クレジット
SCP-CN-1101:太岁
作者:Simon Arran Simon Arran 、a51501830 a51501830 、DF-thirteen DF-thirteen
图片信息:
https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Himalia.png#mw-jump-to-license NASA/JPL/University of Arizona,Public domain(公有领域)
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—— サイト-CN-52記録情報セキュリティー管理部門
特別収容プロトコル: SCP-CN-1101の出現の性質と状況のため、現段階では財団はSCP-CN-1101を完全に収容することはできません。財団のウェブクローラーであるI/O-DAHUANGはインターネットにおけるSCP-CN-1101に関する情報をモニターし特定します。財団が公的警察機関に潜入させたユニットはSCP-CN-1101に関連する全ての通報をモニターします。MTF庚申こうしん-01"仙芝狩り"は、全てのSCP-CN-1101実体の回収と事後処理を担当します。もしSCP-CN-1101のフェイズ2またはそれ以上の変形ステージに達した人間が発見された場合、MTF庚申-02"肉狩人"が実例の無力化を担当します。
現在の情報の拡散が著しいため、財団は中国政府および主要メディアと共同し、「太歳」を巨大な粘液の複合体であるとし、有毒であると広く知らしめる偽情報を流布しています。大規模な情報漏洩の際にはプロトコルDF-13「ただの菌類」が情報の拡散を抑制するために即座に実行され、続く大規模記憶処理は毒性ガスの漏洩による短期記憶喪失であると偽装されます。
現在、財団の管理下にあるすべての SCP-CN-1101 サンプルは、サイト-CN-75サイト-CN-52-1の収容保管棟のタイプ-Z 極限環境耐性生物収容施設に保管され、恒久的に-30°C以下の温度を維持しなくてはなりません。サンプルに異常が検出された場合や、サイト内の冷凍設備および非常用冷凍設備が完全に機能停止した場合には、直ちに収容施設に装備されているジシアノアセチレン-三フッ化塩素緊急飽和装置が即座に作動し、サンプルを不活性化します。
プロジェクトのサンプル採取のためには、実験計画申請書を提出し、サイト-CN-75生命科学部門、サイト-CN-75歴史-宗教的GoI研究部門のレベル3職員の最低2名のO5評議会メンバーの承認を受ける必要があります。サンプリング終了後、サンプリングされた全てのサンプルは、採取されたサンプル以上の物質が失われていないかを確認するために、質量を再測定されます。全ての活性あるサンプルはレベル3生物災害と考えられます。
どのような状況下においても、SCP-CN-1101-4実例はXK/NK-クラスシナリオの発端となる危険があると考えられます。質量が300トンを越える、または生成されてから12時間をこえたSCP-CN-1101-4実例の制圧および無力化のため、制圧に伴う被害が合理的と予想される場合に限り、TNT換算5,000,000トン未満の熱核兵器の使用が許可されます。SCP-CN-1101-4に制御不可能な逆エントロピー反応特性が確認された場合、O5評議会の過半の投票によりヘリオス=システムが待機状態に入り、点火可能状態になります。
説明:SCP-CN-1101は、一種の生物的凝集体の総称です。これら実体は一般に不定形のゼリー状の凝集体であり、一般に重量0.1〜5 kgですが、10 kgを越える実例もいくつか見つかっています。色は白から茶色で、柔軟な性状を示します。室温(摂氏5〜40°C)において、非常にゆっくりと粘性の高い液体を分泌します。中華異学会および民間伝承では「太歳たいさい」として知られています。
これらは発見時にはほとんどが地中に浅く埋まり、あるいは渓流の岩に付着していました。その発生と生成のメカニズムは未だ発見されていません。実体は一般に人口密度の低い地域(20人/km2以下)で発見されます。現在までに、ほとんどの実体は現在の東アジア中華文化圏で発見されており、ユーラシア大陸外で発見された例はありません。
生物学的試験の結果、SCP-CN-1101の細胞構造はあらゆる既知の生物と一致せず、単一の細胞種で構成されていることがわかりました。SCP-CN-1101は真空、高温、低温(-200°C〜500°Cまで試験されました)、高圧(1 x 106 Mpa)に耐え、強い再生能力を持ち、高線量の放射線を浴びても元来の遺伝子構造を保持し、変異の徴候は見せませんでした。更なる遺伝子系統試験の結果、SCP-CN-1101は地球上の全ての生物と相同性があることが明らかとなりました。
SCP-CN-1101の重要な異常性として、通常の人間(以降被験体とします)が一定量の実体または分泌物を摂取すると、その累積量に応じ一連の変化が身体構造に発生します。現在の試験結果及び異学会の関連文書に従い、変化の程度は3段階4段階に分けられ、これは被験体が摂取した量に対応します。
