SCP-CN-3100
評価: +28

クレジット

タイトル: SCP-CN-3100 - 奈何ぞ死を以て之を懼れしめん
翻訳責任者: dhueguang dhueguang
翻訳年: 2024
原題: SCP-CN-3100 - 奈何以死惧之
著作権者: TobiasReaper TobiasReaper
作成年: 2024
初訳時参照リビジョン: 36
現参照リビジョン: 37

評価: +28
評価: +28

アイテム番号: SCP-CN-3100

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-CN-3100の収容は不要です。

説明: SCP-CN-3100は任意の人数からなる(人類全体を含む)人間の集団/個体を統一された指揮管理に完全に従わせる方法、及び政治実体が当該手法を実施した記録が存在しない理由に関する幾つかの推測の総称を指します。シミュレーション実験によると、SCP-CN-3100は任意の物語層、任意の多元宇宙内に存在する任意の知的生命体に対しても効果が発生します。人類文明の発展を促すためのSCP-CN-3100の使用に関する議題は監督評議会で討論が続いています。

2022年8月16日、SCP-████が収容違反しました。その異常性の特殊さから、財団は365日以内に地球各地で全人類を動員して、通常の石材を材料とした膨大な労働力が求められる████8000基を建造する必要に迫られました。この全過程では産業革命以降の機械構造が使用できず、上記条件を達成した場合のみSCP-████の再抑制が可能になります。抑制に失敗した場合、財団及び財団に従事する全職員の存在は抹消され、財団が収容するアノマリーは全て収容違反とみなされ、人類文明に壊滅的打撃をもたらすことになります。

複数の原因により、タイムワープ装置を用いた試行錯誤を経ても、財団が武力手段によって全世界規模で長期間統治する試みは失敗に終わりました。他のアノマリーのサポートによる抑制も成果が得られませんでした。現実改変兵器、ミーム兵器、物語理論兵器、因果律兵器は全てSCP-████の異常性を相殺できないと証明されました。最終的にSCP-CN-3100の助けの下で財団は抑制条件を達成し、自身の存続を果たしました。

補遺: 参考用記録抜粋


抑制記録-CN-3100-1

日付: 2022年8月17日

過程: 当日早朝5:00(UTC-5)、財団はヴェール崩壊を宣言した。世界各地の財団武装兵力が直ちに現地の体制を接収管理し、各国政府内部の反抗者を粛清した。7日後、財団は北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアの接収管理に成功、上記エリアの反対派武装勢力は基本的に鎮圧され、建造作戦を即刻開始した。

しかし、財団中国支部の接収管理計画初稿はスパイの密告により知れ渡り、交渉を通じても政府が財団の主張を認めることはなく、民衆も総じて財団の作戦を支持しなかった。中国軍は深刻な損失を受け入れた上で中国支部各大型サイトの連携攻撃の分断を強行し、続けて東アジア地域での斬首作戦と接収管理の全面的遅滞をもたらした。

8月26日、GOC、カオス・インサージェンシー及び一連の反対派超常団体の残党が東アジア地域へ移動し、そのまま当該エリアの反抗を支援した。特にカオス・インサージェンシーが提供した██████は財団による中国支部への支援をひどく阻んだ。10月9日、財団中国支部、韓国支部、ベトナム支部は完全に陥落した。

当初、財団の東アジアでの反攻は兵器による膨大な優位性から速やかに進んだ。10月13日、GOCの残党は一部の極めて脅威的な対アノマリー兵器の製法を不法に公表し、中国は数週間の内に対アノマリー戦闘能力獲得のために陸空軍部隊を完全に武装した。翌年3月20日、財団は重大な損失を被って以降、西部山岳地帯の防御戦線の突破に成功しなかった。注意すべきことに、任務の特殊性から財団は世界各地の人口に極力損失を与えてはならないため、大規模な殺傷兵器は戦争のほとんど全過程で使用できず、複雑な山岳地帯や農村などの地域での粛正は困難を極めた。武力による接収管理計画は完全に破綻したことが証明され、財団はタイムワープ装置の起動に迫られた。

