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〈事例・ヤマハ発動機〉予算策定プロセスを変革し、トップの意思を反映する予算づくりを推進

2024年08月28日

現場の納得を得ながら進めたプロジェクト

慣れ親しんだ積み上げ型予算プロセスを変革するためには、現場の理解と納得が不可欠だ。YNSプロジェクト最高責任者の小藤氏や、同プロジェクトにおける会計のグローバルプロセスオーナーを務める野田氏など、プロジェクトをリードする面々は各事業との対話を重ねた。

「『シンプルを力に』をどのように実現するのか、新しい予算プロセスがいかに会社と個人を強くするのかを、各事業や国内外の拠点に説明しました。私がよく話したのは、『たしかに最初は負担も大きい。しかし、皆さんを困らせようと思ってやっていることではない』ということです」と小藤氏。そこからスタートして信頼関係を構築し、最後は"腹落ち"まで持っていかなければならない。そのために、対面だけでなくさまざまな手段を駆使した。その一つが、「YNSマネジメントメッセージ」である。

「プロジェクトオーナーであるヤマハ発動機の日髙祥博社長をはじめ、各事業本部長や現場リーダーへのインタビューを行い、『YNSプロジェクトが自分たちにどのような意味を持つのか』『そのためにどのような取り組みを行っているのか』といったことを語ってもらいました。その内容を日本語と英語で、世界に向けイントラネットで発信し、現在も定期的にアップデートしています」と意識変革を現場で担当してきたPwCコンサルティング シニアアソシエイトの藤井茉莉菜氏は語る。

PwCコンサルティング
シニアアソシエイト
藤井茉莉菜氏

「事業や拠点のトップが新たな予算プロセスに同意すれば、次に、それを自分の部下に説明しなければなりませんし、そのためのツールが必要です。YNSマネジメントメッセージはそんなツールの一つです」(小林氏)

KPIコミットメント型予算策定プロセスはまだ始まったばかり。改善事項も多くあるが、来年度予算編成以降でも着実に歩みを進めるという。野田氏は「今回の改革で、予算策定プロセスを2カ月半短縮できました。また、シミュレーションを用いたKPIコミットメント型予算編成を通じて、経営層の目標と、現場の積み上げ結果の乖離が大幅に縮小され、事業ごとにばらつきはあるものの、おおむねそのギャップが±5%に収まりました。目標の調整・交渉ではなく、目標達成に向けた施策検討に注力可能となったことを効果としてお伝えできると考えています」と語る。現場が慣れてくれば、さらなる短縮や精度向上も期待できるだろう。野田氏はSAP製品をてこに活用した予算プロセス変革について、こう振り返る。

「KPIコミットメント型のコンセプトが固まった時点で、『勝った』と思いました。もちろん、そのコンセプトを経営トップ、事業トップ、拠点トップらにいかに納得してもらうかも重要です。こうした点も含めて、PwCコンサルティングにはYNSプロジェクトを引っ張ってもらいました」

野田氏の言葉を受け、小林氏は「このような抜本的な変革に踏み切る際は、クライアント内部だけで進めることには、これまでの経緯、先進的な改革の絵姿への着想、意識変革の点で困難も多い。外部パートナーとして私どもを構想から一貫してご活用いただいたことがポイントとなったのではないでしょうか」と語る。

YNSプロジェクトにおける予算プロセスの変革は、「SAP AWARD OF EXCELLENCE 2024」のプロジェクト・アワードを受賞した。SAP製品をビジネス変革のてこに活用し、ヤマハ発動機の経営の「進化」と「強化」に尽力したことが高く評価されたという。進化と強化は現在進行形である。PwCコンサルティングは新予算プロセスの定着に伴走するとともに、SAP S/4HANAのプロジェクトにおいてもヤマハ発動機を強力にサポートしていく考えだ。

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