排出推定ツールの概要
(注:排出推定ツールは最新OS等への対応ができていないため一時的に公開を停止しています。)
排出推定ツール
本ツールは化学物質の排出推定を実施するためのツールです。例えば
- 化学物質が複数の産業や複数の用途で使用される場合を詳細に推定したい。
- 排出推定の結果を地域配分したい。
- 複数の産業・用途に対して、用途別や工程別に地域配分の条件を設定したい
といった要望に応えることができます。MuSEMを用いても排出推定を実施することは可能ですが、MuSEMにおいて実施することが難しい、より詳細で複雑な排出推定にも対応できることが特徴です。
実行の手順
本ツールを用いた排出推定実行手順と排出推定結果の概要を図1に示します。ユーザーは化学物質の物性や製造輸出入量といった化学物質に関わる情報を入力します。さらに主業種や用途といった化学物質の使われ方の状況をその割合(%)とともに入力します。それらの情報から、排出シナリオ文書(ESD)に従って算出された排出推定の結果を得る事ができます。さらに地域配分根拠データとして例えば3次メッシュの人口や事業所統計の数値などを入力して頂くと、地域配分条件を入力することで、排出推定量を地域配分した結果を外部出力させることができます。
[画像:Emitool実行の手順]
データ群の関係
本ツールでは、化学物質条件、産業区分条件、地域配分条件という3種類の条件を階層的に管理しています(図2)。三階層で管理することにより、例えば同一物質条件において複数の産業区分条件での試算結果を比較したり、同一産業区分条件において複数の配分条件での試算結果を作成したりといったことが容易に可能です。
[画像:EmiToolデータ群の関係]
地域配分根拠データ
地域配分根拠データとして、外部データをインポートする事が出来ます。データはユーザーが準備する必要がありますが、既存の地域メッシュコードやG-CIEMS内で使用しているBasinLinkIDを使用することが可能です。また、ユーザーが独自に作成したコードや、既存の地域メッシュコードの一部を用いることも可能です。例えば、都道府県コードと都道府県の人口データから、人口に比例する形で各都道府県に配分したり、特定地域の3次メッシュコードのデータを整備することで、特定地域を対象とした配分データを算出したりすることが可能です。複数の地域配分根拠データを利用することで、産業区分ごとや工程ごとに異なる地域配分根拠データを設定することも可能です。なお、地域配分根拠データは、MS Accessのmdb形式のみに対応しており、地域区分コードに重複がないことが条件になります。
G-CIEMSとの連携
地域メッシュ別の配分データやBasin別の配分データをG-CIEMSの入力データとして活用することが可能です。ただし、データ形式が異なるために、G-CIEMSのインターフェイスプログラムを用いて作成したEmissionファイルに本ツールで算出した値を入力する必要があります。