結論: 失敗。


抑制記録-CN-3100-2

日付: 2022年8月17日

過程: 当日早朝5:00(UTC-5)、財団はヴェール崩壊を宣言した。世界各地の財団武装兵力が直ちに現地の体制を接収管理し、各国政府内部の反抗者を粛清した。財団は事前に中国支部のスパイ問題を調査及び対処した。7日後、財団は世界各国を順調に制圧し、建造作戦を即刻開始した。

11月3日、アフリカの一部地域で人道主義的問題が発生。11月12日、管理の不手際から、アフリカ中央部を中心に多くの開発途上地域で労働者の餓死や病死の報告が上がった。11月20日、ヨーロッパ、北アメリカ、アジアで大規模な抗議事件が勃発。全て財団により速やかに鎮圧されたものの、各地の市民の強烈な不満感を引き起こし、多くの警備地域の治安が急激に悪化した。

12月8日、ドイツ国籍の反乱者Karl Latzelが主導する反対派武装勢力が中央ヨーロッパで暴動を起こし、武装勢力はGOC残党の支援を得て非常に強化された。防御の備えがなかったドイツ支部、ポーランド支部は短期間の内に多くのサイトを失い、その後も暴動は遊撃の形で続いた。翌年1月20日、この暴動は主導した民衆の支持により中央ヨーロッパ及び西ヨーロッパ地域での全面的暴動に変化した。これはMC&D社残党による経済的援助を受けていた疑いがある。財団は大多数の都市部を制圧したものの、広大な地方部は反対派武装勢力により完全に掌握され、派遣した各支部の機動部隊はMC&D保有の███の影響で掃討任務の達成が困難であった。5月16日、財団は世界の他の地域で████の建造過程を完了したが、ヨーロッパ地域だけは暴動と襲撃を受けたため終始竣工が果たされなかった。抵抗を鎮圧する試みは最終的に破綻した。財団はタイムワープ装置の起動に迫られた。

結論: 失敗。


抑制記録-CN-3100-3

日付: 2022年8月17日

過程: 当日早朝5:00(UTC-5)、財団はヴェール崩壊を宣言した。世界各地の財団武装兵力が直ちに現地の体制を接収管理し、各国政府内部の反抗者を粛清した。財団は事前に中国支部のスパイ問題を調査及び対処、Karl Latzelを逮捕及び終了し、ドイツ地域の駐屯防衛職員を増やした。8日後、財団は全世界の体制を接収管理し、建造作戦を開始した。

11月4日、各サイトに人民の暮らしを重視するよう求めたにもかかわらず、アフリカの一部地域で人道主義的問題が発生。11月15日、管理の不手際により、アフリカ中央部を中心に多くの発展途上地域で労働者の餓死や病死の報告が上がった。11月20日、ヨーロッパ、北アメリカ、アジアで大規模な抗議事件が勃発。全て財団により速やかに鎮圧されたものの、各地の市民の強烈な不満を引き起こした。特に中国の市民の反抗感情は最も強烈で、人口の密集により制御の維持は困難であった。

11月23日、中国国籍の反乱者Pingzhi Liuが主導する反対派武装勢力が抗議集団の中に混じり、財団武装職員の警戒が行われていない中で突如として襲撃を始め、即座に██の都市全域での暴動をもたらした。サイト-CN-183所轄部隊は暴動の群衆への攻撃を拒否し、サイトは陥落した。この暴動はほどなくして中国地域の広範囲集団反乱に進展し、GOC残党と一部の財団中国支部離反者の支持を得た。暴動は急速に広まり、大量のアノマリー兵器の援助を受けて鎮圧が特に困難になり、最終的に反対派は山岳部に拠点を構えて武装し、多数の地方部で巡回遊撃する局面を迎えた。

翌年6月27日、財団は膨大な損失を承知の上で当反対派が武装する最終拠点を掃討し、その場にいた構成員は最後の掃討作戦で拠点を固守しながら亡くなった。しかし、この時点で人々を組織し████を建造するための十分な時間は残っていなかった。抑制計画は実行不可能となり、財団はタイムワープ装置の起動に迫られた。

結論: 失敗。


抑制記録-CN-3100-4

日付: 2022年8月17日

過程: 当日早朝5:00(UTC-5)、財団はヴェール崩壊を宣言した。世界各地の財団武装兵力が直ちに現地の体制を接収管理し、各国政府内部の反抗者を粛清した。財団は事前に中国支部のスパイ問題を調査及び対処、Karl Latzelを逮捕及び終了、Pingzhi Liuを逮捕及び終了し、ドイツ、中国地域の駐屯防衛職員を増やした。8日後、財団は全世界の体制を接収管理し、建造作戦を開始した。

