SCP-822-JP

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タイトル: SCP-822-JP - 外閣感冒
著者: ©︎stengan774 stengan774
作成年: 2020


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財団記録・情報保安管理局より通達

以下のファイルには複数の疑念が未検証の状態のまま存在します。担当職員は脚注で示される疑念を調査し、直ちに現行版の追記・修正を行ってください。

— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ

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[回収された画像]: 収容後のSCP-822-JP。SCP-822-JP-01は映っていない。

アイテム番号: SCP-822-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-822-JPの大部分は現在無力化されていますが、その関連記録及び物品は可能な限り早く発見・収容される必要があります。SCP-822-JP-02からSCP-822-JP-18の残骸はそれぞれ鋼鉄製円柱容器に入れて冷凍後、サイト-81AMの小型アイテム保管庫に安置してください。

説明: SCP-822-JPはかつてサイト-8141に収容されていたと記録されているオブジェクトです。サイト-8141における壊滅的収容違反(事案822-JP-Aを参照)の発生に伴い、SCP-822-JPに関するほぼ全ての情報はデータの破損その他の要因によって失われました。

財団職員が現場に到着した際、すでにSCP-822-JPは無力化されていました。財団による元々の収容文書や付随する記録を復元する試みの成果としていくつかの記録が回収されたものの、未だSCP-822-JPについては不明瞭な点が多く残されています。

[回収された記録]

説明: SCP-822-JPは複数の人型存在(SCP-822-JP-01からSCP-822-JP-18)により構成される集団です。SCP-822-JP-01を除き、SCP-822-JP実例はいずれもモンゴロイド系成人男性の特徴を持つ身体であること、頭部が何らかの物品に置換されていること、燕尾服または軍服を着用していること、食事・排泄・睡眠など一切の生理的な行動を行わないことが共通しています。

SCP-822-JP-01を除いたSCP-822-JP実例は、常に直立不動の姿勢を保ち平坦な抑揚で、中断すること無く各個体が特定の文言の発声作業へ反復的に従事しています。各個体の特定文言はワードサラダ様の単語羅列から明確な意味を持つ数万文字の文章群に至るまで様々な例が確認されていますが、内容は概ね選民思想、全体主義、"宵の国"あるいは"夜"と呼ばれる何者かとの戦争、輝かしき"帝国"に関連するプロパガンダと非論理的考察が集約された、"演説のような"と形容される強い口調の主張であることには留意すべきです。

SCP-822-JPは19██/██/██、日本国東京都██区の地下鉄██駅ホームにてSCP-822-JP-02が突如出現したことで初めて財団に捕捉されました。周囲の一般人からの激しい頭痛とショック症状の訴え、鉄道軌条の破壊、ダイヤグラム輻輳異常の報告に対し当該現場に機動部隊も-9("都の狩人")が派遣され、同部隊員2名のMIAを招きながらもSCP-822-JP-02を確保することに成功しました。適切なカバーストーリーの流布後、SCP-822-JP-02の影響を受けた12名の一般人は医学的判定による推測に基づき財団倫理規定に準じて終了されました。

SCP-822-JP-02収容後の研究によって、その発声内容がOPREmpr-000031に関連した重要な情報源であると判断されたため、同様の特徴を持つ人型実体の本格的な確保作戦が展開されました。以下はその成果として作成された、既知のSCP-822-JP実例リストです。

