

テーマ : AI / AR / VR
ジャンル : コンピュータ

  • 2024年09月11日(01:39:33) :
  • IT :
このページのトップへ

【ロス五輪への課題】(上) SNS、選手に刃

20240906 07
「日本の皆さんに、本当にすみませんという気持ちです」――。3日に行なわれたパリ五輪の柔道混合団体決勝で地元フランスに敗れ、阿部一二三選手((注記)パーク24)は目を赤く腫らしながら謝罪した((注記)左画像、撮影/和田大典)。"炎上五輪"との声も出るほどパリ五輪で問題になったSNS上でのアスリートへの中傷の中には、ミスをした選手に謝罪を要求するケースもあった。"謝罪"に端を発する問題は深刻化し、対応を迫られている。

柔道発祥国の日本と、競技人口では日本の4倍以上を誇る柔道大国フランスがぶつかった団体決勝。3-1とリードし、勝てば金メダルが決まった状況で敗れたことも、阿部選手を冒頭の言葉に駆り立てた。個人やチームの勝負であるスポーツが、4年に一度の五輪では国別対抗の側面が強調され、選手や観戦者の感情を高ぶらせる。

一方で、SNSが広く普及したことで、選手個人に簡単に感情の刃が向けられるようになったことも影響している。「見ていて気分が悪くなった。謝れ」「やめてしまえ」。注目された試合で選手がプレーを失敗すると、攻撃的な言葉がインターネット上に並んだ。SNSでの中傷はプレーだけにとどまらず、負けた後の振る舞い等にも及ぶ。

陸上競歩の柳井綾音選手((注記)立命館大学)は混合団体戦に集中する為、個人戦を出場辞退したことで中傷され、「(SNSで来る)たくさんの方から厳しい言葉に傷つきました」と自身の『X』に投稿した。東洋大学の竹村瑞穂准教授((注記)スポーツ倫理学)は、選手に謝罪を求める行為について、「批判と非難の区別ができていない。直感のみで判断し、即時的に反応できてしまう(SNSという)ツールと相まって、無秩序な空間になってしまっている」と懸念する。

一方、アスリートがサポートしてくれた周囲の人や応援してくれた人に対して謝罪するのは"自然な反応"としつつ、日本の教育で培った協調性が生む"迷惑をかけてしまったことによる謝罪"は日本社会の問題と指摘。五輪は普段見ない層の関心も集める特殊なイベントで、謝罪の対象が国民に拡大してしまうとみる。

深刻化するSNSを巡る問題について、パリ大会では選手を擁護する動きもあった。柔道の混合団体戦後、現地で取材していた体操男子個人総合で五輪2連覇した内村航平さんは、「団体で銀メダルだったら『すみませんでした』って言ってきたと思います。でも、選手達にはそういう思いをしてほしくない」と語った。2021年東京五輪で、同じお家芸の体操・鉄棒で落下して予選敗退した内村さんの言葉にSNSで共感の声が上がるといった、中傷と正反対の言動も見られた。

竹村准教授はSNSの問題について、一部でルールの誤解があったことも踏まえ、「スポーツに対する知識や理解がないと、わかり易い"勝敗"や"失敗"にフォーカスし、非難を加え易い状況に陥る」と指摘。日本のスポーツ観戦文化が成熟する必要性を訴える。近代五輪の父とされるピエール・ド・クーベルタン男爵が大切にしたのは"参加することに意義がある"というスポーツの精神。クーベルタン男爵の古里フランスで開かれた大会で起きた問題は、見る者にもその原点を問うている。 (取材・文/東京本社運動部 高橋広之)


キャプチャ 2024年8月12日付掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

  • 2024年09月06日(03:27:29) :
  • IT :
このページのトップへ

【木曜ニュースX】(535) 娘のスマホ依存症を"解毒"させるまで...ある母娘の壮絶な闘いの記録

アメリカ在住のある母親が、中学生の娘のスマホ依存を巡る壮絶な闘いの日々を、英紙『ガーディアン』に匿名で寄稿した。成績の低下、繰り返される嘘、自傷行為、半裸の自撮り――。SNSに溺れてどんどん変わっていく娘に、母親の胸は何度も張り裂ける。



20240905 03
私の娘は、アメリカの公衆衛生局長官が「精神衛生上の深刻なリスクにさらされている」と警鐘を鳴らした子供の一人だ。ソーシャルメディアに浸っているアメリカの子供達は、「数十年に亘る社会実験に無意識のうちに参加させられている」という。

娘は中学に入る前、犬の散歩でお小遣いを貯めてスマートフォンを買った。中古の『iPhone13 mini』を売買サイトで見つけたのだ。親としては購入を許すことで、良い成績を取ったり、部屋を綺麗にしておいたり、ごみ出しをしたりするモチベーションになればと期待した。当時の私は、このスマホが娘に及ぼす影響と娘から何を奪うかについて、知る由もなかったのだ。

