堀ちえみ、闘病を通して気づいたこと。「残りの人生」をどう自分らしく生きるか
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新型コロナウイルスの感染拡大によって、働き方や人間関係などに大きな変化があった人もいるのではないだろうか。これからどう生きていくのが自分にとって幸せなのか、立ち止まって考えたくなった人にぜひ読んでほしいのが、『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著 藤田麗子訳)だ。読者からは、「1ページ目から涙が出た」「すべての文章が刺さった」「大切な人にプレゼントしたい」との感想が多数寄せられている。歌手、タレントとして活躍中の堀ちえみさんも本書に共感したうちの一人。堀さんは「この本 はまさに人生のバイブル。幸せになれる方法がつまっている」と語る。ステージ4の舌がんの治療を終えたあと、さらに食道がんが見つかり、二度にわたるがんの闘病生活を乗り越えた堀さん。来年にはデビュー40周年のライブコンサートも予定している。今回は堀さんに「我慢しすぎてつらくなっている人」へのアドバイスを聞いた。(第2回/全3回)。(取材・構成/林えり、文・撮影/ryoco)
嫌なことを少しずつやめてみる
――『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』について、「この本のタイトルを見て、我慢しすぎていた自分に気づいた」などの感想が多数寄せられています。
堀ちえみ(以下、堀):人って我慢しがちだと思うんですよね。
とくに日本人は感情を押し殺して声を上げないことを一種の美徳と考える方が多いのではないでしょうか。
しかし、そうやって生きていくと、やはりどこかにひずみが生じていきます。
自分の健康を損うことはもちろん、誰にも言わずに我慢していることでかえって誰かを傷つけてしまうこともあると思うんです。
「自分を出さないで生きていくことはとてもつらい」ということを、わたしは病気を通じて実感しました。
病気になる以前は、期待に応えなければいけないと思ったり、大丈夫じゃないのに「大丈夫です」と言ってしまったりすることが多かったです。
本当は心の中で悲鳴を上げているのにギリギリまで我慢をしてしまい、体裁を気にしてなかなか主張することができない自分がいました。
――我慢しすぎてしまう状態から抜け出すために必要なことはなんでしょうか?
堀:人生って、自分の好きなように生きないともったいないと思うんです。
そのためには誰かのために生きるのではなく、自分の人生を自分のために生きていくことが大切。
自分の嫌なことは本当はしなくてもいいと思うんですよ。
もちろん人に迷惑をかけるのはよくないと思いますが、常識の範囲内で自分の思うように生きていけばいいし、それが結果的に誰かの役にも立つんですよね。
わたしは病気になって、自分の人生はこれで終わりだと腹をくくっていたのですが、幸いにもそこから生還することができました。
せっかく助かったのだから、もう自分の好きなように生きていこうと思えるようになったんです。
だって明日は何が起こるかわかりませんからね。
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