SCP-7166
評価: +7

クレジット

SCP-7166 - 弱り目を祟る神はいない
翻訳責任者: Tetsu1 Tetsu1
翻訳年: 2025
著作権者: WhoIsCthulhu WhoIsCthulhu
原題: Never Strikes Twice
作成年: 2022
初訳時参照リビジョン: 23
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-7166

評価: +7

私の初めて成功した記事であり、今なお私の中で特別な位置にある記事。

著者ページ: cthulhu-corner

アイテム番号: SCP-7166

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 落雷直撃の生存者に関する報告は調査され、上記の生存者は異常活動がないか監視されます。生涯で複数回の落雷直撃を生存した人物がいた場合は、実例間の類似性がないか判断するため尋問されます。

SCP-7166の根本原因が発見された場合、無力化の可能性のある方法の調査が優先されます。

説明: SCP-7166は落雷が直撃した人物に影響する現象です。この現象は全ての落雷被害者に影響するわけではないようですが、以下の条件を満たす場合にSCP-7166が確認される頻度が高くなっています。

  • その人物が落雷に打たれたものの生存し、
  • その人物が高次脳機能を維持し、
  • その人物が回復後に日常の活動(仕事、余暇、家族活動など)を再開し、
  • これらの活動でその人物が屋外に出た場合。
上記の基準を満たした人物はSCP-7166-1に指定され、落雷が直撃する可能性が著しく高まります。この影響は繰り返し落雷を受けるたびに累積し、例として2回の落雷を生存した人物はより3度目の落雷を受けやすくなります。この影響は、SCP-7166-1が屋外活動を停止した場合、高次脳機能を失った場合、あるいは死亡した場合のみ消失します。












サンダーソン博士、こっち来てください。もう諦めましょう。




何のことかよくわかりません。



7166。そんなものないんです。お互い、わかってるでしょう。




これを調査している者として断言いたしますが。これには見かけ以上のものがあります。



ロジャー、あなたのことを心配しているんです。




お願いします。



あなたは一日すらまともに悲しむ日を取ってないでしょう。




仕事すれば気を逸らせるんです。



いい加減にして。何があったかは知ってます、ロジャー。前に見ました。




あなたが何を知ってるってんですか、ブルックさん。



起こったことを受け入れられないからって、何かしら理由を見つけようとしたのはあなたが初めてだとでも思ってるの?








あなたをSCP-765に再配属します。その収容にのみ集中してください。もしまたこれを調べてるという話でも聞こうものなら、私自らあなたを降格させます。理解しましたか?

























6月2日

毎日突破口に近付いているようには思うのだが、毎日どこか足りない。私の資金をカットしたいらしい。あれをexplainedに分類したいらしい。そんなことさせるわけにはいかない。私は真実を知っている。自分の見たものは確かだ。

ブルックは鴨池なんかに私を放り込むらしい。頭を冷やせとのこと。だが冷やすものなんかない。なんて時間の無駄だ。





6月3日

今日、池に着いた。ここのスタッフはかなりたるんでる。私に言わせれば、たるみすぎてる。

ここのプロジェクト主任はウィテカーという名前の女性だった。諸々のことに慣れるのを助けてくれた。よく話す。

金曜日の予報は雷雨らしい。わかることがないか見に行こう。





6月4日

今日はウィテカーが詮索に来た。当然、具体的な研究の跡などありはしない。それで彼女は去っていった。

他の研究員とも話した。名前はエイドリアン。あるいは、マザー博士、と言った方がいいか。ここで話した中で、私が言いたいことを始めて本当に気にかけてくれた。少なくとも、気にかけたようには見せた。話し方がジェイソンを思い出す。言葉で巨大な絵を描き、自分と同じくらい相手もワクワクさせようとする。間違いなく、ここで一番不愉快とはかけ離れた人物だ。彼はここで見た様々なカモについて長々と話した。私も興味ある振りをしたように思う。

この嵐はひどいものになるらしい。全職員が敷地内の対嵐シェルターに隔離されるらしい。そこに向かうときに集団から離れるか、みんなの中からこっそり抜け出すしかない。どちらにしても、誰にも知られてはいけない。他の誰かをこんなゴタゴタに巻き込みたくない。





6月5日

マザーに見られてしまった。ウィテカーに言わないよう約束させた。死ぬほど怖がらせてしまったように思う。明日、誰にも止めさせはしない。

ブルックが様子を確認に電話してきた。どれくらい納得させられたかはわからない。彼女はいつも私のでまかせを見抜いているようだ。

あと一日。最後の一夜。そしたら後は、私とあの嵐だけ。









サンダーソン!




マザー。



えっと、あの…… 大丈夫?




だと、思う。最悪ではない。そっちは?



あぁ、見ての通り、生きてる。




なら良かった。



じゃあ、聞かせてもらうけど、何だ、あー…… 今夜何か計画してるの?




いやまあ、対嵐シェルターに行くってことか?



あぁ、まあそうなんだけど、俺が言いたいのは…… その後。




大方、寝るだけだと思う。



そうだね、もちろん。それで、気になってるんだけど…… それにイエスって言ってくれなくてもいいけど、よくわかってる-




エイドリアン、何の話だ?



今度デート行かない?










