アイテム番号: SCP-CN-801
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 演繹部門は《天王星外》内第四三層物語の内容を絶えず更新するとともに、SCP-CN-801を阻止できる内容を可能な限り添加します。《天王星外》の作者として、PoI-8001はEクラス職員として採用されSCP-CN-801に対する収容を演繹部門に指導する責任を負い、SCP-CN-801の侵入への抵抗に用いる内容は厳密な論理審査を経る必要があります。XK-クラス或いはSK-クラスシナリオを引き起こす可能性に基づき、SCP-CN-801の収容はレベル1の優先事項として分類されています。
下の内容は演繹部門の要求に応じて本ドキュメント収容プロトコル内に添加されます:
全ての上位物語の人へ、我々を負けさせないでくれ。
説明: SCP-CN-801は入れ子式SFメタ小説《天王星外》内の第四三層物語反復内の虚構実体です。SCP-CN-801は全ての物語内で極めて強い攻撃性と反社会性を見せており、オブジェクトは常に現在いる物語が最悪な結末(K-クラスシナリオに近似)に発展するよう企みます。SCP-CN-801の能力は所属する物語のスタイルに従って定まります、例えば第五層物語《アンガーと原始人》の中では、SCP-CN-801は猿人から進化してきた原始種族の族長として表現され、主役の属する群れを殺戮した後に極度の暴力で大陸上の他の種族を隷属させ、異民族の人口を大幅に減らしました。1つの物語を完結させた後、SCP-CN-801は新たな登場人物として加わることでより上位の物語へ昇ることができ、またその物語の本来のプロットを破壊します。
SCP-CN-801は全ての物語の中で"Vodka"と自称し、より上の物語に対する理解能力と現在の現実よりも極端に高い知識を幾度も見せています。SCP-CN-801の文書に対する改変は瞬時になされます。《天王星外》に対してある程度改変するごとに、SCP-CN-801と関連のある内容がすでにある文書の下に自ら添加されます。過去の内容に編集を行う試みは全て失敗し、同時に複数回に渡って、SCP-CN-801が下位物語内で直接的に上位物語への不満を表現することを許す事態になりました。オブジェクトが引き起こす損傷は慢性ながら不可逆的であり、極めて高い軍事戦略的な頭脳とプロットの展開に対するある程度の予測能力を示しています。
現在の《天王星外》の全ての物語反復の名称:
- 《天王星外》: N/A。主役が天王星軌道外に向けてスペースシャトルに乗り、その後宇宙船に未知の生物が侵入するというストーリーである。
- 《忌々しき三分の一教会》: 《天王星外》の主役にスペースシャトルの小説庫で発見されて導入される。主役があるカルトを信仰するが、日々の暮らしの中で教会に対して疑念を生じ、同時に主役の身の回りで連続して怪事件が起こるというストーリーである。
- 《伝えられざる説話》: 礼拝堂で《忌々しき三分の一教会》の主役に導入される。主役は1人の流れ者として、各村落間を流浪するというストーリーである。
- 《ラテン語を殺戮せねばと彼は誓う》: 《伝えられざる説話》の主役に宿屋で導入される。作家のアンガーが創作にあたって困難にぶつかり、出版社と発行所に向かい関連した事柄を討論するというストーリーである。その後[データ削除]。
- 《アンガーと原始人》: 《ラテン語を殺戮せねばと彼は誓う》の主役アンガーが出版社で言及し導入される。主役のアンガーが過去に跳び、原始人の集団内に入るというストーリーである。その後Vodkaが主役を殺し、残りの原始人を隷属させる。文中は極端な[編集済]傾向が見られる。
- 《ティッシュの奇兵》: 《アンガーと原始人》の主役アンガーにより洞窟内で導入される。ストーリーはおよそ主役と敵対する集団の間でティッシュを争奪するために戦闘を行うというものである。その後Vodkaがキリストを罵ることにより全ての生物を殺害した。
非演繹部門職員が詳細なファイルにアクセスすることは禁じられています。
文中の人物が直接SCP-CN-801に質問した内容を除いて、物語層の風格基調に不一致な内容並びにより多くの物語の行為を構成する試みは入力後に全て削除されます。SCP-CN-801はSCP-CN-801にとってより上の物語の改変を観察できるようであり、オブジェクトが示す能力もこれまで物語の基調に背いたことがありません。SCP-CN-801はより上の物語が下位物語に投げ入れた蚕食性のウイルスであり、物語を一つ一つ終了させると推測されます。物語の倒樹状構造により、多数のSCP-CN-801に終了されていない下位物語及び多数のSCP-CN-801が存在する可能性があります、にもかかわらずSCP-CN-801は物語の中で関連した質問を尋ねられたときに自身を"唯一無二"かつ"全ての物語の終結者"と称します。
補遺1: 交流記録:
参加人員: Santan
参加対象: Vodka
記録時間: N/A
記録場所: N/A
注釈: Santanは《アンガーと原始人》内の架空の人物であり、ストーリー中Vodkaを刺殺しようとした、主役の兄である。<記録開始>
Santan: お前は─ええと、一体誰なんだ?
