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獅子の泉でつかまえて

銀河英雄伝説の皇帝夫妻をネタにした二次創作小説その他

『銀河英雄伝説 Die Neue These』見てますか?
現在、3rdシーズン「激突」の放送中で、要塞戦まで来ていますが、
28話「改革者」のオリジナル場面など、なかなかの力作だったと思います。
1stシーズンで挫折しそうになりましたが、だんだんと良くなってはいるんですよね。
しかし、ストーリー面で納得が行くようになると、
今度は、キャラデザや、表情の作画が物足りなく感じられるようになると。
難しいものです。

では、藤崎版「銀英伝」@ウルトラジャンプの感想です。
例のごとく粗筋から。

・第221話
最後となった通信で、ミッターマイヤーは、皇帝はラングを拘禁し、事態は好転していると説得するが、ロイエンタールは応ぜず、「皇帝を頼む、これはおれの本心だ」と通信を切る。「大ばか野郎!」と叫ぶミッタ。が、ロイはすかさず、陣形の乱れたミッタ艦隊に向け、攻撃開始。両軍は、ランテマリオ星域で激突する。これに先立ち、イゼルローン要塞を、ロイの使者として、ムライが訪ねていた。味方をするならば、旧同盟領全域を返還し、トリューニヒトを差し出すという条件だった。ユリアンは熟慮の末、これを断るが、入れ替わるように、メックリンガーが、回廊の通過を申し入れてくる。戦場では、ロイの複雑怪奇な陣形に翻弄されたミッタ艦隊だったが、後続の黒色槍騎兵、ワーレン艦隊も参戦。そんな中、グリルパルツァーは、裏切りのタイミングを図るが。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

遂に相撃つことになった双璧ですが、
藤崎版名物、ロイエンタールの複雑怪奇陣形、今回も来ましたね。
ロイの部下に、フィッシャー以上の艦隊運用の名人がいるとしか思えませんが、
これが見られるのも、この戦いが最後かと思うと、一抹の寂しさが・・・・

冒頭から見ていきます。
まず、オリジナル場面。ロイエンタールのモノローグから始まりますが、
「30回に渡って私的決闘を行った」ということは、
女性問題で、30回も、相手の男と決闘した、ということですよね。
となれば、隠し子が1人とは、とても思えないのですがw
絶対に托卵している女性がいるはず、などと、妄想してしまう。

続いて、ミッタとロイの最後の通信の場面に戻りますが、
「皇帝はラングを拘禁し、事態は酔い方向にむかっている」と、説得するミッタに対し、
ロイは、自らの行為をこう説明しています。
「俺は、自分が何のため、この世に生を享けたか、長いこと分からなかった。
だが、今にして、ようやく得心がいく! 俺は皇帝と戦い、
それによって充足感を得るために、生きてきたのではなかったか・・・・と」

221.2

ロイの幼少期を知る者としては、人生観が虚無的になるのは分かるのですが、
親友を闇落ちさせるまいと、必死に説得するミッタに対し、
「俺と手を組まないか? 俺が正帝、卿が副帝、いやその逆でもいっこうに構わぬ!
二人で宇宙を分割支配するのも悪くない!」
などと言って、相手を怒らせてまで、差し伸べられた手を振り払う行為は、
無関係の人間を大勢巻き込んでいるだけに、個人的に痛々しいというだけでは済まないと。

「俺が言うのはおかしいが、皇帝を頼む、これは俺の本心だ」、
そう言い残し、通信を切ったロイ。
ミッタが「ロイエンタールの大ばか野郎!」と叫ぶのは、その直後ですが、
藤崎版では、時空を超越して、ロイに聞こえたかのような描き方がされていますね。

221.5

さて、ロイの説得のため、陣形を乱してまで急行してきたミッタですが、
ロイは、それを好機として、ミッタ艦隊に向けて攻撃を命令。
新帝国歴2年11月24日、両軍の戦いは、ランテマリオ星系にて開始されました。
ロイエンタール軍は、主力のロイ直属艦隊、ベルゲングリューン艦隊、グリルパルツァー艦隊、
クナップシュタイン艦隊で編成され、艦艇の総数は35,800隻。
一方、隊列の乱れたミッターマイヤー艦隊は、18,000隻に過ぎません。

場面はかわって、イゼルローン要塞。
戦闘に先立ってロイは、イゼルローンに、ムライを使者として送り込んでいましたが、
ロイが、味方をすることと引き換えに、要塞側に提示した条件は、破格のものでした。
旧同盟領全域を返還し、トリューニヒトの身命を差し出す、というのです。

