トランプ為替介入リスクで揺らぐドル信任、未知の通貨覇権争いへ突入か
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トランプ政権が強める
「ドル安志向」のリスク
米トランプ政権の下で、ドルが国際資金決済などで絶対的な地位を持つドルの基軸通貨体制、あるいはドル一極体制の問題点が際立ってきた。
トランプ政権は今年8月に中国を為替操作国に認定し、国際競争力向上を狙った通貨安誘導策を強く牽制した。しかし一方で、自らはドル安誘導志向を強めているのである。
トランプ大統領は、貿易相手国が不当に通貨を切り下げた結果、ドルが歴史的高水準にまで押し上げられ、これが米国に巨額の貿易赤字をもたらしている、と考えている。そして、日・欧など中国以外の国々でも、金融緩和を通じた事実上の通貨安政策が採用されている、との疑念を強めている。
今後は、日・欧などに対しても、通貨安に繋がる金融緩和の実施を控えることをより強く要求する可能性があるだろう。
また、トランプ大統領は、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利引き下げを通じて、他国の通貨切り下げ分を押し戻す、ドル安誘導を狙っている。中国の為替操作を強く批判しながら自らは為替操作を行っていることになるが、トランプ大統領は「これはドルがその妥当な水準を取り戻すための正常化措置」と主張するのだろう。
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