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アイテム番号: SCP-6778
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 機動部隊ゼータ-28 ("ドリームウォーカーズ") は全世界の昏睡患者の安定性を監視し、SCP-6778の目撃頻度を割り出すことを任務とします。確証された目撃者は最寄りの財団施設に移送してインタビューを行い、その後クラスA記憶処理を施してから、更なる治療のために解放します。
説明: SCP-6778は昏睡状態の人物がアクセスできる形而上学的空間です。全てのSCP-6778目撃証言は、少なくとも1年に及ぶ長期の無意識状態 (自然発生または医学的に誘発されたもの) に陥った人物から得られています。現在、SCP-6778を経験する昏睡患者の割合は不明です。
幾つかの些細な相違点を除けば、SCP-6778についての説明は、報告が最初に表面化した時期から普遍的に一貫しています。SCP-6778は19世紀後半のアメリカのサルーンを連想させ、太陽が常に地平線上にある広大な砂漠の中に位置しています。
目撃者は通常、SCP-6778を"七人の眠り人酒場"、またはその派生形の名称で識別します。この状態にある時、影響者は自らの過去の生活に関する記憶をほとんど保持しておらず (通常はファーストネームしか思い出せない) 、時間経過を認識しません。
料理やアルコール飲料に加えて、SCP-6778では音楽、歌、ラインダンスなどのライブ・エンターテインメントも提供されます。特筆すべき事に、SCP-6778酒場の従業員やパフォーマーの外見は観察者によって異なるらしく、大抵の場合は親しい友人や過去の交際相手の容姿をしています。
SCP-6778-AはSCP-6778内に存在する1体のヒト型実体を指します。SCP-6778-A ("ミスター・スーツ"、"ミスター・カード"、"ミスター・キング"等の様々な名称で呼ばれる) は、暗色のオーバーコートを着用し、顔の上半分を覆い隠す鍔の広い帽子を被った長身の男性だと述べられています。
他の客とは異なり、SCP-6778-Aは飲食やダンスに従事する様子を観察されたことが一度もなく、目の前に1セットのトランプカードを置いて、常時同じ姿勢で着座しています。影響者がSCP-6778-Aに近付きたいという強制衝動を感じるとは考えられていませんが、自発的に接近することはできます。
ある人物がSCP-6778-Aにポーカーの勝負を申し込んだ場合、SCP-6778-Aはそれに応じます。この時点で、施設内のエンターテインメントが全て中断され、大勢の客が見物しに集まります。勝負が決着すると、勝敗に関わらず、挑戦者は仲間の客たちに別れを告げ、最後にエールを1杯飲み干してから、SCP-6778に2ヶ所存在する出口の片方を抜けて出立します。SCP-6778-Aはその後、カードを再度シャッフルしてから不活性状態に戻ります。
2023年現在までに、世界11ヶ国の昏睡患者から、SCP-6778に関する29件の報告が得られています。これらの事例においては、全員にSCP-6778-Aとのポーカー勝負を行った記憶があり、全員が勝利したと報告しています。