中学校の登校初日、娘が校門をくぐって教室に入っていった時、私はいつでも連絡が取れることに安心感を覚えた。殆どの親と同じように、私はスマホを危険ではなく安全と結びつけていた。SNSの開発者達が娘の次のスワイプを操作していることも、彼女の"人間としての未来"が最高入札者に売られようとしていることも、それで人類史上最も裕福な企業が潤っていることも私は知らなかった。

それを漸く理解したのは、苦い経験をした後だった。娘の嘘や誤魔化し、成績の低下、そして腕に刻まれた幾つもの自傷痕を通じて、私は現実を知ることになる。中学1年の頃に学校で撮った写真が、娘の"エモ期"を捉えている。羽根のイヤリングにピンクフロイドのバンドTシャツ、はにかんだ笑顔――。

その無邪気な写真は、あっという間に自撮りに取って代わられた。小さく窄めた唇にピースサインをあてた自撮り。首を傾げて顔の半分だけを写した自撮り。ベッドでの自撮り。そのカメラロールには、娘の負のスパイラルが記録されている。泣いている自撮り、腫れぼったい目の自撮り、寝室から出られない日の自撮りといった具合に。

中1の最後の学期には、娘の成績は悪くなっていた。私はADHD((注記)注意欠陥多動性障害)を疑い、精神科へ連れていった。午後の日差しがブラインドの隙間から差し込み、娘が年がら年中着ている黒いパーカーに光の筋を落としていた。医師の質問が予想通りに始まった。「授業に集中できませんか?」「宿題が終わらない?」「眠れない?」。それから面談は恐ろしい方向へと進んでいった。「自分の人生に生きる価値はないと感じますか?」「自分を傷つけたことはありますか?」「死にたいと思うことはありますか?」。

私は娘の横顔を見つめながら、「はい」という返事を聞く度に胸が張り裂けそうになった。医師は娘を鬱病と不安症と診断した。更に検査を進めると、娘の注意力の80%は友人の承認を得ることに使われていることがわかった。道理で数学ができなかったわけだ。脳味噌の20%しか学業に使えていないのに、どの科目も及第点に届いたのは奇跡だった。

医師はセラピーと抗鬱剤を処方した。これらは役に立ったが、医師は中学生の間で広がるスマホの利用傾向については注意喚起してくれなかった。私の娘がSNSを日常的に利用する10〜14歳の第一世代であることを知ったのは、後になってからだ。この世代の少女達の自殺率は151%、自傷行為に及ぶ割合は182%も上昇している。

にも拘わらず、娘の治療は、彼女の苦しみが構造的なものではなく、個人的なものと仮定して行なわれていた。私達の国では、この社会的危機を解決する為に薬が処方される。当時、こうしたメカニズムを知らなかった私は、娘がSNSを使い続けるのを許した。そんなある日、娘の友人の母親からメッセージが届いた。

続きを読む

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

  • 2024年09月05日(00:06:41) :
  • IT :
このページのトップへ

【水曜スペシャル】(785) お粗末なサイバー防衛に関する有識者会議...精鋭とは程遠いメンバーだらけ

20240821 06
政府の能動的サイバー防御に関する有識者会議のメンバーのお粗末ぶりが顰蹙を買っている。6月からスタートした有識者会議のメンバーを選んだ責任者は河野太郎デジタル担当大臣((注記)左画像)。セキュリティーの専門家でもない、メディアアーティストの肩書きを持つ落合陽一氏が有識者として参加した。「『デジタルネイチャーでは...』等と的外れな話をする始末」(出席者)。

他の専門家と呼ばれる出席者も、インターネット上で検索すれば拾えるような初歩的知識ばかりを披露した。「河野大臣が自信満々に集めた日本のサイバーセキュリティーの精鋭チームがこれか、と暗澹とした気持ちになった」(同)参加者もいたようだ。2回目の会議には、少女への性的虐待等の罪で起訴されたジェフリー・エプスタインとの関係が明らかになり、マサチューセッツ工科大学のポストを追われた伊藤穰一氏が登場。防衛政策では全くの素人だ。これでは政府の本気度が疑われても仕方ない。


キャプチャ 2024年8月号掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

  • 2024年08月21日(23:57:24) :
  • IT :
このページのトップへ

【「公共」はどこへ】(11) AIを駆使して熊を撃退



20240819 04
暗闇の中を4本足で動き回る黒い影。地面に顔を近づけ、何かを探しているかのような仕草だ。次の瞬間、光が明滅し、耳を劈く電子音が鳴り響いた。ツキノワグマは慌てた様子で走り去った。これは会津大学の斎藤寛教授((注記)情報学)が、画像認識AIとカメラを搭載した装置で研究している『野生動物検出システム』の実証実験の様子だ((注記)右画像。"0.93"はクマの可能性が93%であることを意味する。斎藤氏提供)。

