クレジット
翻訳責任者: Stellarwind Stellarwind
翻訳年: 2025
著作権者: Trintavon Trintavon
原題: SCP-7227 - The Other Alex Thorley
作成年: 2022
初訳時参照リビジョン: 13
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-7227
アイテム番号: SCP-7227
オブジェクトクラス: Thorleyan
特別収容プロトコル: いずれのアレックス・ソーリーにも彼らが番外部門のアレックス・ソーリーであるということは通知されません。番外部門のアレックス・ソーリーが彼自身が番外部門のアレックス・ソーリーであるということに気がついた場合、アレックス・ソーリーに彼もまた番外部門のアレックス・ソーリーであると信じ込ませます。
説明: 番外部門のthe Otherアレックス・ソーリーはあらゆる面でアレックス・ソーリーと同一です。番外部門のアレックス・ソーリーは非現実部門または番外部門で勤務しています。番外部門のアレックス・ソーリーは、アレックス・ソーリーと同様に、自身がアレックス・ソーリーであると思っています。アレックス・ソーリーと番外部門のアレックス・ソーリーを除き、他にアレックス・ソーリーは存在しません。
補遺-1: アレックス・ソーリーの番外部門との関わり。
アイテム番号: SCP-3000-JTM
要約: 財団フレークTMとして知られる、ケロッグ®の非常に美味なシリアル。
«ログ開始»
<ソーリーがカフェテリアに入室する。SCP-3000-JTMはカウンター上に置かれている。>
<ソーリーは牛乳をボウルに注ぐ。>
<ソーリーはSCP-3000-JTMをボウルに注ぐ。>
<ソーリーは2つのボウルの前に座る。>
<ソーリーは1つめのボウルから摂食する。>
<ソーリーは別のボウルから摂食する。>
<ソーリーは別のボウルから摂食する。>
<ソーリーは別のボウルから摂食する。>
[26のエントリが簡略化のため消去されました]
<ソーリーは別のボウルから摂食する。>
<カルシウムのグランドカルキスト・イオンTM>が入室し、ソーリーが財団フレークTMを喫食していることに気がつく。
<ソーリーはイオンが彼のことに気づいたことに気づく。>
<ソーリーは別のボウルをイオンの方に押す。>
ソーリー: 腹減ってる?
<イオンはソーリーのことを見る。>
<ソーリーはイオンのことを見る。>
<イオンは着席し、勧められたボウルから摂食し始める。>
«ログ終了»
アイテム番号: SCP-3000-JTM
要約: 上記を参照。
«ログ開始»
<ソーリーがカフェテリアに入室する。SCP-3000-JTMはカウンター上に置かれている。>
<ソーリーは牛乳をボウルに注ぐ。>
<ソーリーはSCP-3000-JTMをボウルに注ぐ。>
<ソーリーはボウルの前に座る。>
<ソーリーはボウルから摂食する。>
<カルシウムのグランドカルキスト・イオンTMが入室し、ソーリーが財団フレークTMを食べていることに気がつく。>
<ソーリーはイオンが彼のことに気がついたことに気がつく。>
ソーリー: ジロジロ見るなよ、失礼だろ。
イオン: 別のボウルはどうした?
<ソーリーはイオンに視線を送る。>
<ソーリーはボウルに視線を落とす。>
<ソーリーはイオンに視線を戻す。>
ソーリー: これしかないけど。
イオン: もう一つは?
ソーリー: もう一つの何?
イオン: ボウルだ!
<ソーリーはボウルから摂食する。>
ソーリー: なんのことだかさっぱり。
イオン: 別のボウルも使っていただろう。
ソーリー: これしかないって。
<ソーリーがシリアルを食べ終わるまでこの堂々巡りが続く。>
«ログ終了»
アイテム番号: SCP-477-J
要約: 超かっこいい男児(ジェームズ)によって所有されている、非常にレアな金色のネクロマンサーのカード。
«ログ開始»
<ソーリーはサイトの廊下を歩いている。>
<同じ廊下を歩いていたジェームスがソーリーに気がつく。>
<ジェームスはソーリーに手を振りながら駆け寄る。>
<ソーリーはそれを見て立ち止まる。>
ジェームズ: こんにちは! お時間すいません、ちょっと見せたいものがあるんですけど。
ソーリー: いいよ。
<ジェームズはバックパックからSCP-477-Jを取り出す。それは光り輝いており、金色で、超かっこいい。>
<ソーリーはSCP-477-Jを見る。>
ソーリー: アーミーオブモンスターズのカード?
ジェームズ: はい、そうです!やってるんですか?
