ドーパミンやセロトニンなどの 神経伝達物質 を合成する 酵素 の欠損症で、神経伝達物質のドーパミンとセロトニンが欠乏することにより精神神経発達や運動発達の遅れを引き起こす病気です。
日本では10人程度です。
生まれつき運動や神経発達が遅れている人の中にこの酵素の欠損症の人がいると考えられています。
芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)をコードする 遺伝子の変異 によって酵素の働きが悪くなることが原因です。
常染色体潜性遺伝(劣性遺伝) 形式をとる遺伝性の病気です。
身体の動きが悪くなるジストニアや精神発達遅滞が主な症状です。
遺伝子治療が非常に有効な治療法で、日本でも2016年から行われるようになりました。その他、ドパミンの作用を強くする薬やドパミンやセロトニンの分解を抑える薬、補酵素のビタミンB6などの内服が行われていますが、典型例にはあまり効果は期待できません。
早期に診断し治療を行えば 予後 は良好です。
薬の内服を中止すると数時間から数日で身体が動きにくくなるジストニアの症状が発症しますので、薬はきっちりと内服することが重要です。
該当する病名はありません。
・日本先天代謝異常学会ホームページ
(https://jsimd.net/pdf/guideline/CmdS/10_AADC-deficiency.pdf)
治験を実施している指定難病を調べることができます。キーワード検索欄に指定難病名を入力し、検索してください。