10月初頭、監督評議会はアフリカなどの建造計画の監督のために機動部隊数隊を直接派遣した。しかし、10月21日の統合レポートによれば、アフリカなど発展途上地域の客観的物質条件では作業量が膨大な████の建造と民衆の生活の保障を1年以内に両立することは事実上不可能であった。11月10日、各サイトに人民の暮らしを重視するよう求めたにもかかわらず、アフリカの一部地域で人道主義的問題が発生。11月20日、アフリカ中央部を中心に多くの発展途上地域で労働者の餓死や病死の報告が上がった。11月29日、各大陸で大規模な抗議事件が勃発。全て財団により速やかに鎮圧されたものの、市民の強烈な不満を引き起こし、多くの警備地域の治安が急激に悪化した。

12月6日、インドで未知の伝染病が発生。深刻な病状と致死率から、短期間で南アジアの数ヶ所の警備地域の行政指揮が麻痺した。12月17日、SCP-038や通常のクローン装置によるSCP-500の複製品の民衆への大規模支給をサイト管理官数名が申請した。監督評議会は大規模な複製操作が極めて複雑で時間を要すること、及びSCP-500を大量に損耗するリスクから拒否した。12月、伝染病はアジア、東ヨーロッパへ大規模に拡散した。

翌年1月17日、伝染病の影響で、財団は中央アジア、ロシアでの制御力を削られた。イラン国籍の反乱者لیلا خسروشاهی、ロシア国籍の反乱者Владимир Соколовがそれぞれの農村部で武装暴動を主導した。財団が鎮圧部隊を派遣する前に、崩壊済であると誤って判定されていたイスラム・アーティファクト開発事務局が反乱軍と全面的協力を果たしていた。地域の混乱の中、財団による反乱の鎮圧は遅々として進まず、またイスラム・アーティファクト開発事務局が用いた財団も認知していなかった古代のアノマリーにより幾度も阻まれた。ロシア地域では蛇の手残党の活動の疑いがある。

4月8日、財団はアジアに駐屯兵力の配置を集中した後にテヘラン、イスファハーン、タブリーズ、バクー、ヴォルゴグラードなどの都市を再度占領し、反乱は農村地帯や山岳部まで概ね縮小した。しかし、前線に焦って後方の政権安定任務を怠ったため、インドでの伝染病の情勢が急激に悪化し制御困難になった。多数の市民が死亡ないし逃亡し、多くの建造地点が放棄あるいは混乱の中で破壊され、期限内に建造計画を完了することは不可能であった。財団はタイムワープ装置の起動に迫られた。

結論: 失敗。




[無意味な実験記録を省略]


