アイテム番号: SCP-690
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-690はセクター-7 Euclid SCP格納施設内で摂氏10°Cを超えないよう冷却され施錠された容器内に保管されます。SCP-690へのアクセスはレベル2以上のアクセス権限を持った職員に制限されます。SCP-690に関する実験は、開始前にレベル4クリアランスを持つ職員の許可を得る必要があります。
切り傷、擦り傷、その他の肌の傷がある職員のSCP-690へのアクセスは制限されます。権限のない職員がSCP-690の絆創膏を使用した場合は、違反職員を取り押さえるためにセキュリティ職員が直ちに呼ばれ、絆創膏を取り除いて生体廃棄物として処分します。
説明: SCP-690は一般的な市販の絆創膏ケースに見え、現在47枚の絆創膏が入っています。ケースのロゴには「アンチ絆創膏(1箱64枚) - イタズラ好きな方へ!」と書かれており、供給元は「あなたの友人、ファクトリーより」となっています。
SCP-690の絆創膏が傷に貼られれば、自然治癒を妨げて傷の悪化と感染症の原因となります。絆創膏の分析では特異な性質を示す結果にはなりませんでした。絆創膏は石綿と繊維ガラスで形成され、体熱に反応して溶解するマイクロカプセルが染みこんでいました。このマイクロカプセルは、高濃縮された抗凝血剤(ヘパリン、ヒルジン、ブロジファクム)と非常に毒性の強い(が異常ではない)連鎖状球菌、エルシニア菌、ブドウ球菌、クロストリジウム属菌の混合液で構成されています。
SCP-690の特異性とは、傷の深刻さにかからわず絆創膏を取り出してその傷に貼ろうとする衝動を、近くの傷付いた人間に対して与えるものです。更に、いったん傷に絆創膏が貼られれば、影響を受けた使用者は、その絆創膏が傷の回復を助けていると信じてそれを取り除くことを拒みます。その衝動は暴力へ駆り立てるほど強力ではないですが、影響を受けた対照はSCP-690を使うもしくは使い続けることに非常に固執します。詳細は実験記録690-A参照。
補遺: 発見時、SCP-690は64枚の絆創膏が入っていました。収容後、17枚の絆創膏が実験目的で使用され失われました。
序: オリエンテーション小冊子を読んでいる際に人差し指に紙で切り傷を受けたD-████が対象。対象は一片のSCP-690が与えられると、即座に指にそれを貼り付けた。5分ごとに対象に傷について質問し、身体的変化を観察するために一時的に絆創膏を剥がさせる。
貼付からの時間 | 特筆すべき動き | 身体検査 |
---|---|---|
5分 | 対象は指がどんな感じか尋ねられる。対象は「とても良い」と回答し、観察者に感謝を示した。 | 自然治癒のための血液の異常な少なさにより、対象の傷は塞がらず。 |
10分 | 対象は何か変化に気づいたか尋ねられる。対象は良くなったと主張。 | SCP-690が貼られた箇所の周囲に僅かな赤みと炎症が見られる。 |
15分 | 対象はSCP-690の周囲を絶え間なく引っ掻いている。痒みについて尋ねると、対象は「治癒過程の一部だ」と返した。 | 傷の周囲の肌が腫れ始める。対象はブドウ球菌症の第一段階を示し始める。 |
20分 | 対象はブドウ球菌症に罹患しているかもしれないと警告を受ける。対象は観察者を完全に無視。 | 対象の指は腫れ続け、少量の膿が傷から漏れ始める。対象は絆創膏を剥がす際にイライラしているように見える。 |
25分 | 対象に対して傷の治癒が提案される。対象はそれを拒否し、繰り返し「とても良い」と主張した。 | 対象は傷から液体を分泌し始め、絆創膏を剥がす際にその液体を漏らす。腫れは悪化していた。 |
30分 | 対象は継続的な観察に苦痛を示し始める。一人にしてくれと要求。(拒否) | 対象の肌の腫れと湿気によりSCP-690が落下。絆創膏は貼り直され、対象の指はガーゼで包まれる。 |
35分 | 対象は絆創膏を剥がすよう要求されるが、拒否。観察者は従わない場合終了すると対象に警告。対象は拒否を続ける。観察者は絆創膏を剥がし、僅かに抵抗される。実験終了。 | 無し |
実験後: 対象は終了前に別の絆創膏を要求した。