連邦記録法に則り、以下に電子コピーを掲載
UIUファイル1998-017: コードネーム"レイザーブレード"
概要: 当該容疑者は悪影響なく自身の身体部位の切除と再取付を行う変則性を持つ。フリーの産業スパイや産業妨害者として活動していた。現在は"財団"に拘禁されていると考えられる。
名前: 不詳、別名"ジョン・スミス"
変則性相互参照: アメリカ人、生物学、人間、スパイ
身体的特徴:
性別 | 身長 | 体重/体格 | 人種 | 髪 | 目 | 特徴的属性 |
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男性 | 70インチ(178cm) | 160ポンド(73kg)、中肉 | ネイティブ・アメリカン | 黒色 | 茶色 | 右薬指の第一関節からの欠落 |
能力: 容疑者は見たところ普通のネイティブ・アメリカンの男性であり、切除した自身の身体部位の統制が可能である。部位が分離している間は他の手段のような負傷は見られず、無痛に見える。これらの身体部位を未だに接続されているかのように機能し、更には予想外の方法で筋肉のコントロールを訓練したことにより多くの小さな部位を使用することが可能である。分離した部位は切断箇所に押し付けることで継ぎ目なく再取付することが可能である。
目的/動機: 当該人物は利潤動機で動いていると見られ、主に個人や民間企業からスパイまたは産業妨害者として雇われている。外国勢力のために、あるいはその代理として活動した証拠はない。
活動規範: 当該人物は常に様々な切断用具を持ち歩いており、必要に応じて身体の一部分を切断する。当該人物は換気装置を介して鍵が掛けられた場所に立ち入るため、目、単一の指や舌などの小さな身体部位を使用している。当該人物はまた、手や腸といった大きな身体部位を使用し、絞殺により離れた場所で殺害する。
行動: 他者の安全や幸福を軽視しており、軽度のソシオパスである思われる。積極的に他者を殺傷することはないが、(潜入中に発見されるのを防ぐのに必要な場合を除いて)避けようとはしない。英語、スペイン語、ナバホ語に堪能だが、インタビューや尋問を受けた際は、しばしばナバホ語しか話せないように装っている。主な活動場所はアメリカ南西部だが、ニューヨーク市やロンドンでも目撃されている。本名は不明だが、主に"ジョン・スミス"やそれを変化させた名前を使用している。
A: 人間の指先: 変則性を持つ人物の右薬指と確認された。基部は密封・治療が完了している。現在は活動しており、接触や温度に反応している。
B: ビデオ映像: 容疑者が異常な能力を発揮する様子を初めて収めたフィルム映像のコピー。
現状: 逃亡中、所在不明。
犯罪: 放火、スパイ行為、産業妨害、故殺、第一級殺人
量刑: 判決は未だに下されていない。
UIU活動記録:
1998年03月07日: UIUの監視は、アリゾナ州フラッグスタッフのプロメテウス研究所の研究施設と推測される建造物の裏口で小型の荷物を落としている容疑者の映像を取得した。37分後、荷物は中から開封され、従業員が外に出ると人間の手が這って侵入した。手の上部には眼球がテープで取り付けられている。監視中、容疑者および手と目はこれ以上確認されなかった。
1998年03月09日: 監視下にあった建造物で大規模な火災が発生。後にタンクからの液体推進薬の漏洩が原因と判断された。
2000年01月17日: 二流の陰謀論ニュースレター「インサイド・ナレッジ」が、CIAは「ナバホ族シャーマンの秘められた叡智」を、肉体を分離・再組立する能力を持つスパイを生み出すために利用していると主張する記事を発行した。かつて監視チームに所属していたマッキンタイア特別捜査官は、それをUIU課長に持ち込み、容疑者と接触していた捜査員に対し直ちに逮捕するように指示を出した。
2001年09月09日: 容疑者がテキサス州ダラスのUIU支局外部で発見された。容疑者は異常な能力を使用したにもかかわらず、捜査官によって成功裏に逮捕された。後に"財団"として知られる組織の構成員と確認された複数の人物が突如として拘留施設に侵入し、容疑者を解放した。残存している証拠品は男性用トイレの便器の陰から発見された指先のみである。