目の前の相手が「本音で話しているか」「建前を言っているだけか」を見破る"すごい質問"【書籍オンライン編集部セレクション】
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人は誰しも「頭がいい」と思われたい。だから、他人との会話では、知らないことを「知っている」とうそぶいたり、それらしいことを言ったりして見栄を張る。しかし、どんなに表面を繕っても、目の前の相手には「この人、全然ものを考えていないな」とすぐバレてしまうものだ。どうすれば「本当に頭のいい人」になれるのだろうか。
そこでいま「もっと早く読んでいればと後悔すらした」「ぶっ刺さりすぎて声でた」と話題を呼んでいるのが、2023年ベストセラーランキングビジネス書部門で1位(日販/トーハン調べ)に輝いた『頭のいい人が話す前に考えていること』だ。
今回は、本書の著者・安達裕哉氏に、目の前の相手が「本音で話しているか」「建前を言っているだけか」を見破る方法について聞いた。(初出:2023年11月16日)
コミュニケーション能力が高い≠おしゃべりが上手い
――いま書店のビジネス書コーナーに行くと、「話し方」をテーマにした本がたくさん出ています。定期的にベストセラーが出るジャンルでもありますが、話し方に悩んでいる人が多いということの表れなのでしょうか。
安達裕哉氏(以下、安達) 頭の中で考えたことは、最終的に「アウトプット」として相手に伝わるように話さないといけません。なので、考えた内容が正しければ、それを正確に伝える話し方のスキルは非常に重要だと思います。
自分の考えを的確に伝えるのが意外と難しいというのは、日々の仕事や生活の中で誰もが感じていることなので、そういう点では普遍的なニーズがあると思います。
――ひと口に「話し方」といっても、おしゃべりの技術というよりは、「正確に伝える」技術が大事だということでしょうか。実際、アナウンサーやお笑い芸人のように「一方的に話し続ける」シーンは、一般人にはあまりないですよね。
安達 そうなんです。さらに、ビジネスパーソンのコミュニケーションは基本的に双方向、つまり「対話」です。なので、言いたいことを的確に伝える「話すスキル」だけでなく、相手の話の内容や言いぶりから真意を汲み取る「聞くスキル」も同じく重要です。
「話の聞き方」しだいで会話の質は決まる
――一般に、コミュニケーション能力というと「話すスキル」ばかりがクローズアップされがちですが、「好印象を与える話し方」のような一方向的なスキルだけでは不十分だということですね。
安達 その通りです。そもそも、コミュニケーション能力の中核は「相手の思考を読む」ことにあると私は考えています。
聞くスキルが高まると、相手の「本音」を把握できるようになるので、それを受けて「自分が話すべきこと」も自ずとわかります。つまり、聞くスキルと話すスキルには相関関係があるんです。
――話の聞き方しだいで、コミュニケーション全体の質が左右されるということですね。自分が話す前に勝負がついていると言えるかもしれません。
安達 それだけ、聞くスキルが大事だということです。
たとえば、同じサッカーの試合を観ていても、「このスペースにフォワードが走り込んでいたから、いまのパスが通った」と論理的に説明できる人と、「あのパスうまいなあ」という感想しか出てこない人とでは、プレーに対する解像度がまったく違いますよね。
対話においても全く同じです。聞くスキルに優れている人は、相手の言ったことに対する解像度が非常に高いので、単なる感想ではなく「的確な返し」ができるんです。
どれだけ考えても、伝わらなければ意味がない。でも、話し方のスキルだけでは、人の心は動かせない。コンサルで叩き込まれたのは、人の心を動かす、思考の「質」の高め方でした。本書は「頭のいい人」が何をどう考えているかを明確にし、誰でも思考の質を高め、「頭のいい人」になれる方法を伝授します