バフェットも警戒する"絶好調"の米国株、割高指標と楽観論に死角はないか
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歴史的な割高さが示されている
絶好調の米国株式市場
もともと世界の株式市場における米株独り勝ちは、近年の大きなトレンドの一つだったが、大統領選でのトランプ再選を受けて、その勢いがさらに強くなっている。その一方で、株価の割高さも一層顕著になっている。米国株はその割高さをものともせずにさらなる上昇を続けるだろうか。
現在の米国株式市場は、多くの指標でかなり割高であることが示唆されている。オマハの賢人ウォーレン・バフェットが重視しているとされる通称バフェット指数は、株式市場の時価総額をGDPで割った比率だ。これが100%を超えると相場は危険水域にあるとされる。現在その比率は200%を超えている。
株式の益利回り(株価収益率PERの逆数)と長期金利の差であるイールドスプレッドは、債券と比較したときの株価の割安さを示しているものだが、20数年ぶりにマイナスに転じている。後で詳しく見るが、ノーベル経済学賞受賞者のロバート・シラー教授が提唱する景気変動の影響を除いた調整PER(CAPEレシオ、またはシラーPER)も歴史的高水準だ。
そうしたことが背景にあるのか、バフェット率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは今年に入って株式の売却を進めている。その結果、9月末基準の現金比率は過去最高水準の30%近くに達している。
だが、バフェットを除くと、米株市場は楽観色に包まれていて、多くの投資家は割高さを示すこれらの指標のことをさほど気にかけている様子はない。
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