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過去最高益を更新する企業が相次ぐなど日本企業は復調しつつあるが、必ずしも「売り上げる力」が伸びているわけではない。それこそが、かつての日本企業の強さである。その本来の強みを発揮できない理由と共に、日本企業が世界で勝つための「現場発の戦略再構築」を考察する。
ポーター戦略論に惑わされた日本企業
欧米流の経営論とビジネススクールが日本企業を弱くした――20年間にわたりマッキンゼーで企業を支援し、現在ビジネススクールで教壇に立つ私がこう言えば、驚かれるかもしれません。
一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授
中でもマイケル・ポーターの競争戦略論は、結果的にではありますが、多くの日本企業を惑わせたのではないでしょうか。実際、日本企業実情に合わない欧米流の経営論をそのまま取り入れようとして、長年にわたって積み上げてきた自社の強みを簡単に手放し隘路に迷い込むケースを何度となく見てきました。
私がハーバード大学のビジネススクールに籍を置いていた1980年代末には、ポーターの競争戦略論は絶対的な力を持っていましたし、大企業を中心に日本でも盛んに学ばれました。しかし当時から私は、ポーターの理論では、市場や企業の進化のダイナミズムが十分に説明できないと感じていました。
特に先の見通しが利かない時代にあっては、まず実践して市場から学び、次の手を打つという試行錯誤を重ねることでしか見えないものがほとんどで、概念が先行する戦略論には限界があります。
日本企業はもともと、概念ではなく経験から学ぶことに重きを置いてきました。欧米流の理論的モデルと比べると地味ですが、現場の泥くさい努力の積み重ねが生産性を高める日常活動を編み出し、そこに本来の強みがあったはずです。
ところが、「グローバル・スタンダード」の下に欧米流の経営論がもてはやされた結果、戦略は上から降ってくるものだというムードがまん延し、結果、現場のミドル機能の弱体化が進みました。
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