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世界経済フォーラムの日本代表に着任した、元インテル日本法人トップの江田麻季子氏。新たなグローバル・アーキテクチャーの形成が求められる「グローバリゼーション4.0」の時代に、日本に求められるリーダーシップとは何かを江田氏と語り合った。
世界のリーダーたちの胸に刺さった
16歳の少女の言葉
藤井 まずは、今年1月の世界経済フォーラムの年次総会、いわゆるダボス会議についてどんな様子だったのかを簡単に紹介していただけますか。
世界経済フォーラム 日本代表
インテル株式会社でマーケティング本部長としてブランド戦略などを統括後、香港を拠点にインテルのアジア太平洋地域のマーケティング活動を指揮し、2013年10月より2018年3月までインテル株式会社 代表取締役社長。2018年4月に世界経済フォーラム日本代表に就任。
江田 今年は110カ国から3000人を超える参加者、60人以上の国家元首や政府代表、国際機関の代表者などが集まり、「グローバリゼーション 4.0 ― 第四次産業革命の時代に形成するグローバル・アーキテクチャー」というテーマの下にさまざまな議論を展開しました。
「グローバリゼーション 4.0」とは、1気候変動、2地政学リスク、3格差の拡大、4デジタル技術の急速な拡大、という4つのドライバーが影響し合い、かつ複雑に絡み合いながら、これまでにないスピードでものごとが変化している時代状況のことを指しています。
そうした時代にあって、SDGs(持続可能な開発目標)が宣言しているような「誰一人として取り残さない」世界を実現できるのか、そこに向けて持続的な発展を続けられるのか。そのためには、従来と違った新しい国際連携の構造、グローバル・アーキテクチャーを形成しなくてはなりません。そういう地球規模の課題について、350以上のセッションで議論が行われました。
今年の年次総会全体を通して私が印象深かったのは、一つは、グローバリゼーション 4.0の4つのドライバーが環境問題、社会課題としてだけでなく、企業経営の中核的なイシューとして議論されていたこと。
もう一つは、若者たちが活発に発言していたことです。この地球は若者たちに受け継いでいくものですから、今回は20代の若者6人に年次総会の共同議長を務めてもらいました。そのうちの1人は日本人です。
藤井 NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの理事長、坂野晶さんですね。
江田 そうです。33歳以下の若者による世界経済フォーラムのコミュニティー「グローバル・シェイパーズ」のメンバーから選ばれた方々なのですが、若者たちの声をしっかりと発信していくことが今年の年次総会の狙いの一つでした。
特に印象に残ったのは、最終日に参加したスウェーデン出身のグレタ・トゥンベルクさんの言葉です。
「大人は次の世代に希望を、と言います。希望など必要ありません。必要なのは、大人たちが現状に対する危機感を高めて、パニックになることです。目の前で家が火事で燃えていたら、すぐに行動を取るように、今すぐ行動してもらいたい。地球は今、火事で燃えている状況にあるのです」
この言葉は、私たち大人の胸に刺さりました。
藤井 グレタさんは、まだ16歳でしたね。私もこの言葉に衝撃を受けました。結局、私たち大人は次の世代のためにまだ何も解決できていない。それを、あらためて認識させられました。
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