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Info
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翻訳責任者: fish_paste_slice fish_paste_slice
翻訳年: 22 Jul 2023
著作権者: Agent Phage Agent Phage
原題: SCP-CN-1922 - 液体猫咪
作成年: 18 Jun 2020
初訳時参照リビジョン: 11 Dec 2022
元記事リンク: https://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-1922
著者: Agent Phage Agent Phage 、著者のその他の作品は人事ファイルを参照。
楽しんで貰えれば幸いです。
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収容室内のSCP-CN-1922実体の一例
アイテム番号: SCP-CN-1922
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 全てのSCP-CN-1922はサイト-CN-85の小型動物飼育収容室内に収容され、毎日80gの食料と十分な量の水を給餌されねばなりません。また、収容室内には運動及びレクリエーションのための遊具が設置されます。現在、オブジェクトの生殖能力に対しては干渉されていませんが、許可されていなければ未去勢の個体は個別に収容されねばなりません。
許可を受けない職員の収容室内への進入は禁止されます。収容室に進入する職員は事前に身体検査を受け、許可されていない液体容器を携帯していないことを確認されねばなりません。職員は収容室内では常に壁面の手すりを掴み、転倒を防止せねばなりません。
特にSCP-CN-1922-Aに対する実験は密閉された監視環境下で実施し、全てのSCP-CN-1922-Aの無力化が確認された場合のみ個別に実験の終了が許可されねばなりません。無力化後のSCP-CN-1922-Aは異常性を消失しており、簡易的な処理が可能です。
未収容のSCP-CN-1922は迅速に回収せねばならず、SCP-CN-1922-Aの生成が引き起こされていた場合は状況に応じて関連する目撃者へ記憶処理を施さねばなりません。状況が許す限り、収容現場の作業員はSCP-CN-1922-Aを水流を用いて洗い流し続けるか、転倒させることで形態を破壊せねばなりません。SCP-CN-1922-Aは時限性の存在であるため、収容は目撃者のコントロールを中心に行われます。
説明: SCP-CN-1922はイエネコの一群であり、この点と異常性以外には共通点はありません。オブジェクトの異常性は、オブジェクトが物体と接触し、物体を元の状態から変化させ、転倒させた際に発現します。転倒した物体に収められた液体が物体を離れ、複数のSCP-CN-1922-A実体を形成します。液体がSCP-CN-1922-Aを形成する過程は質量保存の法則に反し、生成されるSCP-CN-1922-Aの総質量は通常、元となった液体の質量を上回ります。
SCP-CN-1922-Aは各種液体で形成されたイエネコの形態をとり、体長は約30センチメートル、外観上はある程度の簡略化がなされており、イエネコの基本的な形態的特徴のみを有しています。形態を維持する液体の異常な反重力集積を除き、その物理性質は元となった液体の基本性質と一致します。液体を洗い流すか物質に吸収させる以外には、オブジェクトの外観的形態を破壊する有効な手段はありません。
SCP-CN-1922-Aは外界の刺激に対して一般的なイエネコと同様の知覚能力及び記憶能力を有し、通常は極めて活動的な習性を示します。通常はSCP-CN-1922-A実体は約1〜5時間存在し、その後は自律的に無力化します。SCP-CN-1922-Aはその異常効果を連鎖的に発生させることはできません。SCP-CN-1922は同一の液体に対し複数回接触して異常性を発現させることが可能であり、回数に制限はありません。
オブジェクトの回収地域は比較的分散しているため、SCP-CN-1922には個体群が存在する、或いは発生源が存在すると考えられており、現在調査が行われています。
