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病院家庭医を目指して 〜野望達成への道〜

「家庭医療学を、僻地診療所でなく都市部の病院でやってみたらどうなるか?」を10年くらい追求し、壁にぶち当たり、次のあり方を模索中です。 自分の勉強や活動の記録、日々のちょっとした気付きや愚痴などを書き散らしています。そういうのがキライでなければ、よろしくお付き合いください。

産業医学・労働安全

「有給を年5日はとろうね!」キャンペーンの波が押し寄せてきました!


まあ、キャンペーンとかいう軽いノリではなく、法改正で決まった義務なのでちゃんと対応しなきゃいけないノルマなのできちんとやらねばなりません。

残念ながらというかご多分に漏れずというか案の定というか、この件についてもうちは全然動きがないままに年末を迎えそうで、事務からは「検討中ですのでお待ち下さい」しか返答がこないので自分で動くことにしました。


すんごいざっくりいうと、

・突発的な休暇でなく、事前に相談して監督者の指示で休ませる年休を年5日とらせる

・時間外労働上限みたいに「医師だから例外ね」という例外規定はなく、また猶予期間もなく、今年度から適用されています

・本来は飛び飛び・切れ切れの休みでなく、まとめて休みを取らせようねという専門用語らしいです

・ちゃんとしたところは4月から計画的にやっていると思いますけど、適当で対応してないままのところもけっこあるかもしれずご注意を

というところですかね。



以下、関連資料も触れながら、もう少し解説していきます。





続きを読む

うちの医長が、産業医大での一週間缶詰方式での産業医講習を受講しています。

お願いしてFacebook上で参加報告を日々流してもらっているんですが、当時自分がオモシロイと思ったところに対して同じように関心をもったり、自分が衝撃を受けたアツく特徴的な先生が2年経っても同じくアツく変わったレクチャーしていることを知って、当時のことを色々と思い出しました。



自分も参加した時には細かく参加報告書いていました。

2015年07月26日明日から、産業医の短期集中講座に参加してきます(`・ω・ ́)ゞ

2015年08月02日産業医研修5日目・最終日-家庭医療研修・リハビリ研修に並ぶ「医師人生の大転換期」となる経験でした!

ほんとに、色んな意味でアツく、濃厚な学びを得た日々でした。



また、そのときに学んだ気づきをもとに、家庭医にとっての産業医療、産業医療にとっての家庭医療という視点で記事を書かせてもらった経験もありました。

2016年01月26日【雑誌投稿記事共有】「家庭医にとっての産業医療に魅力、産業医療の担い手候補としての家庭医療後期研修医」という記事を書かせていただきました。この領域、アツいと思うのです



その当時の熱はだいぶさめていて、学びたてのアツい感動が薄れてきてしまったことや、日常診療に当たり前に組み込まれすぎていて普通になってしまったこととかが影響しているかとは思いますが、後輩の報告を見てその時の思いや考えがありありと蘇ってきて、専攻医向けに報告してもらったFacebookに対して自分ばっかり長々とコメントしまくってしまいました...


受講してからの自分の変化としては、外来や病棟での労働世代患者や、失業後生活保護や精神疾患と闘病中の方から聞き出す情報、聞いた情報の解釈、そして助言の内容などがガラッと変わり、臨床医として一皮向けた感覚がありました。


また管理者としても、職員全体が健やかに過ごせる工夫や、体調を崩した職員のケアの仕方などが具体的にわかるので、少なくとも医長とか副所長とかの肩書をもったら受講できるとよいのではとも思ってます。


実際、その後に関心をもって、病院の労働安全衛生委員会に参加したいと立候補して名前を加えてもらったり(けっきょく、運営会議の開催が自分の予定と丸かぶりで動かせなかったため参加できず、かわりに今講習受けている医長を参加できるように今年から手配できたところですが)、HPHの3本柱のひとつ「職員の健康増進も」というところの具体的な筋道が見えて、HPH加盟組織で家庭医としてはたらく意義が言語化される気がします。


とはいえ個人の努力だけでは、一週間丸々潰して講習に参加するのは、医師体制上も参加費の捻出という面でも大変なので、総合診療グループとして専攻医を受講させるための仕組みを作っていければとは思います。

現状では、自分や、今年参加した医長は「しばらく病院にいる見込みで、学んだことを病院に還元してくれる可能性が高い」という前提があるため病院から参加費補助を出せましたが、ローテートが前提で、後期研修が終わった後の所属が不明確な後期研修医に参加費用を出すかどうかは(一指導医としては当たり前じゃんと思いますが)経営をあずかるものとしては簡単ではないでしょうね...

ましてや、地域との関係が見えやすい診療所ならまだしも、急性疾患の治療して帰してなんぼの急性期病院では指導医クラスの理解も得にくいでしょう。

ほんとは、病院のほうが職員の労働安全衛生を守るためには必要度が高いし、学んだことを組織に直接還元しやすいので有意義だと思うんですが、そう思えるための前提条件として「家庭医療学が当たり前の志向フレームワークとして組み込まれている」ことや「病院が職員の健康増進に関心をもつ(HPH登録や病院の活動目標への組み込みなど)」などが重要なのかなと思いました。


とりあえずうちの環境は色々好都合なので、今後も医長クラスについては積極的に参加してもらい、視野を広げ、院内活動のレベルを上げていってほしいなと思います。


昨日、久しぶりに健診に入りました。

うちは内科の通常診療コーナーと健診コーナーが別れているため、普通に内科外来やっていると健診を行うことはめったにありません。


診療所だとわけずにどっちも見れて面白いんですが、いちおう国のルールなどでは「感染症患者が来る内科診察と健康な利用者がくる健診診察の場所は物理的に分けること」というのがあるので、スペースと人員が許せば別にすべきらしいんですよね。

普通に考えれば、内科外来だって感染症にかかっていない高血圧の定期受診や、むしろ感染症に弱い認知症要介護高齢者の受診だってあるんだし、逆に無症状の人しか来ないと思いこんでいる健診にだって「調子悪いけど、診察料金は高いしちょうど職場健診サボってていけって言われてたから敢えて健診にいく」という人だっているんだから、意味のないルールだなぁとは思うんですけどね。

まあでもたしかに、ガッツリやっているところはそもそも建物も管理システムも分けて、独立した検診センターにしているくらいですね、そういえば。


うちも健診コーナーは物理的に離れたところにあり、内科医師が絶滅寸前まで減った時代に全科医師で健診診察を担うことになった名残で、内科所属の自分が健診に行くことはほぼない状態で残念な感じでした(診察室が2つなので、すでに他科医師で2名いるところに3人目入る場所がないのです)

それでも、研修としてのニーズは高いし、自分を始め家庭医療専門医の関心もあるし、そもそもうちは「働く人のための医療機関(勤労者医療協会)」なのでそこに力いれないと!という思いもあります。

人員に穴があれば積極的に埋めるよういろいろ工夫してきたつもりだし、今後はより家庭医が主体的に関わって「単に大量に検査して病人引っ掛けて、精査治療で病院が儲けるためのシステム(という扱いの病院が実際はけっこう多いんですが)」ではない、「地域の健康増進や健康寿命延伸に貢献できる健診センター」に成長していく過程に関われればいいなぁとおもうのです。




前置きが長くなりましたが、ようするに自分は健診が好きなんですが、ようやく、久しぶりに健診に入れたので嬉しいという話です。

初期研修中とかは、指導医たちが健診に全く興味関心がなかったので「適当に流せばいいんだよ」といわれたり「正常の身体所見を取る練習の場所だよ」とわかったようなわからないような説明だけでオリエンテーションが終わったことにされ、急性期病棟での研修の合間で「あ、健診当番ですよね、患者来たので診察に降りてきてください」とランダムに呼ばれるのでとても苦痛でしたけどね。


実際、最低限の健診の検査項目で死亡率などの予後が改善するものはほぼ無いので、研修医が身体診察の練習をして、セットされた検査を一通り実施してとやっても、ほぼ医学的な意味はないんですよね。

メタボ基準にちょっとだけ引っかかった人を一生懸命痩せさせるとか、他にリスクがないLDL142の人にスタチンを飲ませるとかするのもちょっと、ね・・・


むしろ意義があるのは、うつを検出するスクリーニングの質問をするとか、職業ストレスや不眠のチェックをするとか、各疾患の診断基準には満たないけど徐々に心血管リスクに関連する生活習慣が重なってきた人を早めにチェックして簡単な指導で少しだけ軌道修正するとか、喫煙者への禁煙指導だとか、ハイリスク飲酒者に警告を発して簡単なアドバイスするとかの「声をかけて、質問して、説明する」という人が耳と口で行うことのほうが効果が高かったりします。

でも、現状では多くの検査を回してなんぼのシステムなので、診察自体は短時間しか与えられていない中でいかにこういうことを実現していくかが重要と考えています。


というわけで、今年からは家庭医療専門医を一名配置して、内科との連携システムの助言とか、禁煙外来のシステムを変えて繋げやすくしたりとか、健康教育に必要な資料の配置とかをちょっとずつやってもらったりとかをちょっとずつやってもらっていました。