抑制記録-CN-3100-147

日付: 2022年8月17日

過程: 当日早朝5:00(UTC-5)、財団はヴェール崩壊を宣言した。世界各地の財団武装兵力が直ちに現地の体制を接収管理し、各国政府内部の反抗者を粛清した。財団は事前に中国支部のスパイ問題を調査及び対処、Karl Latzelを逮捕及び終了、Pingzhi Liuを逮捕及び終了、لیلا خسروشاهیを逮捕及び終了、Владимир Соколовを逮捕及び終了、Infant Abbottを逮捕及び終了、Jaleena Bishopを逮捕及び終了、Лена Андреевнаを逮捕及び終了、Виталий Петровичを逮捕及び終了、Pierre Dupontを逮捕及び終了、François Martinを逮捕及び終了、Julie Andreauを逮捕及び終了、Валентина Александрівнаを逮捕及び終了、Shengque Xiaoを逮捕及び終了、Kristoph Austinを逮捕及び終了、Amando Brightを逮捕及び終了、Eliuth Earwoodを逮捕及び終了、Juhong Murongを逮捕及び終了、Yueyan Qinを逮捕及び終了、Xilin Duanを逮捕及び終了、Святослав Иосифовичを逮捕及び終了、Hilery Griffithを逮捕及び終了、Lisa Millerを逮捕及び終了、David Leeを逮捕及び終了、Jane Doeを逮捕及び終了、Michael Johnsonを逮捕及び終了、Emily Brownを逮捕及び終了、John Smithを逮捕及び終了、Sarah Williamsを逮捕及び終了、Alex Johnsonを逮捕及び終了、Laura Davisを逮捕及び終了、Henry Brownを逮捕及び終了、Eva Williamsを逮捕及び終了、Sam Brownを逮捕及び終了、Daniel Williamsを逮捕及び終了、Grace Davisを逮捕及び終了、Michael Williamsを逮捕及び終了、Jack Davisを逮捕及び終了、Sarah Brownを逮捕及び終了、Pierre Gérardを逮捕及び終了、Jeanne Duboisを逮捕及び終了、François Lambertを逮捕及び終了、Antoine Lerouxを逮捕及び終了、Lucie Beaumontを逮捕及び終了、Hashimoto Utaを逮捕及び終了、Uemura Shizukaを逮捕及び終了、Matsumoto Reiを逮捕及び終了、Victor Martínezを逮捕及び終了、María Lópezを逮捕及び終了、Carla Fernándezを逮捕及び終了、Emma Vázquezを逮捕及び終了、Ana Ruizを逮捕及び終了、حنان مسعودةを逮捕及び終了、محمد صالحを逮捕及び終了、يزيد بن حسنを逮捕及び終了、Daniela Marinelliを逮捕及び終了、Francesco Verdiを逮捕及び終了、Isabella Ferrariを逮捕及び終了、Lorenzo Lombardiを逮捕及び終了、Martina Bianchiを逮捕及び終了、Riccardo Belliniを逮捕及び終了、Γεώργιος Κοντογιάννηςを逮捕及び終了、Θεία Κοψίνηを逮捕及び終了、Ευαγγελία Παπαδογνωσούλαを逮捕及び終了、Ζωή Αλεξανδάκηを逮捕及び終了、Νικόλαος Κυριτσάκηςを逮捕及び終了、Λουκάς Βαλαωρίδηςを逮捕及び終了、Matthew Smithを逮捕及び終了、Davidson Jonesを逮捕及び終了、Krinerk Linberを逮捕及び終了、Luxin Leeを逮捕及び終了、Deathikatoria Sweanを逮捕及び終了、Kuromi Melodyを逮捕及び終了、Kute Cinnamorollを逮捕及び終了、Dequei La wentonyを逮捕及び終了、Yaoqing Ranを逮捕及び終了、Jianwu Chenを逮捕及び終了、Zhixian Zengを逮捕及び終了、Yueran Hongを逮捕及び終了、Zhenyu Huangを逮捕及び終了、Peter Jacksonを逮捕及び終了、Donald Trumpを逮捕及び終了、Hakurei Reimuを逮捕及び終了、Kirisame Marisaを逮捕及び終了、Quincy Jonesを逮捕及び終了、Kaitlyn Johnsonを逮捕及び終了、Gonçalo Pintoを逮捕及び終了、Laura Ferreiraを逮捕及び終了、Paulo Sousaを逮捕及び終了、George Wesleyを逮捕及び終了、Lori Churchillを逮捕及び終了、Shiyue Juを逮捕及び終了、Max von Habsburgを逮捕及び終了、Ernst Schäferを逮捕及び終了、Karl Schmidtを逮捕及び終了、Wilhelm Schneiderを逮捕及び終了、Paula Klugeを逮捕及び終了、Rugang Zhengを逮捕及び終了、He Qinを逮捕及び終了、Ruoyan Xiaoを逮捕及び終了、Nayun Dongを逮捕及び終了、Yiming Linを逮捕及び終了、Guanwei Huangを逮捕及び終了、Shangyang Huangを逮捕及び終了、Jack Travelerを逮捕及び終了、Ludwig Wittgensteinを逮捕及び終了、Margot Rothを逮捕及び終了、Wilhelm Wahlを逮捕及び終了、Berta Feldmannを逮捕及び終了、Dietrich Hahnを逮捕及び終了、Hannah Davisを逮捕及び終了、Justin Bieberを逮捕及び終了、Matthew Leeを逮捕及び終了、Peter Brownを逮捕及び終了、Jada Harrisを逮捕及び終了、Kim Jisooを逮捕及び終了、Choi Siwonを逮捕及び終了、काव्या आकांक्षाを逮捕及び終了、वसुधा सर्वेषाを逮捕及び終了、መልካም እድልを逮捕及び終了、นักล่าที่ฉลาดを逮捕及び終了、Cainteoir Geniusを逮捕及び終了、Silny Wojownikを逮捕及び終了、Potężny łowcaを逮捕及び終了、Talven Tappajaを逮捕及び終了、Justiţia ştiinţificăを逮捕及び終了、Marele Vânătorを逮捕及び終了した。13日後、財団は全世界の体制を接収管理し、建造作戦を開始した。

