忘れさせない

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著者: ©︎four Boretto four Boretto
タイトル: 忘れさせない
作成年: 2022


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警告:

以下のファイルはSCP-2316と同様に保存され扱われます。このため、このファイルのアクセスフィルターにはプロトコル-2316が適用されます。
あの日、あの子は幼かった。
プロトコル-2316に適合する職員のみ、閲覧を続行してください。

お使いの端末のマイクにゆっくり、はっきりと、次のフレーズを繰り返してください。

私は水中の死体に見覚えがありません。

[✔] 検証が完了しました。ユーザーのCRVは許容範囲内です。


FILE: 2316ファイルを表示

前文: 以下は監視カメラ-2316-Bの映像記録です。


[記録開始]

<ゴム製のアヒルの玩具(以下、AO-2316-A)が湖の中心に浮遊している>

<無音>

<波の荒れる音>

<AO-2316-Aが小刻みに振動する>

<波の音>

<人間には認識されない10語の言葉>

<AO-2316-Aが水面下に沈む>

<無音>

<SCP-2316の底より何かの潰れる音>

<無音>

[記録終了]

上記のファイルを閲覧する際は、翻訳プロセッサの使用が推奨されます。続行する場合、お使いの端末のマイクにゆっくり、はっきりと、次のフレーズを繰り返してください。

私は水中の死体に見覚えがありません。
あの子はずっとそれを待っている。

[✘] 検証が不十分です。ユーザーのCRVが許容範囲内でないため、閲覧を続行することはできま[["/2af0AA/aa_f5/ve\2円"君に見てほしいものがある


ERROR: ["/file_2A""\oe0[[ファイルを表[//[c7[\

前文: [無効なエントリ]


[記録開始]

< - は湖の中心で浮かんでいる>

- : あ ゝ

<彼はそこにいる>

███: どうして君はまた戻って来たんだ?

- : ま だ あ の こ が い る

███: 彼らの声に答えないでほしい。君には聞こえないように。君はここを去るべきだ。

- : こ こ に い る

███: 彼が誰のことか、まだ忘れていなかったのかい?

- : あ の こ を さ が し て

███: 一体どこに?

- : あ の こ が み ず の そ こ に

███: どうして忘れてくれないんだ。

- : み ず の そ こ に

███: 俺に言わせないでくれ。

- : ず っ と い る

███: やめてくれ。

- : ま っ て い る

███: やめろ。

- : あ の こ が

███: やめろ。

<沈黙>

███: 残念だけど、君が湖に入ることはできない。

- : ど う し て

███: 君がそれを覚えている限り、俺たちはそれを遠ざけ続けるだろう。

- : ど う し て

███: 君は本当に、湖の底に何があるのかを見たのかい?

- : あ の こ が い る

███: (...)君に思い出はない。君に罪はない。君にあるのは、彼に対する未練と、たった10文字の言葉だけだ。その意味も知らない。俺たちは、君がそれを忘れてくれることをずっと願っていたんだ。君たちを悲しませないために。

< - は苦悶する>

- : ず っ と お ぼ え て い る

███: 思い出はそれを覚えていてくれる人がいなければ、消えてしまう。君がそれを覚えていないように。君の言うあの子は、もうここにはいないのかもしれない。そして、君は今それを自ら知ろうとしているんだ。もしかすると、もっと酷い結末が待っているのかもしれないんだ。

- : そ れ で も い い

███: そんなこと言わないでくれ。

- : お ぼ え て い る

███: 痛むんだ。

- : い た く な い

███: 俺たちに言わせないでくれ。

- : わ た し は み と め よ う

███: 俺たちを忘れないでくれ。

- : わ た し が あ の こ を お ぼ え て い る か ら

<何も無い>

███: (...)君がそう言うのなら、彼は湖の底にいるのかもしれない。俺にはそれを止められない。

<沈黙>

███: ずっと底へ沈んでくれ。しばらくすると光が見えてくるはずだ。途中で水が君の行く手を拒むかもしれない。心配しないでほしい。君の彼への記憶が、きっと君を大きくしてくれるだろう。

- : あ り が と う

███: しかし、一つだけ忘れないでいてほしい。俺たちが忘れていないように、彼のことをずっと忘れないでいて欲しい。彼に残されたのは君だけだった。

<何も無い>

- : け し て わ す れ な い

███: 俺だって、一時たりとも忘れたことはなかった。

< - は湖の底へ沈む>

<沈む音>

<沈む音>

<沈む音>

<......>

<何かが潰れる音>

███: (...)今日は良いニュースがあった。俺は彼とその - に思い知らされたことがあった。俺たちはずっと彼らの存在を見ていた。思い出と湖のことばかりを考えていたんだ。

<彼は沈黙している>

あなたは水中の死体に見覚えがありません: 俺たちはずっと一つになる必要があると思っていた。いずれ来る一つになる日を待っていた。この湖の底で本当に思い出は生き続けているとも考えていた。それはこれからも変わらない。

だが、君は違うのだろう。君には時間がある。思い出をわざわざ顧みずとも、そこにいることができる。彼らはそうじゃない。もし君が俺たちを否定するのなら、俺たちはそれで良い。君が水中の死体に見覚えがなくても、それでも良い。君に彼らの声が聞こえているのなら。

聞こえないのかい?



聞こえないのかい?



聞こえないのかい?


聞こえないのかい?

聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こゑないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?
聞こえないのかい?

いや、今は聞いていてほしい。彼らにはこうして湖に浮いているよりもずっと良い、一つの夢があった。君にそれを受け継いでほしい。ほんの些細なことだ。'75年の秋のことを忘れないでくれ。彼らと湖のことを忘れないでくれ。俺たちが卒業するまで、ずっとあの時で止まってしまった俺たちの思い出を持っていてほしい。彼らの願いに応えてほしい。

これを見てくれてありがとう。俺は君を忘れない。彼らはずっと君を覚えている。 - とあの子のことを忘れることはない。ことが全て終わったら、またこの湖へ戻って来てほしい。その頃には、君が彼らや湖や'75年のこと全てを忘れてしまっていることを

願っている。

[記録終了]

Footnotes
. - は彼の友人だった。彼はずっと - を一人の友人として見ていた。あなたはあの子の死体に見覚えがありません。
ページリビジョン: 8, 最終更新: 02 Jul 2024 12:06
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