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9784594101091 海老原嗣生さんより『「就職氷河期世代論」のウソ』(扶桑社新書)をお送りいただきました。
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594101091
"見捨てられた1700万人"はそこまで悲惨ではなかった――。
現在40〜50代となった「就職氷河期世代」(1993〜2004年卒業)を、雇用のプロが現場経験とデータで徹底検証。
既にビジネス誌や経済社会番組「PIVOT」「ReHacQ」などで氷河期世代論争を引き起こしている筆者が、炎上覚悟で世に問う。
<本書の内容の一部>
2025年夏の参議院選挙でも各党がアピールする、就職氷河期世代の支援策。だが、筆者は「現実を無視して"世代"で括ることは、政策をゆがめる」と批判する。
・「多くが就職できず、熟年非正規があふれ、貧困で年金も少なく、国に見捨てられた...」という氷河期世代イメージは、誇張である。
・氷河期世代の非正規(40代前半)のうち大卒男性は4%程度、大半は正社員化している。非正規の大多数=女性と非大卒こそ支援されるべきだ。
・氷河期より下の世代も、年収は低いままである。
・低年金者は、氷河期世代よりバブル世代のほうが多い。
・"見捨てられた"はウソ。政府は当初から対策を打ち、令和以降も年200億円前後の氷河期世代支援予算が使われた。
・マスコミ・政治家・官僚が、就職氷河期問題を好きなワケ。
・どの世代にもいる、本当に困窮している人を支援するには?
昨年出た近藤絢子さんの『就職氷河期世代』(中公新書)がアカデミックバージョンだとすると、タイトルから本文の表現方法に至るまで、メディア戦略バージョンという感じです。
日本では欧米に比べて、学校卒業時の不況の影響が、より長く後になるまで及ぼし続けるというのは確かですが、とはいえこの30年間の間に、正社員の世界にインクルードされてきているのも事実なのに、政治家ととりわけマスコミが鉄板のネタとして取り上げ続ける「就職氷河期世代」問題が相当程度に解決されてきてしまっているという「不都合な真実」がきちんと伝わっていないというのが、海老原さんの義憤です。そこを何とかして説得しようとするため、時としてやや言い過ぎの気味もあったりしますが、概ね同感できるところが多いです。
2025年8月25日 (月) | 固定リンク
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