12月5日、アフリカとラテンアメリカで労働者の死亡事例が発生。12月12日、各大陸で大規模な抗議事件が勃発。全て財団により速やかに鎮圧されたものの、市民の強烈な不満を引き起こし、多くの警備地域の治安が急激に悪化、その中でもフランスと西ヨーロッパでの抗議は最も強烈であった。財団はフランスサイトの防御力を強化した。

翌年1月7日、Antoine-Mathieu-Napoléon Bonaparteは財団により警備部隊に改造された元フランス陸軍第一師団、第三師団の寝返り工作を不明な手段によって密かに策謀し、同夜にサイト-FR-01及びサイト-FR-03への夜襲を指揮した。両サイトは武装解除させられ、通信途絶前に財団本部へ信号を送信していなかったため、本部は初期段階で襲撃情報を得ていなかった。1月8日早朝、反乱軍は元フランス陸軍部隊全軍を制圧、パリからブリュッセル-ストラスブールラインへ極めて速やかに進軍し、数日以内にボルドー-リヨンラインを制圧、道中の財団防衛施設は破壊された。1月13日、反乱軍はライン川を越え、財団はスペイン、ドイツ、イタリアの駐在軍を集めて反攻を開始、一定の成果を上げたものの、主力部隊はヴェストファーレンとバーデンで反乱軍の回り込みによる包囲を受けてほとんど全滅し、8部隊が番号を取り消された。2月中旬、反乱軍はイベリア半島をおおよそ制圧し、スペイン遊撃部隊による支援を受けて、財団が組織した反攻は深刻な妨害にあった。2月26日、反乱軍は大西洋沿岸からオーデル川に及ぶ広大な地域を制圧した。

3月4日、財団はロシア支部、ポーランド支部及び西アジアの全武装兵力を集め反乱軍への進攻をかけた。両者は3月10日にビャウィストクで決戦を行った。Antoine-Mathieu-Napoléon Bonaparteは戦闘補助AIが不可能とみなした高速機動を指揮し、財団の軍集団数隊をごく狭い空間に抑えつけて複数の方向から同時に進攻、最終的に財団部隊の全面的壊滅をもたらした。一部の指揮官は大規模殺傷兵器の使用を求めたものの、監督評議会の棄却を受けた。最終的に、財団はヨーロッパ全域の制圧権を失い、タイムワープ装置の起動に迫られた。

結論: 失敗。




[無意味な実験記録を省略]


抑制記録-CN-3100-492

日付: 2022年8月17日

過程: O5-1はSCP-738-2の上に座る。SCP-738が生成した実体は蛇の姿をとり、沈黙を保っている。

「SCP-████を無力化、もしくは再抑制するための対価は何か?」とO5-1は尋ねる。

実体は約10秒間沈黙を続け、極めて重々しい声で「これは我が取引の領分ではない」と返事する。

両者の沈黙は再び1分間続き、O5-1は離席しようと立ち上がる。

実体は一段と重々しく極めて低い声で「問うまでも......ない......お前の対価は何だ......?」と発する。

実体は自らの尾を咥え、たちまちに自身を呑み込んで空中へ消える。

結論: 失敗。


抑制記録-CN-3100-493

日付: 2022年8月17日

過程: 監督評議会はSCP-343との面会を求める。機動部隊2隊がSCP-343護送のためにサイト-17へ向かい、収容違反していることに気づく。サイト-17職員への尋問では有効な糸口は一切得られなかった。サイトの監視機器に異常な状況は記録されておらず、他の方法でもサイト脱走時刻の特定には至らなかった。