少しずつですが効果はでていて、より重要な介入を健診の場で提案し実行されやすくなってきたし、そういうふうに引っかかった人が円滑に内科につながる割合が高まりつつある感触はあります(まだまだですけど)。


また、せっかく勤労者医療協会だし、自分も配置した家庭医も産業医資格をもっていて「働く世代の健康増進」に力を入れたいと思っている人達なので、企業健診にくる働いている元気で健康な人達への対策をちゃんとしたいなと思ったりしています。


現状では事業所別に結果を分析し、業務内容などとリンクさせて改善策を検討し、提案・フィードバックして、「企業や組織というコミュニティーのレベル」に関わることで、そこで働く人たちが特に健康を意識せずに日々仕事をしていても自然と健康度が高まるような分化・風土づくりに貢献したいなぁと思ってるんですよね。

まだまだそこまでには越えるべきハードルが何個もあるんですけど、今回は第一歩として、検診を受けた人の職場や業務内容を細かくチェックしてみました。

臨床医としては、ビッグデータから入るよりは、目の前の一人ひとりから感じたり学んだことから拡げていくのが王道だと思うので。


で、10人程度の診察しかありませんでしたが、診察前に所属企業名をチェックしてネットで所在地と規模と主な業務やアピールポイントを簡単に押さえて、診察の前半で業務内容(肩書や業種だけきいても何もわからんので、どれくらいの時間かけて、どういう環境で、どういった仕事をしているのかを詳しく)聞いて、その内容を踏まえながら症状や既往や身体所見を具体化させ、簡単に日常的にできる健康に良さそうな工夫をフィードバックしたり、後日届く健診結果通知内容を予測して「こういうのが届いたらこういうふうに捉えてこうするとよいよ」とお伝えするようにしてみました。

これがけっこう面白くて、しろまるしろまるという企業の何歳くらいの男性社員は喫煙率が低いものの肥満度が高く、就職して3-4年たつとみんなけっこう太りだす」みたいなことが見えてきて(nが少ないので全体を反映しているかはわからんけど仮説くらいは立てられる)面白かったです。

こういうのが見えてくると「じゃあこの企業に対しては個別の結果通知送付だけではなく、事後措置として企業に対してこういうフィードバックをしたいな」とか、「産業医がいるところだったらこんな連携したいな」とか、「こちらが産業医として連携している企業ならこんなことを雇用者に伝えたいな」とかが浮かんでとても刺激的でした。


また、毎年雇用時健診をうけに来ている=就職先が安定していない人も何人かいて、人によっては会社の社会に適応するのが困難で・・・という人もいるだろうし、逆にプライベートやより重視している本業が別にあるけどそれでは食っていけないのでその都度最低限の収入を得るために敢えて点々としているひととかもいて、いろんな人生が垣間見えて面白いです。

一方で、こういうキャリアパターンだと将来的にこういう健康問題がでやすいだろうなというのは、収入がない・少なくて困っている人が多く集まる医療機関で長く医療をやってきたプロの知見としても、社会医学のエビデンスを学んできた身としてもいろいろ見えてくるものがあるので、おせっかいとは思いながらも失礼にならず不快に思わせないように配慮しながら少しだけアドバイスしたり、困ったときに使える制度を簡単にお伝えしておいたりと小さな布石を置くことからちょっとずつやってみたりしました。


この辺のことをシステムとして、また医師以外の職種でも当たり前に実践できるようにしていきたいなと思います。

自分個人としては、これらの会話をよどみ無く最短時間でできるように、身体診察の流れと組み合わせて段取りを練り上げたり(しろまるしろまるの診察をしながらこれこれの質問や指導したり)、説明を短縮できるように多彩でわかりやすいパンフ等を用意していったりも重要かなと思います。

また、ある程度活動と知見が蓄積してきたら、きちんとまとめて企業へのフィードバックも実践していきたいし、学術の場で発表して地域の医師集団全体にも広めたいし、文書として報告書を作って行政等にも意見を出して地域ニーズに合わせた健診助成内容に徐々に変えてもらえるような活動もしていければと思います。


とまあ、いろんなことは考えているんですが、とりあえず赴任してからの5年間はほぼ動けなかったので(他の課題がいろいろありすぎて)、次の5年の課題としてじっくり向き合いたいと思います。

でわ!
「民医連医療」という全日本民医連の関連医療機関や医療者向けに発行されている雑誌があり、そこに投稿した記事のデータをPDFでもらったのでシェアします。

家庭医療と産業医療 by けんた
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「家庭医と産業医療の関連について書いて欲しい。最近民医連でも産業医療に関わる若手が減っているが、家庭医療とは相性もよくその視点で掘り下げてくれると新たな魅力が出て学ぶ人も増えるのではと思っている」と、この雑誌の編集に関わっている外科H先生から依頼があり、パワハラに負けて、ではなく「これはいい機会だ!」とおもって書かせていただきました。

ちょうど夏に産業医夏期講習受けたばかりで「おお!産業医って家庭医とほぼおんなじだ!」と盛り上がっていたところであり、「感じたところを言語化してまとめておきたい!」という自分の思いを、締め切り付きで形にする機会を与えてもらえました



項目立ては
・まえがき
自己紹介兼ねて簡単に

・筆者個人の経験から
産業医重要なのに学べなかった経歴と、家庭医療経由で産業医療にたどり着いた経過

・家庭医療学の理論的基盤と産業医療
理論的基盤好きなので、その視点からまずは家庭医療をあまり知らないであろう民医連の年配の先生方(おそらくこの雑誌のメイン読者と推定)向けに簡単に説明

・家庭医が産業医学を学ぶ利点・意義と困難
ここは、何かのきっかけでこの記事を読んだ研修医・若手医師で家庭医療側の知識は少しあるひとが、これを読んで「産業医療もべんきょうしたいなぁ。意外となんとかできるかもなぁ」と思って欲しいという願いと、「そうは言ってもオレみたいな古い人間が若い人におしえらんねーよ」と思ってしまっているかもしれないベテラン医師向けにメッセージ的に書いてみました。



いろいろ詰め込み過ぎたせいで(これでも初稿の3分の1くらいに削ったんですが・・・)、メッセージ性はブレ、説明の足りない専門用語があったり概念的な説明が主体で実例・具体例に乏しかったりとひどい感じですが、言いたいことは言い切れたので自己満足感はけっこうあります。

まだ、ブログ以外では「家庭医療と産業医療」について書いた経験はなかったのもあり、ちょっと詰め込み過ぎましたね。今読むと荒削りすぎて赤面しすぎて火が吹き出そうです。いつまでたってもそうですが。


でも、これを機に、この辺に関心をちらりとでも持っている人のうち数人にでも届いて、将来の日本の産業医療界が盛り上がる一助になれば幸いです。

産業医療、面白いんですよー!
先週病院にいない間にたまった書類やメールの処理や、病棟・外来の混み具合や入退院予定や病態こじれてる患者の把握や、勉強してきたことのまとめと振り返りと具体的な活動につなげるためのアクションや、帰ってきてから今週にいろいろ予定されてることの消化やらが重なって、てんてこ舞いです。

先週の肉体的疲労と心理的消耗からの回復にも時間がかかっていて、自覚的にはかなり体調不良なまま日々なんとか過ごしてます。


ワークライフバランスというか、適正労働量を見つめ直さねばと、夜中に健診の疲労蓄積チェックリストを埋めながら思いました。

このチェックリスト、いつもほぼ満点なのに特に介入受けたことないので、うちの労働衛生管理システムは機能してないですね。

衛生委員会参加の手上げはしたんだけど、自分が外来出てる時間帯の不定期開催らしく参加不能。チーン(TдT)

まあ仕方ない。


というわけで週末のイベントの準備の締め切りがあと48時間後くらいなんだけどもう今日は無理なので、明日の当直がひまなことに期待して一気にやります。

追い詰められて無駄な力がぬける事で、短時間で素晴らしいプロダクトができることに期待しますわ

おやすみなさい
産業医研修、5日目は久しぶりの朝8時半から夜19時まで(昼休み30分だけ挟んでの)10時間ぶっとおし座学で、さすがに消耗してその日の夜のブログ更新はできませんでした。

今日一日ずーっとだらだらして、メシ食って、ごろごろして、Kindleで漫画よんで、メシ食って、昼寝して・・・を延々と繰り返して、ようやく21時ころからパソコン開く気力がわいてきました。

最終日(6日目)の半日の分と合わせてアップします。




その前に、ちょっとした感想。

今回1週間のまとまった産業医についての勉強をしてみて、今までにも同じような「短期集中の研修をすることで自分の医師としての価値観というか医師人生を大きく変えるような出来事ってあったよなー」と思いました。

すぐに思いつくだけでも、5年目の家庭医療研修、7年目のリハビリ研修、そして今回11年目の産業医研修です。



・・・最初の4年半はひたすら病棟総合内科でした。

しかし、その後定期的に、節目節目で自分の医師人生を変える短期研修を経験し、価値観やその後のプラクティスが大きく変わり、付き合う人たちの幅も広がってきたな-と思います。


