クレジット
タイトル: 「POLLYANNA」推進提言、2018年 12月 24日
著者: VideoGameMonkeyMONO VideoGameMonkeyMONO
作成年: 2023
関連ニベル: Zephyr-2991"POLLYANNA",Dusk-514"明鏡之心"
提案者: 世俗の監視者構成員 Molechとその子供たち
参加者: 山岳評議会構成員 Capricorn,黄昏の図書館構成員 Crux,涓流旅団構成員 Lyra,世俗の監視者構成員 Eridanus
記録者: 山岳評議会構成員 Gideon
第一部 Molech主導による解説:
Molech: "以前のニベルにおいて、人間のデータ化について取り扱ったことは覚えておいででしょうか。その中で「人間をデータ化すると総量は600〜700PB、そのうち感情のデータは半分を占める」との事実がございました。こちらの無駄に使用されている感情情報を削減することでDusk-514をより効率的に使用できるようにいたしました。感情の不要な部分とは苦痛やストレスとなり得る部分です。セクター・ウェスト-62では現在同時に100人ほどのデータ化された人間が存在していますが、それら全ての人間が同じ程度に不幸でないと断言できるでしょうか?幸福にも差異が存在するように不幸にも差異は存在するものなのです。ほんの少しでもマイナスになる要因がある以上、我々は取り除かなければならないでしょう。「どこにいようと、どの道を選ぼうと、私たちのゴールはただひとつ、全ての苦しみを終わらせることだ。」"
Molech: "現在の第一目標はエリジアン・ガーデンズでの稼働率及び最大使用人数を二倍にすることです。ここで成功した場合、さらに範囲を広げていくことが可能となるでしょう。エリジアン・ガーデンズにて身の回りのもの全てをデータ化したことによって嘘や疑惑がなくなったでしょうか?答えはNoです。僅か4時間の体験の中でデータそのものについて疑念を抱く者が出てきています。「これは改ざんされたものではないのか?自分のこの記憶は本当にあったことなのか?」と不安に思う者が絶えず発生しています。"
Molech: "日本において技術習得することによって我々は「POLLYANNA」の開発に至りました。使い方は簡単。「POLLYANNA」ポーションをDusk-514に混ぜて飲むだけ。これによりあらかじめ不要な感情をカットすることが可能となり、4時間の有効期限を撤廃することを可能としました。"
Molech: "ここまでの説明でDusk-514のコストはほぼなくなったとご理解いただけたでしょう。今度こそ全ての支部にて受け入れられるものだと私は信じています。これにより評議会はより上位から俯瞰して世界を見ることができるでしょう。あなたたちはもはや全てを手にすることができる「飼い葉桶の中の犬」ではない。図書館はDusk-514を常時稼働することによって実験のための最良の条件を常に維持することができるようになるでしょう。データを手にすることはこの世の全てを掌握することに繋がります。監視者にとっては、もっともよい結末を迎えるのではないでしょうか。苦痛といった感情そのものを消し去ることが我々の悲願なのですから。旅団にとってもDusk-514の使用可能範囲が広がることで大衆を救うことが将来的に可能になるでしょう。したがって、私はこの会合で「POLLYANNA」を使用したDusk-514をニルヴァーナ内で普及させることを提案したい。その後の展開についてはまた議論が必要になるでしょう。以上、質問を受け付けます。"
第二部 Capricornによる意見
Capricorn: "感情の回帰できない以上、この場での判断は難しい。次の検討があるようだしそれまでに実験しておきたい。一つもらっていくよ。"
第三部 Cruxによる質問,Molechによる回答:
Crux: "Dusk-514の開発には私も加わったのでDusk-514についての質問はありません。二つ質問です。まず一つ目ですが「POLLYANNA」を加えるのはDusk-514の永久活動バージョンですか?"
Molech: "その通りです。ただし4時間効能のバージョンでの使用も可能ですが、4時間バージョンでの使用の場合においても不要な感情のカットについては恒久的に発生し続けます。"
Crux: "二つ目ですが「POLLYANNA」の効果を取り除くことは可能ですか?"
Molech: "それは現時点では不可能ですが、研究によっては可能になるとは思います。しかしながら現状それは不要であると考えています。"
Crux: "なるほど、わかりました。質問は以上です。提案に同意します。"
第四部 Lyraによる解説の精緻化
Lyra: "結論は前回と変わりません。Dusk-514及びZephyr-2991の使用を拒否します。感情の欠落そのものが不幸なことであり、その不幸を感じられないことこそ最大の不幸です。"
第五部 Eridanusによる質問,Molechによる回答:
Eridanus: "質問だが、これはどこで入手した技術だ?"
Molech: "先に申し上げた通り日本です。"
Eridanus: "日本のどこだ?"
Molech: "私が潜入していたのは「弟の食料品」です。"
Eridanus: "外部の技術を使ったことに対して問題は?"
Molech: "いえ、全く問題はありませんでした。"
Eridanus: "了解。では監視者としては賛成する。"
第六部 Gideonによる総括:
Gideon: "討論の結果を発表します:賛成2票、反対1票、棄権1票。 Zephyr-2991「POLLYANNA」は会議終了後、黄昏の図書館と世俗の監視者での使用を促進し、セクター・ウェスト-62でのみ受け取り可能とすることを発表します。 会議を閉会します。ご出席に感謝します。"
Molech: "黄昏の図書館並びに世俗の監視者メンバー方、及びCrux様はこの後「私の子供たち」をどうぞご堪能くださいませ。調理は私が担当いたしました。ええ、まったくもって何も問題ございませんとも。"
——山岳議事録2019年1月刊行,第18ページ
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