中曾宏氏が語る、金融緩和頼みの「中央銀行愛」が定着する世界の行方
中曾 宏・前日銀副総裁インタビュー
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米連邦準備制度理事会(FRB)が約10年半ぶりに利下げを決め、金融緩和を続ける日本を含め、主要国はリーマンショック(世界金融危機)直後以来の緩和局面に再び入る。「史上最長の好況」にある米国に象徴されるように、景気拡大のもとでなぜ利下げなのか。緩和競争に陥る恐れはないのか――。中曽 宏・前日本銀行副総裁(大和総研理事長)に聞いた。(ダイヤモンド編集部編集委員 西井泰之)
米国10年半ぶりに利下げ
欧州も9月に利下げ見通し
――FRBが31日(日本時間8月1日)、2008年12月以来の利下げを決め、欧州中央銀行(ECB)も25日の理事会で金融政策の先行きを示す指針を見直し、近い将来の利下げを示唆しました。
FRBは政策金利を0.25%引き下げるとともにバランスシート縮小を打ち切りました。予想されていたより早いタイミングで、一気に金融緩和にかじを切りました。
政策金利であるFFレートの先物のカーブをみると、市場は2020年年末までにさらに2〜3回の利下げを織り込んでいます。ECBも9月には利下げに踏み切ると市場はみています。
世界の金融環境は緩和の状況が長くなるとはみられていましたが、緩和的なままどころか、より緩和的な状況に入っていく感じです。
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