ステージ1:この段階は通常、累計およそ20〜50グラムのSCP-CN-1101またはその分泌物を摂取した場合に発生します。この段階に至った人間はSCP-CN-1101-1と呼称されます。一度に30グラムを摂取した場合は24時間以内にステージ2に入る可能性が高くなります。ステージ1に至った被験体の臨床的発現としては、免疫系の著明な亢進があります。特に骨髄及びリンパ系はより多数の免疫細胞を産生し始め、被験体の持病に合致する抗体が血中に現れます。この抗体の産生源は不明です。免疫系はこれまでに感染したことのないものを含め、多種類のウイルスに対する免疫記憶を自発的に獲得します。
このステージでは、95%以上の被験体では急性の疾患が治癒し、90%以上の被験体では慢性及び反復性の疾患の大幅な軽減が見られ、40%の被験体では進行した悪性腫瘍や筋萎縮性側索硬化症などの通常では治癒しない疾患の240時間以内の自然治癒を達成します。25%の被験体では、クラスA記憶処理と1週間(168時間)の摂取中止の後でもSCP-CN-1101を摂取する欲求を維持しています。心理テストでは、このような被験体の欲求は潜在意識レベルであることが示されています。ステージ1は可逆的であり、長時間(通常26日、624時間)SCP-CN-1101との接触を行わないと、被験体の肉体はステージ1以前の状態に戻ります。SCP-CN-1101の摂取が続行すると、通常50グラムを閾値とし、被験体はステージ2へと移行します。
ステージ2:このステージは通常ヒトの被験体が累計およそ50〜300グラムのSCP-CN-1101またはその分泌物を摂取した場合に見られます。このステージに入ったヒト被験体はSCP-CN-1101-2と呼ばれます。180グラム以上を一度に摂取した場合は、通常急激な肉体の変化により10時間以内に死亡します。このステージでは、舌の先端の分割、瞳孔の細長い形への変化、皮膚上皮細胞の鱗状構造への変化(通常背中、大腿、上腕、背中、手背から始まります。累積摂取量が増え、このステージの終わりを迎えたならば、全身を覆います)、尾椎の増加と爬虫類の尾に似た構造への変化といった、一連の肉体の変形が現れます。
被験体へのインタビューでは、SCP-CN-1101摂取前の記憶を保持していることが示されました。被験体の心理状態は通常の人間に類似していますが、暴力性の亢進が見られ、外部刺激へのストレス応答は著明に増大していました。後期の皮膚サンプル切片では、被験体の鱗組織にはキチン質成分が含まれる一方、アミメニシキヘビ(Python reticulatus)に似たケラチン構造を持っていました。血球の分析では、赤血球は通常の人間より丸く、その形状と大きさはクサリヘビの一種(Vipera russelli siamensis)に95%の類似性を示し、また単核の貪食細胞も90%の類似性を示します。顆粒球3種の形態は、ウミイグアナ(Amblyrhynchus cristatus)のそれに90%の類似性を示し、リンパ球の大きさもウミイグアナと同等です。
遺伝子分析では、多数の変異が短い時間内で起こり、ミトコンドリアDNAのらせん構造が既知の爬虫類及び哺乳類と大きく異ることが示されました。DNAシーケンスの決定は未だ進行中です。このステージに達すると、被験体の100%がSCP-CN-1101の摂取の継続を希望し、被験体はしばしばステージ3に入ることとなります。被験体のSCP-CN-1101の所持及び摂取を阻止する試みは、被験体による極度に暴力的な応答を引き起こします。
ステージ3:このステージは通常ヒト被験体が300グラムのSCP-CN-1101またはその分泌物を摂取することで到達します。この段階に至ったヒト被験体はSCP-CN-1101-3と呼ばれます。180グラムを一度に摂取した場合(生存率は3%です)も、生存した場合にはこのステージに入ります。被験体の筋肉、骨、および臓器は、ステージ2で徐々に変化していたものに基づいて激しく増殖します。身体構造の一部は完全に再構成され、特に四肢の激しい異種化が顕著です。この過程において、被験体は大量のエネルギーを摂取する必要があり、食料供給が滞ることは彼らを極度に攻撃的にさせます。他の被験体などの、あらゆる有機素材を摂取しようとしたケースがあります。過去10年の間の██件の人間及び動物の行方不明、さらに[データ削除]が、財団の管理外でのステージ3変異体によるものと推測されています。十分なエネルギーを摂取できなかった被験体は激しい栄養失調により死亡し、何例かの死後解剖では自己摂食および自己消化と思われる複数の四肢の損傷及び内臓の激しい変形が観察されました。
変形が完了すると、被験体は高さ3m、体長7m、体重1500kgとなります。前肢と胴体はDromaeosaurusに似ており、首、頭部、尾はビルマニシキヘビ(Python bivittatus)に類似し、後肢と骨盤構造は大幅に退化し、ほぼ消失します。心理テストと脳波分析では、このステージの被験体は身体と遺伝子の大幅な変化にも関わらず、記憶とSCP-CN-1101摂取前の人格の一部を保持します。IQテストでは被験体の平均IQは110ですが、問題解決に際して合理的な思考よりも暴力を使う傾向があります。
このステージの被験体の解剖学的解析では、脳容積は9000mlに到達しえ、肺と消化器の構造は爬虫類よりもイヌワシ(Aquila chrysaetos)などの大型猛禽類に似ていることが示されました。おそらくは、これらは尾や前肢への血液供給を維持し、必要時に全身的な循環を高めるために用いられていると思われます。筋繊維の強度と延性、および骨密度はあらゆる既知の爬虫類及び哺乳類より高いです。ミトコンドリアDNAの分析ではステージ3とステージ2の被験体のDNAの差異は10%以上と示されています。詳細なDNAシーケンスの決定は未だ進行中です。
