SCP-979
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カメラに反応したSCP-979

アイテム番号: SCP-979

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-979に曝露している可能性のある全ての人物は、精神が変化していることについてよく調査される必要があります。SCP-979自体は、長さ、高さ、幅が約5mであるプラスチックの床材が敷かれた金網の籠に収容してください。SCP-979は排泄を行わないため、床に藁を敷く必要はありません。しかし、SCP-979が乾燥することを防ぐため、150mLの給水器を与え、毎日水を換えてください。また、SCP-979には籠の中に1つ、任意の色の商用プラスチックで構成される、多くのウサギ科の仲間の生活環境に合わせて作られた、通常ペットショップで交配のために売られている住まいが与えられます。SCP-979は隠しカメラで24時間体制の監視を行ってください。万が一何らかの形でSCP-979の振る舞いが変化した場合、それは記録され、レベル3以上の職員に報告されます。

説明: SCP-979は、ウサギ科の仲間の形状をした、生きている炻器の置物です。SCP-979は通常言われているウサギ科の仲間と比べて、感情を表すため、限定されずに表情を変化させることのできる能力や、典型的な人間の反応と同一の態度を含んだ微細な違いがあります。SCP-979には耳や後足が長すぎたり大きすぎたりするような、解剖学的に適切でない構造の欠陥があり、通常の動きが非常に困難となっています。SCP-979の振る舞いはいくつかの感覚があるように観測できますが、それは刺激に対して一般的に恐怖や回避でのみ反応を行います。その他の反応はレベル3以上の職員に報告されなければなりません。

SCP-979は任意の刺激に反応して、高周波のノイズを発します。その音量はSCP-979の感じている苦痛の程度に比例していると考えられます。長期に渡ってSCP-979の近くにいることは、全ての感覚における共感覚を引き起こします。それは通常4時間の経過で顕在化し、約3週間の可変期間に渡って悪化していきます。SCP-979の発するノイズへの曝露は、共感覚が発達する速度を早めることが判明しています。しかし、録音したものではこの効果を再現することはできなかったため、ノイズが主な原因であるとは考えられません。最初に効果を受ける感覚は、理由は不明ですが、典型的には聴覚です。SCP-979に曝露した人間は、触覚と関連して「囁くような、さらさらとした声」と表現されるものを感じる傾向にあり、できる限り多くの、いかなる物理的な接触をも避けるようになります。通常、この第1の効果は曝露から約10分の経過で発生します。

その後1週間以内に、曝露した人物は最低でも3つの感覚における共感覚を引き起こしますが、その3つは個人が依存しているものである傾向があります。この段階に至ると何かしらの精神病を発症しますが、それが共感覚による精神的な乱れによるものか、それとも他の何かが原因であるのかは不明です。唯一記録されている、SCP-979に曝露した職員(ここではSCP-979-V1と分類する)の例では、大きな不安感に似た症状で、最も顕著なものとしては特に夜間に見られる、想像の存在が常に自分の肌に触れているように感じる定期的な思考があげられており、ここで曝露した職員は全身の皮膚の上を、想像の存在の大量の手足がなで回しているように感じたと報告しています。

約2週間が経過すると、SCP-979によって引き起こされた共感覚は全ての感覚に広がりますが、特定の感覚は他のものよりも控えめであるように観察され、それは患者に応じて異なります。SCP-979-V1においては、前述した想像の存在に関する定期的な思考が強迫観念へと変わり、SCP-979-V1は定期的に想像の存在に対してほとんど成功しないと思われる攻撃を行おうとするようになりました。想像の存在の外見に関する全ての質問は成立しませんでした。SCP-979-V1はこの期間中に約██回の自殺を試み、加えて重度の不眠症を発症しました。またSCP-979-V1は、前述した幻覚の存在は現在、ほとんどの場合はキスや愛撫や[編集済]といった異なるタイプの接触と共に肌を舐め回していると報告しました。この時点で、SCP-979-V1は実際にどの部位を触られているかを説明しなくなりました。