皇帝に失政はなく、ロイの行動は、争乱の時代を招くだけではないのか、
同盟と帝国という、二大政治体制を復活させることは、時代に逆行するのではないか。
ユリアンは、フレデリカやメルカッツと相談の上、ロイの申し出を断りますが、
フレデリカという政治指導者がいながら、なぜユリアンが決めるのか謎。
師匠のヤンは、政治指導者がトリューニヒトであっても、文民統制に拘っていたのにねぇ。
藤崎版では、会見の場にフレデリカが同席しているので、改善されてはいますが。

221.0
無帽のムライ、新鮮すぎました。

その後、カリンとの会話で、ユリアンは、本心では戦いたかったと発言しています。
帝国を代表する名将が皇帝に叛旗を翻したのだから、帝国軍の動揺は大きく、
その機に乗じることができれば、と。
要塞にずっと引き籠もるつもりならともかく、打って出るならば、
これ以上のチャンスはない――軍事指導者ならば、そう提言するのが普通と思われ。
それを踏まえた上で、政治指導者は、それ以外のことも勘案して、決断するものでしょう。

そうこうしているうちに、今度は、帝国軍のメックリンガーから通信が入ります。
わが艦隊の、イゼルローン回廊の通過を、認めて頂きたいと・・・・

再び、ランテマリオ星域。
現時点では少数となっているミッターマイヤー艦隊ですが、引くどころか、
敵の左翼、クナップシュタイン艦隊に消極性があると見るや、襲いかかっていきます。
これに対して、ロイの主力艦隊は、馬蹄形の陣形を以てミッタ艦隊を包囲し、
遅れてきたバイエルラインは、その陣形を見て、背後から攻撃を加えようとしますが、
それはロイの罠、馬蹄形は、外から来る敵の方を向いていたのでした。

221.3 221.4
ミッタに言わせると「真意のワカラン、複雑怪奇な陣形」ということになりますが、
実際、この仕掛けには、思わず笑ってしまった。ロイの陣形、変態すぎますって。


強かに攻撃されるバイエルライン艦隊、逃げる方向にはグリルパルツァー艦隊が待ち構え、
万事休すと思われたその時、後続の黒色槍騎兵が現着。
バイエルラインを退避させたばかりか、馬蹄形を食い破る勢いで突撃して行きますが、
その黒色槍騎兵の行く手を、正面からぶつけることで阻んだのは、ベルゲングリューン艦隊。
ロイエンタール提督は絶対に死なせない!その決意に満ちた、捨て身の作戦でした。

ほどなくして、ワーレン艦隊も追い付き、
これでミッタの戦力は、計42,770隻と、ロイの戦力を上回ることになりました。
長引けば、保たない――不安そうな様子のクナップシュタイン。
グリルパルツァーに説得され、彼の策に乗ることにしたクナップシュタインでしたが、
混戦の中、どのタイミングでロイエンタールを裏切るつもりなのか・・・・
というところで、To be continued。

今回は、ムライのビジュアルが印象深すぎてもうね。
どこの年金暮らしの老人ですか、というか、町内会に似ている人がいるしw
オッサン軍人の威厳は、帽子によって保たれる
という格言が生まれた、今回なのでした。
ジャンプ最新号(269話)の内容が含まれますので、
未読の方はご注意下さい。

残り2話というところで、いきなりシン・陰流の暗部が明かされるとか、
芥見先生は、本当に、読者の意表を突いてきますね。

乙骨くん、自分の肉体に無事生還!

日下部に続いて、日車の生存も確認。
最終回では、まず間違いなく、高専の教師になっていることでしょう。

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269話のタイトルは「検討」。
冥冥が駄菓子屋を訪ねるシーンから始まりますが、これは後述するとして、
前半はタイトル通り、新宿決戦の反省会。

「憂太テメー!」と激怒していたのは、真希でした。
真希は、羂索の「肉体を渡る術式」を乙骨が使うことに、猛反対していましたからね。
乙骨の額には、まだ、脳を入れ替えた痕跡、縫い目状の傷が残っていますが、
(まさかとは思いますが、この傷、時間が経てば消えるんですよね?)
魂は無事に戻ってきており、特に後遺症があるようにも見えません。
とはいっても、真希にしてみれば、「元の肉体に戻れたからって、めでたしじゃねぇぞ!」
と言いたくもなるでしょう。乙骨くん、自分を大切にしなさ過ぎですって。

269.2
公認カップル誕生ですね!