卒後5年目に3ヶ月いったのは、生協浮間診療所での家庭医療研修。

この時に初めて今所属の法人以外で働き、でも基本的な方向性や考え方が似通った人たちが多くて妙に安心した記憶があります。

この時に知り合った人たちの影響で、その後臨床研究しなきゃと思って実行したり、出版・執筆関係のお付き合いが始まったり、学会の若手医師部会執行部に立候補することになってその後プロジェクトチームや委員会、専門医部会などの仕事に関わるようになったりしました。

自分の理想を全部叶えつつさらに想像しうる限界の先まで行っちゃっている指導医や、自分なりに頑張ってみたそれまでの100歩くらい先まで行ってしまっている先輩に出会い、「自分だけ異常に頑張りすぎているとか方向がずれているわけではなくて、世の中にはこういう人たちがいるんだ」と思えてその後の人生に自信が持てたのも大きかったです。小さな法人内で自分と似たような考え方をする人はほとんどいなく「自分が変なのか?」と本気で悩んでいた時期だったので。

また、「将来は敗血症のプロになって、週の半分はICU、残りはERや総合病棟でブイブイ言わせてやるんだ!(誰を?)」と思っていたDiagnostitian・Intensivist志向な自分が「診療所や地域の方がもしかしたら底なしに面白いのかも?」と思い始めて進路が斜め45度くらい変わってしまった体験でもありました。

そんなわけで、キャリア的には最大級の節目でした。


その次の外部短期研修は、7年目に2週間行った、道南勤医協函館稜北病院でのリハビリ研修でした。

これは法人内ではありますが、いままで働いたことのない地域・病院だったので自分の中では外部研修扱い。

今の病院に赴任して3ヶ月経ったくらいで、まだ自分しか出来ない仕事は少なく、研修医もいなかった時期だったのでドンと2週間もらって行ってきました。

自分たちの病院と同じくらいの規模(そしてそれまでに経験した2か所の地方中規模病院とも同じ位の規模)だけど、超急性期や重症を抑えた分リハビリや地域に力を入れて地域内での連携の要として存在感を発揮しており、内科も病棟や組織横断的な委員会がかなり機能して「ああ、自分がこれから今の病院で目指すのはこれだな」と思えてとても良かったです。

リハビリの世界観・考え方や多職種のことなどを多く知ることができ、家庭医療を知った時に匹敵するいい意味でのカルチャーショックでした。

また、このときに教わったリハ・内科の指導医の先生方の在り方、セラピストやMSWさんたちのプロ意識や悩みなどから学んだことが多く、今自分の立場で多くの他職種と関わる上での土台になっていると思います(この前と後とで他職種との関係性が明らかに変わった自覚があります)


そして今回、卒後11年目の夏に1週間経験した、産業医の夏期講座。

まさか今の立場で1週間も外にでられるとは思っていませんでしたが、若手が順調に育って1週間くらいは現場を回せそうなことに支えられ、また病院のあり方に関する戦略会議や、地域健康増進拠点病院(HPH)としての地域内活動の今後の方向性、そして今産業医や労働衛生を担当している先生方の退職まで残された時間などを考えるといい加減勉強して資格をとっとかねばならん時期ではあったので、絶妙なタイミングでした。

×ばつ2回の開催になって待ち時間が無くなったタイミングでもあったようです。

なんか、自分の都合中心に大きな転機がやってきているような感じです。誰かの手のひらのうえなんでしょうか?


うちの病院に来て1年たった時点で、「病院家庭医として、そして地域健康増進拠点病院に務めるものとして、"病院にいながら地域医療に関わる"ってどういうことなんだろう?ていうか院内のことで忙しすぎて地域に出る時間とか全くなさすぎて涙も出ないんですけど!?」と思ってずいぶん絶望していました。

それでも、そういうことに関心を持ちやろうと頑張っている姿勢に共感してくれたのか、そういうことをやりたくてしょうがない研修医たちが次々来てくれて、しばらく居着いてくれたり、出た後もまチラチラ戻ってきてくれたり、出ている真っ最中でも関心を持ち続けてくれる人たちがでてきました。

そんな人達の手を借りて(というか彼らが自主的に)地域活動に関わってくれるようになって、他職種や他の組織の人たちもどんどんつながってきて、「自分が病院の中で学び実践し出ていき繋がる環境を作れば、あとは他の人たちがやってくれるからいいんだ。自分がやるべきはそういう人たちや活動の要や拠点として病院を整備していくことだ」と思えるようになりました。


そんな思いもあり、卒後10年目の昨年度は公衆衛生学会に参加したり、公衆衛生関係の研究のワークショップや社会的健康決定因子のセミナーに参加することで、地域や集団に対して医療の専門性を持って関わっていく方法論を学び、またそれをうまくやると絶大な効果を出せるという実感を持つところまで行きました

その流れの上で、絶妙なタイミングで今回の産業医講習に参加することができ、「普段の臨床をしながら、一臨床医として、地元の組織の最小単位である企業(患者に影響する集団の最小単位は家族ですが)に対して関わり成果を出す方法論」を具体的に学ぶ事が出来ました。

自分の思いや学んできた専門性、今の地域に根を下ろして集まってきた人たちや出来たつながり、そういったものを具現化し、今の地域に還元する絶大な武器を手に入れてしまいました。


とりあえず今後は、今まで関心を持っていなかった職場の労働安全衛生委員会に関わって、社会を構成する最小単位であり、かつ地域でうちの病院が成果を出すための土台となる「うちの病院の職員たち」の健康管理に関わってみようと思います。

ちょうど、地域健康増進拠点病院の3要素(患者への健康増進、職員への健康増進、地域への健康増進)の一つですし、いま最も緊急性が高い課題でもあるしね。




という長い振り返りでした。

いやいや、ほんとこれからの医師人生変わりますね。

いい経験が出来るだけの時間をくれた、病院の関係職種の方々、後を任せてしまった研修医のみんな、ありがとうございますm(_ _)m

明日からまた頑張ります。





はい、というわけで長い前振りは終わって、あとは5日目・6日目の感想のコピペです。

長くてすんませんね。


5日目、7月31日の記録からです。

ちなみに前日の7月30日は自分の誕生日でした。

あと、SNSでは合間で英語論文のチェックなどしていますが、講義中ではなく朝とか休み時間とか移動時間にちょいちょいチェックしているのですよ。使っている共有サービス(EverypostとかIFTTTとか)が反映するのに少し時間がずれるので講義中にサボってるように見えてるだけですからね。



おはよーございます。

機能頑張りすぎたツケで今日は早起きできず。そして、一昨日の体力測定で腹筋したときの筋肉痛がようやく出てきてます。痛い...。

産業医講習5日目、頑張ります〜( ́・ω・`)


5日目の1コマ目は、産業医学における疫学の役割。
スライドハンドアウトなくて超圧縮した配布資料だけでパソコンメモも禁止だと辛いですね。

産業医も研究しましょうという前提のような雰囲気だけど、実際の具体的な実践から研究につなぐ方法論というわけではなく。疫学視点でのデータの解釈の仕方を知りましょうにしては、限界や難しさの強調が多く、どう役立てていいか見出しにくい大学講義的な感じでした。

シリカと肺がんの関連についての歴史的経過や国の判断についてなどは面白かったけど



5日目の2コマ目、メンタルヘルスの「復職支援」

実習で判断難しく意見の割れた、復職タイミングや、復職後フォローの時期や方法などを、ガイドライン等を軸に解説。

よくある失敗例の提示や、特に大切なポイントの反復強調があり、考え方が見についた。これならできそうかも


あと、講義で紹介されたweb資料もいくつか。


職業性ストレス簡易調査票
http://www.tmu-ph.ac/topics/stress_table.php
ここからストレス判定図作って、ハイリスク職場同定したり、モニタリング・共有・検討の材料にしていく(特定の職場や責任者を攻撃する材料にならないよう注意)

「患者の自動車運転に関する精神科医のためのガイドライン」の公開
https://www.jspn.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=74

ラザルスのストレス理論
http://counseling.st/hr/terms/terms367.html

場環境等改善のためのヒント集(メンタルヘルスアクションチェックリスト)
http://mental.m.u-tokyo.ac.jp/jstress/ACL/


今日のお昼ごはん
茶碗蒸し美味しそう
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5日目の午後1コマ目は、就業と治療の両立支援。

コモンだけど話題にされにくい「ガンのサバイバー」に絞って(うつ病より多いはず)、文献レビューや日本のデータも提示しながら、原則と応用をメリハリつけて、具体例も交えて提示されてわかりやすかった。

単に負荷を減らして上げるとか、職場に復帰することだけを目指すのではなくて個別に柔軟に考えていく必要があり、関連する要素は家庭医療学の「患者中心の医療」の方法論そのものです。

ので、ガンに限らず、心血管イベントサバイバーやうつ病、育休復帰にもそのまま応用できる「考え方」ですね。



駆け出し産業医や職場上司のための、がん患者復職支援マニュアル。
http://www.cancer-work.jp/tool/
がん就労者支援マニュアルは、チェックリスト式で使いやすさも考慮されているそうです。