ソーリー 昔にちょっとね。そうだ......
<ソーリーはカバンに手を入れ、ホロフォイル加工された金色のブリスブライトを取り出す。>
ジェームズ: 金のブリスブライト!?!?!???!??!
<ソーリーは頷き、カードをジェームスの方へ差し出す。>
ソーリー: こいつの面倒を見てやってくれるかい?
<ジェームズはカードを見やり、ソーリーに視線を移し、またカードに戻す。>
ジェームズ: こ─これくれるんですか?
<ソーリーはジェームスの手にカードを置いて微笑む。>
ソーリー: こいつのことを守ってくれるって約束してくれたらね。
ジェームズ: します!します!
ソーリー: じゃあ、これは君のものだ。
<ジェームズは興奮して笑いながら、片手に金色のネクロマンサーを、もう片手に新たに手に入れた金色のブリスブライトを持って走り去る。>
<ソーリーは彼が廊下を曲がって見えなくなるまで見送る。>
«ログ終了»
アイテム番号: SCP-477-J
要約: 上記を参照。
«BEGIN LOG»
<ソーリーはサイトの廊下を歩いている。>
<同じ廊下を歩いていたジェームズがソーリーに気がつく。>
<ジェームズはソーリーに手を振りながら駆け寄る。>
<ソーリーはそれを見て立ち止まる。>
ジェームズ: ソーリーさん!ソーリーさん!
ソーリー: ようガキんちょ、なんか用かい?
<ジェームズはバックパックに手を伸ばし、スリーヴに入れた金色のブライトブリスを取り出す。彼はそれを両手で持って、興奮して飛び回る。>
ジェームズ: 言われた通りにちゃんとお世話してます。見てください!かっこいいでしょ、絶対守りますよ。
<ソーリーは礼儀正しく笑いかける。>
ソーリー: 確かにそうみたいだな。でも俺のこと誰かと間違えてるんじゃないか。
<ジェームズは混乱したように眉をひそめる。>
ジェームズ: 本当ですか?でもあなたとそっくりだったんですけど......
ソーリー: そっくり?
<ジェームズはいまだに困惑しながら頷く。>
ソーリー: うーん、まあ気にすんな!そうだ、超秘密の任務を頼まれてくれないか?
ジェームズ: <声を潜めて> ひ......秘密の任務?
ソーリー: お前だけが頼りだ。俺のオフィスに忍び込んで、誰にも気づかれずに俺の猫の餌皿を補充してほしい。できるか、エージェント・ジェームズ?
<ジェームズは即座に姿勢を正し、満面の笑みでソーリーに敬礼する。>
ジェームズ: エージェント・ジェームズ、任務了解しました!お任せください。
<ジェームズは即座に背を向け、ソーリーのオフィスに向けて走り去り、しゃがみながら廊下の角を曲がる。>
<ソーリーはジェームズが角を曲がって行くのを見守る。>
«ログ終了»
補遺-2: アルガスト・トリンタヴォン研究員による、アレックス・ソーリーと番外部門のアレックス・ソーリーとの交流。
«ログ開始»
<アルガスト・トリンタヴォンはサイト-37のカフェテリアのテーブルについている。彼は軽食とともにラップトップでタイピングをしているようである。>
<数分後、アレックス・ソーリーが同じテーブルにベーグルを手に近づく。>
ソーリー: 隣いい?
トリンタヴォン: どうぞ。
<ソーリーが黙ってベーグルを食べている間もトリンタヴォンはラップトップ上で仕事を続ける。数分後、ソーリーが再び話し始める。>
ソーリー: 頭がおかしくなってんじゃないかって思うことある?
トリンタヴォン: たまには。なぜです?
<返答はない。トリンタヴォンがラップトップから顔を上げると、そこには誰もいない。彼は頭を振って仕事を再開する。>
<数分後、アレックス・ソーリーが同じテーブルにバーガーを手に近づく。>
ソーリー: 隣いい?
トリンタヴォン: どうぞ。
<ソーリーが黙ってバーガーを食べている間もトリンタヴォンはラップトップ上で仕事を続ける。30秒後、急にトリンタヴォンが話し始める。>
トリンタヴォン: さっきも隣いいって聞きませんでした?
ソーリー: はあ?いや。
トリンタヴォン: いや、絶対──
ソーリー: またかよ。
トリンタヴォン: というと?
ソーリー: なんで皆俺が2人いるみたいに振る舞うんだ?俺自身のことを無視しながらそうするならまだ分かるが、そういうわけでもないし。癪に障るよ。
トリンタヴォン: ......はあ。すいません。
<ソーリーが黙ってバーガーを食べている間もトリンタヴォンはラップトップ上で仕事を続ける。数分後、ソーリーが再び話し始める。>
ソーリー: 頭がおかしくなってんじゃないかって思うことある?
