アイテム番号: SCP-910-JP
変形するSCP-910-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-910-JPを回収する試みは全て失敗に終わっており、現在は発見された地点から半径██kmの範囲で封鎖を行っています。一般人がこの地域の通行を試みた場合は自然保護の理由で立入禁止区域にあると説明してください。SCP-910-JPは910-JP監視塔を用いて常に形状の変化を監視されねばならず、変化があればただちに記録されます。第一次910-JP回収作戦以降SCP-910-JPは財団職員に敵対的であるため、如何なる職員もSCP-910-JPへの接近は許されません。
説明: SCP-910-JPは████████から███████までに続く平地に敷かれた道路の傍らに存在します。通常は標識令に規定されている「一時停止」の道路標識の外見を維持しており、構成素材は今のところ不明です。標識部位は通常の手段で損傷を与えることが可能ですが、損傷は未知の方法によって即時に再生します。支柱部位は如何なる手段を用いても損傷を与えることができませんでした。
SCP-910-JPの標識部分はあらゆる道路標識標識に変形することが可能で、各標識に関連する超常現象を発生させます。その種類は非常に多岐に渡り限界範囲は未知数です。詳細は現象記録910-JP-Aを参照してください。
落石を発生させるSCP-910-JP
現象記録910-JP-A群(簡略版)
記録された現象は全てSCP-910-JPの所在地点から半径50m以内の範囲で発生しており、極端に離れた位置から発生した事例はこれまでのところ確認されていません。しかし発生した現象はしばしば前述の50m圏を超えて広範囲に影響を及ぼします。発生した現象は全て物理的なものに限られ、精神的な影響を与えるものは確認されていません。SCP-910-JPは複数の標識に分裂して各標識を併用させたり、補助標識を出現させて範囲や距離などの細かい調整を行ったりすることが可能です。
標識によっては人型生物(SCP-910-JP-1と識別されます)を生み出すものもありますが、これらは対話こそ可能なものの、問い掛けに対してはさも自身が何の異常性も持たない一般人であるかのような反応を示し、SCP-910-JPの異常性を目の当たりにしても完全に無視します。発生した物体や生物はいずれも標識の変形に伴って消失するので回収は不可能と考えられています。
本標識
標識 | 発生した現象 |
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なし |
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SCP-910-JPの傍らの路面に横断歩道が出現した。 |
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SCP-910-JPを中心に未知の力によって全車両が押し出された。 |
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SCP-910-JPの近辺に便所が発生した。 |
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地面の摩擦力が著しく低下した。 |
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SCP-910-JPの傍らの路面を跨ぐ踏切に始まり、周回線路とその上を走行する単行列車が出現。電車の中には複数のSCP-910-JP-1が乗車していた。 |
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地形が盛り上がってSCP-910-JPの直ぐ後方に斜面が出現した。 |
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道路工事には不可欠な車両と機械、5~██████人の作業員の姿をしたSCP-910-JP-1が出現した。 |
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鹿、狸、兎と思しき生物が出現し、SCP-910-JPの傍らの道路を横切った。 |
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何もない上空から突如大量の岩石が出現した。 |
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風力4〜7の突風が吹き荒れた。 |
補助標識
標識 | 付与される効果 |
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現象が行き渡る範囲を示す。この場合、SCP-910-JPから半径50m以内が範囲となる。最小では50m、最大で██████mの表示が確認されており、限界範囲は不明。この補助標識がない場合半径50m未満が標準的に範囲として採用される。 |
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その現象の対象となる車両の種類を示す。この場合は貨物自走車。この補助標識がない時は全種の車両が対象となる。 |
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その現象が行き渡る方向を示す。 |
幸いなのはこれほどまでに多岐に渡る強力な能力を向けられていながら、未だ職員に一人も死者が発生していないことだろう。SCP-910-JPの行動はまるで大人をからかって楽しむ子供のようだ。もしかしたら、我々とは戯れているだけで脅威を与えているつもりは無いのかもしれない。気性も子供レベルだとしたら加減を知らない分、怒らせた時が怖いものだが。
確かにSCP-910-JPを野放しにしているのは危険だが、あの回収作戦を実行するのはそれを超えて危険なことなのではないか。-碓氷博士
SCP-910-JPは知性と人格を有していると推測されています。過去の実験ではSCP-910-JPの性格は「悪戯好き」「人を囃したてる」などと報告されており、接近した人間に保有する能力を用いて怒らせたり困らせたりする行動傾向を見せています。人間が周辺に存在しない時は比較的大人しくなりますが、完全な不活性状態ではなく、特に何の意味もなく能力を行使する様子が報告されています。現在、SCP-910-JPとの直接的なコミュニケーションは実現していません。
SCP-910-JPの標識部位に全体の20%以上の欠損を与えると、超常現象の発生を一時的に食い止めることができますが、SCP-910-JPはハザードシンボルを用いて攻撃的になります。これまでに「放射能標識」「津波」「高電圧」「[削除済]」「[削除済]」などが確認されています。
補遺: SCP-910-JPに損傷を与え続けて抑止を行い、支柱を地面から引き抜くという回収計画が承認されました。過去に3度失敗と改案を重ねて実行されましたが、現状では回収は不可能と判断されました。判断の決め手となったのはSCP-910-JPの驚異的な再生能力と第三次910-JP回収作戦で確認された「[削除済]」「[削除済]」の標識による攻撃でした。回収作戦失敗後、Keterクラスへの格上げが要請され承認されました。
第三次910-JP回収作戦記録 — 日付20██/██/██
《第三次910-JP回収作戦》
目的:
SCP-910-JPの回収、サイト-81██への収容。組織:
指揮班 松崎機動部隊長 和野博士 本郷機動部隊長 三上博士
狙撃班 42人 21チーム
回収班 48人 4チーム特別回収プロトコル(簡略版):
狙撃班はSCP-910-JPから1.5〜2kmの範囲21箇所に散開し、対物ライフルによる切れ間のない射撃でSCP-910-JPの能力の抑止を行います。
回収班は指揮班の指示に従って四方向からの迅速な接近を試みます。目標地点に到着次第、自動小銃による攻撃を行いながら掘削機を用いてSCP-910-JPを掘り起こし、専用収容車の塩酸槽に浸してサイト-81██への運搬を行います。
[削除済]
映像は一部規制されています。
回収班が目標地点から凡そ400mの距離まで接近するとSCP-910-JPは突如、支柱を激しく伸縮させて攻撃を回避する振る舞いを見せ始めました。結果、損傷の再生を許しSCP-910-JPは「█████」「█████」「█████」「█████」「██████」などを含めた[削除済]に酷似した外見と性質を有する生物を██体出現させ、本作戦に参加した職員に多数の犠牲者を生じさせました。本作戦による死者は26名、重軽傷者は9名、行方不明者は57名であると記録されています。
あれに悪知恵がなければ初弾から避けていたはずだ。
俺たちを多く殺すために一芝居打って引きつけたんだ。そうとしか思えない。-松崎機動部隊長
SCP-910-JPの即刻の処分を申請する。
あれの存在は我々の活動の全てを無意味にしている。-三上博士