なお、乙骨の肉体は、家入が処置した後、リカが反転術式で修復・維持していたそうで、
リカちゃんは、ただ泣いて、乙骨の肉体を抱きしめていただけではなかったんです。
って、リカは反転術式、使えたんかい!
しかも、領域で焼き切れた羂索の術式が回復した後、
仮死状態の乙骨と、リカが再接続したことで、なんとか現在に至ったのだそうで、
乙骨が生還できたのは、ほぼほぼリカちゃんのおかげなのでした。

仮死状態になったということは、羂索の術式は、常時発動型だったみたいですが、
完全顕現リカが再接続したことで、乙骨は再び「肉体を渡る術式」が使えるようになり、
五条の肉体から、自分の肉体に戻ってこられた、という解釈で良いのでしょうか。
乙骨が抜けた後、五条の肉体がどうなったか触れられてませんし、
この辺り、あえて曖昧な描き方をしている感じ。
五条の額にも縫い目の跡が残っていたら、ちょっと嫌かも。
術式を使った本人じゃないから、普通に反転で治せることにしていただきたい。

それから、虎杖と伏黒が皆に謝ろうとした時、日下部がそれを押し止めて、
「発端は、虎杖を殺さなかった五条のヘマだ」とか、
「虎杖の死刑に賛成だったから、夜蛾への恩義がなければ、コッチにいなかった」とか、
自分の考え方、立ち位置を、改めて口にしていますが、
いろいろあったからと言って、曖昧にしたり、無かったことにしないのはグッド。
自分が間違っていたとは思わないが、それぞれの真実が擦り合わさって今があるのだから、
罪悪感なんて持たなくていい、オッサンの肩身が狭くなるから、ガキはガキらしくしてくれ、
と、この下り、日下部なりの優しさが滲み出ていて、なかなか良かったです。

この後、新宿決戦の戦術面での反省点――羂索への奇襲は、真希がすべきだったか否か、
といったことが、あれこれと語られますが、新たに判明した件だけ。

・「呪言」は、複数同時発動できない。(ボイスレコーダーは1個しか使えない)

『動くな』という「呪言」の使い所については、かなり議論になっていますね。
日車の領域で使っていれば、宿儺に「処刑人の剣」を確実に当てられた、と考えがちですが、
日車の領域では、加害行為が不可能ということで、「呪言」が発動しない恐れがあった。
また、宿儺が元気な時に「呪言」を使うと、反動で狗巻が死ぬ可能性があった。
加えて、「呪言」は対策されやすいということで、
乙骨の領域内、外敵のいない状況で使うべきだと決めたのは、日車本人だったとのこと。

その日車は、生き残ったことを、喜んでいない様子。
日車が死にたがっていることを知る虎杖が、心配そうに見ています。
日下部に末恐ろしいと言わしめるほど、呪術師として急成長を遂げつつある日車は、
反転術式の習熟度も爆発的に高まり、致命傷と思われた傷が、図らずも治ってしまった――
と思われますが、そうして死ななかったことで、"死後強まる呪い"の話はナシになり、
気を失うと同時に「処刑人の剣」は消えてしまった、という解釈でOK?

・ミゲルとラルゥは、アフリカまで勧誘に行った乙骨に対して、来ないと言っていた。
・虎杖が、薬指の欠損を隠すため腕に装着していたのは、乙骨の呪具。


虎杖の腕の装甲は、赤血操術で自作したと思っていましたが、乙骨の呪具でした。
五条が負けた際は、虎杖の指をもらって「御厨子」をコピーする――そう決まった時点で、
リカちゃんがストックしている呪具のどれを使うかも、決めていたのでしょう。

・呪力ゼロの真希は、「不義遊戯」の術式対象にならない。(これは既出か)
・「不義遊戯」が、宿儺の領域の中心部にいた、虎杖と脹相を捉えられなかったのは、
距離の問題というより、宿儺の呪力が強すぎて、2人の呪力を捕捉出来なかったから。


269.8

・高専メンバーが五条戦を観戦していたモニタールームは、リカの中にあった。
・リカがモニタールームごと上空に浮かんだので、中で待機していた秤らは、
五条戦後の宿儺の追撃、裏梅との引き離しが、間を置かず出来た。


秤、次いで、虎杖、日車・・・・と、上空から高専術師が出現したのは、
リカが、モニタールームごと飛んでいたからだと分かりましたが、
五条の後、間を置かずに宿儺と戦った鹿紫雲のことも、思い出してあげて下さい。
ちなみに、鹿紫雲は、コクーンタワーから現場の都庁まで、自力で飛んで行ってますw