就業判定支援ナビ
http://ohtc.med.uoeh-u.ac.jp/syugyohantei/



5日目の午後2コマ目、産業医活動の実際・医療機関編。

産業医大の産業医してた先生から、医療機関と一般企業との産業保健の違いと課題について提示されたあと、実際に行っていたマネジメントシステム作りや、要因別の対応実例、特に看護師のメンタルヘルス対策について解説されました。

具体的でかなりわかりやすく、またこれまでの講義で聞いたけど「あれ?うちの病院にその組織・役職・活動ないよね??」と思ってたけどその謎が解け、来週から何をすればいいか具体化できてきました。


5日目の午後3コマ目は「交替制勤務者の健康管理」

夜間勤務や交替制勤務の産業視点の現状、医学視点での健康影響、リスクはゼロにできないが具体的に減らせることやそのガイドなどあり勉強になりました。

エビデンスの質は不十分としつつも、IARCがgroup2A(有有害な化学物質と同等)と判定し、リスク比は他の乳癌リスクよりも大きいなど交替制勤務のリスク侮れないし、できることから取り組もうと思いました。



5日目午後の5コマ目は参加型産業保健活動プログラム。

参加型で組織をエンパワメントする方法論やツールと実例紹介。

マネジメントに強い家庭医が普通にできそうなこと+苦手な産業医特有の部分はツールで補えそう



5日目最後の講義(6コマ目)は身体障害者の職場復帰。
リハ医学講座の先生で、リハ医学視点と産業医学視点との微妙な違いを丁寧に説明し関連法規の説明もあり、復職支援における産業医の役割や具体的なプロセスの解説まであって、たった一時間でも充実の内容。
なんだけど、配布資料はテキストサマリーだけで、スライドが結構いいのでメモ辛いのがもったいない。写真とっても後で統合するのめんどいしなぁ。パソコン許可しようよ...


隣で、iPadをスタンドに設定してすべて録音し、いいところだけ録音データにコメントはさみ、素敵スライドはそのまま写真アプリで収めるみたいなのやってる人がいて目からうろこでした。

講演会とかに参加しなれてる感じです。

全部の録音メモを後で聞こうとすると大変だけど、印象に残ったところだけしおり的にメモ入れておけばそこだけ聞けるし、ほかの事に意識取られて聞き逃したところも後で聞けるのでとてもよいやり方ですね。

iPadのマイクは性能も良いのであれで結構いい感じに録音できているんでしょう。すごいなー



5日目終わった後は燃え尽きて、ホテルかえってご飯食べて横になったらそのまま寝てしまいました。

ただ、体調はかなりよくて、産業医講習きてから初めて頭痛なく、倦怠感もなく、体のどこも調子悪いところがない状態でした。

生活パターン変化してからやっと安定して片頭痛が過ぎ去ったこともあるし、なにより今の病院での過負荷状態から開放されて通常状態に戻ったってことなのかなーとも思いました。

戻ってから、また変な感じにならないように仕事のペースとか考えようとおもいます。




そして、産業医夏期集中講座、ついに最終日です!

有害業務管理・化学物質、総論・産業保険の企画、産業医活動の実際・嘱託産業医、総論・これからの産業保険の4コマ・4時間の座学です。

朝流される、産業医なごみのDVDもクライマックスへ!
https://www.youtube.com/watch?v=9MCao2lzcKs



最終日の1コマ目は「企業における人材育成」
内容はInstructional designをそのまま実演しながら教えるもので、セミナーやワークショップたくさんやってる若手家庭医なら誰でも知っていて使い慣れているものでした。

新しく知った知識や理論はないけど、全体像を整理してくれたことと、一般患者教育と産業医としての企業内教育の違いの説明が良かったです。

また、ふだんこういうこと意識してない人にはかなり新鮮だったようで周りの人たちの食いつきは良かった印象


最終日の2コマ目、健康監理‐循環器疾患患者の適性配置。

心不全や虚血とかでなく、心臓突然死予防のための話です。

AED配置やICDのこと、心臓突然死を起こす患者は心臓リスクない人のほうが絶対数が多いこと、日本のペースメーカー・ICD対象は労働世代男性がほとんどなので産業医や職場理解が必要なこと、原因疾患が欧米と異なり心筋症と不整脈がとても多く検診心電図で発見しうること、デバイス埋め込み患者が法的に就けない仕事や運転制限、避けるべき職場の電磁波発生機器などかなり具体的でためになりました。

コモンだけど救命後は関心が低くなる「循環器疾患サバイバー」のケアの理解が深まってよかった。


てか、産業医の目線だと「循環器疾患」の見え方がずいぶん変わりますね。

外来だと「はい、血圧高いっすねー。標準的降圧薬処方しますよー。食事と運動ねー。定期的に検査ねー」て感じですが(もうちょいちゃんとやってますけど)、働く世代のあいだに最もリスクにさらされ、もっとも仕事できて養う家族が多い時期に発症してしまい、もし障害が残ると労災でお金だす企業側の負担や、そういった障害を持ってしまった人を雇いながらどうやって企業としての社会貢献と生産性を両立させるかとか考える幅と奥行きが一気に変わりますね。

やっぱり、院内でてきとーに健診やるだけでなく、産業医としてその結果を踏まえてどうするか職場の人たちと相談するような活動はしたいです。


心疾患患者の学校,職域,スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン- 日本循環器学会
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_nagashima_h.pdf

ペースメーカ,ICD,CRTを受けた患者の 社会復帰・就学・就労に関するガイドライン - 日本循環器学会
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2013_okumura_h.pdf



産業医夏期集中講座、全課程が終了しました!

修了証も無事ゲット!!
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最後の学長の話はハイペースで面白かったです。



お勧めテキストのリンクも載せときますねー


総合医向け雑誌での産業特集なので、このブログに関心ある人にはどんぴしゃかも。


職場で「なにか健康関連のレクチャーしてくださいよ」と言われたネタが専門外でも、このテキストにはパワポのCDRが入っているのでそれを流用すればその場をしのげますよと言う代物。

産業医大の先生方が作ったものなので内容はよく、しかもパワポデータで入っているので自分で修正もでき、50個ネタがあるので毎月やっても4年は食っていけるとのことでした。




Q&Aは、かなり詳しく実践的だそうです。



実際に職場巡視するようになったら買おうかなと思っています。





そんなこんなで6日間、50時間の全過程を終えて帰路へ。

駅までの臨時バスにも無事乗れて(寿司詰めですが)、何とか北海道まで戻れそうです。

タイミング良い直行便がなく、羽田経由で帰ります。
12時半会場出発→福岡空港15時発→羽田空港18時発→千歳19時半着で自宅には21時前に付けばいいほうかなという感じです。

行きは7時間でしたが、帰りは8時間。国内なのにー(ToT)


帰りの電車と飛行機で、来週以降のイベント準備とか済ませて、明日くらいはのんびりしたいなぁ



以上です。


さ、明日からが、「産業医の資格をもち、リハビリにも強い病院家庭医」 としての新しい船出ですねー。

気張りすぎず、でも大事なことは何かを常に考えながら、いいかんじのお仕事をしたいと思います。


でわ!
ついに6日の缶詰講習のうち4日間が終わりましたよ!

50時間あったうち、36時間を消化し、残り14時間だけです!!

14時間って、「だけ」とはいえないけど、しかも明日はまた10時間全部座学だけども、でもゴールが見えてくると嬉しい!!!



さすがにこの業界のプロの大学が威信をかけて取り組んでいる(のかな?)講習だけあって、各講義のレベルは平均してとても高く、講師が違くても産業医学や大学の哲学が繰り返し手を変え品を変え伝わってくるので「産業医学のなんたるか」が見えてきた感じがあり(まだまだ理解は浅いと思いますが)、これまで総合内科学・家庭医療学
漢方医学・緩和医学・リハビリテーション医学・老年医学などを積み重ね融合させて養ってきた「自分なりの総合診療医学観」 の上に「産業医学」がしっかりと乗っかって融合し一体のものになってきている感じがあります。

ちょうど、総合診療後期研修を2年半したあとに小児科研修に入った時の感覚「なんだ、高齢者で年齢層や家族関係別に鑑別診断や説明の仕方変えていたのとおんなじで、老年で学んだことを小児に、小児科で学んだことを成人診療にそのまま使えるじゃん。特別なジャンルじゃなくて総合診療の一部分だな-」という発見をした時の感覚に近いです。
((注記)ちなみにここでいう小児とは、小児科専門医が行う奥深い超専門的な小児科診療のことではなく、総合医がプライマリ・ケアセッティングで行うこどものCommon health problemsの診療のことです)



はい、脱線しました。

時間も気力も体力も残り少ないので、あとはSNSコメントの切り貼りだけにします。眠いです。




4日目の実習1コマ目、作業環境測定終わりました。

実習場所間の移動が長めで暑かったです。今日はひどい猛暑。。。
ガス測定、粉塵測定(蚊取り線香吸ってすこし喘息が...)、騒音測定、照度測定しました。


写真は、アセトンのガス測定をしたもの。赤いところまでアセトンが入ってきていて、その先端のメモリを読みました。
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実際に職場巡視して「じゃあ先生、ガス測定してください」てポンとこれ渡されたらアウトだったけど、ひと通り触ってやったので「あ、まかしといてください。こうっすよね」みたいな余裕ありげな振る舞いはできそうです。