サイト-17近辺でSCP-343を捜索する試みは成果なし。

地球規模でSCP-343を捜索する試みは成果なし。

宇宙規模でSCP-343を捜索する試みは成果なし。

結論: 失敗。




[無意味な実験記録を省略]


抑制記録-CN-3100-███

日付: 2021年8月17日

過程: タイムワープ装置が過度の使用によりほぼ完全に損耗する。監督評議会の決議により、財団は2年前、即ち2021年8月17日にタイムワープした。時空アンカリング後、ワープ装置はその場で廃棄処分された。監督評議会は臨時会議を開き、全職員へ職務に忠実であるよう命令した。

8月18日、財団はヴェール崩壊を宣言した。当日夕方、O5-1はサンフランシスコで記者会見を開き、全人類へ向けてSCP財団の存在を公表し、財団の歴史、使命及び業績を簡単に説明した。会見は財団が維持困難であることを知らせ、また財団が2023年8月17日に活動停止することを発表した。情報は世界規模で大騒動を起こし、一部の群衆は財団に称賛や疑念の態度をとり、大多数は傍観の態度をとった。

8月19日、財団は内部研究の成果を公表した。表の世界のものを大きくリードした科学技術は各研究機関を大いに震撼させ、直ちに先進的生産力に転化された。常温超伝導体を主軸とする科学技術は世界経済の発展を急速に進めた。同日、財団は各種アノマリー及び専用クローン機械によってSCP-500の大量複製を行い、完成品の全世界への分配を始めた。3ヶ月以内に、SCP-500の複製品200億錠は世界各地へ分配された。同時に、監督評議会はSCP-CN-1600の最大の作用を発揮させるために、財団が保存していた全ての遺体の消費を特別に批准した。一連の上記措置は当時世界で急速に伝播していたCOVID-19の蔓延を速やかに終息させ、各地の武力衝突を抑制した。報告によると、SCP-500の複製品はオリジナルの効果を完全には持っていないものの、不特定多数の難病で効果があった。全世界のガン患者のほとんどは症状が緩和し、57.9%は完全に治癒した。エイズ、B型肝炎など様々な重大疾病にも絶大な治癒率を誇り、エボラウイルスは根絶された。

8月30日、財団は政治的分断が続く国家に対して武力干渉を開始、アフリカの自治政府や腐敗した政府を完全に破壊し、政府再建のために民間事業への信用が高い現地住民を指名した。財団は治安維持のために数隊の武装部隊を派遣してアフリカに駐在させ、SCP-1689を用いて大量のジャガイモを生成し、選抜された数名の職員が昼夜問わず交替しながら飢餓状態でSCP-458を用いてビッグサイズのピザを大量に生成し、SCP-3554により生産され数十年間奇跡空間内で蓄積された40億個近い缶詰を取り出し、ジャガイモ、缶詰、ピザはアフリカ及び世界各地の食料不足地域へ最高速度で輸送された。その後、財団はイスラエルとパレスチナの衝突を調停し、多方への努力でカナン連邦の建国に助力し、数十年間続いた両者の衝突を平和的に解決した。同時に、財団は長期的交流によりロシアとウクライナの和解を促し、両者は新たな境界線を策定し、独立国家共同体の各国と効力の高い経済・文化協力組織を設立した。ラテンアメリカでは、財団は機動部隊-ニュー-7 ("下される鉄槌")、機動部隊-戊辰-03("守護の剣")を中心とする大量の機動部隊を派遣して現地の麻薬密売組織を粛清し、外交圧力によってアメリカに一部の独占企業を撤退させ、麻薬販売で歪んだ国民経済を矯正するために現地住民による基礎工業及び農産業の設立に協力した。

10月以降、財団はGOCと協力して破壊可能な高危険オブジェクトの大多数の破壊を開始した。これと同時に、財団は非脅威的かつ有益なアノマリーを国連管理下に徐々に移し、合理的収容システムの設立に協力した。ある程度危険な残りのアノマリーは安全保障理事会常任理事国へ徐々に引き渡して収容し、また各地で収容するアノマリーの数量が戦略平衡をとるようなるべく釣り合わせ、各国が一方的にアノマリーを兵器化して他国へ侵略できないようにした。財団は100年余りのアノマリーの研究成果を原則としてほとんど隠さず公開し、各国政府による対アノマリー収容任務と一般人のアノマリーの識別に役に立てた。財団の活動停止後に人民が新たに発生したアノマリーから被害を受けないようにするため、各大国の軍隊と武装警察にはアノマリーに関する知識と通常の鎮圧方法の統一的学習が求められた。財団が収容するアノマリーが多かったため、破壊及び引き渡し作業は数ヶ月間続き、2022年5月に全面的に完了した。