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後半は、降って湧いたような、シン・陰流の話。
といっても、「入れ替え修行」が描かれた、258話のこの場面の、伏線回収でもあり、
「金で解決したんじゃね?」とスルーしてしまった自分は、考えが浅かったと猛省中。

258

さて、日下部と冥冥から明かされた、シン・陰流の裏事情は、このようなものでした。

「簡易領域」の一門相伝(門外不出)の縛りは、
元々、考案者の蘆屋貞綱によって、呪詛師への技術流出を防ぐために作られたが、
代替わりを重ねるうちに公益性を失い、「簡易領域」は利権化していった。

シン・陰流は、術式を持たない呪術師の拠り所であったにも係わらず、
技術を独占することで、門弟を招き、その門弟に対して、無理な縛りを科していた。
その縛りの中でも、特に厄介なのが「寿命」の呪いで、
シン・陰流の当主は、門弟から、寿命を吸い取っている"らしい"。

"らしい"というのは、シン・陰流では、当主が誰か分からないようになっているからで、
寿命の契約は、実際に存在しているものの、どう履行されているか分からないのだ。
また、シン・陰流のあらゆる縛りは、当主にしか解くことはできないが、
日下部が知る限り、高弟の中の誰も、当主に関する情報を持っていない・・・・


がしかし、今や、シン・陰流の当主は、日下部なのだという。
従って、「簡易領域」の縛りや、寿命の呪いは、問題なくなっている、とのこと。
何も知らされてなかった三輪は、「えーっ!」と驚いていますが、
要は、前述のような問題を引き起こしていた当主を、日下部と冥冥が共謀して殺害、
新しい当主に、日下部を据えたのでした。

なお、高専の関係者で、シン・陰流の門弟になっているのは、日下部、三輪、憂憂。
(メカ丸と九十九は、三輪を見て「簡易領域」の技を盗み、東堂は九十九から教わった)
憂憂は、「簡易領域」の修得のため、入門したと思われますが、
ゆくゆくは当主になって、門弟から、毎月たっぷり月謝を頂戴するつもりらしい。

269.5
いろいろな意味で、憂憂の末恐ろしさは、日車の比ではないと思われw

ということで、冥冥が、駄菓子屋を訪れる場面に戻ります。
その駄菓子屋の店番をしている婆こそ、シン・陰流の当主でした。
蘆屋貞綱から数えて、その婆が何代目の当主なのか、何年生きてきたのかは不明。
髪色を見て三輪をスカウトしたという最高師範は、婆とは別人、高弟の一人と思われ。

冥冥は、「バードストライク」で婆を始末するにあたって、
「簡易領域」の独占がなければ、死なずに済んだ術師もいたこと(ナナミンとか)、
入門した憂憂の寿命を奪って、傷物にしようとしたこと、と並んで、
門弟を増やして御三家に並ぶ勢力となり、総監部ごと呪術界を牛耳ろうとしていたことを、
理由としてあげていますが、
禅院家が壊滅し、今度の決戦で、加茂家と五条家も倒れるようなことになれば、
その野望が実現してしまう、ということで、実行に踏み切ったと思われ。

つまり、決戦を前にした五条が、総監部の老害たちを皆殺しにしたのと、
同じような動機があったことになります。
五条と、日下部&冥冥が、連携していたのかどうかは分かりませんが、
時期的にも「入れ替え修行」の前ということで、同じ頃に行われたのでしょう。

簡易領域 215

ついでに、シン・陰流の創始者、蘆屋貞綱について。
千年前、播磨の国(兵庫県)に実在した、蘆屋道満という陰陽師が元ネタですね。
後世の物語では、安倍晴明に敵対する悪者として描かれるのが、デフォとなっています。

で、蘆屋貞綱ですが、宿儺と裏梅が、虎杖を見て「播磨の〜口元が似ている」と笑ったのは、
傷だらけの顔に、必死の形相を浮かべている様が、貞綱にそっくりだったからで、
虎杖と貞綱の間に、血縁関係などは無かったと思われます。
おそらく、草創期のシン・陰流の一門を、宿儺が襲ったことがあったのでしょう。
そのことがきっかけとなって、「簡易領域」が生み出された、とかはあるかも知れません。