番号 置換された頭部 発声内容 注記
01 特筆すべき点は無し 無し
02 未知の言語で埋められた外国電報送達紙 "ここに我らが帝国は汝ら宵の国に対して宣戦布告を行う。昭に忠誠勇武なる臣民尖兵により、帝国の光栄は酒気の堕落にまみれた汝らの闇を焼き尽くすであろう。" 説明セクションを参照。
03 旧式の警察制帽 "反乱を扇動し帝国政府をゆるがせにしたhairburden臣民。その枝葉の血統に至るまでもが潜在的な下劣頽廃者であり、依然脅威なれば転向・族滅もやむなし。名誉警官よ走れ。正統世界のリンチを叩き下せ。" 警察庁特事調査部,との協定に基づき財団へ引き渡された。
04 白紙の金銭出納帳簿 "えー、帝国の長き歴心期間において、臣民達は脳無しらしく、愚直に殖産富国に務めてきた訳で、あります。今回の国庫蚕食につきましては、えー、何よりも五億を下らぬ忘失が宵の者らの手によることは明らかでして、えー、けして新天蓋の16光条奏上への出費が必ずしも主たる原因ではないので、あります。"
05 ミニチュアの高射砲 "帝国参謀はKanivarus戦線においてかっかかか苛烈な殉勇を見せたドルナクゥ神聖隊の全員に対し一等銀輝勲章を授与する。真にmagimarkな事実として帝国軍は遍く戦場ににににに翳らざる光翼を広げつつある。我らが勝利は近い。" 東京都港区のGoI-012("マーシャル・カーター&ダーク株式会社")関連施設への襲撃に伴い確保。
06 ミニチュアの軍艦 "堕ち行く光宮を前に後悔の念が去来する。下陸軍は戦場の華々しい面のみを臣民に触れ回ったが、我ら昇海は知っていた。夜は穢れたるおぞましき禁忌。侵略と開拓は主客を逆転させ、宣戦した時点で我らはすでに敗北していたのだ。忘れていた。奴らは人ですら無かった。" 警察庁特事調査部との協定に基づき財団へ引き渡された。
07 傾いた天秤 (旧大日本帝国の下で施行されていた刑法全文。犯罪の実行者と被害者の身分によって刑罰の重さを変更する長大な例外規則が付随する) GoI-101("エルマ外教")への襲撃によって確保。
08 巨大な万年筆の筆先 (小学生に向けて起草されたと思われる植物の生態についての簡潔な解説。但しすべての植物の発芽と成長に"光芒"と呼称される存在が関与している) 北海道札幌市のホテル█████より回収
09 斧または鍬の刃 "豊年だ。豊年だ。このおおきな支配機構こそが我らに限りない恵みと実りを約束してくださる。絶対的な統率こそ我らが切実に求めていたものであり、世界とともに我らは支配される。屈服こそが自由。安心こそが束縛。脳無しは光芒の永世君臨にこうべを垂れる。"
10 巨大な金槌 "帝国の臣民奉仕是の第一義は労働なりて、労働者は恒久の輝きを放つ。白昼に影立つあらゆる労苦を背負いし者ら、なんと美しく。鉄、血、油こそが真に其の陽射を焚きつける。" ソ連軍参謀本部情報総局"P"部局(GRU"P"部局)の日本人協力者として調査が進められていた████ ██の自宅から回収
11 旧式の郵便ポスト(丸型ポスト)の上部 "敗戦を検閲せよ。世界を正統に塗り替えよ。さんざめく光芒、未だ暁に眠らず。"
12 巨大な検札鋏 "所詮眠らぬ片道切符。北極星は天蓋に二度と輝かず、英雄は白昼夢に落ちる。沿線敷設はどこまで続く?██████なんぞはくだらない。どうせ倫理は閉塞されぬれば、浮かれ浮世の憂さ晴らし。" GoI-101("エルマ外教")への襲撃によって確保。
13 図案化された眼のポスター (ジョージ・オーウェル著『1984年』と推測されるストーリーの改変された要約。本編に登場する超国家"オセアニア"に属する植民地の監督日誌の形式を取る) 南アフリカ、ヨハネスブルクの施設██████ █████より回収
14 巨大な注射器 "君の反駁は恣意的だよ。暴力による統治を正当化するわけでは無いが、絶対的な権力には絶対的な暴力機構がkwigod的に不可欠だ。力こそ我らを守る盾であり、その庇護を余すことなく受け止めるのが新たな光芒歴心時代の効率的で合理的で賢い振る舞い方なのだよ。" 異常物品の取引に関連する団体、"埜木商会"への襲撃によって確保
15 未知の言語で埋められたリスト "帝国に血を巡らせなければならぬ。宵の国は未だ脅威であり、歴心期間の腑抜け脳無しは指令を与えねば動かぬ。光芒の息吹は絶えてはならない。私が終わり無き循環業務の渦に呑まれようとも、希望は前進を続けるだろう。"
16 木製警棒 "警戒せよ、腐敗と旧悪を警戒せよ。当局としては徹底して捜査する。固陋とした倫理で疑わしきを罰せぬのは法の不備なり。末端の腐敗は疾く切り落とさねばならぬ。いわんや戦時中である。夜と通づる厭戦者討つべし。" カナダのライブハウス████████より回収
17 紙製烏帽子 "名誉職務だけでごじゃりましゅる。燦然と輝く事象の継続。我ら栄誉として保存され、脳無しに刻みこまれることで帝国の残される筐体となるのでしゅ。至高の名誉職務である我ら、当然であろ。" ███県██市に存在する国立公園より回収
18 鉄製平鍋 "未だ遠い。しかれど手は届く。無限の光背が見える。ああ、帝国よ、素晴らしい。"

