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MuSEMの背景

USES

USES(Uniform System for the Evaluation of Substances)は、オランダの国立公衆衛生・環境保護研究所(RIVM)の化学物質評価グループが開発した化学物質のリスク評価手法です。化学物質の排出推定から簡易的な多媒体モデル、リスク評価の考え方などが整理されています。化学物質の排出推定の部分では、詳細なESDが整備されております。このシステムを利用することで多くの化学物質の簡易的なリスク評価を実施することが可能です。

環境動態モデル

[画像:MuSEM入れ子状の領域]MuSEMには化学物質の環境中での挙動を予測するために、多媒体間での排出、分解、移流・拡散等の化学物質挙動を考慮できるMackay-TypeのレベルⅢ(非平衡・定常・移流あり)にあたるSimple Boxが組み込まれています。対象空間として3つの入れ子状の領域(global、continental、regional)を有し、各領域内の媒体間の挙動や領域間の物質移動をモデル化して化学物質の濃度を推定します(図2 USESマニュアルより転載)。環境中の化学物質濃度を計算するために、大気、地表水(河川、湖沼等の陸上水)、海域、土壌(自然地、農地、都市・産業用地の3区分)、底質(地表水及び海水の2区分)中における化学物質の挙動を考慮しています。初期設定では、continentalとして日本列島全体、regionalとして都道府県を選択して予測することができます。


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