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ところで、当主がどこの誰なのか、分からないようになっているというシン・陰流で、
駄菓子屋の婆がそれだと、冥冥たちに教えたのは、天元だったらしい。
まぁ、婆の推測なので、正しい保証はありませんが、
残り2話というところまで来て、ようやく天元に辿り着いたので、正しいとしましょう。
禅院家、加茂家、総監部、シン・陰流、五条家と、呪術界の権威は全て、
壊滅したり、無力化したり、変革を余儀なくされている今、残るは天元だけですし。

269.4

日本中に張り巡らせた結界によって、国内のほぼ全ての事象を把握しながら、
「現には干渉しない」とされる天元。ですが、
九十九たちが訪ねて行った時、羂索について教えてくれたように、
こちらからの質問には答えてくれるようなので、冥冥が聞き出したのでしょう。
その時期は、九十九が「六眼を封印された今なら、接触が可能・・・・」と発言しているので、
渋谷事変以降と思われますが、冥冥が、薨星宮に通じる扉を知っていたのか疑問。
もっと前、天元と会話が可能だったと思われる、夜蛾を介して、だった可能性もありそう。

かように、天元個人からは、悪意のようなものは感じられないのですが、
では何故、六眼との接触を避けているのか。六眼で見られると、都合の悪いことがあるのか。
また、これまで考察してきたように、
日本にだけ呪霊が多く発生するのは、天元の結界のせいなのか。
天内の後、星漿体と同化しなかったのは、生きることに飽いてしまったからなのか。
などなど、天元回りは、未だ謎だらけ。
天元本人の現状が不明とはいえ、次回で明らかになることを、祈るばかりです。

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さて今回、反省会に集まったメンバーの中には、
家入、新田弟、甘井の医療班や、楽巌寺、歌姫、来栖、高羽の姿はありませんでしたが、
彼らは、どこで何をしているのでしょうか。
治療すべき術師は、あと一人しか残っていないはずですが。

268 269.3

そして、前回、今回と、意味ありげに描かれた「時計」には、どんな意味があるのか。
特定の時間になると、何かが起こる――と予想されますが、
最もありそうなのは、死滅回遊の終了でしょう。
天元が自ら浄界を解き放って、あるいは、そう強要されて、死滅回遊が終了、
反省会のメンバーは、それに伴って起こるであろう、呪霊の大量発生に備えている、
みたいな感じでしょうか。

そも、12月24日から数えて、何日が経過しているのかも分からないんですよね。
ということで、次回はマジ、正念場になりそう。
残り2話!
『光る君へ』第34話で「曲水の宴」が再現されていましたが、
「曲水の宴」といえば、東晋の353年、
書聖と謳われる王羲之が、会稽山の麓の名勝・蘭亭で催したものが有名です。
その際、詠じられた詩の序文として書かれたのが『蘭亭序』ですが、
昨年、実家を片付けていたところ、この『蘭亭序』の拓本を綴じた本が出てきました。
購入した覚えが全くないw
家族に漢詩が趣味の人は私以外にいないし、習字も誰もやっていない。謎だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

では、大河ドラマ『光る君へ』の感想です。
第33話「式部誕生」、第34話「目覚め」 を簡単に。

引き続き、1005年(寛弘2年)。
「藤式部」という名を与えられ、中宮彰子の藤壺で働き始めたまひろでしたが、
宮中は、人の出入りや行事なども多い上に、夜は他の女房と相部屋のため良く眠れず、
本来の目的だった、物語を書く筆は、思うように進みません。

悩んだまひろは、家に戻って執筆することを道長に願い出ますが、
道長は反対し、まひろに頭を下げてまでして、藤壺で書くことを要求します。
必ず続きを書いて持ってくると約し、どうにか家に帰ることになったまひろでしたが、
それは、出仕してから、わずか8日後のことでした。

光る君33.5

年が明けて1006年(寛弘3年)。
例年のごとく、春の除目が行われますが、
伊勢守に平維衡を任命する人事に、道長は強く反対します。
国の支配権を巡って、維衡が同族の平致頼と抗争を繰り返していることを問題視したのです。
維衡はいったんは国守となるものの、道長は天皇にこう訴え、2か月で交代させます。

今や、寺や神社でさえ武具を蓄え、武力で土地を取り合う世の中になりつつあるのに、
この上、国守まで武力にものを言わせるようになれば、
やがて、朝廷を蔑ろにするものが現れ、血を血で洗う世の中になりかねない。


維衡は「伊勢平氏」の祖なので、道長の杞憂ではなかったことになります。
尚、後に「刀伊の入寇」で活躍することになる隆家が、
これからは朝廷も武力を持つべき、という考えを述べていますが、
あくまでも国内の治安対策で、さすがに、外敵を念頭に置いてはいなかったでしょうね。