<トリンタヴォンは笑う。>
トリンタヴォン: 最近はますます。そちらは?
ソーリー: ずっとだよ。マジでずっと。
<2人は少しの間お互いを見やる。その後トリンタヴォンは溜息をつき仕事に戻る。ソーリーはもう1分ほどかけてバーガーを食べ終え、席を立ち去る。>
トリンタヴォン: ありえないことでもないんじゃないですか。
ソーリー: 何が?
トリンタヴォン: あなたが2人いるってことです。考える価値はあるかと。
<アレックス・ソーリーは少しの間彼に視線を向け、立ち去る。>
«ログ終了»
補遺-3: アレックス・ソーリーが番外部門のアレックス・ソーリーに出くわした際の記録。
«ログ開始»
<アレックス・ソーリーは廊下を歩き始める。>
<アレックス・ソーリーは廊下を歩き始める。>
<アレックス・ソーリーはアレックス・ソーリーを通り過ぎる。>
<アレックス・ソーリーは立ち止まり、振り返り、アレックス・ソーリーに気がつく。>
<アレックス・ソーリーは走ってアレックス・ソーリーに追いつく。>
<アレックス・ソーリーは廊下の角を曲がる。>
<アレックス・ソーリーは廊下の角を曲がる。>
<アレックス・ソーリーはどこにも見当たらない。>
<アレックス・ソーリーは引き続き廊下を歩く。>
<アレックス・ソーリーは廊下の分岐点に到着する。>
<アレックス・ソーリーは左側の廊下を見る。>
<アレックス・ソーリーは右側の廊下を見る。>
<アレックス・ソーリーは左側の廊下を見てアレックス・ソーリーに気がつく。>
<アレックス・ソーリーはアレックス・ソーリーに気づかずに左側の廊下を進んでいる。>
<アレックス・ソーリーはアレックス・ソーリーを追って廊下を走る。>
<アレックス・ソーリーは部屋に到着しドアを閉じる。>
<アレックス・ソーリーはドアを開ける。>
<アレックス・ソーリーはどこにも見当たらない。>
<アレックス・ソーリーは溜息をつき、ドアを閉じ、歩き始める。>
<アレックス・ソーリーは立ち止まり、振り返り、ドアに歩いて戻る。>
<アレックス・ソーリーはドアを開ける。>
<アレックス・ソーリーはアレックス・ソーリーと対面する。>
<アレックス・ソーリーはアレックス・ソーリーのことを見る。>
<アレックス・ソーリーはアレックス・ソーリーのことを見る。>
ソーリー: 見知った顔だな。
ソーリー: そっくりそのままお返しするよ。
ソーリー: 知り合いかな?
ソーリー: 俺はアレックス・ソーリー。そっちは?
ソーリー: アレックス・ソーリー。
ソーリー: ああ。
ソーリー: うん。
<アレックス・ソーリーはぎこちなく笑う。>
<アレックス・ソーリーはそわそわと腕をこすり始める。>
<アレックス・ソーリーは足でトントンと床を鳴らし始める。>
ソーリー: なんで俺が2人いるんだ?
ソーリー: 俺達が2人、だろ。
ソーリー: 俺達が──まあそうだな。でなんでなんだよ?
<アレックス・ソーリーは肩を竦める。>
ソーリー: どうでも良くないか?
ソーリー: いや、頭おかしくなるだろ。
ソーリー: なんで?
ソーリー: ずっと他人に間違えられるんだぞ?
ソーリー: ......
ソーリー: どこに行っても毎回「さっきも言わなかった?」とか「さっきもしてなかった?」とか。うんざりなんだよ。
ソーリー: でもそれは他の誰かさんじゃないだろ。
<アレックス・ソーリーはアレックス・ソーリーのことを見る。>
ソーリー: お前はお前なことに変わりはないし。お前が俺だとしても。
ソーリー: 一体全体何言ってるんだ?
<アレックス・ソーリーはアレックス・ソーリーの肩を叩く。>
ソーリー: そんな考え過ぎんなよ。
<アレックス・ソーリーはアレックス・ソーリーの前を通り過ぎる。>
ソーリー: 待てよ。
<アレックス・ソーリーは振り返る。>
<アレックス・ソーリーはどこにも見当たらない。>
<アレックス・ソーリーは壁を背に座り込み、溜息をつく。>
ソーリー: 簡単に言ってくれるよなあ。
«ログ終了»