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VOL.202 APRIL 2025
ENJOYING JAPANESE SAKE, NIHONSHU [私が伝えたい日本(日本人インフルエンサー)]日本でおすすめの鉄道旅

車窓から富士山を眺めることができる東海道新幹線。

東京理科大学名誉教授で、日本の鉄道にも詳しい宮村みやむら 一夫かずおさん。今月号では、宮村さんに日本のおすすめの鉄道旅について語ってもらった。

日本では鉄道が長距離・短距離を問わず、主要な移動手段の一つとなっており、ターミナル駅の乗降客数は諸外国と比べて突出して多いことが知られています。そんな日本の鉄道に乗って楽しむ、おすすめの鉄道旅をいくつか紹介します。

山手線やまのてせん(首都環状線)

東京の主要ターミナルを結ぶ環状線の山手線やまのてせんからは、高層ビルが立ち並ぶ大都会、東京の中心街の風景を、一周1時間かけてじっくり観察することができます。この中には、1日の平均乗降客数が約270万人との統計もあり、世界で最も混雑する駅として2022年にギネス世界記録™に認定された新宿駅のほか、外国人観光客にも人気の渋谷駅や池袋駅という駅もあります。ただし、平日の朝と夕方のラッシュ時には著しく混雑しますので、ラッシュ時に利用することには注意を要します。

新幹線(東海道、上越)

時速200km以上で都市間を移動する新幹線の車窓からは、変化に富む日本の風景を効率よく楽しむことができます。東京と大阪を結ぶ東海道新幹線からは、晴れていれば世界遺産の富士山(標高3776m)を車窓から見ることができますし、日本を代表する五つの大都市、東京、横浜市(神奈川県)、名古屋市(愛知県)、京都市及び大阪市間を短時間で移動できます。例えば、新幹線の中の「のぞみ号」ですと、東京から大阪間(東京駅から新大阪駅)で約2時間30分ほどです。

私の最もおすすめの新幹線は、冬季の上越新幹線です。東京駅から新潟駅までの約2時間を移動すると、山岳地帯を貫くトンネル前後で劇的に風景が変わります。雪があまり降らない太平洋側(東京)に対して、北の日本海側(新潟)は豪雪地帯なので、トンネルを抜けると一面が雪による銀世界。まさにノーベル賞作家、川端康成の代表作「雪国」1の世界が体験できます。

山陰(一畑いちはた電鉄大社たいしゃ線、JRさかい線)


島根県の一畑いちばた電鉄大社たいしゃ線からは、日本百景にも選ばれている宍道湖しんじこを眺めながら旅をすることができる。

日本独自の宗教、神道では各地方に八百万の神々がいて、神社に祭られています。日本海側の山陰地方にある島根県出雲いずも市には、この八百万の神が集うという出雲いずも大社たいしゃがあり、島根県松江市から一畑いちばた電鉄大社たいしゃ線を使えば、夕焼けが美しいとして知られる宍道湖しんじこを眺めながら旅をすることができます。また、近くを走るJRさかい線は、妖怪2の里として知られる鳥取県境港さかいみなと市を通ります。ここでは、水木みずきしげる3の妖怪漫画作品、「ゲゲゲの鬼太郎4」をモチーフにした車両に乗車することができます。日本の精神世界を垣間かいま見る旅になるでしょう。


鳥取県の米子よなご駅から境港さかいみなと駅を結ぶJRさかい線を走っている鬼太郎列車。
Photo: ©JR西日本

鬼太郎列車は車内も漫画の登場キャラクターで装飾されている。
Photo: ©JR西日本

宮村一夫
東京理科大学名誉教授。工学博士(東京大学)。NHKの「ラジオ深夜便」で、「てっちゃん先生の旅のすすめ」に出演し、鉄道マニアとしても知られている。主著として「「乗り鉄」教授のとことん鉄道旅」(潮出版社、2021年)、「ゼロから学ぶ元素の世界(ゼロから学ぶシリーズ)」(講談社サイエンティフィク、2006年)がある。
検索:宮村一夫

  • 1. 「HIGHLIGHTING Japan」2024年1月号「川端康成の代表作「雪国」の景色」参照
  • 2. 日本で古くから伝承されている、人の理解を超えた不思議な存在。
  • 3. 水木みずきしげる(1922年生、2015年没)は、日本の漫画家。代表作に「ゲゲゲの鬼太郎」(4参照)、妖怪の図鑑である「日本妖怪大全」などがある。
  • 4. 日本の漫画家・水木みずき しげるの代表作。主人公の鬼太郎をはじめ、多くの妖怪が登場する。

By MIYAMURA Kazuo
Photo: ©West Japan Railway Company; PIXTA

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