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"名手"市原弘大の即効レッスン 17傾斜のあるライ

[ 2024年11月29日 12:00 ]

左足上がりのライでは、フィニッシュまで振り切ろうとせず、フォロースルーで止めるイメージを持つ
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練習場とコースで実際に打つ場合の違いの一つに傾斜があります。一般的に打ち上げホールでは左足上がりのライから、打ち下ろしホールでは左足下がりのライから第2打を打つことになります。アマチュアの方の中には傾斜のあるライを苦手にしている人もいます。市原弘大プロによれば、ボールを上げる意識がミスの原因とのこと。もう一度、傾斜に応じた打ち方を確認し、正確なショットを放ちましょう。

通常、左足上がりのライから打つとボールは高く上がります。なぜなら、本来のロフトよりも大きくなった状態でインパクトを迎えるからです。にもかかわらず、自分の力でボールを高く上げようとする人が少なくありません。

確かに多くの場合、グリーン面がボールよりも高い位置にあるので、高さが必要と思うかもしれません。しかし、無理に高く上げようとすると、ボールをすくい打つため、クラブヘッドがボールの下から入ります。結果、ボールの頭を叩いたり、手前を叩くミスにつながります。

逆説的になりますが、左足上がりのライから打つ時こそ、あえて低い球を打つイメージを持ちましょう。ボールの位置はスタンスの真ん中。アドレスでは傾斜なりに立つ必要はありません。右足に体重を多く乗せ過ぎると、目線が高くなり、すくい打ちの原因となるからです。

スイング中は体重移動を行わず、体の軸を中心に回転しましょう。最も避けたいのは大振りです。平地よりもバランスを崩しやすいので、正確なインパクトを迎えたければスイングを小さくすることです。極端な話、ハーフショットでもいいでしょう。当然、飛距離は落ちますが、その分、番手を上げて対応すれば済むことです。

インパクト以降もフィニッシュまで振り切ろうとせず、フォロースルーで止めるイメージを持ちましょう。また、左足下がりのライから打つ際は、左足上がりよりもさらにコンパクトなスイングを心がけましょう。もちろん、ボールを上げようとする動きは禁物です。傾斜の度合いにもよりますが、ボールを上げようとした瞬間、ミスショットどころか、空振りすらあります。目線よりも低い球を打つぐらいのイメージで十分です。

打ち方は、まずボールをスタンスの中央寄りもやや右に置きます。左足に体重を多く乗せますが、傾斜に沿って立つのではなく、傾斜に少し逆らって立ちましょう。左足上がりのライと同様に、スイング中は体重移動を行いません。

平地よりもボールの右サイドが高くなっている分、それほどクラブを大きく上げていないと感じるかもしれませんが、実際は高く上がっています。左足下がりのライが苦手な人は、腰の高さまでに上げるつもりでバックスイングを行いましょう。

ボールの右サイドが高い分、ボールの下からヘッドを入れようとすると、手前をダフリます。ボールの上からヘッドを下ろしてくるイメージです。あとはそのまま傾斜に沿って、ヘッドを振り抜くだけです。やはり、フィニッシュまで振る必要はありません。ボールにヘッドを当てればいいと思ってインパクトを迎えましょう。

打球が低くなる分、グリーン手前にバンカーがあると、入る確率は高くなります。それでもいいと思って打ちましょう。バンカーを越えようと変に色気を出さないことが成功の秘訣です。

(取材協力=千葉・カレドニアンゴルフクラブ)

◇市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年(昭57)5月29日生まれ、東京都出身の42歳。3歳からゴルフを始め、埼玉平成高時代には日本ジュニア優勝。01年にプロ転向し18年ツアー選手権森ビル杯でツアー初優勝。同年ダンロップ・フェニックスで2勝目を挙げている。1メートル71、78キロ。

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