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量子生命・医学部門

放射線医学研究所

掲載日:2021年4月1日更新

所長挨拶

cenrer1平成31年4月1日に、QSTが原子力規制委員会から基幹高度被ばく医療支援センターに指定されたのに合わせて、初代高度被ばく医療センター長を拝命しました。これは、QSTが国レベルでの高度被ばく医療を推進するための中核拠点として、全国の他の4つの高度被ばく医療支援センター、そして原子力災害拠点病院や原子力災害医療協力機関と協力、連携して、原子力災害への備えと対応を充実させる大きな役割を担うことに合わせたものでした。しかし、令和3年4月1日、再び部門内再編に伴う千葉地区の組織改編に伴い、高度被ばく医療センターは、放射線影響研究部と放射線規制科学研究部を統合し、放射線医学研究所(放医研)へと発展的に名称を変えることになりました。そもそも第5福竜丸事件への歴史的な関与から、放射線の利用促進と被ばく影響の課題解決の為に設立された放射線医学総合研究所の名称でしたが、今回「総合」という文字は無くなります。

新放医研として、これまで以上に、高度被ばく医療の中心的な役割である緊急被ばく医療への教育訓練、研修指導や人材育成の強化に加えて、被ばく医療と線量評価、そして規制科学に資する技術研究開発に専念し、さらに放射線影響研究の基礎と臨床を推進します。この決意を新たにスタッフ一丸となり、これまで以上に尽力する所存です。

医療の現場では、常に目の前の患者さん、そして被災者自身が生きた教科書であると言われますが、原子力災害や放射線事故に遭遇した被ばく医療の場合でも、従来のガイドラインや想定内マニュアルのみでは対応が困難となります。すなわち、平時とは異なる組織的対応や健康危機管理が必要とされ、人間力が試されることになります。そのための不断の努力と、研究開発の推進という個々人の研鑽に励むと同時に、その支援体制も強化する予定です。

東京電力福島第一原発事故の教訓の一つは、専門知と社会のリスク認知のギャップ、そして課題解決に向けた多職種連携の支援体制の必要性を如実に示した点にあります。これまでのQST活動での幅広い知見と経験を元に、想定外そして危機的状況下でも対応できるような教育指導体制と人材育成プログラムへと深化させる予定です。引き続き、国内外、QST内外の協力を仰ぎながら、全国の大学その他諸機関と連携して新放医研の新たな使命を果たすべく、皆様方のご指導、ご協力を宜しくお願い申し上げます。

令和3年4月1日
量子生命・医学部門 放射線医学研究所所長
​山下 俊一

組織目的

・放射線被ばく患者の診療(線量評価を含む)及びその準備・対応
・上記診療の為の調査・研究・開発
・全国の被ばく医療機関および行政機関等への支援と人材育成
・国の指定公共機関、基幹高度被ばく医療支援センターとしての役割
​・線量評価及び放射線計測技術を高度化するための研究開発
・放射線影響・防護・リスク評価と低減化に関する研究
・東電福島原発事故に関連した環境、生態調査・研究

組織構成

被ばく医療部
・被ばく患者の受け入れ診療
・被ばく医療関連研修
・全国の研修受講者の受講歴情報管理

放射線緊急事態対応部
・原子力災害等における現地への緊急被ばく医療支援チーム等の派遣
・資機材の管理

計測・線量評価部
・放射線の計測
・被ばく線量評価(外部被ばく・内部被ばく)

福島再生支援研究部
・放射性物質の環境中の動態、それによるヒトや生態系への影響等の調査・研究
・一般電話相談

放射線影響研究部
・放射線影響に関する基礎研究

放射線規制科学研究部
・放射線防護に関する科学的知見の収集及び活用
・放射線のリスク評価と低減化及び医療被ばく評価に資する業務

運営企画室
・センター業務の企画、調整

参考リンク

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