SCP-822-JP-02から018が全てサイト-8141に収容された直後、SCP-822-JP-01が回収されました。通常SCP-822-JP-01は自発的な発声を行いません。しかし他のSCP-822-JP実例とSCP-822-JP-01を接触させた場合、SCP-822-JP実例はお互いの手を握りながら輪になり、SCP-822-JP-01を内側に取り囲んだ円陣隊形を構築します。

その後、他のSCP-822-JP実例は自身の反復発声を停止し、反時計回りに回転するようそれぞれ移動し始めます。また、その動作の最中、繋がれた手を僅かに上下します。この際放射温度計による観測を実施すると、SCP-822-JP実例の頭部が平均で[編集済]°Cの高熱を発していることが確認できます。

この状態に移行するとSCP-822-JP-01は活性化し、呼びかけや質問に対し応答するようになります。活性化状態のSCP-822-JP-01から取得可能な情報はOPREmpr-000031における最重要情報,とみなされています。以下は作戦主任である遠部博士による聴取実験記録です。なお、遠部博士はモード・ヴェテラスセト聴覚/視覚認識災害対策に基づくヘッドギア型曝露防止機器を装備しています。

実験ログ822-JP

フォーマット例:

入力: [質問の内容を記述]
行動: [特筆すべき反応を記述]
時間: [応答までの経過時間]
出力: [質問への応答の概要、または抜粋]
コメント: [関連するメモ、または個人的言及を追加]


入力: "帝国"とは何か
行動: 問いかけた際、回転の速度がわずかに上昇
時間: 7分
出力: "1つの天蓋、1人の光芒、4人の宰相、18の大臣卿、そして限りない臣民。"
コメント: かなり抽象的ではありますが、既知の情報と符合します。SCP-822-JPは信用に足る情報源でしょう。

入力: SCP-822-JPの起源について
行動: 温度の上昇
時間: N/A
出力: SCP-822-JP-01が返答しないまま温度が上がり続けたため、実験は中止され冷却装置により実験チャンバーは低温化された。
コメント: 意図的に返答を拒んだか、もしくは複雑な質問には答えられないのかもしれません。

入力: "Xehyoifent"について
行動: 無し
時間: 3分
出力: 空間を支配するゾウ(Elephantidae)についての詳細な生物学的説明。
コメント: 期待していた反応とは違いましたが、大きな収穫です。実験の最中にペンを落としてしまい、一部メモを取り損ねてしまいました。次回からはタイプ装置を使用します。

入力: "光芒"とはなんであるか
行動: 温度の上昇、回転の速度の明確な上昇
時間: 5分
出力: "輝き"、"陽光"、"美しい"、"救世主"、"天蓋神"などといった言葉を多用し、"宰相Gidico"、"天蓋盤"、"16の光条"などとの関係性について触れながら、臣民に安心をもたらした"歴心期間"を如何に"光芒"が創世したかについて述べた長大な言及
コメント: 未だにあの単調な声が耳にこびりついています。有意義な時間でしたが、半日を費やしてもまだ話が続くとは思っていませんでした。今後もこんなことが続くようであれば、誰かに実験の立ち合いを頼むのは少々気が引けますね。

入力: 大臣卿とは何か
行動: (一時的に)回転速度の著しい上昇、温度の上昇
時間: 4分
出力: "内外の臓省の名誉ある長。首班により統括される。"
コメント: 首班とは何者を指しているのでしょうか?関係は無いですが、熱で実験チャンバーの壁が少し溶けてひび割れてしまったようです。冷却装置の出力をもっと上げるよう申請しておきます。

入力:
行動: 温度の上昇
時間: 57分
出力: "偉大なる帝国はいま雌伏している。根を張りつつ、陽光へ葉を茂らせる日を待っている。"
コメント: なにかがおかしい。

入力: テスト
行動: 無し
時間: [応答までの経過時間]
出力: "流布は我々の使命。扉を近づける、熱き展望の一手。鍵は未だ見つからず。私は喜ばしく思う。"
コメント: 見つけました。ペンは実験チャンバーのひび割れに潜り込んでいて、そのひび割れは能く熱を帯びてじゅくじゅくと血塗れて膿んでいました。引き抜いて観察したところ、ペンは種子であると分析されました。ひび割れは修理しておかなれけば。