どれも機械の扱いは簡単で、測定計画立てるところと結果をどう活かすかが大事ですね。





4日目、実習2コマ目=5つの実習のうち最後は「職場巡視」。

実際の現場にはいけなかったけど(大人数受け入れてくれる職場はないし、職場まで移動しているあいだに実習時間なくなっちゃうから)、DVD見て、個人ワーク→グループディスカッション→全体発表で見るポイント学びました。

これまでなんとなく学んできた作業環境管理や作業管理の視点で現場を見る練習としては十分で、グループや全体の時間があったので自分が見落としていた視点を学ぶこともできて、理解が深まりました。

できれば、意見書書く実習したかったな。

あと、DVDでは暖房効きすぎだったけど、実習室はクーラー効きすぎていて死ぬかと思ったです((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル



4日目午後はまた座学に。1コマ目は粉塵・石綿・ナノマテリアルの健康管理。

ふだん、じん肺患者の診療や、検診で胸膜所見見つけて精査に回す石綿暴露者いてなんとなく見ていたけど、きちんと管理出来そうです。

内容はいいけど、疲労と頭痛でとにかく眠いです



午後2コマ目の講義は、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)についての2時間もの。

孤軍奮闘ではなくマネジメントシステムを応用してやろうというのは大事だなと思うけど、かなり具体的かつ詳細に説明されすぎて、まだ事業所との連携が経験できてない段階の人には辛かったです。

応用を絞ってマネジメントシステムの基本をよりきちっと説明してもらったり、具体的事例を元に練習問題や実例で理解深められるといいのかも。

自分は、これをうちの組織に当てはめたらどうなるかの視点で聞いてたけど、それでも結構きつかったな...。

マネジメントシステム、関心あるんだけど。ちょっと自信を失ってしまった感じです。単に二日酔いや披露蓄積のせいだろうと自分を慰めてみたり。



4日目午後3コマ目の講義はリスクアセスメント。

安全データシートSDSの読み方と、有害性の程度をGHS基準で分類する方法、暴露量を推定するための環境・作業・生体測定の意義や使い分けと簡易推定法、これらを組み合わせてリスクを判定する表の使い方を一通り学びました。

さらに、「トルエン使用しているけど妊娠大丈夫?」という外来での相談で、何を聞き、調べ、どんな行動を取ればいいか自力で考えて具体的に決められるようなとても実践的な内容でした。
化学物質や環境測定などへの苦手意識払拭!!



4日目午後4コマ目、「産業保健の企画」。

企画ってなんだ?と思ってましたけど、経営のマーケティングやリレーションシップなどをベースに、事業所と労働者にどう関わっていくかの戦術・方略を整理しつつ具体例もわかりやすく提示されていて面白かった!

うちの組織の戦略会議にどう活かすかの視点で考えながら聞けたので余計に役立ちました。

産業医として、新しく企業に入っていく時のイメージもかなり湧いたな。よかった。



4日目最後の講義は、産業医活動の実例。

さっきのマーケティングとかの話をしていた先生が、数年かけてシステムも関係者の問題意識ももう一歩な会社でどうやって活動を広めていったかについて、ニーズマーケティングを行う具体的な手法「に・が表」や、実際の事例複数を出していて、ものすごくイメージがわきました。

家庭医療に理解がうすく、組織運営も地域活動もいまいち過ぎる今の病院に来てから4年かけてやってきたことと、驚くほど類似していました。

おかげで産業医活動を病院家庭医療の延長に収めることができた感じだし、独学でやってきた組織・地域マネジメントの足跡を専門的な用語やフレームワークで整理してもらえた気がしてよいReflectionにもなりました。

これで、4管理+1教育のなかでも得たいのしれなかった総括管理がようやく守備範囲に入った気がします。

明日は疫学とか、他の実例もあり、楽しみ♪



以上です。




午前中は昨日の飲み会のアルコールが残っていて、寝不足もあり、そして昨日から続いていて片頭痛の残りカスもあり、でもアセトアミノフェンも五苓散も使いきっていたので辛い一日でした。

「これ、実習中に倒れたら単位もらえないのかな? でもいっそそれでいいから横になって休みたいよぅ」と本気で悩むくらいに。

でも、午後からはだいぶ改善して、気がついたらあれだけ絶望的だった頭痛はなく、内容が良かったこともあってレクチャーにも集中できて、体調はかなり改善しました。


夕方にはセルフバースデーケーキということで(今日が誕生日だったんです、Facebookで言われて気が付きました)、バスでホテルに戻ってきてから駅近辺のスイーツやさんを物色。とはいえあんまりいいかんじの店はなかったので「ケーキ屋さんで買ったケーキ!!」というブランド感は諦めました。

出発前に後輩が気を利かせて「講習期間中に気分転換になるような、スイーツが食べられそうな店をピックアップしましたよ」とお店の情報を幾つか印刷してくれていたので、そのお店にいって店内で食事と、食後の水出し珈琲+アップルパイを楽しみましたよ。ありがとー。

明日からも強く生きていけそうです。



ホテルに20時半ころ帰ってきてからも、シャワー浴びてさらにスッキリしたので(かるい躁状態じゃないか不安なくらい・・・)デスクワークでたまっているものを一気に片付けました。

学会専門医部会関連のアンケート作成は、とりあえず仮バージョン第2弾できたので提出して終了!

・21時〜22時のweb会議もさぼらず頑張った!(忘れたフリするつもりだったけど後輩からリマインドはいったので参加、テキパキ司会してくれて快適でした)

・4人で原稿分担執筆している「研修医向けリハ書籍」の、他2人の原稿チェックも終了!

・あとは眠くなるまで、同じ書籍の自分担当の原稿を、現状の6割の状態から9割方までは持って行きたいっす。

明日くらいは、「ああ、あの仕事もこれも終わってないなぁ・・・(-_-;)」という不安感から開放された気分でのびのび勉強に集中したいのです。



そういえば、産業医講習、参加者背景のデータ貼ってあったので写真撮ってきました。

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意外と北海道や同世代多いです。

でも、総合医・家庭医の選択肢がないのが寂しい感じです。

家庭医の人たちに産業医学を、そして産業医の人たちに家庭医を知ってもらう架け橋的な活動も必要だししたいなと思います。



6日間のうち半分が終わりましたよ、産業医研修。


×ばつ4コマで小刻みなこと、午後は実習で実際に触ったり体を動かせること、夜は一緒に参加している普段接点のない(SNSなどでだけ交流がある)先生方との飲み会もあり、今までの「座学ばっかりで超きっつい」という一日とは違うかんじでした。


日も変わったし、明日も早いし、遅刻したらこの3日間の努力が水の泡なので、SNSのまとめのコピペだけにしときますよ。




産業医夏期講習、3日目に入りすでに眠いです。
早くついたので会場空いておらず。真面目に並んでる人たちもいますが、大学構内探索してみます。
とりあえずの感想は、セミの声がものすごいですね。札幌では考えられんくらい。

→のちに、これは眠気ではなく片頭痛発作なことに気が付きました。頭痛強くて音も光も辛いなか、2時間休みなく講義で、休憩時間10分ほどで仮眠も取れずにエンドレスというのは、この数年経験しなかったひどい体験でした。ピークになると、薬だけでは症状取れず休息必要なのよね。



まあそれはさておき、産業医夏期講習3日目、午前は一時間単位の講義4つ、午後は実習3つです。



1+2コマ目は衛生の法体系と教育。

名前や役職や組織図や委員会などの名前がこれまで説明なく出てきていたので、法的位置付けを踏まえながら全体の構成が理解できてよかった。

話もテキストベースでスライドなしだけど、話し方や実例などあり飽きずに最後まで集中できました。

昨日の倫理の講義はこの後に聞いたほうがより良いんじゃないかと思うけど、現場や医師の本音と今日の法的建前の間を倫理が繋いでくれて理解は深まりました。


意味がいまいちクリアに説明しきれていない単語をWikiでざっと調べてみました。

安全 - Wikipedia
安全(あんぜん、英: safety、セイフティ、仏: sécurité セキュリテ [1])に関して、安全の国際標準の定義「許容できないリスクがないこと」[2][3]と、「危険をゼロにする(絶対安全)」について解説をする。 概説では、安全を、一般の人々がどのように考えているのか、工学分野の研究者・技術者が20世紀後半(1900年代後半)から最近(2014年時点)においてどのように考えていたかを紹介する。次に、安全の定義や、安全を達成するためのリスクマネジメントについて紹介する。

疫学 - Wikipedia
疫学(えきがく、Epidemiology)は、個人ではなく、集団を対象とした、疾病の秩序ある研究である。疫学は、病気と怪我の頻度、そしてその分布に影響する因子を対象とする[1]。

衛生 - Wikipedia
衛生(えいせい、英語、ドイツ語:hygiene)とは、「生」を「まもる」ことから健康をまもること、転じて健康の増進を意味する。今日では単に清潔のみを意味する場合も多い。また、医学の一分野として衛生学、保健衛生学と称されることもある。


