収容前のSCP-751-JP
アイテム番号: SCP-751-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-751-JPはサイト-81██の専用収容チャンバーに保存されています。収容チャンバーの壁に20枚の手のひらを模ったマークが印刷されている紙片を貼り、毎日一度それらのマークを確認してください。それらの内一枚にでも変化が発生した場合、Dクラスを用いて貼り換えおよび変化した紙片の処分処置が行われます。また、サイト-81██では、手の形を模ったシンボルマークの使用が禁止されており、またそれらが印刷された物品も持ち込みが禁止されています。
未収容のSCP-751-JPが発見された場合、直ちに同専用収容チャンバーに収容して下さい。
説明: SCP-751-JPは、高さ1.8mの中指だけを立てた手を模った像であり、その主な材質はパラフィンで特別な性質は確認されていません。また、台座の部分には小さく「EVERYBODY,FUCK YOU No.3」と刻まれています。
SCP-751-JPが存在する地点から一定の範囲の中(最大でSCP-751-JPから6.8km離れた地点での発生を確認)において、4日〜38日の不定期間隔でSCP-751-JP-1が発生します。SCP-751-JP-1は中指を立てた手を模ったシンボルマークであり、その他の手の形を模ったシンボルマークから変化する形で発生します。近い距離に手の形を模ったシンボルマークが存在しない場合に何が起こるのかを検証する実験は行われていません。
██専門学校のテキストから発見されたSCP-751-JP-1
任意の人間(以下、被検体と呼称)がSCP-751-JP-1を近距離(約4~5m以内)から視認すると、極めて強い怒りの感情と共に記憶の混乱が発生します。これらは一時的なものであり、視認から8週間が経過した頃には通常の人間と比較して目に見えるほどの差異は無くなります。また、被検体にAクラス記憶処理を施す事でも症状は完治します。また、被検体に影響を与えたSCP-751-JP-1はその時点で異常性を失い、他の人物が視認しても影響を受けなくなります。
2011年9月頃より急増した████市における傷害事件の調査の中で、SCP-751-JP-1が発見され、その後██駅前のSCP-751-JP本体の特定に至りました。近隣住民にはSCP-751-JPは気づいたら出現していた、という認識しかなく、その出現の瞬間についての情報は得られませんでした。
サイト-81██への収容後、一度のみ研究員がSCP-751-JP-1を視認してしまい、他の職員に対する暴力を振るう事故(インシデント-751)が発生しました。影響を受けた研究員は拘束され、記憶処理を受ける前にインタビューが行われました。
インシデント-751においてSCP-751-JP-1を視認した風間研究員へのインタビュー記録。
インタビューログ - SCP-751-JP-001
対象: 風間研究員
インタビュアー: 釘村博士
付記: 風間研究員は、車椅子に拘束されている状態でインタビューを受けています。<記録開始, [2012年4月11日]>
[風間研究員が体を揺らしてもがき続ける]
風間研究員: クソ! 放せよ! そんなに俺が気に入らねえのか!釘村博士: 何をそんなに怒ってるんだ?
風間研究員: 何を、って。[声が大きくなる] この扱いだよ! 自分でやっておいて何を聞いてやがるんだ! ふざけやがって!風間研究員: 来る日も来る日も危ない事ばっかりやらせやがって! 俺が████一家の奴らを殺したからって、じゃあ俺に何させてもいいよなってか! お前らは安全なところでいい気なもんだな!
釘村博士: 君が何をしたって?
風間研究員: お前が話せつったんだろうが! 何で聞いてねえんだよ!
釘村博士: 落ち着いて、ゆっくり説明してくれ。
風間研究員: 俺は理不尽な目にあってばっかりだ! 俺を殺しやがって! なんで俺だけこんな目にあわなきゃなんねえんだ! 全員グルになって俺を馬鹿にしてるんだろ! 博士、アンタもだ!
釘村博士: 私は君を馬鹿にしているつもりはない。
風間研究員: 嘘を言うんじゃねえ、[激しい罵倒]!
釘村博士: ......インタビューはここで終了します。
風間研究員: [罵倒を繰り返す]
<記録終了>
風間研究員は勤務態度良好な職員であり、殺人に関わった経緯はありません。
調査により、サイト-81██にいる人間の中に指定暴力団███会直系二次団体████一家の構成員の殺人を行った経歴を持つD-40412の存在が明らかになりました。何らかの関連性があるとされてD-40412インタビューが行われましたが、自分の今の境遇に不満を持っていること以外は特に強い関連性のある事柄は確認されませんでした。これらの事からSCP-751-JP-1の目視による影響は、一定範囲内にいる人間の強い不満感を伴う記憶を取り込むものであると推測されています。
また、「俺を殺しやがって」という発言に関しては、誰の記憶であるかを特定することはできませんでした。引き続き調査が行われていますが、正確な由来は不明です。
この後風間研究員にはクラスA記憶処理が行われ、その後問題なく職務に復帰しました。
D-40412のものと思われる記憶の復活や暴力的な言動などはその後一切確認されていません。
発見されたSCP-751-JP-1
風間研究員はSCP-751-JPの担当ではなく、専用収容チャンバーに立ち入ったこともありません。
しかし、風間研究員が資料を閲覧していたPCの録画記録を調査した結果、ハイパーリンクに重ねた際のマウスカーソルがSCP-751-JP-1に変化していた事が明らかになりました。以降、サイト-81██の全てのPCにおけるマウスカーソルの設定変更が収容プロトコルに加えられることになりました。