5月以降、それまでに公開した財団内部での研究成果により、相当量の経済活性化が世界規模で顕著に発生した。世界経済成長率は半年間で50%以上に達し、5億人近い人々が相対的貧困から脱却した。中国を例にとると、元々持っていた強力な工業生産力により、5年以内に一人当たりの名目GDPが28000米ドルを超えると予測された。財団による大量の食料と医薬品の支援の下で、飢饉と疫病がもたらす地域的災害は世界規模で消失した。また、財団が80を超える国家で設立を支援した農業産業チェーンは初めての豊作を迎え、今後の支援を取り止めたとしてもこれらの国家は基本的な食料自給を果たせるようになる。カナン連邦の成立以降、財団は世界的宗教の脱極端化と世俗化の推進にも尽力し、大多数のアジアの国家では各様に世俗化の改善がみられ、宗教による怨恨殺人は過去のものになった。同時に、財団は幾つかの大国の政府へSCP-3000の存在を秘密裏に伝えるとともに、記憶処理剤の製法を教授した。反ミーム部門の特殊処理により、この方法で作成された薬品は強姦、親族の死、幼年期のトラウマなどの不幸で心理疾病及び精神疾病を患った市民にのみ使用可能と考えられる。1ヶ月以内に、全世界の鬱病及び双極性障害患者の36.1%が完全に回復し、心的ショックを受けた精神衰弱者は概ね効果的忘却を受けて心理健康を回復した。

7月17日、財団は全オブジェクトの引き渡しを完了し、蓄えてきた全財産を依然貧窮している数十の国家へ交付した。O5全構成員は財団の送別式をシンガポールから世界へと配信した。財団が以前示した「活動停止」とは組織の解散を意味するのみであること、O5-1がこの事実を隠蔽していたことを認めるとともに、財団がある特定のアノマリーの影響で達成不可能な任務に迫られており、これによって1年後に財団職員全員が異常な抹消に遭うことが大衆に広く知られた。O5-1は当該アノマリーが財団のみを標的にしており、財団の抹消後は他の人類に影響が及ばず、当該アノマリーも無力化されるため、心配する必要がないことを強調した。O5-7は財団全職員に対する8月17日以降1年間の休暇及び24ヶ月分の給与の支給、並びに財団関係の今後の引き継ぎを宣言した。感情の高ぶりから、式終了前にO5の数名はその場で涙した。一人の記者が達成不可能な任務を公表できるかと尋ねると、O5-7は感情を抑えきれず事実を記者に伝えた。その後、財団の送別式に関するニュースがインターネット上で即座に出現する。

