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「スカーレット」西川貴教が存在感 ジョージ富士川役「一生で二度とない」滋賀愛と金髪"秘話"も明かす

[ 2019年12月28日 08:15 ]

「スカーレット」西川貴教インタビュー

連続テレビ小説「スカーレット」で朝ドラ初出演、世界的な芸術家・ジョージ富士川を演じる西川貴教(C)NHK
Photo By 提供写真

「T.M.Revolution」こと歌手の西川貴教(49)がNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月〜土曜前8・00)で朝ドラ初出演。第77話(12月27日)と第78話(12月28日)で約2カ月ぶりに再登場を果たした。世界的な芸術家・ジョージ富士川役。登場回数は多くないが、今回は主人公夫妻の創作活動に刺激を与えるなど、金髪にド派手な服装の外見とともに存在感抜群。「ヒロイン・喜美子にとってジョージ富士川との出会いが転機となることもうかがい、そういった方を演じる機会なんて一生のうちで二度とないんじゃないかと思ったので」。ドラマの舞台となった地元・滋賀への愛情にあふれる西川に話を聞いた。

女優の戸田恵梨香(31)がヒロインを務める朝ドラ通算101作目。タイトルの「スカーレット」とは「緋色」のこと。フジテレビ「夏子の酒」「妹よ」「みにくいアヒルの子」、日本テレビ「ホタルノヒカリ」などで知られる脚本家の水橋文美江氏(55)が朝ドラに初挑戦するオリジナル作品。"焼き物の里"滋賀・信楽を舞台に、女性陶芸家の草分けとして歩み始める1937年(昭12)大阪生まれのヒロイン・喜美子(戸田)の波乱万丈の生涯を描く。

西川が演じるのは、世界的な芸術家・ジョージ富士川。フランスの美術学校に留学した経験を持ち、コテコテの大阪ことばが特徴。口癖は「自由は不自由やで!」。

ジョージの初登場は第28話(10月31日)。大阪で開いたサイン会に、18歳の喜美子が足を運んだ。「来年、中淀の美術研究所の絵画科に通おうと思っています」「そこ、僕が特別講師を頼まれたところや。ほな、また、お会いできますね。基本を学ぶことは大事なことやで。土台がしっかりして、初めて自由になれる」「はい」「キミコはどんな字?」と会話を交わした。序盤の出番は第28話と第29話(11月1日)だけ。その後、喜美子が信楽に戻ったため、美術研究所で絵画を教わることもなかった。

時は流れ、1965年(昭40)。喜美子は27歳に。ジョージは信楽で実演会を開催した。息子の武志(又野暁仁)が熱を出したため、喜美子は実演会に行けず。しかし、夫・八郎(松下洸平)の計らいにより、ジョージが川原家を訪れた。第78話は、約9年ぶりにジョージと再会した喜美子は言葉を失うが、かつて自分が抱いた夢を懸命に語り始める。そして照子(大島優子)たちも参加し、ジョージによる即興の創作実演が行われた。その姿に刺激を受けた八郎はその後、作陶に没頭。さらに、喜美子にも変化が表れた。土に向かいながら、あふれる涙。父・常治(北村一輝)の死以来、悲しみを抑え込んでいた喜美子が作品を生み出そうと...という展開。

未体験の朝ドラからの出演オファーに、彦根市生まれ&野洲市育ちの西川は「地元の滋賀県を舞台に選んでいただいたこと、そして、その作品に出演させていただく機会を頂けたことは、やはりうれしかったですね」と喜びながら、こう明かす。

「出演の依頼を受けた時、舞台の仕事で大阪におりまして。そこに普段あまり遠方の現場には来ないチーフマネジャーが来ていたのを見て、何かトラブルがあったのか?と思っていました。『なんかあったの?』と聞いたら『なんかありました』と答えるので『何がアカンかったんやろう?』と聞いたら『急きょ、返事をしないといけない案件がありまして...ドラマです』ということで、詳しく教えてもらったら、朝ドラの出演依頼だったんですね。僕は舞台の仕事は定期的にさせていただいておりますが、映像の仕事は本当に久しぶりでした。でも、ヒロイン・喜美子にとってジョージ富士川との出会いが転機となることもうかがい、そういった方を演じる機会なんて一生のうちで二度とないんじゃないかと思ったので、是非やらせていただこうと思いました」

ジョージの外見はド派手。金髪についても「撮影が始まる前の話ですが、早く皆さんに、このジョージ富士川というキャラクターの説明をしたくて仕方なかったんです!撮影に入る直前は夏だったので、季節的にライブやイベントあるんですね。ジョージ富士川という人物がいかなるものかを説明できないまま、金髪の髪色でステージに出ていたので、すごく皆さんビックリされていたと思います。『役作りのためなんです』とは言えなかったので、早くこのジョージ富士川という役についての情報を世に送り出して『あぁ、あの髪色と髪型はジョージのためやったんや』『朝ドラのためやったんや』『役作りやったんや』と思ってもらえるように説明したかったですね。『めっちゃ調子に乗ってるやん、アイツ!』と思われていたと思うので、結構心苦しかったです」と振り返り、笑いを誘った。

役作りについては「我が道を行く人物というか、斬新なアートで時代を切り拓いていく寵児として、その魅力を醸し出せるようなキャラクターにできればと思っています」とプラン。「ジョージ富士川の作品も非常に奇抜で、それによって喜美子にもいろいろな刺激を与えると思います。でも、本人はそれにいい意味で無頓着というか、外からどう見られているかをあまり気にしていない。だからこそ大阪ことばでガッツリ気さくに話していくし、気取ったところもないと思います。ただ、制作に入ると、のめり込むような集中力があるなど、芸術的な部分や何か人知を超えた才能みたいなものを、どこか匂わせることができればと思っています。こんなにフレンドリーなのに、何かか踏み込めない...といった雰囲気を感じていただけるような役作りができればと思いますね」と張り切っている。

11月10日に大阪市内でトークショーを開いた際は「まだ一瞬(2話)しか出ていない。こんなに登場してないのに、7月から番宣で使われていますけどね」と自虐したが、ドラマ後半は信楽に新しい風を吹き込み、喜美子の陶芸人生に影響を与える。

2008年、初代「滋賀ふるさと観光大使」に任命。翌09年からは琵琶湖畔で県初の大型野外ロックフェス「イナズマロックフェス」を主催している。「朝ドラ出演については、地元の方が本当に喜んでくださる姿を感じていて、純粋にうれしいです。僕が出演するということ以上に、皆さんの喜ぶ姿を見ているのがすごくうれしいです。僕が作品や地元に寄与できることがあるのであれば、さらにうれしいです」と地元愛を強調。「滋賀県が舞台の連続テレビ小説『スカーレット』。僕自身も滋賀県の代表でもありますが、この作品を通して、皆さんにもどんどん滋賀県の魅力も知ってもらいたいと思っています。是非とも『スカーレット』をお楽しみにご覧ください」と呼び掛けた。

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