4〜6月期GDP、景気悲観論を覆した「原動力」とそれでも残る不安
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景気回復基調の継続を確認
高めのプラス成長だった4〜6月期GDP
2019年4〜6月期の実質GDPは前期比年率+1.8%と、市場予想(同+0.4%)を上回る高めのプラス成長となった。昨年後半から本年春にかけては、輸出や生産の減少を背景に景気に対する悲観的な見方が広がり、一部エコノミストの間では、景気はすでに後退局面にあるとの見方も出ていた。
もっとも、過去3四半期の成長率を平均すると年率+2.1%となり、1%程度とみられる日本経済の潜在成長率を大きく上回っている。確かに製造業の生産活動などに弱い動きがみられるものの、景気の停滞感は一部の部門にとどまっている。日本全体の景気動向を表すGDP統計をみる限り、少なくとも2019年前半までは、景気回復が続いたと判断してよさそうである。
景気回復をけん引しているのは、内需である。4〜6月期のGDPを需要項目別にみると、外需の寄与が前期比年率▲さんかく1.2%ポイントと成長率を大きく押し下げた一方、内需の寄与度は同+3.0%ポイントと、堅調さが際立った。
とりわけ好調だったのが、設備投資(同+6.1%)である。9月9日に公表される2次速報では下方修正される可能性が高いものの、これまでのところ輸出の減少を背景に設備投資を先送りする動きはほとんど見受けられない。
一方、個人消費も同+2.5%と高めの伸びとなった。これは、改元に伴う10連休の影響で旅行や外食などのサービス消費が好調だったことや、耐久財消費の一部で10月の消費増税を控えた駆け込み需要の動きがみられたなど、一時的な押し上げ要因が寄与した側面が大きい。ただし、4〜6月期の名目雇用者報酬が前年比+2.0%増加するなど、所得環境の改善が続いていることも、個人消費の回復が続く要因の1つとなっている。
このように4〜6月期のGDP統計では、景気回復基調の継続が確認されたものの、先行きについては、景気の大幅な失速を懸念するエコノミストも少なくない。これは、8月に入りトランプ大統領が対中制裁関税第4弾の発動を示唆するなど、米中間の対立が再燃しているためである。海外経済の不透明感が、設備投資を下押しするとの見方が依然として燻っている。
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