関連記録抜粋:
収容日時: 2017年02月06日
アノマリーナンバー: SCP-CN-1922-01
備考: 財団が収容した最初のSCP-CN-1922個体。当該個体は一般家庭にて三日前に引き取られた野良猫であり、当初は異常性を示さなかった。6日早朝、この個体が食卓上のミルクを転倒させたことで異常効果が発現したと考えられる。この家族は早朝に起床して異常な状況を発見した後、警察への通報を選択した。警察は現場へ到着して一連の状況を通信を用いて報告したことで、財団の検出システムの関心を引いた。
オブジェクト個体はその後エージェントにより回収され、関係者には記憶処理が施された。インシデントは野良猫の群れが施錠されていない窓から屋内に侵入したものと説明された。現場調査及び通信記録によれば、当時25体を超えるSCP-CN-1922-A実体が生成された。
収容日時: 2017年11月04日
アイテムナンバー: SCP-CN-1922-24
備考: オブジェクトは某新聞社の編集部で発見された。オブジェクトは社員の一人が飼育する飼い猫であり、当日に付近の動物病院へ運ぶためにオフィスへ持ち込まれた。オブジェクトは当時ペンインクの瓶を転倒させて異常効果を発現させた。モニタリングによれば当日17体のSCP-CN-1922-A実体が生成され、社員にパニックや情緒的魅了を引き起こした。
財団システムがインターネット上の関連情報をスクリーニングした後、付近のエージェントが到着して調査を実施し、最終的には動物病院にてオブジェクト個体を回収した。調査後、オブジェクト実体が異常性を触発した過程は目撃されておらず、現場の社員に対しては記憶処理は実施されなかった。特筆すべき点として、本件は財団が最初に収容した非野生のSCP-CN-1922実体であり、オブジェクトは元飼い主の自宅で五年を超えて飼育されていた。その異常性質の獲得方法は不明である。
インシデント日時: 2018年05月17日
アノマリーナンバー: N/A
備考: 2018年5月17日、[編集済み]にて異常波浪の発生が報告された。初期に報告された内容は、気象部門と海事部門による季節性波浪に反する定期的な記録だったが、時間の経過とともに一般人が目撃記録を公表し始めた。目撃記録によれば、この波の動きは完全にイエネコの形状をとっていた。各所の情報を収集した後、財団はエージェントとドローンを派遣して接近観察を行い、最終的に少なくとも三万体の海水から生成されたSCP-CN-1922-A実体が集合して波の動きを形成していることを発見した。情報統制作業が直後に実施され始め、同時にエージェントにより、波浪が堤防に激突した際に地上に落下した実体への対応がなされた。大部分のオブジェクト実体は徐々に入り江の水中に溶けたと考えられ、一定時間後には自律的に消失した。
事後調査により、インシデント発生前に何者かがイエネコの虐待を撮影した動画がインターネット上にアップロードされており、撮影場所は近海の小型船舶上だった。動画の最後で、当該イエネコは生存状態でありながら重りを縛り付けられて海中に投棄された。このイエネコがSCP-CN-1922個体であったと考えられている。現在財団は既に責任者の一部を確保しており、調査が実施されている。
インシデント日時: 2018年05月17日
アノマリーナンバー: SCP-CN-1922-53
備考: 同日のオブジェクトとの関連性が疑われる異常波浪インシデントの調査を行った際、財団エージェントは資料に基づき動画アップロード者の自宅を強制捜査した。現場では数匹のイエネコ、五十体を超えるSCP-CN-1922-A個体、及び一体の成年男性の死体を発見した。異常性試験によりイエネコの中からSCP-CN-1922-53が発見された。法医学鑑定の結果、死者は死後24時間以内であり、死因は窒息及び失血性ショックであった。死者の腕には比較的大きな傷口があり、消化器官の各所には多数の胃酸が残留していた。死者は当時動画を撮影した者の一人であった。関連資料は収集されて調査のために回収され、死体は近隣の財団サイトにて処理された。
当時のSCP-CN-1922-Aは全て人体由来の血液及び消化液から構成されていたことが確認され、DNA鑑定の結果、死者のものと一致した。これ以降収容プロトコルが更新され、職員はオブジェクトに接触した際に転倒しないよう注意徹底せねばならない。