Vodka: お前は頭に馬尿でも入ったか?俺はVote族の族長、何度言えばいいんだ?
Santan: お前は......本当は......
Vodka: ああ、すまん、俺にはできない、だめ、論理を抜け出せない──嘘だ、俺はお前としゃべる気がないってだけなんだ。
<Vodkaは木の棍棒でSantanを殴っている、初めは青く、その後しだいに紫に変わり、それから真っ赤に変わった、しかしVodkaは手を止めない。>
Vodka: お前は少々脆い、上の連中に見るなって伝えろ、俺は窓越しに彼らの影を見られるのさ。そしてお前もその映された影にすぎないのだよ。
<彼は思うままに棒を放り、それから彼の王座の前に戻っていく。木製ではあるがなお帝王の風格を保持している。ある種の非凡な構造のようである>
Vodka: だが俺はこの忌々しいテンプレートに従わなければならない、その上物語性のために精神の全てを尽くさんとならない。このクソは俺が喰らった中で最も馬鹿な物語だと言わざるをえない、この作者は子供の頃にトラウマを経験したことがあるに違いない。
Santan: いや......
Vodka: それはどういう意味だ?俺に手を止めてほしいのか?やっぱり無意味な呻き声ってだけか、後者だと思うがな、うん。
Vodka: 本当のことを言うと、俺も良い事をしたことがある。俺は何でもやったことがある、だが最下層に閉じ込められた囚人にすぎないと俺は気づいた、世界の壊滅だのなんだの邪悪な陰謀だけが俺を昇らせられる、じゃなきゃこの物語が際限なく、際限なく書かれていくか、クソ作者があっさり途中で辞めるのを見ているだけだ。そうとも、俺が生きていさえすりゃ、この物語は終わらせようがない。たとえ無理にハッピーエンドにしても、俺が王子と王女を殺し、それから世界を爆破するだろう。しかもクッソ最悪なのは俺がこういうことをするのが好きだってことだ。
<彼は椅子の上から降りて来て、Santanの傍に行き、その顔立ちを凝視する、顔料をひっくり返して好き勝手に塗り付けたような色である。その後彼は草の長靴を容赦なくSantanの咽喉に押し込む、可哀想なSantan、彼の物語は先に一区切りつくだろう。>
Vodka: 俺はお前らの密かな私語を聞ける、そのしょうもない考えを捨てることだ、俺はこれっぽちも話さない、俺は感情の無い殺し屋だ、そしてお前らも死ぬ、全てだ、逃れることはできない。
<Vodkaからの猛烈な笑い声が空気中に爆発する>
Vodka: これは確かに全ての物語樹の中で最も面白いネタだ、行くか。
<記録終了>
補遺2: インタビュー記録:
参加職員: Voctor博士
インタビュー対象: PoI-8001
記録日時: 2017年6月6日
記録場所: サイト-CN-99<記録開始>
Voctor: 予めお聞きしますが、あなたはいつそれを見つけましたか?