おぅ。



全然断ってくれていいよ! 強制なんて全く-




マザー博士、興味を持ってくれて嬉しいが、ただ……



ん、そうだよね! こんなこと訊いてごめん。




君が悪いんじゃない、エイドリアン。私は、あー…… ちょっと複雑なんだ。



だよね! ごめん。考えとくべきだった。




いや、大丈夫。君が嫌いとかそういうことはない。またの機会に。











6月6日

エイドリアン。彼が誘ってきた。

何を言ったらいいかわからなかった。私の思考と一番遠くにあったものだった。

私は断った。本心からだったのか?





あぁ、当然本心だ。気を散らしてる時間はない。目の前の仕事に集中しなくては。

嵐は午後9時頃にぶつかる。あと3時間。準備を始めた方が良さそうか。





















警報

深刻な気象警報が発令中です

全職員直ちにシェルターに避難してください

メッセージを繰り返します

警報

深刻な気象警報が発令中です

全職員直ちにシェルターに避難してください

メッセージを繰り返します

警報

深刻な気象警報が発令中です

...













サンダーソンは?






いな- あぁ。クソッ。クソッ!








いや知ってる、けどロジャーが外に! 助けないと!







いいからどいて-






























聞こえているんだろ。聞いてるのは知ってるぞ。お-お前の欲しいものはわかってる! 私が要るんだろ! あぁここにいるぞ! 来い! やれ!




私はここだ! さっさとやりやがれ!








ロジャー! 一体何やってんの? 中に入って!




エイドリアン?



うん、俺だよ! こっち来て!




駄目だ。奴が何を望むのか、どう動くのか知らないと!



何だ、雷のこと? シェルターからでも見え-




人に当たるんだ、エイドリアン。そしてその人が生き残ったら、また当てる。更にまた。当たるものが何もなくなるまで。



そうだとして、君はここで何やってるんだ?




もし私が打たれて生き残れば、奴の- 奴のパターンがわかる。それから、それを止める方法もわかる!



ロジャー、Dクラスがいるじゃん! 君が-




彼らには私の知識はない。ただ悲惨な目に遭うだけだ。私とは違う。



じゃあどうしたら君が今ここで死ぬのを止めてくれる?










方法はない。



わかった。じゃあ-




もういい。いずれにしても、やることをやるだけだ。



俺は- ロジャー、一体何があったの?




屋内に入れ、エイドリアン。これを終わらせる。



駄目だよ! 頭どうかしたの? ここに独りにはさせられない!




これに他の誰かを巻き込むわけにはいかないんだ!



君が無事にシェルターAに入るまで一歩たりとも動かない。




エイドリアン、警告して-



ロジャー、聞いて。何があったかは知らないけど、それが何にせよ、こんなことじゃどうにもならない。人が雷に打たれるのを止めるために全部リスクを背負うのか? 自分の感情に耳を傾けろよ!




でも何度も何度も打たれるんだ! これは不幸とかじゃない。ただの運なわけがない。



何でだよ!?




彼らはみんな無為に死んでるからだ。ウォルター・サマーフォード、ロイ・サリヴァン-



人が不運のせいで死ぬなんていつものことだろ、何が違うんだよ?




私たちは、エイドリアン! これを止められる! 方法を持ってる! リソースを! こんなクソなものを防げる!



俺たちの役目じゃない! ただ気に入らないからってそれをアノマリーとは呼ばない! 俺たちの仕事はこんなものじゃない!




でも-



ロジャー、お願い、入ってきてよ。ここは滅茶苦茶寒いよ。











クソ。












わかった。




















6月7日

風邪をひいてしまった。トホホ。

昨夜湖が氾濫した。損害を調べたが深刻なものはなかった。またすぐに元通りになるはずだ。

エイドリアンがやって来た。お見舞いカードをくれた。彼のイタチみたいな小さな顔に投げつけてやった。いい気味だ。

他に記録することもなし。3日後に湖は出てく。ありがたい。






6月8日

またエイドリアンがやって来た。今回は何も投げつけなかった。詫びを入れたいとのこと。受け入れることにした。

金曜日の申し出についてはまだ検討しているらしい。

ここから出るまであと2日。






6月9日

エイドリアンが答えを迫ってきた。私は明日出ていくからそれは良い考えではないと言った。彼は理解してくれた。

明日。私は明日去る。

あと1日。















6月10日

今サイト-128に送られている。エイドリアンと一緒に。

彼の申し出は受けるつもりだ。

























アイテム番号: SCP-7166-EX

オブジェクトクラス: Explained

特別収容プロトコル: 2022年6月17日時点で、SCP-7166は非異常と見做されました。

説明: SCP-7166は、落雷直撃の生存者が再び雷に打たれる可能性が上昇する異常現象として提案されていました。SCP-7166は、ウォルター・サマーフォード、ロイ・サリヴァン、ジェイソン・サンダーソンに関する記録を含む状況証拠から仮説づけられました。SCP-7166は最終的に計量不可能であり、落雷直撃の生存者が再び雷に打たれる可能性は予測値を超えないものと判断されました。





































12月21日

昨日はクリスマス休暇でアンカレッジまで飛んだ。空港で両親が迎えに来てくれた。また会えてうれしい。

すぐにでも休みたい。先週は特に大忙しだった。




































12月24日

エイドリアンはオーロラを見に連れて行ってくれた。プロポーズされた。















申し出を受けることにした。

ページリビジョン: 1, 最終更新: 15 Jun 2025 04:01
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