事案-サイト-CN-75-01により、このステージの実体は同サイズの爬虫類と同等の打撃力、咬合力および瞬発力を持ち、疾走時の速度は130 km/hを越えることが示されました。その鱗と表皮は高い強靭さと硬度を持ち、通常の携行火器で有効な傷害を与えることは難しくなっています。火炎放射器と対物狙撃ライフルは収容を違反したこれらの実体を有効に制圧でき、破壊できることが示されています。このステージでは、実体は炎と光(20,000ルーメン以上)を恐れることが観察されています。
28日間の観察および対照実験では、このステージの変形を終えた被験体は安定しており、更なる変異およびそれ以上のSCP-CN-1101の摂取に対する欲求を見せませんでした。したがって、ステージ3は通常の環境下でのSCP-CN-1101摂取による変形の最終ステージと思われます。更なるステージがある可能性は示唆されていません。
ステージ4:財団はステージ4個体には1例しか接触したことがないため、ステージ4に関する全てのデータは事案-サイト-CN-75-01に由来し、誤りが含まれる可能性があります。ステージ4個体はSK-BIOタイプHの亜種であり、SCP-CN-1101-4と呼称されます。
ここまでの3ステージと異なり、SCP-CN-1101-4は複数のSCP-CN-1101-3の集合体として形成されます。SCP-CN-1101-3のSCP-CN-1101-4への変化は非常に奇跡論的で儀式的です。変化に参加するSCP-CN-1101-3は集合意識を形成し、同じ場所に集まります。その後個体群は互いを攻撃し、死んだ個体の肉体を消費します。現在、この行動は変化に必要なEVE粒子を血の生贄の儀式のようなものを通じて生成し、主な思考を担当するのに適したものを選出することを目的としていると考えられています。1体のSCP-CN-1101-3を残して残りが死亡したあと、生き残った個体は他の個体の組織を吸収し、高度に奇跡論的なプロセスを経てSCP-CN-1101-4に変化します。
物理的には、SCP-CN-1101-4は高度な知性と多形性、および自律的にその質量と容積を増加させる能力を持つ不定形の生物です。奇跡論では、SCP-CN-1101-4は単一完全実体です。1実例のSCP-CN-1101-4は11,000ソウル以上のEVE放射を放つことが観測されています。現状、何例かのSCP-CN-1101-4はアキヴァ放射を行ったと思われることに留意してください。この説に基づくと、SCP-CN-1101-4は何らかの宗教上の意味を持ち、部分的もしくは完全な神性を持っていると思われます。
補遺-1:蒼白之紅パール・レッド作戦及び関連行動の記録
行動概要 - パール・レッド作戦
行動報告書
コード:苍白之紅作戦
作戦時間:2016-██-██、06:15 - 7:11
参加部隊:
MTF庚申-02 "肉狩人"
MTFプサイ-9 "深淵を見つめるもの"
財団第39航空中隊
行動概要:2016-██-██、中華人民共和国██省███県██郷███村の村民が、近隣の██村と数日間連絡が取れず、様子を見に行った村民も消息不明であると地元警察に訴える。警察署は警察官を派遣するが、村に入った後連絡が取れなくなる。通信途絶の直前、警察の録音に地元の生物と一致しない鳴き声が記録される。警察機関に潜入していた財団の工作員は、状況を知り財団に報告する。
MTFイオタ-10"ポリ公"は地元自治体と交渉し、財団は速やかに██村を封鎖し住民に記憶処理を行う。ドローンによる探索では、██村の道路をSCP-CN-1101-2および-3が歩行していることが発見される。この情報は即座に財団のアジア太平洋軍事作戦司令部に報告される。続いて██村への攻撃が認可され、臨時作戦司令部が当日18:32に██村から5キロメートル地点に設置される。
MTF庚申-02"肉狩人"とMTFプサイ-9 "深淵を見つめるもの"の独立作戦チームがそれぞれ臨時作戦司令部に21:53と22:31に到着し、戦闘準備を始める。攻撃チームの全員は7.62 ×ばつ 51mm破呪弾頭を装填したガウスライフルを装備していた。この装備はそれまでの殲滅試験にてSCP-CN-1101-3および同様の実体を効果的に殺害できることが証明されていた。弾殻表面に刻まれた放逐符文はサーキック生物の自己回復能力を大きく(約73〜85%)阻害する。
翌日の06:15、MTF庚申-02とMTFプサイ-9は██村への攻撃を開始する。作戦中、財団部隊は事前の予想以上の抵抗を認める。VERITASは敵対的実体の位置と状況の確認に十分な役割を果たすが、ベリリウム青銅劣化ウラン弾は事前に接触歴のないSK-BIO種に対する殺傷力が予想より低い。
06:43に、財団第39航空中隊所属のFAH-11「ジガバチ」武装ヘリコプターが現着し、財団は戦闘の主導権を握る。攻撃は07:11に終了し、収容チームと復旧チームが07:19に現地に入りMTF庚申-02とMTFプサイ-9を引き継ぐ。引き継ぎ完了後に両MTFは撤収する。