そして3週間以内に、共感覚は全ての感覚において完全に引き起こされます。SCP-979-V1はあらゆる感覚的な情報を扱うことが極度に困難となっており、過負荷が原因となって精神が定期的に感覚を遮断するようになりました。SCP-979-V1はSCP-979自体と似た挙動を示すようになり、緊張状態に陥る前に幻覚との対話を行おうとしているように観測されました。その後、対象は5週目に、胴体に大きな切れ込みが入れられ、臓器が体内から引きずり出されていたのを発見されるまでの間、それ以上の進行は確認されませんでした。なぜSCP-979-V1にこのような傷が発生していたのかは不明です。

SCP-979は、チリの██████にて発見されました。SCP-979は、████████博物館で行われた、ザ・カインドマン(The Kind Man)というペンネームで活動しているアーティストの展覧会で紹介されていました。幻覚および共感覚の発生についての報道がなされた後、SCP-979は財団の管理下に置かれました。

補遺:

[記録開始]

D████████博士: おはようございます。ご自分の名前をおっしゃってください。

████: もう朝なのか?えっと、最後に確認した俺の名前は████だったな。白コートの糞野郎どもは周りでこんなクソで冗談みたいな話を記録しなくてもいいのか?

D████████博士: 現在の時刻は午前9時7分です。あなたが記録した昨夜の出来事について説明してください。

████: は?あんた気付かなかったのかよ。

D████████博士: 昨夜は特に目立った現象は記録されていません。しかし、あなたの振る舞いが......

████: あんたあのクソに気付いてなかったのか!?俺の近くをずっとうろついてただろうが!少なくともあの[編集済]なヤツはギリギリ触れては来なかったけどよ、俺はそいつを感じてたんだ!クソ野郎がささやいてこないと思ったら、色からクソみてえな臭いがするしよ!あんたこれでもその共......何とかとかいうデタラメを撤回する気はないのか?あんたらのやってること、サイコパスみてえなもんじゃねえかチクショウ!

D████████博士: あなたの知覚によって感じ取った昨夜の出来事の更なる詳細について教えてください。特に、エージェント・█████が介入することになった直前の、カメラが捉えたあなたの不安定な動きに関して。

████: あんたは俺にこんなクソを垂れ流すみてえなことしなきゃなんねえのか、やっぱりそのクソな技術じゃあんたできねえんだろ......

D████████博士: 質問に答えてください。あなたは昨夜、何を見たのですか?

████: それは見るようなモンじゃねえんだよ、博士。あれは感じるモンなんだ。息をするのも難しいぐらいで、俺が何かに触ったりすれば、そいつはクソ近くまでやってきて俺を監視してうろつくんだ。何か喋ってるのが聞こえたら、あいつは正しく俺の耳に、俺と一緒にいるろくでなしのクソが、ヤツがいる!俺はヤツの臭いも感じるし、そうだな......テレビの画面に触ったときみたいな、少しチクチクするような感覚がちょうどここ......ここから感じる。(████は彼の胸骨に触れた)そんで丁度息が出来なくなるくらいの圧を感じてよ、俺は察したんだ、これからの人生、ほとんど野郎の手を感じていかなきゃならないって......触手みたいな......よ!ヤツはまさに今俺の右にいるんだ、マジであんた分かんねえのかクソッ!?(████は周囲を大きくかき回し、著しい過呼吸を発症した)ああ、神様......俺は今感じるよ......クソッ!やめろ!やめてくれっつってんだ!

████は恐らく自殺を行うために、インタビューに用いたテーブルの側面に彼の顔を打ち付けはじめた。停止の命令が繰り返し無視されると、エージェント・██████が鎮静剤を投与し、対象を観察室へと連れ戻した。

[記録終了]

ページリビジョン: 7, 最終更新: 21 Feb 2024 12:34
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