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Info
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翻訳責任者: fish_paste_slice fish_paste_slice
翻訳年: 16 Apr 2019
著作権者: Abigail_Ade Abigail_Ade
原題: SCP-CN-792 - 铃兰路灯
作成年: 21 Dec 2018
初訳時参照リビジョン: 13 Jan 2019
元記事リンク: https://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-792
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アイテム番号: SCP-CN-792
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-CN-792はサイト-CN-34内の20m*20m*6mの標準栽培温室に収容されています。オブジェクト収容に参加する職員は、職務に入る前に身元調査を受け、過去に犯罪行為の経歴がなく、また職務中に重大な過失行為がなかったことが確認されなければなりません。オブジェクトの影響を受けSCP-CN-792-1に変化した一般人に対してはクラスA記憶処理を施した上で解放します。SCP-CN-792-1に変化した財団職員は心理カウンセリングを受けた後、元の職場へ復帰することが可能です。現在、SCP-CN-792に対する実験は無期限に停止されています。
説明: SCP-CN-792は高さ約5メートルの大型草本植物です。その外観は、等比拡大されたスズラン(Convallaria majalis)に相似しています。オブジェクトの花蕊は軽微な認識災害を起こす白色蛍光を発生させ、影響を受けた人間は「安心感を得て」更にSCP-CN-792へ接近する傾向があります。オブジェクトの茎部は回転能力を有するため、オブジェクトから10m以内の人間に対しては効果範囲を離れるまで光線を照射し続けます。
不定期的に、原理不明の空間異常効果によって一名または複数名の人間(SCP-CN-792-1)が、SCP-CN-792の周囲10m以内に転送されます。対象の大部分は、短期的に記憶の混乱が生じ、自身の置かれた状況に疑問を持ちます。更なる調査の結果、全てのSCP-CN-792-1には一定程度の身体障害を有します。この障害は、過去の経験を遡ってその原因を特定することが可能です。
20██年██月██日、「動く植物街灯」に関する噂がインターネット上に広がり始めました。財団情報部は迅速に反応し、情報手段を頼りに、上海市███区の歩行者道上でSCP-CN-792を発見しました。直後に駆けつけたエージェントによって対象を事前に調整された収容室内へ移植し、関係者へ記憶処理を施しました。
以下はSCP-CN-792-1の経歴調査記録の抜粋です:番号 | 欠損部位 | その他の情報 | |
---|---|---|---|
001 | 右足 | 女、上海市██大学へ通学する。不注意で階下へ落ちたことによる右足の不随。 | |
015 | 声帯 | 男、██テレビ局記者。腐食物質の誤飲による発声能力の喪失。 | |
037 | [編集済み] | 男、中学教師、既婚。欠損の原因は幼年時の不慮の事故である。 | |
152 | 左腕 | 153と兄弟関係にある。自動車事故により左腕切断。 | |
153 | 左腕 | 152と兄弟関係にある。同一の自動車事故により左腕切断。 | |
298 | 両手 | サイト-CN-34のセキュリティ管理官に就任、財団加入前の機械事故により両手を喪失。 |
備考: SCP-CN-792-1-298は財団に加入する以前は歯車仕掛正教の構成員でした。倫理委員会の要求により、対象は心理カウンセリングを受けた後に本来の職位へ復帰し、一対の機械肢が配備されました。
SCP-CN-792の調査には不可解な疑問点がある。
安全を考慮すれば、Euclidクラスのオブジェクトに対する実験にはDクラス職員を優先して使用し、その相互協力のもと実行されなければならない。しかし現在SCP-CN-792に対する全ての実験は、研究員によって直接実施されている。この過失の原因ははっきりとしない。
CN-792-1に対する身元調査では、これらの人物達の経歴がしばしば常識の錯誤や信用に値しない程低確率な偶然の一致に満ちていることが判明した。サイト-CN-34のセキュリティ管理官もまた例外ではない。歯車仕掛正教の構成員が自身の身体を欠損してなお、機械の四肢を使用ないままでいるなど、これは明らかに道理に合わない。
更に具合が悪いのは、我々がここ二ヶ月で直面している、Dクラス職員の深刻な不足状況だ。この不足は原因不明で、サイト内には失踪したり、欠席したDクラス職員は存在しない。私は、この件とSCP-CN-792との間に未知の関係が存在すると推測している。
このため、SCP-CN-792の実験は私の権限において、通知が成されるまで無期限に停止する。そして、時間異常関係部門職員に技術的サポートを要求する。
事故説明: 20██年██月██日、サイト-CN-34で原因不明の収容違反事故が連続して発生しました。緊急対策チームは事故現場において、激しい戦闘の痕跡及びネオサーキック構成員により作成されたと思われる多数の魔術装置を発見しました。しかし、監視映像はサイト-CN-34へ進入する敵対的存在は一切記録していませんでした。事故の収束後、現場整理担当セキュリティ職員が、SCP-CN-792収容室の扉が未知の外部からの力によって破壊され、さらにオブジェクト付近に四名のSCP-CN-792-1実体が出現しているのを発見しました。
CN-792-1のうち一名の身体は左足、左肩、左目、左外耳、舌頭及び全ての歯が欠損し、X線検査では対象の質量の約30%の内臓器官が摘除されていました。別の一名の身体は四肢、両目、鼻骨、両外耳及び内耳が欠損しており、残る二名のSCP-CN-792-1は四肢、両目、両耳、鼻骨、下顎及び[編集済み]の全てが摘除されていました。対象は全員常時、或いは断続的に聞き取りづらい悲鳴や助けを求める声を発していました。
四名のCN-792-1は全員、傷口から継続する出血により48時間以内に死亡しました。検死の結果、これらの死体にはサーキック・カルト教派の儀式活動に類似する創傷が確認されました。また、対象の大脳領域の一部が正確に破壊されており、痛覚抑制能力と昏睡する能力を喪失していました。
オブジェクトとの収容プロトコルは更新され、時間異常部門職員は現実再構築効果が発生していないか調査します。
スズランの灯は贖罪の方向を修正し、社会の方向は今一度修正される。
彼らの罪は代価を支払うだろう、彼らの罪は償わるだろう。
スズランは彼らの肢体を奪うだろう、スズランは彼らの罪を修正するだろう。
サーキック・カルトのカス野郎共。お前らの罪は全身遍く流れる血の一滴一滴に及び、お前らの悪行は未来永劫決して贖われることはない。
お前達は市民を誘拐し、彼らを生きたまま切り刻み、彼らの血肉を魔術の素材とした。その時、お前達の支払うべき代価は決まったのだ。
激痛、それが代償だ。
——花匠-11-タンポポ