██名のMTF庚申-02とおよび█名のMTFプサイ-9メンバーが殺害され、他数名が負傷した。8実例のSCP-CN-1101-3および19実例のSCP-CN-1101-2、15実例のSCP-CN-1101-1、27名のその他の変化を受けたサーキシズム教徒、さらに数量不明のSK-BIOが殺害された。3実例のSCP-CN-1101-3および8実例のSCP-CN-1101-2、5名のその他の変化を受けたサーキシズム教徒が捕獲された。
██村の事後調査では、多数の断片化した通常の人間の骨が発見され、198名がDNA鑑定により同定された。更なる尋問により、██村は27日前にサーキシズムの集団により占拠され、一時的に拠点として使用されていたことが判明した。全ての家畜、住民、調査のために訪れた人間はSCP-CN-1101各ステージの変異体の食料として利用された。
すべての情報が確認されたあと、██村はナパーム弾により完全に焼却され、危険な化学物質の輸送車列が██村を通過中に連鎖的に爆発したというカバーストーリーが流布された。
インタビューログ-PoI-CN-5034-01
インタビュービデオ記録
日時:2016-██-██
インタビュー対象:PoI-CN-5034、SCP-CN-1101-3実例
インタビュー担当:3レベル研究員3██博士(以下██博士)
前書:インタビュー対象PoI-CN-5034はパール・レッド作戦中に捕獲された1体のサーキック実体である。IQは112であり中程度の暴力傾向があると測定されている。潜在的危険を防ぐため、対象は全身を拘束され、クラスIV高危険度実体インタビュー室に設置された。インタビューは北京語で行われた。
<記録開始>
██博士:こんにちはPoI-CN-5034、いくつか質問をしたいのだが、協力的になってくれるとありがたい。
PoI-CN-5034:ならば名前を呼ぶのが礼儀だろう。そうすれば俺もやぶさかでない。
██博士:協力的ではないようだな。ならば更なる措置を取らねばならなくなるが──
PoI-CN-5034:(割り込む)龍の道も知らぬ下賤な者よ。こんな玩具で彼女の子らを捕らえられると本当に思っているのか?(笑う)母を裏切ったものども──お前らだけだ──玩具のような牢に囚われるのは。
██博士:母?君はこの異常な能力の源のことを言っているのか?
PoI-CN-5034:お前たちには名前を呼ぶ資格もない!我らは龍の道に従い、彼女が世界になした行いを称え、贖わなくてはならなかったのだ。だがお前たちは蛇の声を聞き、母から与えられた龍の形を捨てた。そして時計仕掛けの壊れた体を修理したのだ!
██博士:質問に答えろ。母とは何を指すか?
PoI-CN-5034:だがそれはもうどうでもいいことだ。あの巨大な真鍮の牢獄は日に日に完成へと近づいている。計略を行った蛇はもはや彼女を捕らえられぬ。
PoI-CN-5034:母は間もなく帰ってくる。彼女の怒りは地を飲む。逃げる場所はない。ここがお前たちの墓場だ。
PoI-CN-5034はその後も黙秘し、このとき以降一切の質問に答えようとはしません。大量の自白薬も、拷問も効果がありませんでした。
<記録終了>
結語:PoI-CN-5034が協力を拒否したため、尋問では極めて僅かな情報しか得られませんでした。作戦中に捕獲された他の実体も同様の反応を示しました。しかしながら、「母」として言及される実体と思われるもの、及びそれに引き起こされる終末シナリオについては高度に一致した証言をしています。尋問中に見せた様々な異常性と言及は、全てGoI-004「夏の異常文化集団」との関連を示唆し、私はこれについて更に調査する必要を感じます──レベル3研究員██
補遺-2:事案-サイト-CN-75-01
事案記録-サイト-CN-75-01
事案映像記録
日付:2016-██-██
場所:Area-CN-75
主な関連オブジェクト:SCP-CN-1101
前書:サイト-CN-75にて事故が発生した。このサイトはパール・レッド作戦の事後処理と生存者の尋問を担当していた。以下が事故の概要と分析である。
09:13:サイト-CN-75外部のVERITASが高エネルギー奇跡論反応を検出する。奇跡論分析により52の顕現輪が形成されていることが判明し、防衛システムは即座にその形成プロセスを阻害するため放逐グレネードを発射する。サイト-CN-75はレベル1警戒態勢に入り、全ての職員に攻撃が通知される。
09:15:放逐グレネードは52輪中19輪の顕現を阻止することに成功するが、残り33輪が地表から25〜30メートルに完全顕現し、続いて大型の一種の輸送カプセルと思われるキチン質の構造物が顕現輪内に出現し地上に落下する。落下後カプセルは開き、多数のSCP-CN-1101-2および-3実体、及び多数のSK-BIO実例が出現、接近を開始する。対人地雷と自動火器が起動されるが、敵対実体の進撃速度には僅かな影響しか与えない。サイトの保安部隊は主出入り口に集結し、防衛を開始する。同時に、収容された全てのSCP-CN-1101-2および-3実体は高レベルの脳波の同調を呈する。これは集合意識形成の前兆と考えられる。
09:17:敵対実体はサイト-CN-75の防壁に到着し、損傷を与え始める。防壁上の自動機銃の一部がSK-BIOタイプI「投槍兵」により破壊される。同時に、多数の不明なSK-BIO実体が壁を登り始め、はしご状の構造を構成する。
09:18:防壁が複数箇所で突破され、敵対実体が第1および第2保護収容ウイングを攻撃し始める。保安部隊は濃縮ガソリン火炎放射器を使用する。敵対実体の一部は制圧されるが、第2保護収容ウイングの入口2箇所が突破される。