光る君33.6

その頃、自宅で執筆していたまひろは、『源氏物語』の第2帖「帚木」を完成させていました。
家族に読んで聞かせていたのは、「雨夜の品定め」の一節です。
男性経験が豊富なわけでもないのに良く書けるなと、惟規は冷やかしつつも褒めてました。

心は他の女の方にあったとしても、見そめた頃のままに、
愛おしく思われているのであれば、それを縁に思っていれば良いものを、
そうはならずにたじろぐから、縁は絶えてしまうものなのです


出来上がった物語をもって藤壺に参上すると、彰子が珍しくも、自らの意思を表明します。
天皇が気に入ったという物語を、自分も読んでみたいのだと。
そこで、まひろは、これまでの粗筋を、彰子に話して聞かせますが、
美しく、賢く、笛の名手でもある主人公の皇子を、彰子は天皇のようだと言い、
その皇子の名を問います。「光る君」と答えるまひろ。タイトルが回収されました。

光る君33.4

聡明だった定子と比較され、彰子がうつけ呼ばわりされている――
惟規からそう聞かされていたまひろですが、極端に内気なだけで、決してそうではない。
天皇を想う気持ちも、ちゃんとある。
彰子のために何かしたい、そういう気持ちが次第に高じてきたまひろは、
再び、藤壺の女房として働くことになりましたが、程なくして、天皇が藤壺を訪れます。

天皇は、定子の部屋で一度会ったきりの、まひろのことを覚えていました。
政治に意見するような女性は、亡き女院以外いなったので、印象深かったのです。
天皇は、第1帖「桐壺」を読んで、はじめは自分が非難されているように感じたものの、
次第に、物語が心に染み入るようになってきたと打ち明け、さらには、
自分だけが読むのでは惜しいので、皆に読ませたいとまで言ってくれました。

まひろの物語のおかげで、天皇が彰子のもとに通う道が開けた――
期待以上の成果を上げたまひろに、道長は心からの礼を言い、褒美の品を渡します。
その品、美しい扇には、道長とまひろの、幼い日の姿が描かれていました。
懐かしくもあり、何より、道長と魂が繋がっている証。まひろは、感極まった様子です。
『光る君へ』始まって以来、最高にエモーショナルな場面でした。

光る君33.1

場面は一転して、7月、大和国。
興福寺の別当・定澄が、大勢の僧兵を引き連れ、都に向かっている場面。
定澄は都に到着すると、道長の屋敷を訪れ、自分たちの訴えを陣定にかけるよう要求します。
大和守・源頼親(源頼光の弟)、その配下の左馬允・当麻為頼の間で起こった紛争について、
朝廷は興福寺側に非があると判断し、興福寺はこれを不服としていたのでした。

定澄は、すでに興福寺の僧3千が、木幡山(伏見区桃山)に集結しているとして、
要求が通らねば、屋敷に火を放つと脅しますが、道長は応じません。
しかし、その翌日、僧たちは、朝堂院に押しかけてきました。
これに対して、朝廷側は検非違使を派遣、僧たちを解散させましたが、
定澄は再び道長邸を訪ね、僧・蓮聖の、停止されていた公の法会の参列を認めさせます。

光る君34.0

明けて、1007年(寛弘4年)。
まひろのコネで道長に推挙され、六位蔵人に昇進した惟規が、まひろの局に遊びに来る場面。
恋バナをするうち、惟規は「神の斎垣を越えるかも」と打ち明けますが、
彼の意中の女性は、賀茂斎院・選子内親王の女房なので、
思いを遂げようとするならば、文字通り、神の斎垣を越えることになりそうです。

この頃になると、まひろの『源氏物語』は、宮中で広く読まれるようになっていました。
公任たちが朗読していたのは、第3帖「空蝉」の一場面。
空蝉という女性が、身分の違う光源氏(当時17歳)の求愛から逃れようと、
着物を残して寝室から抜け出しますが、その部屋には、別の女性(軒端の荻)が寝ていて、
光源氏は、綺麗な娘だしまぁいっかと、その女性を抱いてしまうと・・・・
当時はこれが、ユーモラスな失敗談として読まれていたというのが、何とも。