衛生の意味が分かったお陰で、これまでのレクチャーで「??」となっていた部分が一気に明確になりました。

前提すぎて説明なかったので「労働安全衛生管理」と「衛生管理」の言葉のニュアンスの違いがもやっとしてました。スッキリ♪



3日目の3コマ目、有害業務管理・化学物質。

今までの作業環境管理の講義で出た化学物質をより詳しく、測定方法や該当する法令・規制など。

化学の暗記苦手だったので大変だけど、これまでの他の講義のおかげでついてはこれたかな。

感染症勉強するときに、症例に当たるたびに菌や薬覚えたように、実際に有害業務の完備につくことになったら個別に復習すればいいやと思うことにしますー。


また、よくわからない言葉の定義について調べました。

有害業務の定義: 産業医の部屋
労働安全衛生法では、有害業務を定めており、これに労働者を従事させる場合は、事業者にいくつがの義務を課している。その一つが、健康診断である

化学物質 - Wikipedia
化学物質(かがくぶっしつ、chemical substance)とは、分野や文脈に応じて以下のような様々な意味で用いられている言葉である。
→定義いろいろあるようですが、産業医学的には元素および化合物でいいのかな?
意外と用語の定義の説明する講師ほとんどおらず、でも人によって一般用語・臨床用語・法的用語のどれかばらついていて迷います。

中毒 - Wikipedia
中毒(ちゅうどく)とは、「毒に(あた)る」の意味であり、生体に対して毒性を持つ物質が許容量を超えて体内に取り込まれることにより、生体の正常な機能が阻害されることである。

→化学物質暴露によって生じる健康被害の欄に「中毒」て書いてあって、何も説明してないと思うんですけど...

鉛 - Wikipedia
鉛(なまり、英: lead、羅: plumbum、独: Blei)とは、典型元素の中の金属元素に分類される、原子番号が82番の元素である。なお、元素記号は Pb である。

→化学物質のなかでも扱い大きい感じ。国試で勉強したキーワードパラパラ出てもどかしいので別途勉強しよう。講義では測定や法律や、手続きメインで生体にとってどうかの説明がないので。



3日目の4コマ目、放射線はかなりわかりやすかった!

福島原発とチェルノブイリの比較や、医療被曝と生活被曝などを具体的に出しつつ、よくある誤解や実際の対応で大切なところを明確に説明されていた。

また、実際の被曝影響よりも、メディアなどによる不安のほうが流産率への影響があるなども、実際の対応上参考になります。


ちなみに講師は、原発事故後に出来た講座の先生で、その人が作った無料資料はこちら
http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/hosyaeis/hibakuguide.pdf



午後の実習1つ目、個人保護具。

実際にいろいろつけながら、対象とする有害物質と濃度別の選び方を学びました。
いいやつは高価ですね。

でも、保護具バンザイ!ではなく、基本は「元から断つ」。作業環境管理が優先というメッセージ繰り返してたいて、講習全体とブレなかったのがよかった。



実習2つ目は、メンタルヘルスと過重労働面接を一時間ずつ。

基本レクチャー後に面接場面の観察して、実際に意見書書いてからのグループワークでわかりやすかった!

けっこうメンタルヤバイ例を、仕事考えて働かせるとか、健診データ見てまず内科へという意見が多くて、産業医と言えどもメンタルヘルス任せといてオーケーではないんだなと背筋が寒くなりました...


Facebookで精神科指導医からこんなコメントももらいましたよ。
休職していただくときと、復帰のときの判断は常に悩ましいですね。
基本は事業所の「安全配慮義務」と、労働者の「労働力を提供する義務」の兼ね合いです。
公務員であれば「職務専念義務」でよいのですが、民間であれば「就業規則どおりにはたらけるかどうか」の判断になります。
精神科に通院している人でも、主治医には安全配慮義務なんてありませんので、就労の可否は本人と事業所での協議が重要です。

自分→まさにそこで、主治医の意見とは別に産業医の仕事ってどういうことよ?ってのを考えさせる絶妙症例で、その後にいろんな資料見直すと理解が深まりました。
家庭医療で本人の代弁者になることはままあり、事業所と本人と主治医との間をとりもつのはまた違った難しさと面白さとやりがいがあるなと思います。
そして、普段あまり意識しない法律関係の知識と現場とのバランス、そのための倫理やプロフェッショナリズムとかが大事だとも感じました

実習3つ目、トータルへルスプロモーション。
運動処方のための心拍数とかの計算とあとは体力測定。自分は閉眼片脚立位満点でほかは全部真ん中の3点。運動不足ではなくてよかった♪




夜の部 飲み会

SNSで産業医講習参加していることつぶやいていたら声をかけてくださった先生方と飲みに行くことにしました。

つくばの総合を支えてきたスーパー指導医のS先生や、シンガポールからチャリでやってくるH先生や、眼科専門医ながらプライマリ・ケア医や研修医への教育・啓蒙を熱心にされているK先生と、地元のおじさんおすすめのモツ鍋屋と、いろんなビール飲めるお店に行ってきました。

キャリアがバラバラで、かつリアルでは挨拶を1-2回した程度だけどSNSでは顔見知りの人たちと飲んで盛り上がれるのか心配でしたが、それはホント杞憂で楽しい4時間を過ごさせてもらえました。


よその分野の人、よその地域や国の人、違う診療規模や診療報酬体系の人、前提となる臨床のスタンスが異なる科の人などと、あまり壁を感じずに気になったことを素直に聞いてみて、予想を上回るとても面白い答えが返ってきて、それをネタにまた次の話がでてととても刺激的で、ふつーに勉強になる場でした。


最近は学生・研修医飲み会とかが多くて自分が偉そうにしゃべる場面も多かったんですが、久しぶりに思う存分聞き役に徹して、それでも相手の引き出しが尽きることはなく、世の中にはすごい人たちばっかりだな-と嬉しい気分になりましたよ。

また、こういった尖った人たちと話をしていると、いかに自分が地味で特に取り立てて喋らなきゃいけないような主張のない人だな自分とも思いました。

普段やっていることがあまりに当たり前すぎるので、「ねえねえ、俺やってるのもっとすごいよ!」という気になれず、もちろん患者や研修医に対して責任をもってやっているので質が低いとは思っていないのですが、現地で求められているアタリマエのことなので他所の人に声を荒らげて言うまででもないなぁと。

それで良いと思ってやっているんですが、もう少し言語化して、成果も測定士て、啓蒙活動的なことをして征かねばと思うのですが、そういうのはweb上くらいでしかうまくできませんのです。


それでも、ちょろっと呟いたらこういう人たちからお酒に誘ってもらえるくらいには認知されるようになってよかったなー、自分とは思いました。

雲の上に迷い込んでしまった気分です。



明日は、そんな流れは知らなかったように7時半にはバスに乗らねばならんので早く寝ます。

いい気分は長くは続きませんね。



ねます。
えーと、2日目の参加報告です。産業医の短期夏期講習の。


1日目(報告記事はこれ)は午後からだったので2コマ=4時間だけでしたが、今日は朝8時半から12時半までの午前2コマ+13時から19時までの午後3コマで合計5コマ=10時間ひたすら座学オンリーだったので相当きました。

肩と首とおしりと腰と目と頭が痛いです(T_T)


内容は面白いんだけどね、さすがに1コマ2時間は耐えられる連続作業時間とは呼べないし、休憩も5〜15分単位なのでトイレ往復する位の時間しかなくて気分転換しきれないです。

想像を絶するレベルの忍耐力を求められますね。

これがあと3日半続くと思うと・・・_| ̄|しろまる




さてと、今日も合間にSNSで感想呟いたのでまとめておきますよ。

つぶやきでもしないと、前の講義で学んだことをまとめて次の講義に頭を切り替えるの難しいし、「終わったらまとめるぞ!」というモチベーションでもないと集中力が持たないのです。

最終日には久しぶりにTogetterでまとめたりしようかな。


さすがに疲れたので(10時間講義のあと、原稿書き2時間くらいしたのでもう活動限界間近なのです・・・)、講義メモのまとめなどはせず、つぶやきをコピペしてちょっと整える程度で許して下しあ。



開始前:

産業医短期講座、ホテルからのバスで早く来た人向けに「産業医 工藤なごみ」のDVD上映してて、意外に面白い...
人間ドラマや、勤労世代に多い健康問題、新米医師の葛藤など次々来て目が覚めますね
今日と、実習のない金・土にわけて第三部まで流すそうです。

プライマリ・ケア連合学会でも、「家庭医 しろまるしろまる」みたいのやってみたらおもしろいのかな...?