09:19:多数の敵対実体が第2保護収容ウイングに侵入し、保安部隊と激しい戦闘を行う。同時に、敵対実体の主部隊は隣接する他の建物を攻撃し始める。第2保護収容ウイングでは15体のSCP-CN-1101-2、21体のSCP-CN-1101-3、90体以上の多種類のSK-BIO実体が高脅威実体収容所に移動し始める。██村への攻撃で捕獲され、収容中のSCP-CN-1101-2、 -3実体も収容施設を内側から攻撃し、収容を突破する。その過程で全員が現代的な特殊部隊に相当する戦術的な協調を見せたことは、完全に形成された集合意識により行われたと考えられている。多数の保安部隊が入口や主な通路に再配置されていたが、この行動を大幅に阻止することはできなかった。攻撃部隊からのSCP-CN-1101-3実例は高脅威実体収容所に収容されていたSCP-CN-1101-3実例と合流を果たした。
第2保護収容ウイングの監視映像とセンサーデータの記録、09:20
<記録開始>
09:20:27:SCP-CN-1101年3月01日からSCP-CN-1101年3月24日に番号付けられている、24体のSCP-CN-1101-3実例が第2保護収容ウイングの通路に集結する。この時点で、何体かのSCP-CN-1101-3実例には、頸部や前腕の鱗が剥落し、表皮組織が腫瘍状に突出している更なる変異が認められる。更に数体の腫瘍状突起は頭足類の触腕に似た構造を形成している。
09:20:39:SCP-CN-1101-3実例は互いを攻撃し始める。複数の実例は頸部の切断により死亡する。生存したSCP-CN-1101-3実例は死体を摂食し始め、肉眼でわかるほどの速度で変異していく。多数の腫瘍と触腕状の付属肢が全身に発生する。変異の程度は他のSCP-CN-1101-3実例を摂食した量に比例している。
09:21:42:相互の攻撃により24体中22体のSCP-CN-1101-3実例が死亡し、SCP-CN-1101年3月13日とSCP-CN-1101年3月07日が生存している。2体は内部の組織が高速で増殖するため表皮組織は複数箇所で裂けており、多数の触腕状の付属肢が表皮から突き出ているといった、通常のSCP-CN-1101-3実体からは大きく異なる変異を呈している。いくつかの付属肢は眼球状の構造や歯状の構造を先端に形成している。SCP-CN-1101年3月13日は体長およそ15.3 mであり、SCP-CN-1101年3月07日は体長14.5 mである。
09:22:51:SCP-CN-1101年3月07日がSCP-CN-1101年3月13日との戦闘で死亡し、SCP-CN-1101年3月13日は173 dBに相当する叫び声を上げる。SCP-CN-1101年3月13日の表皮全てが剥落し、露出した骨が溶解するのが観察される。SCP-CN-1101年3月13日は周囲の床面に散らばったSCP-CN-1101-3の組織を摂食し続け、その身体は更に拡大する。前腕、頸、尾などの構造を視認することが難しくなる。この時点で、SCP-CN-1101年3月13日は表面に接触した生物組織を直接吸収する能力を見せはじめる。このプロセスの最中、VERITASは多数のEVE粒子の放出を検出する。他の23体のSCP-CN-1101-3の組織を全て吸収した後、SCP-CN-1101年3月13日は不定形の生体へと変化し、圧力センサーがおよそ37,500 kgの質量を計測する。この実例は後にSCP-CN-1101年4月01日と命名され、財団が記録した初の、現時点で唯一のSCP-CN-1101-4実例となる。
<記録終了>
09:24:完全に形成されたSCP-CN-1101年4月01日は第2保護収容ウイングの主出入口へと移動する。SCP-CN-1101年4月01日は収容施設内の多数のSCP-CN-1101との接触を試みていると考えられる。これを受け、サイト司令部は機動部隊庚申-02「肉狩人」に即座に出動しSCP-CN-1101年4月01日の進路上にて攻撃を開始するよう命令する。第1保護収容ウイングと第2保護収容ウイングの全ての連絡橋は指向性爆薬により破壊され、地下通路はレベル1封鎖状態に入った。同時に、サイトの非常用核弾頭は緊急事態に備え爆破準備状態に入った。
09:25:SCP-CN-1101年4月01日は第2保護収容ウイングから出て移動を続ける。その過程で棟内の職員を吸収し、毒性の液体を分泌する。残存する敵対的実体は第2保護収容ウイング内の部隊と戦闘を始める。SK-BIO実例には、他の死亡したSK-BIO実例の体を摂食したり、監視カメラを破壊するものがいる。同時にMTF庚申-02は白燐焼夷弾、濃縮ガソリン火炎放射器、大口径破呪弾頭等、多種類の武器を使いSCP-CN-1101年4月01日と交戦するが、十分な効果を与えられていない。サイト司令部はMTF庚申-02に第2保護収容ウイングからの撤退を命じる。
09:26:レベル3研究員インファス博士を吸収し、SCP-CN-1101年4月01日は突然第2保護収容ウイングの主出入り口への移動を止め、地下部分への移動を始める。残存する敵対実体も後に続く。レベル3研究員インファス博士はSCP-CN-1101の収容施設を知る最初の犠牲者だったと判明する。SCP-CN-1101年4月01日は吸収した生物の記憶を得て行動を修正できることが判明し、地下通路3番から5番が第1保護収容ウイングへの通路としてSCP-CN-1101年4月01日により利用される可能性が最も高いと考えられる。サイトの工兵チームがSCP-CN-1101年4月01日の予想進路へと急ぎ、無人兵器システムを展開する。一方で、残りの保安部隊は第1保護収容ウイングから撤退を開始する。
