円安136円台、日銀を「フリーズ」させる物価目標政策の呪縛とツケ
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世界で際立つ日銀の「緩和維持」
参院選でも主要争点に
ウクライナ戦争による資源価格などの輸入物価高騰が続き、円ドル相場は6月21日、一時1ドル=136円台と、1998年10月以来、約24年ぶりの円安水準を更新した。日本銀行が動くに動けない修羅場だ。
日銀は先週17日の金融政策決定会合でも、「緩和維持」を決めた。0.75%の大幅利上げを決めたFRB(米連邦準備制度理事会)をはじめ、スイス国立銀行やイングランド銀行など、主要国の中央銀行が利上げを進める状況でも唯一、逆方向の緩和政策を続ける。
FRBは次回7月のFOMC(連邦公開市場委員会)でも0.75%または0.5%の利上げを示唆しており、米政策金利は2022年末には3.4%、23年末には3.8%まで引き上げられる見通し。21日の円安加速も内外金利差がさらに拡大するとの予想からだ。
日銀が「緩和維持」を続けざるを得ない大本は、黒田東彦総裁の下で始められた異次元緩和の錦の御旗となってきた「2%物価目標」だ。安定的な形で「2%」は実現できていないということで旗を降ろすわけにはいかず、物価目標を掲げる限りは緩和もやめられない。
参院選では野党が「物価無策」を岸田政権批判に据える一方で、与党内の財政拡張派からは緩和維持を求める声が強まり、金融政策が政治イシューとなりますます動けない状況だ。
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