4光る君34.3

3月3日、道長の土御門邸で「曲水の宴」が催されます。
赤染衛門の夫で、和漢の才に秀でた大江匡衡が初登場、漢詩が披露されます。

時人得處坐青苔 汎酒清流取次迴
水瀉右軍三日會 花薰東閤萬年盃
巡行波月應明府 斟酌沙風是後來
扶醉初知春可樂 魯儒猶恥洛陽才


突然の雨で一時中断した際、母屋で、道長と四納言が雑談をする場面。
源俊賢は、まひろが『源氏物語』の作者と知ると、なぜ主人公が"源氏"なのかと尋ねます。
「親王様では(畏れ多くて)好き勝手なことをさせられませんから」とまひろが答えると、
俊賢は、醍醐天皇の皇子ながら、臣籍に降りた父、源高明を思い出したと。
「安和の変」で失脚しましたが、源高明は、光源氏のモデルの一人とされています。

その後、道長たちは、年甲斐もなく、バカ話に耽りますが、
その様子を、御簾越しに見ていた中宮彰子は、父がコロコロ笑うのを見て、ビックリしたと。
「殿御はみな、可愛いものでございます」とまひろ、そして、
「帝も殿御、先程の公卿たちとそんなに変わらない。顔をしっかり見て、お話をすれば良い」
と、天皇の前ではいつも固まってしまう、彰子の背中を押します。

光る君34.3

次いで、まひろが執筆する場面。
道長から貰った扇を眺めるうち、幼いまひろと道長との出会いの場面が、回想されます。
道長と出会ったまひろが、最初に口にした言葉が、「鳥が逃げてしまったの」。
その言葉がそのまま、『源氏物語』のヒロイン、紫の上の台詞になります。
「雀の子を犬君が逃がしつる」――まひろは、いよいよ「若紫」の巻を書き始めます。

この頃、春先の斉信邸に続いて、道綱邸も火事で焼失。
さらには、敦康親王が病気になるなど、不吉な出来事が続きます。
道長は、彰子の懐妊祈願のため、長男の頼道、源俊賢を伴い、御嶽詣へ向いますが・・・・
以下次回。
京都に行ってきました。暑かった。
日本三大怨霊(菅原道真・平将門・崇徳天皇)の聖地の中では、
崇徳天皇(崇徳院)だけ縁がなかったのですが、今回、参拝が叶いました。

だいやまーく崇徳天皇御廟&白峯神宮

2024年9月01日 2024年9月02日

崇徳天皇は、鳥羽天皇の第一皇子。母は中宮・藤原璋子(待賢門院)。
1156年、保元の乱で後白河天皇に敗れ、讃岐に流されましたが、
配流先で写経した五部大乗経を送り返してきた後白河に向けた、呪いの言葉は有名。

「我、日本国の大魔縁となり、皇を取って民とし民を皇となさん」

御廟は、寵愛していた阿波内侍が、崇徳院の遺髪を埋めたとされる塚。
白峯神宮は、明治天皇が御霊を京都へ帰還させ、公家の飛鳥井家の邸宅跡に創建。

だいやまーく北野天満宮

2024年09月04日 2024年9月03日

学問の神様、菅原道真公をお祀りする天神社・天満宮の総本社。
昨年に続いての参拝です。
昨年は、鬼切丸(髭切)が目当てだったのですが、今年は、五条の復活を祈願したりして。
相変わらず人が多い。修学旅行生も大勢いましたが、今時は、真夏にするんですかね。

だいやまーく平将門公の首塚

2024年9月05日

こちらは、1ヶ月ほど前、大手町で撮影したもの。
久しぶりに立ち寄ったら、ずいぶんとモダンで立派な塚になってました。
神田明神は、職場が近かった頃は、毎年初詣に行っていたのに、ご無沙汰してますね。

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さて、三大怨霊に勝るとも劣らない、怨霊界の大スターといえば、早良親王(崇道天皇)。
桓武天皇の同母弟で、785年、藤原種継の暗殺に関与したとして捕らえられた際、
無実を訴えるため、ハンガーストライキをした挙げ句、憤死したとされる人物です。

だいやまーく上御霊神社

2024年9月06日

今回、初めて立ち寄ってみましたが、参拝客少ないですね。
京都を都と定めるにあたって、犠牲になられた方が祀られているのにねぇ。

なお、早良親王の死に関しては、桓武天皇が、意図的に飲食物を与えないで餓死させた、
という説もあるそうで、そういうことなら、余計、強力な怨霊になりそうですが、
餓死で思い出したのが、「即身仏」。