09:28:SCP-CN-1101年4月01日は第3地下通路の中央の重隔壁に到着する。監視カメラ映像により、SCP-CN-1101年4月01日の表面から触手状の付属肢が隔壁のコントロールに用いられている顔面・虹彩認識システムに伸びる。付属肢の先端は素早く変形し、人間状の構造になる。画像解析により、構造はすでに吸収されたレベル4研究員シルバー・███博士と同定される。シルバー・███博士はそれまでにSCP-CN-1101年4月01日により吸収されたなかで最も高いセキュリティ認可を受けた人物であると判明する。しかしながら、地下通路はレベル1封鎖に入っていたため、セキュリティ手順によりそれには反応しない。無反応であることを確認すると、SCP-CN-1101年4月01日の表面から多数の触手状の付属肢が伸び、周囲の強化コンクリート壁に突き刺さり、結晶化する。
09:29:SCP-CN-1101年4月01日の前部が突出する。熱イメージシステムによると、通常の組織温よりも高い液体がSCP-CN-1101年4月01日の体腔内で分泌され輸送されている。突出部では一種の水力によるメカニズムが形成されていると示唆される。続いて、先端部が鋭いシート状の構造となり、防護扉のヒンジ部に約████m / sで突き入れられる。防護壁内部のセンサーは█████MPa以上の剪断応力と、約13.7 cmの貫通を検出する。更に触手状の付属肢が多数SCP-CN-1101年4月01日から突き出し、周辺の壁に突き刺さった後結晶化する。後に残留していた付属肢の構造のrietan-FP格子の分析では、格子間の応力は██MPaで保持されていた。結晶化した付属肢は防護扉の破壊の間支持構造として利用されたと推測される。
09:32:SCP-CN-1101年4月01日が防護扉のヒンジに幅12 cm、高さ135 cm、深さ170 cmの損傷を及ぼし、それは依然として拡大している。防護扉の損傷の後の分析では、SCP-1101年4月01日による強い剪断力のためにヒンジ部で破壊されたことを示す激しい断熱剪断現象の跡が発見された。SCP-CN-1101年4月01日がどのようにしてこのような強い力(█.███ ×ばつ 107 N)を発生させたのかは不明である。
09:34:防護壁はSCP-CN-1101年4月01日により接続部で破壊される。後の防護壁の分析ではSCP-CN-1101年4月01日が正確にロックコアとボルト構造を破壊していたことが示された。SCP-CN-1101年4月01日は防護壁を通路の内壁から分離した後、第1保護収容ウイングに侵入する。棟内の無人兵器が即座に攻撃を開始するが、効果は低い。
09:41:サイト司令部が状況は収拾不可能と判断し、同時にSCP-CN-1101年4月01日を破壊するため棟内のジシアノアセチレン-3フッ化塩素緊急飽和システムを使用する決定が下される。第1保護収容ウイングはレベル1内部ロックアウト状態に入り、換気システムが空気導入モードに入る。ジシアノアセチレン-3フッ化塩素緊急飽和システムにより生成された高温高圧ガスがSCP-CN-1101の収容施設及びSCP-CN-1101年4月01日の位置に向けられる。
09:42:SCP-CN-1101年4月01日はSCP-CN-1101の収容施設に近いことが確認される。第1保護収容ウイングに設置されたジシアノアセチレン-3フッ化塩素緊急飽和システムが遠隔から起動される。40秒間の間、殲滅領域内は最大6317°Cで加熱される。
09:43:第1保護収容ウイングの生物検出システムにより不明な生物シグナルが検出され、SCP-CN-1101年4月01日が生存していることが確認される。第1保護収容ウイングの地下に設置された緊急核弾頭がサイト司令部の指令により起爆される。爆発は第1保護収容ウイングを完全に破壊し、モニタリング設備はシグナルを断絶する。同時に、サイト-CN-42(サイト-CN-75から378 kmの距離にある)の応用神学研究施設がサイト-CN-75からの強いアキヴァ放射を検出する。それは0.17秒持続する。
09:45:VERITASが爆心地から数回の強いEVEパルスを検出する。緊急に派遣されたドローンは第1保護収容ウイングの残骸に位置する高活性の巨大で不規則な生物構造物を観測し、即座にSCP-1101年4月01日と同定される。更なる観察により、SCP-1101年4月01日は物質の摂取をせずとも自発的に容積と質量を増していることが判明し、短期間に多大な外傷を負ったことへの代償的反応であると推定される。続行中のUER事案かつNK-レベル世界終焉シナリオの可能性ありとして即座にO5評議会に報告される。
09:47:O5評議会は、13対0の投票にてヘリオス=システムの開始の提言を可決する。A-レベル制御不能核融合事故発生のカバープロトコルであるNA-01 が即座に発動し、各政府の財団との連絡役に通達される。東半球の全ての核爆発モニター衛星およびサイト-CN-75の12,000 km以内の地震観測所が停止される。サイト-CN-75は全面的避難プロトコルを開始する。