今年度は福島県内の畑や通学路等、16ヵ所に屋外カメラを設置。AIは事前にクマの動画等を読み込んで学習しており、クマを感知するとランプが点灯し、犬の鳴き声やサイレン等14種類の音がランダムに鳴る。登録者にはメールでも出現を知らせる仕組みだ。

音や光は近くの人に動物の侵入を警告するのが目的で、追い払う効果は副次的だ。クマは音に慣れる傾向があるといい、斎藤教授は「一旦逃げたクマが数時間後にまた来るケースもあった。におい等クマが嫌がる刺激を合わせることも重要だ」と話し、実用化に向けて改良を重ねる。

昨年はクマによる人身被害が各地で相次いだ。環境省によると、同年4〜12月の被害は19道府県で196件、死者6人を含む217人に上り、記録が確認できる2006年以降で最多だった。特徴的なのが、市街地に出没する"アーバンベア"の増加だ。

北秋田市で昨年10月19日朝、住民が相次いでクマに襲われた。商店や住宅が建ち並ぶ中心部で、車や人通りも多い時間帯だけに、住民は「まさかこんなところで...」と驚く。菓子店を営む湊屋啓二さん(66)は、外出時に車庫のシャッターを開けたところ、潜んでいたツキノワグマと対面した。

体長は150cm程で、真っ黒の毛むくじゃら。目が合った瞬間に「あっ、やられる」と感じた。咄嗟に逃げたが、クマに素早く回り込まれ、地面に引き倒された。「俺は死ぬんだな」。そう覚悟したが、隙を見て家に併設する工場に逃げ込み、九死に一生を得た。顔等に残る傷痕は深く、今も皮膚の感覚は戻っていない。湊屋さんは、「代々この土地に住んでいるが、町にクマが出てきたことなんて一度もなかった」と首を傾げる。

環境省によると、国内には北海道のヒグマと本州・四国のツキノワグマの2種が生息。東京農工大学の小池伸介教授((注記)生態学)によると、1978年から2018年までの40年間で約1.95倍に分布が広がっている。2003年以降の15年間で見ると、中国地方で約2.7倍、近畿地方で約1.7倍と拡大が目立つ。その背景には、人口減少に伴う猟師の減少や、耕作放棄地の増加等があるという。小池教授は、こう評する。「人と野生動物は陣取り合戦の歴史だ」。

「山が押してきた」。伝統的な方法で狩猟をするマタギの発祥地とされる北秋田市阿仁地区。九代目マタギとして家業を受け継ぐ鈴木英雄さん(76、左下画像、撮影/菅沼舞)は、クマが人里に下りてくるようになった現状をそう嘆いた。秋田県では昨年4〜12月、クマによる人的被害が62件と過去最多を記録した。阿仁地区でも人里に出没するクマが増えた。

鈴木さんは10月、民家の傍や線路沿いで何頭ものクマを目撃した。車や人が近くを通っても逃げるそぶりを見せず、一心不乱に食べ物を探していた。バス停に座り込んでいた場面にも出くわした。「クマがバスを待っとる」。住民とそんな軽口を交わしたが、胸中は複雑だった。

続きを読む

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

  • 2024年08月19日(00:38:19) :
  • IT :
このページのトップへ

【WEEKEND PLUS】(527) ハイテクなイメージの国が何故古い技術に拘るのか? 日本がファックスを捨てられないのは"時代遅れ"ではなく、実は"未来的"



20240809 04
河野太郎デジタル大臣は2022年、ある時代遅れのコンピュータハードウェアに宣戦布告し、注目を集めた。フロッピーディスクだ。河野氏は「政府は未だに約1900件もの行政手続きにフロッピーディスクやCD-ROMの使用を求めている」とソーシャルメディアに投稿し、それを廃止すると誓った。

そして今月初め、河野氏は『ロイター通信』に対し、こう勝利宣言をした。「6月28日、我々はフロッピーディスクとの闘いに勝利しました!」。そんな闘いが必要だったこと自体が驚きかもしれないが、フロッピーディスクが中々手放せないのは日本だけではない。ノルウェーの医師らは2015年時点で未だフロッピーディスクを使っており、アメリカの核関連プログラムでも2016年時点でそうだった。

『ブリティッシュエアウェイズ』のボーイング747-400型機は、2020年まで重要なアップデートをフロッピーディスクで受け取っていた。サンフランシスコでは、未だ市内の鉄道システムで使われている。それでも、日本の古いテクノロジーへの依存は際立っている。この国は長い間、イノベーションで知られ、日本といえばロボット、音が鳴るトイレ、超高速の新幹線等、近未来的なユートピアのイメージだ。

