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いよいよ新専門医制度が始まりました。専攻医の都市部への偏在や特定診療科への専攻医の募集が少なかったなど、様々な話題が飛び交いました。これからこの専門制度に乗っかっていこうとしている若手医師はきっと不安なことでしょう。そういった課題もありながら4月より専攻医プログラムが始まりました。当院は、内科、救急科、総合診療科の3領域が基幹プログラムをもっており、今年は、内科は6名(定数6名、来年度より7名)、救急は残念ながら応募がなく、総合診療は1名(定数2名)の新専攻医が研修をスタートしました。その他の領域では、外科が3名、産婦人科2名、整形外科1名が新たに大阪大学のプログラムの連携施設として当院で研修を開始しました。制度そのものについての是非、将来にもたらされる医療崩壊や医師偏在の可能性等不安材料は確かに多いと思います。でも、時間は待ってはくれません。これから、専攻医になろうとしている若手医師の先生方、我々と一緒に新しい時代の新しい病院を、充実した専門医プログラムの内容を創っていきませんか。
これから日本の社会は、少子超高齢多死社会になります。2060年には総人口が9,000万人にまで減少し、65歳以上の高齢者が3,800万人あまりになると言われています。そのような社会の中で日本の社会を守るのは、私は医療と教育であると信じています。日本人として生まれ、生きていくことに誇りを持って生活できるためには、健康を保持するための医療の支えと次世代をになう子ども達の教育が今以上に大事になると思います。今、まだスタートしたばかりの制度に対して心配するより、我々医療者に託された日本の将来を少しでもよりよい社会にするために、もっと働きがいのある医療を創るために一緒にがんばってみませんか。地図が整備され、道が見えているわけではありませんが、熱意と信念を持って当院の研修の理念である「教え教えられる文化」のもと、むしろ我々の手で、次世代型「専攻医プログラム」実践版を創ろうではありませんか。
いま、社会の年齢構成が変化し、疾患分布が変化していくなか、病院のあり方、医療のあり方、医師の働き方も変革を求められています。専攻医プログラムも新たな形になりました。『変革はチャンス』私は、将来に対して不安もありますが、わくわくする感じも併せ持っています。「どんな将来が待っているのか?」「病院はどうなっていけばいいのか?」「臨床研修体制はどう改善したらいいのか?」たくさんの?に答え、解決していくことこそ生きていく実感ではないでしょうか。我々の病院は急性期病院として診断・治療に重点を置いて患者さんを診させていただいてきましたが、これからはきっと患者さんと共に、どう生きていけるのか、どう生活していくのかという視点から医療を考えなければいけないと考えています。それには、高い倫理観やコミュニケーション能力やリーダーシップなどが求められるようになるでしょう。全人格的な医療をするには医療者も全人格的に対応できなくてはいけないのではないでしょうか。また、医療機関も役割分担が進めば、きっと医療機関間の序列や高低は少し薄まっていき、個々の医療者の機能発揮、どんなに輝いて働けているかが問われる時代になるのではないかと思います。当院は研究を含めた研修教育を主軸に地域から信頼される医療を南大阪で展開していく病院であると位置づけています。そのために職員一同がんばっています。我こそはと思われる熱意のある先生方、一緒に成長し、時間と場所を共有しませんか?
臨床教育研究センター長 大里 浩樹
〈 各科研修プログラム 〉