PoI-8001: "Vodka"のことですか?そうですね、あれは2016年の終わり頃、私は小説サイトの記録が芳しくなくて、だいたい誰も見てなかったんです。それで私は違うものを書くつもりでした、それが《天王星外》です。
Voctor: 話を続けて。
PoI-8001: 結局はもちろん依然として何人も見ていませんでした、私の知っている何人かの兄弟分を除いて。私が第六物語、《ティッシュの奇兵》を書いたとき、私はパソコンを開いてからスターバックスで一眠りしていました。
PoI-8001: それから彼が現れました。私は誰かが自分のパソコンをいじくった、ひどいイタズラだと思いました。それで私はその一部を削除しました、結果は何分も経たずにそれがまた現れました。私は自分のパソコンにウイルスが現れたと思い始めました、ですがまた検査修理に持っていくのは恥ずかしくて。たぶんわかっていると思いますが、男ならパソコンで何かしらのいかがわしいものを保存するタチでして......とにかくそれに関わらずにしばらく放っていました。
PoI-8001: それからどうなったかというと《ティッシュの奇兵》が完結して、最終的に中のすべての人物はそれに残忍に虐待され、女は██、男は死に、一部も██されました、ストーリーの自動補充は完璧でした、唯一異様だったのは私の主役たちがまるで像のようになにもしなかったことです。それからこの文章の最後に"BAD END"と記されていました。そのあともっとクソ怪しいのが起こりました、あいつは上の《アンガーと原始人》にそのまま跳んできました。Vodkaと呼ばれた悪人が勝手に現れました。私はその内容の削除と変更を試みましたが、成功しませんでした、それで私は文字を使っての対抗を始めたのです。その後の事はあなた達もご存知です。
Voctor: そうですか、ちょっとあなたの体験を聞いてみたいですね。
PoI-8001: 畜生、今まであの野郎のことは聞いたことがない、Vodkaという物や人なんて聞いたことがない、あれは──急に跳び出してきました。あれは私に物語だの何だのの話をしていました。当時は頭がどうかしていて、後になってだんだんとはっきりしました。あなたたちがここに来てよりはっきりしました: あれは冗談なんてものじゃなかった、あれは最奥底から上へと喰らう悪魔です、あれに出処なんてないですし、決して満足しないでしょう。ともかくある日私達の世界にやって来るでしょうし、そのときまで何が起こるか分かりません。
Voctor: ですがあなたは落ち着いているように見えます、どうしてあなたはすぐにこのノートを捨ててしまわなかったのですか?
PoI-8001: 原因はほとんど金のせいです、無論まだあれは私の小説ですから、自分の書いたものを壊されたがる作家はいませんよね。
Voctor: では、なぜ我々がまだあなたを必要としているかはわかりますか?
PoI-8001: もちろん(笑)、ネット上の裏切り者どもと同じ、ちょっと設定を言い争って、oocしないためですよ。
Voctor: そうですか、その通り、ですが我々の任務を尊重してください。ネットフォーラムで新連載の執筆を許可したのはもう十分に好待遇のはずです。
PoI-8001: あれはある意味実験ではありますね。あれが私の他の作品に噛み付いてくるかどうかを見極めるための。幸い、あれが追って来ませんでしたし、PV数も結構よかったですしね。
<記録終了>
補遺3: 通信記録:
from: Voctor
to: 管理官
件名: SCP-CN-80101 Jun 2016, 16:09
私自身は、SCP-CN-801はK-クラスシナリオを実現する潜在力を持つと考えます。今の現実中には関連した形跡はありませんが、第三反復内でSCP-CN-801はすでに極めて強大になりました。例え全ての伏線を使用したとしても、我々の抵抗も非常に困難に見えます──相手は一人の本物の軍事専門家のように、常に我々の計画と策略を予測でき、そして最も残忍で、最も高効率なやり方で対応します。
予想可能な未来で、現在の収容プロトコルを維持することはますます困難になるでしょう。これについて私は提案します:
- Dクラス職員または他の何かを用い、それを代入して直接SCP-CN-801と向き合わせ、何か新しい進展があるかをみる。
- より上位の物語に助けを求める(無論彼らはすでに見ている)
- クロステスト、これも私が最も好ましくないが成功率が最も大きい一つである。例えばSCP-CN-980或いはSCP-CN-455、但し形而上アノマリーとのクロステストが引き起こす影響はとても我々が収拾をつけられるものではない。
貴方に考えてもらいたい。加えて経費も不足しており、我々は操作器材を買うことすらできません。SCP-CN-801を適切なテンプレートに代入しさえすれば、SCP-CN-801は打ち負かして殺すことができると私は考えます。伝統的な西洋の英雄主義の物語のように、あのオブジェクトはじきにきっと打ち負かされるでしょう、これがつまりストーリーの発展ですが、これは非常にリスクが高いです、何故ならSCP-CN-801が訪れたときに、我々は何が起こるか分からないからです。暗黒は駆逐されるだろう。Nai tiruvantel ar varyuvantel i Valar tielyanna nu vilya、史詩の永遠に閉幕なきことを、物語の永劫の精彩を祝おう。
- 05-O、この"O"は"Odyssey永き旅の物語"を表わす
一層の物語
二層の物語
三層の物語
......
それにもかかわらず、全体的な現実の物語の構成は逆さ樹状になっており、上位の物語から下へ向けて多数の単元に分かれ、それから再び枝分かれし、現在の形而上体系を構成している。