そして、講義開始時間になっても、ドラマがいいところなので始まらないよ。

うちの医局でもワールドカップ中継とかあると医局朝会遅れることあるけど、いいのかコレ??
あ、次回予告とともに始まった


金曜日まで続きが気になる場合は、YouTubeでも見れるようです。
https://www.youtube.com/watch?v=9MCao2lzcKs



2日目の1コマ目は、有害業務管理。
職域有害業務の主に化学・物理・時間的要因について

「一番残念な、産業医として下の下の活動」とは、職場で健康問題が起きた時に現場をしっかり見て作業環境管理をするのでなく、検診して精査や処方や保護具指示などしかしないこと!というメッセージが強烈・明確でした

家庭医療の診察室以外での活動を、職域単位でやるときには産業医学が一番ダイレクトに使える学問って感じがします。当たり前ですが、学んでみて改めて実感。

小児や産婦、スポーツや家族志向、老年や緩和、地域ケアと公衆衛生のように、家庭医の理念を地域の実情に合わせて実践する方法論として必須でしょう。

総合医が、消化器や循環器などのサブスペシャルも深めることは否定はしないけども、ジェネラリストとして地域のヘルスアウトカムに対して責任を持つなら、むしろこういった領域を学び重ね合わせていくほうが良いと思う。

イメージ的には、「総合+狭い領域のサブスペ追加」のT字型でなく、総合に「総合的関連領域」を重ねあうミルフィーユ型とでも言うべきでしょうか。



午前2コマ目 メンタルヘルス
午前講義終えて外出てみると「お、暖か〜い♪」と思ってしまうくらい体冷えました。

講義では、メンタルヘルスについて、幅広く評価・介入すべき点があること、それらを産業医学の5管理で整理して覚えられたこと、労働と関連の強いところから介入すべきこと、メンタルヘルスに関わる役職・職種や制度など学べました。


そして、お昼ごはんの弁当、確かに量多いな。

メタボ対策のレクチャーで「あれ全部食べてるようでは多いよ。従業員しどうしてても、お前に言われたくないって言われるレベル」て言ってたけど、確かに



2日目の3コマ目は健康保持増進の進め方!

ヘルスプロモーション総論的な内容かと思いきや、政策や日本人の健康データを簡単に提示してあとは運動の話に特化(その他の各論は別講義で触れるらしいし、この先生の専門らしい)。

健康日本21で運動習慣は増えたけど普段の身体活動(NEAT)は減ったらしく、またこのニーツが心血管イベントと関連大きい(運動しない人たちの中でニーツ=立位や歩行が多い人は一日350kcalも余分に消費してる!)ので、仕事中の座ってる時間を減らすためのオフィスデザイン、職場体操や、文化系でいいので職場サークルなどを提案していて参考になりました。

「活動」を長く続けられる理由は、「健康のため」でなく「楽しい・感動・居場所・仲間など」なので(という研究結果あり)、「健康のために運動しよう!」ではなく、「何をしてたら楽しいか」を大切にしてそれをたくさんした結果健康になり、その健康を使ってもっと楽しむというのが、真のヘルスプロモーションぽくて納得しました


NEATのわかりやすい解説はこのページとかどうでしょう。重要な概念だと思います。
http://www.karadakarute.jp/tanita/column/columndetail.do?columnId=59



2日目の4コマ目は倫理について。

一臨床医と産業医としての立場の違いからくるジレンマを幾つか例示しながら、法的根拠の違いや穴、法的建前と現場の理想や道徳とのギャップを埋めるものとして倫理を説明されていて、今まで聞いた職業倫理や臨床倫理のレクチャーの中でもかなりわかり易かったです。

患者本人だけでなく周囲の利益も考慮する全体を見る視点は家庭医療と近いけど、労働者と事業主との間では直接的な利害関係の衝突や、損害賠償に巻き込まれうる点などはより慎重で適切な倫理観や法的知識が必要だなと思いました


2日目の5コマ目は作業環境測定の各論

昨日の総論よりも具体的で、その分数式とか設備関係とかの苦手な話が多くてきつかった...
技術者や事業主に委ねる部分と、医療の専門家として目を配るべき部分のメリハリが少しわかったのは収穫。

ていうか、朝から8時間経過していて純粋に身体も頭も辛いよ



2日目最後は作業監理(健康監理・作業環境監理と合わせて3本柱の一つ)。

人間工学と科学的生産監理などを軸に、考え方をわかりやすく提示。理想だけでなく、産業医と現場のプロ達との役割分担についても触れていて現実的。

5分休憩はさんで残り一時間頑張れば、地獄の10時間座学から開放じゃー



そして開放された後は、つぶやく気力も、スマホの電池残量もなく、ただただ放心状態でバスに揺られてホテルまで戻りました。

このままホテルの部屋に戻ったら何かに負けた気になるし、ヘタしたら即寝しちゃいそうだったので、気分転換かねてホテル周辺の散策へ。

飲み屋の多い通りを、ホテルの並ぶ通りの1本奥に発見し、博多ラーメンのお店でバリ硬・替え玉を楽しんで帰ってきました。



あと、SNSだけで交流のある方数名に声をかけて頂いて(自分は近づくまで誰だかわかりませんでした。SNSの顔写真わかりにくい・・・ですよね)、講習期間中に飯でも食べながらお話でもとお声かけいただきました。

自分は社交性がないのでそういうのを自分から申し出たりはハードル高杉ですが、こえかけてもらえたし、もういいかげん勉強だけの毎日は気が狂いそうだし、個人タスクの山もだいぶ越えたので、少し羽根を伸ばしてこようかと思います。

明日は半分実習なので、その後ビールでも飲んだらさぞや美味しいでしょうヽ(= ́▽`=)ノ



でわでわ!
正式名称でいうと「産業医科大学 平成27年度 産業医学基礎研修会 夏期集中講座」ですが、略して産業医夏期講習とでも呼んでおきますか。の1日目が無事終わりました。

今日は、比較的近くから参加する人の都合も考慮してか午後からスタートだったので約半日だけでしたが、色々な学びがありました。



今日SNSで呟いた感想等を並べつつ、適宜補足などしながら今日一日を振り返ってみようと思います。



最初はホテルから会場までのバス移動のシーンで。

バス乗車メンツ見る限りでは、産業医講座受講者はかなり年上のおじさまからおじいさま世代が多い印象です。
ちらほら若めの人がいても自分より上っぽいかんじ。

たしか年齢制限とか医師経験年数の縛りはなかったはずだけど、ある程度責任者クラスとか開業する段階でとかなんだろうか?


と思っていたら、会場ついてみたらいろんな世代の人がいました。

他にも、少し早くついたからぷらぷら歩きまわってみましたけど、大学構内には部活してる学生とか、大学病院内には普通に患者や医療スタッフがいて、普通な感じが落ち着きました。にしても、院内タリーズいいなぁ...

うちの後期研修医とかも、希望者は早いうちに参加させたほうがいいのか、それともある程度経験積んでからのほうがいいのか、今回経験してみて最適な時期とか考えたいです



1コマ目の「産業医学総論」と「労働安全衛生管理体制」

テキスト(当日配布される分厚くて重たい、普通の学会抄録集の倍くらいの厚みのやつ)から項目を抜粋するとこんな感じ。
・産業医学の目的
・産業医学の歴史
・予防医学とリスクに基づく対策
・予防から至適化へ(単にマイナスの除去だけでなくより良い環境等の追求的な)
・最近の労働衛生行政の話題
・労災保険制度
・参考書等の紹介

内容については、想像よりもレクチャーわかりやすくて面白く、配布のテキストへのメモもしやすいのでPC使用禁止でも学習しやすさはかなり良いかんじでした。


意外と、90分びっちりではなく、10分早く終わってくれたおかげで休憩取れました!
タイムテーブルだけみて「休憩無し!」も覚悟してたから嬉しいけど、大学講義の90分を越えるレクチャーはやっぱし辛い。
あと会場内の設備等については、座席の座面は思ったより柔らかくて2時間位ではおしり痛くならなかったですが、空調がきつくて激寒でした。アナウンスでは会場の前のほうが寒いらしいので、明日は後ろの方に座ってみようかと思います。



2コマ目は、「健康管理総論」についてのレクチャー

内容は
・労働衛生の3管理のうち、健康管理についてだよ!
・健診と検診の定義、今日はそのうち定期健康診断について重点的に
・健康管理の目的8項目-継続的な健康状態の把握、業務による健康影響の観察・発見、健康への影響因子の発見、早期発見とその事後措置、適正配置と職場適応の確認、健康保持増進のための健康測定や特定健康診査への代用、労働衛生教育や健康教育へのフィードバック、産業保健活動の目標設定と評価について、それぞれ具体例を歴史的・ニュース的な事例や講師自身の検診データを提示しながら、経時的変化や部署別比較や時代背景の理解の重要性を解説
・作業関連疾患の定義や種類(いわゆるメタボ関連疾患で、職場環境や個人の要因が複数絡み合う多因子疾患的な)
・二次予防から一次予防へ
・ハイリスクアプローチよりもポピュレーションアプローチで
・スクリーニングの検査特性や、検査項目が多いことによる過剰な引掛けについて
・労働者の健康診断の法的側面
・定期健康診断の報告書の記載のポイント
・二次健康診断給付の出る条件(メタボ4つか、3つ+産業医の意見)
・心血管イベントが減らない現状を踏まえてメタボ対策が増えたという背景
・胸部Xp省略基準(結核減ったから)
・再検査と精密検査の目的と内容の違い、その結果の判定・区分や就業区分について
・雇入時検診のタイミングは採用後(じゃないと不当な採用取り消しに、雇入時検診は適正配置のため)
・特殊健康診断の意義、種類
・ヘルスプロモーションと健康日本21について、目標値とその結果・健康管理に有効なのは、結局ブレスローの7つの健康習慣の定着(喫煙しない、適正体重維持、適正な睡眠、角の飲酒をしない、毎日朝食を食べる、間食をしない、有酸素運動を集2回以上)が重要。
・これをポピュレーションアプローチで-日本人全体の収縮期血圧が3mmHg下がると脳血管疾患死亡率10%減、罹患者年間3万人減少と推測!
・実際に講師の教室でやった、栄養介入策、禁煙介入策(超具体的かつ効果絶大!、喫煙室設置がいかにダメか)と肥満対策
・昔は成人病(中高年の病気)→その次は生活習慣病(若い人もなりうるが、本人の責任というニュアンスあり)→最近は非感染性疾患:NCD(むしろ社会環境の影響のほうが大きいので言葉のニュアンスを変えた)。
・非感染性疾患と外因による死亡原因トップ10に絞ると、喫煙がダントツ、次が高血圧、しばらく間が相手運動不足、高血糖、塩分摂取方、アルコール摂取が続き、肥満は11位と県外→禁煙と血圧が大事でそれ以外も検診当日に結果がわかるものがほとんどなので、「健診後」でなく「健診当日」からデキる介入策が大事(第二期特定健診・特定保健指導改定のポイント。
・ちなみに血圧・資質・血糖・よりもタバコが影響が大きいだけでなく、健康習慣の運動・肥満・野菜・休息・飲酒・睡眠の中でも喫煙は圧倒的に悪く、非喫煙者が不健康にしているほうが、喫煙者が超健康に気を使ってもかなわないくらいというデータが最後に。


という感じで、2コマ目の健康管理総論も面白かったです!

内容は初期研修医にしてる健康増進・疾病予防レクチャーとまるっきり同じだけど、国内の最新データ紹介や、研究室で実際にやっている栄養や喫煙の介入研究の成果と理論的根拠の説明が具体的で理解が深まりました♪



3コマ目が、「作業環境管理総論」

内容は、
・3本柱は健康管理、作業管理、作業環境管理で、臨床医からすると「3番目(あんまり重要じゃないおまけ的な)」と思われるかもしれないけど、こっちを改善しないと治療した人がすぐ再発するし、治療して患者を減らしても他の従業員が発症するから残念。すごく大事よ。
・NCDとか健康増進の視点とも絡んで重要。
・産業環境管理の目的とは、ハザードの把握と暴露可能性の把握を経て、リスクを評価してリスク対策をします。危ないものが環境中にあるかどうかだけでなく、それが従業員に高濃度に暴露するかどうかも重要。
・作業環境評価-測定方法とか条件とかを標を用いてかなーり細かく、でも実際の現場で必要なレベルに絞ってわかりやすく解説。何メートル間隔で地面から何センチのところで何分測定して、統計処理はどうやって、とか。作業環境測定士という資格もあるそうで。
・評価結果を踏まえた事後処置まで踏まえて、測定全体の流れのフローシート。A測定とB測定で、第一評価値と第二評価値を組み合わせて、管理区分を第1〜第3に分けて対応がどう変わるかとか
・濃度の単位の%とppmの数学的・感覚的違いや、産業医学的な使い分け方とか
・作業環境測定結果報告書の記載ポイントや、記載するときに誰と協力するとどういいのかとか
・作業環境測定を行うべき作業場について(医療機関も複数当てはまりますね)、
・作業環境改善の基本的考え方は「元から絶て!」で、だめならより枝葉の下流に手を付ける→具体的には危険な物質の製造中止>生産工程の改良>整備の密閉化など>廃棄の工夫>作業環境測定による管理>個人保護具の順番に考える(危険な物質がバンバンできて充満しているのを放置して保護具だけ与えてもダメよ)。


パワポ使ってのプレゼンなんだけど、そのスライドのハンドアウトがなくて、ワード資料だけしか配布されておらず、指示に従ってあちこちページが飛ぶのがちょっと大変でした。

内容的には臨床医学から遠い感じで化学物質名や測定条件とか辛かったけど、公衆衛生や健康増進の視点では超重要な領域でした。

これで苦手意識もへって、明日以降の各論や、今後の自習とかに生きてきそうかな-とは思いました。
また、さすがに普段から寝る人多いらしく(隣の人も寝たりスマホいじったりしてましたよ・・・)、講師の先生が必死に工夫されてたのが印象的。

あと、最初の1コマ目は大丈夫だー手思ってましたが、6時間経つとさすがに尻痛いです。



×ばつ25コマ(一日のうち午前2コマ、午後3コマ)のうち、実習がまる一日分だから5コマあります。

ということは、あとの20コマ=40時間で、今日終わったのはたった3コマなので残り37コマも座学がのこっているのですね。恐ろしや...


感想としては、まだ総論だけだから何とも言えないけど、「レベル的には難しくなく、組織管理に一部でも関わってたり家庭医療学んでれば当たり前な内容や聞いたことある用語がほとんど」という印象で、初期研修後は領域別専門診療だけずっとやっていた人には正直けっこうキツイかもという印象でした。

両隣の人は小児科医と外科系医師みたいでした(内職してた資料の内容的に)が、やはり頷きポイントが自分より少ないようで、暇そうにしてました(内職してちゃダメだろというツッコミは置いといて)。

また、総合診療系の若手が受講する時期としては「家庭医療後期研修の最終学年や、その後のフェロー・スタッフくらいの時期」くらいで受講すると、学習効率最もいいかもです。

後期研修中に産業医活動に関わる必要があれば早い時期がいいだろうけど、ヘルスプロモーションとか関連法令とか出てくるので大変かも(参加して資格は取れても知識が身につくかは怪しい)と思いました。自分は暗記系の講義けっこう苦手なのでなおさらそう感じたかもです。



また、見方を変えてみると「基礎的なことを平易に、圧縮して教えてくれる」ので、むしろ「産業医学に関心はあるけど教えてくれる指導医のいない、小規模な家庭医療後期研修プログラムの研修医向け」としていいかもです。

自分が普段初期・後期研修医に教えてるレベルより少し簡単に、より幅広くって感じですので。

自分も、後期研修中に健康増進とか地域ケアについて勉強するとき、総合の指導医は知識面がほとんどなくて(実戦経験が豊富な人はいても)、外部研修の時に指導医から教わってWHOの英語ページ読んだり、他分野のテキスト読んだりしながらヒーヒーやって必死に勉強してましたが、この講義受けたらあっという間に頭に一回は入ります(それで知識が定着し実践で使えるかどうかはわからないけど)。

ので、「いやー、一応おれ指導医ってことになってるけど、急性期病棟の臨床医学以外教えるのはけっこうキツイんだよね。てか無理なんだけど」という指導医からしたら、研修医をこれに送り出してしまうのが一番手っ取り早いかも(指導医が受講してこいよというツッコミも成立しますね)。


あと、スケジュールの過密さについてですが、今の自分にとって有用な知識や考え方を学べるし、19時にはキチンと終わるし、ホテル周辺はちゃんと食べたり飲んだりスイーツ手に入れたりできるところもあるしでから、想像よりは大変でもないかもとおもいました。

カンファや気の重い面談や時間外複数会議ある日よりはよっぽど自由で充実した感じ。

まだ初日で、しかも半日しか講義受けてない(明日からは10時間ずっと座学!!)からそんなことが言えているのかもしれないですけど。



あと、Facebookで「産業医資格持っていて損はないけれど、大事なのはどこかの事業所の産業医になり、産業医活動で事業所の健康管理に貢献することですね。先生だったらまずは院所の安全衛生委員になっては?」というコメントも頂きました。


それはホントそうだなと思います。

講義ききながら、「あー、あの患者さんたちの職場の産業医やりたなぁ」とか、「上の先生が管理してる中で、どこから引き継いだら地域健康アウトカムへの影響や研修医への教育上いいのかな?」とか「ていうかまずうちの職場の労働衛生管理だよなぁ」とか考えてました。

まだ総論しか聞いていないので具体的なイメージが湧ききっていないところがあるし、なにより自分の職場や地域の現状についてのデータもあんまり知らないので、帰ってからの事後調査を早めにしなきゃとも思いました。

そういう意味では、今やっている地域ケア関係の後期研修医プロジェクトが生きてくると思うし、病院の戦略会議からきっと現状把握のための調査がいろいろ出てくると思うのでそういったものもうまく活用できるような気がします。


いい学習機会を得ると早く現場に戻りたくなるのは、ほんといいサイクルだなと思います。

学ぶために学ぶのではなく、実践しアウトカムを良くするために学べているのでしょう。いいことだ。


プロフィール

けんた

「病院家庭医」なるものを目指して修行を続けています。「気づいたら後ろに道ができていた」と言えるくらいは頑張ってきたつもりだけど、「前を向けば、やはり五里霧中」で日々迷い続けています。

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