翌日、Twitter、YouTube、Facebook、微博、bilibili、百度貼吧などのウェブプラットフォームで財団を応援する呼びかけが爆発的に発生、いずれも民衆が自発的に発表したことが判明している。全世界のほとんどの民衆が各国政府職員に対し財団を救うための████建造を一斉に強く求めた。多くのプラットフォームのユーザーが████建造作業への参加を求める署名を開始し、署名者は10億人に及んだ。8月1日、中国政府は無条件で財団を支援することを最初に宣言し、即座に軍隊及び武装警察の80%以上を派遣し全国各地で建造工程を展開、上記数億人の青壮年も建設部隊に自ら参加する。その中で、Pingzhi Liuや言語能力に秀でた者が多くのプラットフォームで財団を応援する演説を発表し、多数の人民の参加を促した。Karl Latzelはネット配信者として強大な組織能力で大量のファンを動員して財団を応援し、ドイツ政府に財団への支援を促した。Antoine-Mathieu-Napoléon Bonaparteはその社会的影響力で巡回演説を発表し、フランス市民に財団への支援を呼びかけた。ほどなくして世界各国が人民の要求に答えることを宣言し、████の組織的建造を即刻開始した。建造過程ではلیلا خسروشاهی、Владимир Соколов、Infant Abbott、Jaleena Bishop、Лена Андреевна、Виталий Петрович、Pierre Dupont、François Martin、Julie Andreau、Валентина Александрівна、Shengque Xiao、Kristoph Austin、Amando Bright、Eliuth Earwood、Juhong Murong、Yueyan Qin、Xilin Duan、Святослав Иосифович、Hilery Griffith、Lisa Miller、David Lee、Jane Doe、Michael Johnson、Emily Brown、John Smith、Sarah Williams、Alex Johnson、Laura Davis、Henry Brown、Eva Williams、Sam Brown、Daniel Williams、Grace Davis、Michael Williams、Jack Davis、Sarah Brown、Pierre Gérard、Jeanne Dubois、François Lambert、Antoine Leroux、Lucie Beaumont、Hashimoto Uta、Uemura Shizuka、Matsumoto Rei、Victor Martínez、María López、Carla Fernández、Emma Vázquez、Ana Ruiz、حنان مسعودة、محمد صالح、يزيد بن حسن、Daniela Marinelli、Francesco Verdi、Isabella Ferrari、Lorenzo Lombardi、Martina Bianchi、Riccardo Bellini、Γεώργιος Κοντογιάννης、Θεία Κοψίνη、Ευαγγελία Παπαδογνωσούλα、Ζωή Αλεξανδάκη、Νικόλαος Κυριτσάκης、Λουκάς Βαλαωρίδης、Matthew Smith、Davidson Jones、Krinerk Linber、Luxin Lee、Deathikatoria Swean、Kuromi Melody、Kute Cinnamoroll、Dequei La wentony、Yaoqing Ran、Jianwu Chen、Zhixian Zeng、Yueran Hong、Zhenyu Huang、Peter Jackson、Donald Trump、Hakurei Reimu、Kirisame Marisa、Jada Harris、Kaitlyn Johnson、Gonçalo Pinto、Laura Ferreira、Paulo Sousa、George Wesley、Lori Churchill、Shiyue Ju、Max von Habsburg、Ernst Schäfer、Karl Schmidt、Wilhelm Schneider、Paula Kluge、Rugang Zheng、He Qin、Ruoyan Xiao、Nayun Dong、Yiming Lin、Guanwei Huang、Shangyang Huang、Jack Traveler、Ludwig Wittgenstein、Margot Roth、Wilhelm Wahl、Berta Feldmann、Dietrich Hahn、Quincy Jones、Hannah Davis、Justin Bieber、Matthew Lee、Peter Brown、Kim Jisoo、Choi Siwon、काव्या आकांक्षा、वसुधा सर्वेषा、መልካም እድል、นักล่าที่ฉลาด、Cainteoir Genius、Silny Wojownik、Potężny łowca、Talven Tappaja、Justiţia ştiinţifică、Marele Vânătorら多数の傑出した地方の代表が各地で効果的な組織化と宣伝を行い、建造工程の支援に数え切れない人民を動員、建造が大幅に加速した。

工程の進展速度は財団の予測を遙かに上回り、一部の地域では最も成功に迫った███回目のタイムワープの際の2倍以上の速度であった。食料と薬品の充実により、アフリカでは飢饉やその他問題が発生しなかった。各大陸で抗議集会は発生せず、武力暴動も起こらなかった。最もよくみられた集団行進のテーマは同胞を励ます、恩義に報いる、建設作業の加速などであった。不治の病から全快した患者や心的健康障害から回復した患者ら財団に助けられた人々の建設作業への志願参加率は95%以上に達した。元の条件が最も劣悪であったアフリカとラテンアメリカでの建造速度でも他の地域との顕著な差は生じなかった。2023年3月、必要量の60%の████が建造され、6月には全世界の建設作業が全て完了した。SCP-████は再度抑制され不活化し、高確率で無力化されたと推測される。

SCP-CN-3100はThaumielクラスオブジェクトであると認められる。当初は異常であるかについての見解で争論となったが、最終的には監督評議会の特別討論後、O5-7によってミーム的性質を有する可能性があると宣言された。

ファイルから判断される限りでは、SCP-CN-3100を用いてSCP-████を抑制した過程は、財団がその成立以来初めて人類によって保護された事例でもある。

結論: 成功。



ページリビジョン: 3, 最終更新: 23 Nov 2024 15:17
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