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1990年代半ばから、約10年をかけてP&Gはグローバルな組織体制を構築した。以前は現地法人ごとに完結していた組織や制度を、P&Gのグローバル標準に統合するという世界的な取り組みだった。P&Gジャパンにおいても大きな変革が行われた。各種の人事制度をP&G標準に合わせ、同時に新しい時代にふさわしいカルチャーを根付かせる。変革チームは粘り強く、一つひとつの難題をクリアしていった。
経済環境の変化を受けて、
グローバルな組織体制に転換
情報技術の進化や各国の規制の変化などを背景に、経済のグローバル化はますます進展している。あらためて言うまでもないが、大きな契機となったのは1989年のベルリンの壁崩壊である。かつての社会主義陣営はこぞって、世界経済に参加し始めた。
世界経済の一体化が進めば、企業の形も変わらざるをえない。従来、世界的に活動する企業は、国ごとに設立した現地法人にフルセットの機能を持たせていた。経済的な国境の壁が高かったので、企業活動も国単位にならざるをえない面があった。
しかし、1990年代に加速したグローバル化の流れのなかで、こうしたスタイルは次第に時代遅れになった。国ごとにすべてが完結する組織形態は、社員にとっては便利だが課題も多い。たとえば、小さな市場を統括する現地法人ごとに管理部門を設けるのは非効率だろう。しかも、その市場と隣国の市場との垣根はますます低くなっているのである。
こうした変化に対応するため、組織体制の抜本的な改革に乗り出すグローバル企業が現れた。P&Gもその1社である。その取り組みは1990年代半ばから2000年代の半ば、約10年という長い時間をかけて実行された。それほど大規模な機構改革だった。
P&Gの新しいグローバル組織において中核的な役割を担うのが、GBU(Global Business Unit)である。「ビューティーケア」「ベビー・フェミニン・アンド・ファミリーケア」「ファブリック・アンド・ホームケア」「ヘルスケア・アンド・パーソナル・グルーミング」という四つの大きなGBUがあり、各GBUはイノベーションの世界展開をリードしている。
次に、MDO(Market Development Organization)。これは世界中のセールスチームをいくつかの地域に分けた組織だ。たとえば、日本と韓国は北東アジアのMDO、中国と台湾、香港はグレーター・チャイナのMDOがカバーしている。GBUとMDOによりグローバル・ビジネスを縦と横の軸、つまりマトリックス状に管理する仕組みである。
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