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SCP-CN-1921: 歩くアザラシSeal
作者: MScarlet MScarlet ,このページから他の作品も見られます
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特別収容プロトコル: SCP-CN-1921は現在、セクター-1921内部で飼育されています。セクター-1921はサイト-CN-71の直接管轄下に置かれ、香城シーパラダイスに新設されたアザラシ館として一般に公開されます。セクター-1921には扉を設置せず、視覚的な誘導および反ミームの使用によって、来館者による意図しない異常性触発の阻止、並びにサイトの機密区画の隠蔽を行ってください。SCP-CN-1921は館内の開放型海水プールに収容し、機械を用いて肉を毎日与えてください。
セクター-1921プール内の氷山の上で眠るSCP-CN-1921
サイト職員が許可なくプールの範囲内に立ち入ることは禁止されています。立ち入りを必要とする場合は、密閉された容器や物品の持ち込みは控え、SCP-CN-1921との直接の物理的・視覚的接触を可能な限り避けてください。プールに立ち入った職員は範囲から退出した後、オブジェクトとの関連付けを解消するために、必ずSCP-CN-1921との接触時間に応じた1時間から14日間の隔離措置を受けてください。
いかなる場合もSCP-CN-1921をプールから離れさせないでください。SCP-CN-1921が自主的にプールの範囲から這って逃げた場合、直ちに職員を派遣してSCP-CN-1921をプール内に連れ戻し、SCP-CN-1921をなだめてください。SCP-CN-1921の移動申請の承認には、O5-CN議会全員およびO5議会メンバー1名以上の批准署名が要求されます。
批准を経ずにSCP-CN-1921がセクター-1921の範囲から離れた場合、直ちにサイト-CN-71管理官または築基會の連絡スタッフに通報してください。
説明: SCP-CN-1921はタテゴトアザラシ(Pagophilus groenlandicus)のオスの幼体です。収容されて以来、外見には成長に起因するいかなる変化も見られません。SCP-CN-1921は生命の維持に飲食を必要としないことが証明されているにもかかわらず、依然として食物を探す行動をとります。SCP-CN-1921は保護性の反ミーム特性を有するため、SCP-CN-1921に対して攻撃的な考えを発生させた生物は、無意識にSCP-CN-1921の存在を無視します。この異常性を除いて、SCP-CN-1921の習性は通常のタテゴトアザラシの成体と何ら変わりません。
SCP-CN-1921の異常性は、異常性を触発した対象との距離に相関関係を持ちます。SCP-CN-1921と対象との距離が開くにつれて、対象が携帯・接触している物品や容器の密閉状態は徐々に緩み始め、強度も低下し始めます。これにより、対象は物品や容器の密閉状態を容易に破壊できます。SCP-CN-1921に対象が接近するにつれて、対象が携帯・接触している物品や容器の密閉状態はより緊密になり、強度も上昇するため密閉状態の破壊は困難になります。
SCP-CN-1921との直接の視覚的・物理的接触は、SCP-CN-1921と対象の間に関連付けを確立し、異常性を触発します。SCP-CN-1921と対象の間に発生した関連付けの持続時間は、SCP-CN-1921との接触時間に比例することが判明しています。
SCP-CN-1921は青海省青海湖鳥島で発見されました。インターネット上で出回っていた「鳥島に現れた白いアザラシ」に関する都市伝説が財団Webクローラの注意を引き、現地に視察部隊が派遣された後、SCP-CN-1921の反ミーム特性が視察部隊隊員の注目を集めたため、移送先の近隣サイトにて研究が進められました。その研究過程で密閉容器や物体に関する異常性が判明しています。その後、SCP-CN-1921はサイト-CN-21に収容され、2012年に財団と築基會の親善交流活動における共同研究対象として香城の収容サイトに移送されています。
補遺1: 複数回の実験および関連事故により、SCP-CN-1921の異常性は概念上の密閉と封印にも影響を及ぼすことが実証されています。SCP-CN-1921が概念のキャリアーと長時間の接触を維持する限り、関連概念を破壊不可能な水準まで強化することが可能です。オブジェクトクラスはThaumielに変更され、収容プロトコルの補強案の1つとして検討が進められています。
補遺2: SCP-CN-1997-1内部で塞がれていた天穴ホールが2012年4月の月例補強の実施から2日後に再び不安定化の兆候を見せ、短期間内に再度補強を行うために要求される計画能力は天塀保全委員会のキャパシティを上回っていました。O5-9の批准を経て、SCP-CN-1921は補強を支援するため修復セレモニーの会場に移送されました。内部職員に対して、この移送は「財団と築基會の共同交流活動の一環」として告知されました。SCP-CN-1921をセレモニー会場に安置した直後、修復済み部分の空間不安定化現象は急速に停止し、EVE波動も安定した水準に戻りました。
その後、天穴の完全な癒合が完了するまでSCP-CN-1921が長期滞在できるように、修復セレモニー会場を中心としてセクター-1921が設立されました。セクター-1921は位置の都合上、対外的な名義は「再建された香城シーパラダイスの新エリア」となっており、SCP-CN-1921がそこに収容されている事実と目的を隠蔽しています。
補遺3:
あの小さなアザラシは私に大きな感銘を残しました──決して、あれが部下の持ち運んでいたニシンの缶詰を爆発させたからではなく、あれが持つ封印を鎮める能力が印象的だったのです。あれが奇跡論合金と神能鉱石を寄せ集めて作った丘をよじ登った瞬間、猛烈に波打っていた天塀はたちまち大人しくなり、エネルギーを噴出させていた裂け目も全て塞がりました。
あれは生きた定海神針、あるいは歩く封印のように、行く先々のあらゆる不安要素を鎮めてしまいます。
あまりに凄まじい力が、却って私にある懸念を抱かせるのです。
あのアザラシが離れると、抑え込まれていた封印は緩み始めます。あれが見つかった場所には、青海湖には何が封じられていたのでしょうか?
我々は知らぬ間に、何かを縛り付けていた鎖を解いてしまったのではありませんか?
マレキス・フェニックス
セクター-1921管理官