09:50:ヘリオス=システムが北緯41度23分36.██秒、東経91度27分34.██秒、海抜985 mにて32%の出力で0.05秒間照射される。照射により、第1保護収容ウイングとSCP-CN-1101年4月01日が完全に蒸発する。照射を生き残った敵性実体は増援により殺害される。侵略イベントの終了が確認される。
事案報告-サイト-CN-75-01
事案文書報告
日付:2016-██-██
位置:サイト-CN-75
主な関連オブジェクト:SCP-CN-1101
前書:サイト-CN-75にて事故が発生した。このサイトはパール・レッド作戦の事後処理と生存者の尋問を担当していた。以下が事故の概要と分析である。
損害報告:███名のサイト保安職員、███名の研究員、██名の機動部隊メンバー、さらに██名のその他の職員が事案により死亡し、その他名が負傷した。サイト-CN-75は完全に破壊された。██点の異常なオブジェクトが事案中に無力化された。放射性の塵および高エネルギー奇跡論放出は未だ評価中である。再建と復興のコストは最低でもおよそ█████億元と見積もられている。
事故原因分析:事故の主原因はサーキシズムの一派(██村におけるサーキシズムと同じ一派と考えられます)によるサイト-CN-75への襲撃であったが、目的は不明である。サイト-CN-75に収容されていた多数のSCP-CN-1101の強奪や██村で捕獲された他のサーキシズム教徒の救出であったと考えられている。同様の事案が再度発生することを防ぐため、サーキシズム関連のアノマリーが収容されている複数の財団サイトはセキュリティが強化された。
自己責任分析:事案はサイトへの攻撃であり、また調査の結果情報漏洩に関与したものおよび/または内通者は存在しなかったため、財団職員でこの事案に責任のあるものはいないと考えられた。しかしながらサイト管理者トゥエルヴ博士はサイトの自動防衛システムの定期的アップデートの不実施、SK-BIOに対し効果的な武器のサイト保安部隊への不支給といった怠慢及び不作為が認められた(事故調査の結果、破呪弾頭など敵対的異常実体に対する兵器の備蓄が大幅に不足していたことが明らかになった)。また、その地位を利用し、事案中に早期に脱出した。これらによりトゥエルヴ博士は懲戒、降格され、サーティーン博士が新たにサイト管理者となった。
補遺-1:事故隠蔽
財団はこの事案について中国政府と協定を結び、中国政府はこの事故は公式には放射性隕石の衝突による地震であるとし、偽造されたデータを公表し、財団には責任を問わないことに合意している。交換条件として、財団は放射性降下物の浄化、被災地の復興、中国に存在する一部の異常実体および地域の司法権についての再交渉を行う。
補遺-2:本事案に関するO5評議会の指示
SCP-CN-1101-2、-3実例の収容は即座に停止し、それら実体は全て終了する。以降のSCP-CN-1101に関するあらゆる実験はO5評議会に実験計画を書面で提出し、最低でも2名のO5の認可により実施可能となる。
補遺-3:プロジェクト研究チームの変更
SCP-CN-1101の元来の研究チームのメンバーの殆どが事案により死亡したため、研究チームの生存者はレベル4研究員であり、歴史-宗教的アノマリー研究チーム主任である███博士のチームに統合される。SCP-CN-1101の収容と更なる研究は一時的にサイト-CN-52に移動される。
補遺-3:研究報告
科学部門報告書
報告者:SCP-CN-1101研究チームリーダー███博士
日時:2016-██-██
件名:SCP-CN-1101とGoI-004X「夏の異常文化集団」の関連の可能性
宛先:O5評議会
SCP-CN-1101の宗教的、歴史的情報についての収集と研究を、その基本的な異常性のさらなる理解と合わせ、研究チームはSCP-CN-1101とGoI-004X「夏の異常文化集団」の間に何らかの関係があると結論しました。夏王朝時代に、アルファレベルの敵対的異常実体が生み出された可能性が高く、それは最高神と思われる実体、ヤルダバオートと直接関係しています。
研究チームはパール・レッド作戦中に██村を占拠していたサーキシズムの教派についての詳細な調査を進めました。初期段階の研究の結果からは、プロト-サーキックの一派と分類されると結論され、暫定的にGoI-2315と命名されました。しかしながら、更なる調査により、現在財団に知られているサーキシズムとは全く異なっていることが明らかになりました。この分派は財団のデータベースにはほとんど痕跡がなく、異学会の文献からは、少なくとも漢の時代には現在の主流となるサーキシズムからは分岐していたことが示されました。GoI-2315と最も近縁にあるサーキック集団はタリム盆地に住む遊牧民であることが判明しましたが、この遊牧民はクラスF記憶処理を受けているため、この場所から詳細な情報を得ることはできません。
パール・レッド作戦中に殺害されたSK-BIO実例の標本からも、GoI-2315と現代のサーキシズムとの相違が明らかになりました。使用されたSK-BIO個体は全て、財団がこれまでに記録したことのない種であり、既知のSK-BIO個体とは肉体の変形(リハクタァク)のパターンが大きく異なっています。露出した暗赤色の体組織、甲殻類の外骨格、高度に武器化された器官は観察されない一方で、すべての個体は程度の差はありますが、爬虫類の特徴を呈しています。また、PoI-CN-5034は尋問中に「母」という言葉に頻繁に言及し、「母は間もなく帰る」と発言しましたが、夏の異常文化集団では、「母」という用語は龍母神、すなわちヤルダバオートを指すものです。