その一方、スマートフォンの時代になっても折り畳み式の携帯電話が普及し続け、職場でファックスを廃止しようとすると抗議の声が上がる国でもある。何故、こんな矛盾とも言える状況が生じているのか? 専門家らに話を聞くと、それはテクノロジーに対する現実的な懸念と、日本独自の価値観の両方を反映しているようだ。

『カーネギー国際平和財団』のシニアフェローで日本プログラムの責任者を務める櫛田健児氏は、新技術の導入が遅れている現実的な理由として、1980〜1990年代に政府や企業が投資したITシステムを更新する意欲の欠如等を挙げる。日本政府はまた、様々な公的手続きについて、フロッピーディスクやCD、或いは手作業によるデータ転送等、時代遅れに見えるプロセスを義務付ける"アナログ規制"を何千項目も設けていた。こうした規制を見直すには「政治的意思が必要でした」と櫛田氏は言う。

とはいえ、「政府の規則や官僚主義よりも問題なのは、日本語とデジタルの相性があまりよくないことだ」と櫛田は指摘する。日本語には3つの文字体系((注記)ひらがな・カタカナ・漢字)があり、デジタルフォームに記入するのは困難なことがある。「ただ紙に書いてファックスを送るほうが1000倍も速く感じるのではないでしょうか」と櫛田氏は言う。

特にデジタルネイティブではない高齢者が人口の大部分を占める日本社会では、影響は大きくなるだろう。カリフォルニア大学サンディエゴ校で日本のビジネスを専門とするウリケ・シェーデ教授は、日本語が障害になっていることに加え、日本人のモットーである"安全第一"の精神も関係していると話す。

続きを読む

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

  • 2024年08月09日(00:15:20) :
  • IT :
このページのトップへ

【WEEKEND PLUS】(526) アメリカのIT大手が続々と出資...日本は最早"イノベーション大国"ではなく、AIの"巨大市場"なのだろうか?



20240809 02
日本はAIの中心地なのだろうか――。今年4月、アメリカのIT大手『オラクル』が、クラウドコンピューティングとAIに関するサービスの拡充の為、80億ドル((注記)約1兆2500億円)を日本に投資すると発表した。その直前には、生成AIサービス『ChatGPT』の生みの親である『オープンAI』が、アジア最初のオフィスを東京に開設すると決め、更にその2ヵ月前には、大規模言語モデル『Llama』を作った『メタ』のCEO、マーク・ザッカーバーグの来日が大々的に報道されていた。

これと並行して、他にも大手テクノロジー企業が日本のITインフラに天文学的な額の投資を発表し、生成AIを用いたサービスを展開しようとしている。『Amazon.com』のクラウド部門を担う『アマゾンウェブサービス』は、日本に2兆2600億円を投じようとしている。一方、『マイクロソフト』は日本のデータセンターに4400億円を投資すると発表した。

同時に、日本政府も1兆円以上の助成金を出して、台湾企業による半導体工場の建設を支援し、日本の半導体企業『ラピダス』の創設にも莫大な額の出資を行なっている。だが、これらの事実は、日本を"AIの牽引役"と呼ぶ根拠に足るのだろうか。何れにせよ、日本が重要な役割を担っていることは間違いない。

日本のメッセージアプリ『LINE』と、韓国にあるその親会社『ネイバー』は、既に2017年、『クローバ』という見事な個人用AIアシスタントを開発し、AI業界において輝かしいデビューを飾っていた。それに、歴史的に言って、日本はAIに必要不可欠である自然言語処理((注記)NLP)の先進国である。『NEC』は、この業界のエンジニアから賞賛を浴びるような大規模言語モデル((注記)LLM)を開発している。

とりわけ日本がこの業界の評価を得たのは、昨年6月に当時の文部科学大臣・永岡桂子が、ChatGPTのようなチャットボットの開発・学習に使う目的で収集されるデータは、著作権を問わず利用可能だと宣言して以来のことである。「この発表は業界を驚かせました。私の知る限り、このような発表をした国は日本が初めてです」。東京に拠点を置く中国系アメリカ人の投資家で、『AbleGPT』の創設者である白強はそう語る。

欧米の情報提供事業者は、これとは反対に、著作権で保護されたデータの使用に対価を支払わせる為の戦いに向け、虎視眈々と準備していて((注記)先陣を切った『ニューヨークタイムズ』が既にオープンAIを提訴している)、この技術に支えられているサービスには法的なリスクが迫っていることを感じさせている。

続きを読む

テーマ : AI / AR / VR
ジャンル : コンピュータ

  • 2024年08月09日(00:15:18) :
  • IT :
このページのトップへ
ホーム 次のページ »
このページのトップへ
轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索


RSS链接
链接

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /