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2010年04月22日
日本の水ビジネス輸出の問題点〜A SEED JAPAN勉強会
4月某日、東京の国際青年環境NGO「A SEED JAPAN」の勉強会に呼ばれて、「日本の水ビジネス輸出の問題点」について話してきました。
まず、4月4日の大阪での講演会「水は誰のもの?〜国際NGOの視点から〜」でお話しくださった岸本聡子さんが、1980年代の新自由主義の跋扈を経て、1990年代のアジアやラテンアメリカで実施された水の私営化・商品化の問題点、およびグローバル・ジャスティス・ムーブメントの一環としてTNIが水問題に関わることになった経緯を話し、その結果生まれた「公共の水を取り戻すネットワーク(Reclaiming Public Water Network)」の活動、そしてパブリック・パブリック・パートナーシップ(PUP)の重要性について解説されました。
A SEED JAPANのプロジェクト「ごみゼロナビゲーション」と「ケータイゴリラ」↓
「民か公か、そんなにはっきりと決められないのでは」「水を供給する目的であればどちらでもいいのではないか」という質問に対してつは、「水供給は責任ある公の主体が運営し、市民が監視するのが理想、そのために現在ある公を立て直すのがPUP」、と岸本さんはおっしゃっていました。その具体的なオルタナティヴが、ボリビア・コチャバンバやパリの水道再公営化であり、現在インドネシア・ジャカルタでもその動きがあります。
その後、堀内が「日本の水ビジネス輸出の問題点」と題し、民間企業、行政、業界団体、学者が一丸となって水ビジネス輸出を推進している動きについて話しました。推進派の描くストーリーをまとめたのでそこだけ掲載します。
○しろまる水ビジネス推進派の主なストーリー:
「世界中で安全な水が行き渡っておらず、水質も悪化している。10億人が安全な水を欠く」
→「よって、水需要は今後も高まり続ける」
→「2025年には100兆円規模市場、ビジネスチャンス!」
→「日本の企業は膜処理や海水淡水化など高度な技術を持っている」
→「欧米の水メジャーや韓国、シンガポールなど他国/企業はすでに動き始めている」
→「日本も乗り遅れてはならないが、運転管理の経験がないのでODAを活用すべき」
→「とはいえ、途上国ビジネスはリスクがあるので政府が保証すべき」
⇒水供給を利益追求の対象としてしか捉えず、私営化の失敗事例から学んでいない
A SEED JAPAN事務局スタッフ4名と、水プロジェクトを担当する大学生スタッフ2名、イギリスの水道私営化問題を研究している大学院生が参加してくれました。最後に参加者から一言コメントをもらい、2時間の会は終了しました。
今回、初めてA SEED JAPANの事務所を訪問し、活発にミーティングや作業を行なっている様子を見学できました。メインで関わっているスタッフに大学生が多いのもその理由のひとつですが、新宿にいつでも集まれる場所があり、それを受け入れられるスタッフやインターンなどの制度、的確なプロジェクト・アイディアと広報力、資金調達など、同じ問題領域を扱っているNGOとして見習うべき点が多くあると感じました。
(堀内あおい)
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