更にSCP-CN-1101と夏の異常文化集団の関連を示す傍証が、文書-2481の記述にあります。ここでは相応の長さの文章がアルファレベルの敵対的脅威実体である「相柳 そうりゅう」を描写するために割かれています──「相柳はもともと寄り集まった人間であった。彼らは蛇の道を学んだわけでも龍の言葉を聞いたわけでもなかったので、彼らが溶け合わさったときその魂は消えてしまった。それに近づいたものは食べられてしまった。」「今や悪意に満ちた龍や蛇が河に住んにいる。」──といったものです。これらと同様の記述が山海経 せんがいきょうにあることにも留意すべきです。また、文書-2481には相柳の起源も描かれており、原文では「太歳は龍が捕らえられしところ。その檻は破られたり、肉は九州に降りて相柳のごときもの現れたり。」とあります。このことは、SCP-2481-3のような夏王朝の学者が、そのような実体の出現の理由を「太歳」から九州に肉が降臨したためと考えていたことを示すのに十分でしょう。注目すべきことに、文書-2481では肉について「肉は九州に降り」と書かれていることと一致して、財団はSCP-CN-1101実例をユーラシア大陸外で発見したことはありません。
このような記述を分析と比較することにより、研究チームは仮説を立てました。文書-2481に描写されるアルファ級敵対的脅威実体である「相柳」が後に言うSCP-CN-1101-4実例であり、「肉」がSCP-CN-1101であります。SCP-2481-2がほぼ完全に夏王朝とその制作物を消し去ったため、このことについてさらなる情報を得ることはほぼ不可能です。しかしながらSCP-CN-1101の起源に関しては、「太歳」であると考えられます。加えて、研究チームは最近新たな進展を見せました。
2ヶ月前、研究チームは、財団のアノマリーデータベース上でCA-2216862と名付けられているアノマリー──木星周囲の空間の周期的な異常歪曲フィールドです──に起きた異変をを発見しました。過去11年の観測データを比較することにより、研究チームは2014年にCA-2216862が活性化状態に入った後の4月から5月に、SCP-CN-1101の確保数が急増していることを発見しました。この時間差は数理モデルから導き出された出現から回収までの平均時間にも一致します。つまり、CA-2216862の空間変動とSCP-CN-1101の出現は同時に発生しており、両者の間には直接的もしくは間接的な相関関係があると考えられます。夏の異常文化集団における木星の重要性を考えると、これはただの偶然とは考えづらいです。
CA-2216862とSCP-CN-1101の関連を確認した後、研究チームは木星周囲の空間歪曲フィールドを正確にマッピングするため、木星の高軌道施設FORC-19にCA-2216862の高精度スキャンを依頼しました。スキャンにより以前は明らかになっていなかった多数の詳細が明らかになりました。CA-2216862はこれまでは実体を伴わない空間アノマリーと考えられていましたが、高精度スキャンにより木星周囲の空間歪曲フィールドには主要なノードがあることが判明しました。それがこの空間アノマリーの発生源であるかもしれません。それは、アドラステアです。
現在、距離の問題のため、アドラステアの詳細な直接観察はできませんが、非常になめらかな光度曲線を呈し(自転が殆どないか、完全に対称な物体であることを示します)、殆どのアステロイドよりも高い赤外線特性は、財団の天文学者の注意を引いています。GoI-004Xが限定的な宇宙航行を実施し、それを可能とする技術と資源を持っていたことを示す多数の歴史的記録と関連するアノマリーを考慮すると、CA-2216862、アドラステア、そしてGoI-004Xに直接的にしろ間接的にしろ関連があると考えるのは、合理的です。アドラステアもしくはその内容物が夏王朝の遺物であるならば、財団はその分析と調査を通じて多大な技術的進歩を得ることができるでしょう。そうでなくとも、財団はSCP-CN-1101の異常性についてより多くの情報を得ることができ、そのデータはSCP-CN-1101のより良い収容の助けとなることでしょう。
以上のことを踏まえ、私は探査計画についての協議と決議を要請します。
探査計画の認可
From:O5-9
to:4レベル研究員███博士
件名:木星軌道上の空間アノマリーの探索
承認申請に基づき、評議会は本探索がサイト-CN-52とFORC-19の共同で行われることを承認します。FSF-039ロシナンテはエイトケンのドックに向かっており、そこで宇宙のアノマリー探索のために改造される予定です。███博士にはGoI-004X関連のオブジェクトに関して、一時的なレベル5クリアランスが与えられます。あなたの現在の仕事は引き継がれます。歴史・宗教的GoI研究部門からの専門家のチームがあなたのもとに割り当てられ、あなたがリーダーとなります。本日より、あなたが探索プロジェクトの全責任を負い、O5評議会に直接監督されます。
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