2016年10月26日
さいたまトリエンナーレ 〜タイムチューブをつくろう〜 報告
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今年からさいたま市で開催された「さいたまトリエンナーレ2016」「タイムチューブを創ろう」というイベントを浦和の別所沼公園内ヒアシンスハウス前にて10/8(土)・9(日)・10(祝)の3連休で開催いたしました。
「タイムチューブ」とは? という質問が多く寄せられましたが、今回は単純に「リサイクル品で空間つくり」ということではなく、写真作家の浅見俊哉さんと衣装家の田村香織さんとのコラボーレーション企画として、「時間を布地に記録する」ということを試みとチューブ=紙管と組み合わせるということをおこない、「アート・建築の融合」を目指しました。
この企画は、昨年2015年7月3日に第1回ワーキング会議を開き、合計8回の会議で紆余曲折、改善を重ね「紙管+ペットボトル」のシステムフレームに昇華させていきました。
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紙管の接続部分は、正12面体の「ジョイントボール」。
まずは、これを組み立てる作業となります。
公園には朝から親子連れが散歩しています。その方々をお誘いして、ジョイントボール作成作業が始まりました。五角形のMDF板を立体パズルのように組みあげていきます。結束バンドを使って1面1面繋いでいき、最後にペットボトルキャップをハンドリベッターで留め付けていきます。
1個作成するのに約30分。これを120個作るのです。
一方 紙管は全部で200本。今回は、500ml角型ペットボトルがぴったりはまるサイズ70φ×1.84m 厚さ4mmのものを使いました。軽いのに、かなり丈夫です。
ところが、開始早々、雨。雨は激しさを増しスタッフはびしょ濡れの中、看板となるフレームを組み立てました。しかし、この雨ではお客さんも来ないし・・・・
近くの別所沼会館に避難しました。
別所沼会館では、紙管・ペットボトルの孔開け作業。地味な作業をJIA埼玉個人協力会員でおこなって頂きました。
午後になって雨も上がり、組み立てを再開しました。お客さんも集まりジョイントボールも順調に量産されていきました。
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一方、浅見さんたちとのコラボ企画「Sunlight Flag Project 2016」も順調に楽しんでもらっています。この原理は「青焼き」と同じで、太陽の光で陰を焼付ける写真の古典的技法「サイアノタイプ」を応用しています。まずは、皆さんに思い出の品や、ここで見つけたものを拾ってきてもらって、薬品に漬けた布の上に置きます。太陽が強いと15分位、この日は曇なので1時間位放置し、水洗いするときれいな紺色になります。
2日目。
またも朝から雨。
室内でジョイントボールと孔開け作業をこなしていきます。
この日は11時ごろから雨が上がり、徐々に公園にも人が増えていきました。
人が増えてきたので、紙管のフレームの中に壁紙を敷いてジョイントボールつくりに入りました。
こちらでも、子どもも大人も夢中になってしまいます。
実はこのジョイントが出来上がるまでにはいろいろなドラマがあったのですが、私がビックサイトの「Maker Fair Tokyo 2016」で偶然にもペットボトルジョイントに遭遇し、お声がけしたのが長野県に住む佐々木さんでした。彼は展示品である3Dプリンターを使ったジョイントを低コストで量産出来るようにレーザーカッターを駆使して試作品を開発し、12面体の製作を引き受けて頂きました。デザイン的にも面白いものになっているので、子どもたちも夢中になれるようです。
ジョイントボール組立も一段落し、参加者も紙管組み立てに挑戦しました。
ジョイント部分にペットボトルの付いた紙管をくるくると回してはめていきます。
正四面体のピラミッドの様なものは、比較的すぐに出来ますが、この先につなげて行くのはかなりバランスが必要なようです。
レコード盤も持ち出してBGMが気持ちをのせてくれます。
通りかかりの人、犬の散歩の方、みんなが興味津々で覗いていってくれます。
イベントはいっぱいのお客さんで盛り上がっているところで、この日は夕方から、別所沼会館にて、JIA埼玉・新木場倶楽部の主催で「新木場木まつり2016秋」を開催いたしました。
パネルディスカッションに続き、「堀口捨己の思想と表現」というタイトルで東京工業大学名誉教授藤岡洋保先生による講演をしていただきました。
この日は、警備のため「ヒアシンスハウス」に宿泊させて頂きました。
最終日
この日は雨もふらずに、朝からSunlight Flagつくりと紙管の組み立てを皆さんに行ってもらいました。
そして、午後は、紙管を組み合わせて、正五角形の家に屋根をかけました。
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そして、子どもたちと紙管のトンネル「タイムチューブ」をくぐり抜けて・・_DSC0206.jpg ※(注記)
自分の作品を探して その時の時間を思い出してみたり・・
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そして、完成の乾杯をみんなで行いました。
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今回のSunlight Flagは記念として、皆さんに持ち帰っていただきました。
そして、紙管とジョイントは11月のイベントでも活躍します。
イベントを通して、建築家やアーチストと市民の方々とが 一緒にものづくりをすることで、少しお互いの距離が近くなり、そして子どもが夢中で ものづくりをすることが出来る場を提供できたと思います。
また、JIA埼玉スタッフもいろいろなジャンルの方々と出会う事ができ、一緒に目的を達成することで、イベントが終わっても一生の絆を残すことができました。
もう一つ分かったことは、普段PCに向かって図面を書いている我々が、自分たちの自らの手で空間を作っていくことが、いかに難しく大変なことかと思い知らされるとともに、我々の図面がいかに多くの努力の上に成り立っていることをあらためて感じ、仕事の重みを感じることとなりました。
ご来場いただきました皆様、ご協力頂きました皆様には感謝を申し上げます。
開催の様子を動画にしました↓
https://www.youtube.com/watch?v=CT17Tcgc894
※(注記)印写真提供「浅見俊哉」
文責 村田