「即身仏」とは、僧侶や行者が、
自らの意思で食事を制限していき、最終的には餓死することで、ミイラ化した遺体のこと。
なのですが、もしかしたら、早良親王の一説のように、
敵対する人間を、逮捕監禁し、食事を与えずに餓死させた後、
その死体に高位の僧侶の格好をさせ、「即身仏」として祀ることで、祟りを封じる、
というようなことが、行われていた可能性も無きにしも非ずですよね。

宿儺の即身仏は、どういう経緯でそうなったのか不明ですが、
もし、獄門疆並の強力な檻に、宿儺を捕らえることが出来たならば、
これまでの食人に対する罰として、餓死させて、その後、即身仏としての体裁を整える、
てなことがあっても、不思議はないかも。
むろん、宿儺を捕らえるという、超難易度の高いハードルをクリアするのが前提ですが。

逆に、宿儺にしてみれば、万が一、そういう事態に陥ったならば、
呪物となって時を渡ることを選びそうだな、などと。

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それから、天元ですが、次ぎから次ぎへと疑問が浮かんできますね。
天元の今の状態は、以下のどれでしょう。

1宿儺と一緒に消滅した。
2宿儺が指を吐き出した時、外に飛び出し、どこかで生存している。
3伏黒の体内に残っている。


3は、生理的なレベルで嫌なのですが、以前から指摘されている、
「嵌合暗翳庭」の骨のようなシンボルが、一億人呪霊の想像図に似ているとされる件。
あれが偶然ではなく、意味があってそのように描かれているのだとしたら・・・・
もとより、一億人呪霊の発動権は、いまだ伏黒にあるわけですし、
3の可能性が、最も高くなりそうな悪寒。

天元については、天内との同化に失敗した後、12年もの間、
自殺行為と分かっていながら、他の星漿体候補と同化せずいたのは何故なのか、
という点も、相変わらず謎のまま。
生きることに飽いてしまった、とも考えられますが、
この辺りも、最終回までに、明らかにしていただきたいものです。
昨日今日と少し涼しかったので、伸び放題だった庭木の手入れをしました。
バラは、これまでの暑さで、1株が瀕死状態、3株が葉っぱゼロ、といった具合です。
3株の方は、もう少し気温が下がれば、回復してくれそう。
てな感じで、東京は少しづつ秋に向かっている気配がしてきましたが、
今週末は、まだまだ激暑い京都に行ってきます。
我ながら、酔狂としか言い様がない。

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久しぶりに、東京芸術劇場プレイハウスに行ってきました。
ちなみに、同じ建物の地下1階のシアターウエストは、
『呪術廻戦』で、日車が背広のまま湯船に浸かっていたところですw

だいやまーく月組『BLUFF(ブラフ)』-復讐のシナリオ-

ブラフ

正塚先生の別箱作品は、良作揃い。
何の下調べもせずに観劇しましたが、それを見事に証明してくれました。
途中で何度も笑わせてもらって、最後は、なるほどそういうことかと腑に落ちる。
誰も死なずに、お宝はゲットと、後味もイイ。
マフィアを騙す手口そのものは、超レトロな疑似科学で、
百年前ならば、引っかかる人もいたかも、というような代物でしたが、
善意の第三者?と思われていた人たちが皆、実は仲間で、
蚊帳の外にいたのが1人だけだったというのが、もしかすると、一番のオチなのかも。

『BLUFF』は、1990年(月組)以来の再演ということで、
埋もれていた作品が、今回、諸般の事情があって、発掘されたということですかね。
私自身、宝塚を見始めた、2012年より前の作品は知りませんし、
それ以降の作品でも、バウホールのみの公演だったりすると、見逃している可能性大、
なので、評判が良かった作品は、躊躇わず、どんどん再演していただけたらと。

キャストですが、風間柚乃くん、超はまり役でしたね
格好良くて皆に頼られるリーダーの青年と、
彼が変装した、エキセントリックな老化学者との行ったり来たりが、
役者的には最大の見せ場だと思いますが、上手すぎ、
それ以上に、危なげがなさ過ぎ。

おだちんを含む100期生からは、複数名のトップスターが誕生すると思いますが、
もし、おだちんに不安要素があるとすれば、芸達者すぎることですかね。
トップもそつなくこなせそうだが、専科でもイケルみたいなw
でも、それこそが彼女の個性で、そこがイイ。
月組の場合、2代続けて演技力いまいち、人気いまいちの長期トップの後、
月城かなと、鳳月杏と、演技力のあるトップに代わって、人気も上向いていることですし、
おだちんも、二人に続けと、そのように思う次第です。

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