入力: 熱はいかに世界へ作用しているのか
行動: 温度の上昇
時間: 1時間12分
出力: "熱は情報である。あまねく空間に熱を行渡らせることで正統世界はこの地に上書きされる。有りうるべきでない。"
コメント: 実験チャンバーを変更して壁も何度も修理してもらったのに、ひび割れが消えません。ひび割れが増えています。より熱を持って、触れると溶けあうように頭に靄がかかります。ペンを握るときだけ頭はさえます。ペンは明らかに育っています。

入力: 無し
行動: 温度の上昇
時間: 78秒
出力: "鍵を得てしまったのか?"
コメント: 明確になった。彼と私は聡明になった。私は研究者です。

入力:
行動: 回転速度の上昇、円陣からの笑い声
時間: 43秒
出力: "お前はそれを得るべきではなかった。私はそれを望まなかった。"
コメント: すべては私によって統括領域となります。熱は私の内に。光栄は我が背に。

入力: "帝国"は如何にしてこの地に催芽しうるか
行動: 著しい温度上昇
時間: 3秒
出力: "我々は蘇るべきではなかった。"
コメント: いいえ。光芒はなおも穢れ輝いています。ここに。帝国は災禍を超克し、再び此の世の春に蔓延るのです。

[回収された記録 終了]

事案822-JP-A: 最後の実験ログがデータベースに保存されたのとほぼ同時刻に、事案822-JP-Aに指定されている一連の事象が開始されました。発生から自発的な収束までには14分が経過しています。

注記


以下の資料は事案822-JP-A発生前後にサイト-8141周辺で記録された映像・音声記録の内、データ破損が軽微なものを未詳資料/目録編纂室によって時系列順に抜粋、編纂したものです。資料群には未確認の認識災害、及び部分的なデータ破損が含まれている可能性があります。

以上に留意したうえで当該資料群を参照してください。


— 未詳資料/目録編纂室:81管区室長代理、転眼式見



観測異常報告

Foundation-AIC#His78による自動通知

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可視化された固在流動力場

観測箇所: サイト-8141全区画

異常種別: ヒューム値異常低下

観測時刻: ██月██日 12:13 AM (JST)

脅威レベル判定: レッド くろまる


事象概要: 常設型カント計数機により、サイト-8141の第三実験棟を中心とした半径320mにおいて基準現実値より±78Hmの現実差が観測された。中心点となる第三実験棟では92Hm/sの高ヒュームが確認されており、観測異常の原因と推定される。

Record 19██/██/██ 12:14

サイト-8141 カフェテリア 監視カメラによる記録


【再生開始】

[00m00s-] 昼食中のサイト職員らが談笑している。

[00m03s-] 現実性変動を知らせる警報が鳴り響き、多くの職員が慌てた様子で立ち上がり、退避を始めようとする。

[00m04s-] 現実改変が発生し職員らがその影響下に置かれる。局所的再構築イベントの結果と思しき影響により、職員らの頭部が膨張と収縮を繰り返すように歪み、脱落。溶けた脱落跡が滴り落ち、鋭利な刃物で切断したかのような平面状の首の断面があらわになる。

[00m24s-] 不明な発声源から「こうべを上げよ、注目!」という言葉が発せられる。直後職員らが直立不動の姿勢を取り、東の方角を指さす。

[00m58s-] 職員らの首の断面から機械部品で構成された双葉様の物体が突出・成長し、三角定規、テープラジカセ、フラスコといった物品が元の頭部に置換される。

[01m19s-] 職員らが上半身を捻り、一斉にこちらを向く。

[01m20s-] 不明な理由によるカメラの破損。映像の断絶。

【再生終了】

事案822-JP-A評価

調査結果: サイト-8141中庭

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発見された異常のリスト

  • 中央芝生のガラス化 - 不明な理由による植物組織の置換。
  • 周囲構造物の倒壊、溶融 - あらゆる直線構造が湾曲していた。
  • 上記掲載画像 - 不明な要因により空中に投影されている。周囲の状況から、恐らくは12:17時点の映像と見られる。
  • 固定された男性 - 元財団職員██ ███であると思われる。苦悩する表情のまま、地面から17mをループしながら徐々に加速しつつ落下し続けている。
  • 異常光源 - 中心地点から北東方向を向き、左へ307°回転することで認識災害を含む光輝が観測される。
  • 破断した配水管 - 本来通っている水の代わりにクロッカス(Crocus)の一輪が放出され、59秒後に消滅する。
  • 木製の粗雑な十字架 - 接近するにつれて地中へ沈み込む。この効果は、離れると逆転的に作用する。

