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企業の戦略と人事、あるいは組織デザインについて語った本シリーズも今回が最終回。戦略と組織デザインの関係は、どうあるべきか。多くの日本企業で見られる「戦略と組織の齟齬」とは? これまでの論点を振り返りつつ、日本企業が復活し、グローバルで存在感を高めるための道筋についてあらためて考えてみたい。
「社員の幸せの追求」は
企業にとって最優先か?
前回、デビッド・ハナの組織モデルを紹介した(図、再掲)。簡単におさらいしておきたい。
図 組織パフォーマンスモデル
ビジネス環境を基に、自社の強みや競合企業の動向などを勘案してビジネス戦略を策定する。その戦略に基づいて、図の六角形で示した組織デザインを施して組織の文化や行動を変革する。
文化や行動は組織デザインに規定される部分が大きい。たとえば、組織デザインの一角を占める報酬制度。年功序列的な色彩が強いか、成果主義の比重が大きいかによって、企業の文化や社員の行動様式はまったく違ったものになる。したがって、「戦略を遂行するうえで望ましい文化や行動はどのようなものか」を十分考慮しながら、組織デザインに取り組む必要がある。
組織の文化や行動はビジネスの結果を左右する。その結果を基に、必要に応じてビジネス環境の変化に応じて次の戦略を練る。以上が戦略や組織デザイン、組織文化・行動の変革サイクルだ。図には書かれていないが、このサイクル全体を回すために不可欠なエンジンがリーダーシップである。
この変革サイクルの中で、企業にとっての第一歩は戦略である。本シリーズで以前述べたように、戦略は「勝利の定義」「どこで戦うか」「いかに戦うか」を明確に示したものでなければならない。
頑張っても勝てない、つまり勝利の定義を満たせないと判断された場合には、その事業の売却など撤退を検討する必要がある。事業売却で手にした資源は、優先度の高い事業に配分されるだろう。
こうしたビジネス戦略を深く理解したうえで、人事部門は戦略と整合する組織デザインを構想し実現しなければならない。言うのは簡単だが、それは非常に難しい仕事である。
日本企業では、「社員を守るのが人事の役割」と考えている人事部門が少なくない。企業が従業員を大切にすること自体は正しいのだが、それが戦略よりも優先されると、ビジネスそのものがおかしな方向に進んでしまう。
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