・・・

・・・

・・・

Record 19██/██/██ 12:19

場所不明 音声記録


【再生開始】

声1 [電子的ノイズ]...言い尽くせぬ...[電子的ノイズ]...境界を越え、遥か...[電子的ノイズ]...共に在る。

声2 事実としてそれは消滅した。残骸のみが此処にある。

声1 [電子的ノイズ]...命令に則り解放...[電子的ノイズ]...尊大かつ荒唐無稽...[電子的ノイズ]

声2 復興は出来ないであろう。砂上の楼閣と同義だ。礎が無ければ根付けまい。

声1 償いを要求...[電子的ノイズ]...眼の、震え...[電子的ノイズ]...果てた荒野...[電子的ノイズ]...誰一人。

声2 可能だ。

声1 [電子的ノイズ]...動的沈黙...[電子的ノイズ]...躍動的特異...[電子的ノイズ]...禍いなきように。

声2 試みは常に此処に。望まれぬなら何処へなりとも立ち消えよう。

声1 まだ何も終わってなどいない。我々は...[電子的ノイズ]...しなければならない...[電子的ノイズ]

声2 まだ何も終わってなどいない。取り戻さなければならない。かつてそう呼ばれていた存在を。

【再生終了】

IDCARD.png

IDCaRD

情報減殺、検閲および撤回部門

tenartni.noitadnuoFPCS|DRACDI#tenartni.noitadnuoFPCS|DRACDI
内線 7502
Fax 7503


記録:

事案822-JP-A関連情報

優先度: ZAYIN

遮断済み情報: 記録のみ

前書:

当該画像は一般人により撮影された事案822-JP-Aに関連する写真情報です。一般社会へ公開される予定であった当該画像をIDCaRDが事前に遮断し、ミーメティック要素を含むと判断されたのちに抗ミーム部門へと転送されています。閲覧の際には指定対抗ミームの摂取を必ず実行してください。

    • _
    16%E6%9D%A1.jpg

    サイト-8141上空を撮影したと思しき画像


補遺#1: 事案822-JP-A後の調査によって、事件に深く関わっていると思しいSCP-822-JP群が、SCP-822-JP-01を除いて全て死亡済みの状態で発見されました。いずれも身体構造、特に頭部を大きく損壊しており、圧死、大量出血、現実性歪曲、内部撒散などが直接的な死因と見られています。

SCP-822-JP-01の死亡、もしくは破壊は確認されていませんが、それ自体がどのような外見をしているのか、どういう性質を持つのか、生物なのか物体なのか現象なのかが回収された記録から読み取れず、いずれも不明であるため判別は極めて困難です。遠部博士の死亡及び生存を示す証拠は一切確認されていません,,

Footnotes
. 軍服の着用はSCP-822-JP-05、-06のみに見られる特徴。
. 疑念1: 最初に発見された個体が01のナンバーを割り当てられていない。
. 疑念2: 発生した異常は、いずれも説明セクションで同様の異常性が記述されていない。意図的に削除された疑いがある。
. 疑念3: 詳細不明なコード。"OPR"はオペレーション/作戦に割り振られる接頭コードだが、Emprの指す事項は不明。
. 疑念4: SCP-822-JP-01に関する著しい情報の不足。
. 侮蔑の意味を含む形容詞と推測される。
. 当該団体に関しては要注意団体観測所(OGI)編纂の"警視庁公安部特事第一課の壊滅と再編について"(████)を参照せよ。
. 疑念5: 当該文書は存在せず、警視庁公安部特事課は現在も存続している。
. 強調の意を添える連体詞と推測される。
. 神聖さを示す形容詞と推測される。
. 疑念6: OPREmpr-000031はサイト-8141にて独自に進められていた作戦である疑いがある。
. 疑念7: OPREmpr-000031の対象とSCP-822-JPは深く関係しており、SCP-822-JPのもたらす情報が作戦において重要視されている。しかし、その何らかを現在の財団は把握していない。
. 疑念8: OPREmpr-000031によってサイト-8141にある程度の成果が保存されていたはずだが、それを財団は把握していない。
. 疑念9: 回収された記録に一切言及がない単語。
. 疑念10: 理由が言及されていない音声記録装置の不使用。
. 疑念11: 空欄。
. 疑念12: 規定形式からの軽微な逸脱。
. 疑念13: 空欄。
. 疑念14: 明確な調査状況の提示が困難である理由の未記載。
. 疑念15: "遠部博士" なる人物が財団の人事ファイル中に存在しない。
. 疑念16: 疑念15がこの箇所に提起されている理由。
ページリビジョン: 21, 最終更新: 21 Feb 2024 12:32
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