SCP-649
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649-new.jfif

SCP-649の中身。

アイテム番号: SCP-649

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-649はサイト-77の標準的なタイプII収容ロッカーに保管します。実験中でない限り、SCP-649を開封したりその場から移動させたりするべきではありません。収容の失敗を防止するべく、実験中は暖房器具、風防ガラス、除雪用具を備えなければなりません。

説明: SCP-649は32本のマッチが入った不明なブランドのマッチ箱です。箱の底面には雪の結晶の形をしたロゴが刻まれており、これに接触すると冷気を感じます。

SCP-649のマッチを擦ると、通常のマッチでの火花とは対照的に雪片が飛び散ります。擦られたマッチは先端が目に見えて結晶化し、SCP-649の主要な異常性が発現します。この異常性はSCP-649を開封したまま15分以上放置した場合でも発現します。

異常性の発現時、SCP-649の周囲は唐突に温度が低下し、時間とともに下がり続けます。それに続き、強風が吹き始めます。研究により、室内でもこの強風は発生すると確認されています。

周囲の温度が0 °Cに到達すると、SCP-649周辺の円形領域に大量の雪とみぞれが続けざまに形成されます。当該領域の半径は1時間ごとに15 m拡大し、最大で1 kmに達します。SCP-649の蓋を閉めると拡大が停止し、周辺の環境は元に戻ります。

開封したまま無期限に放置すると、周囲の環境は-30 °Cで安定し、円形領域全体が3 mの積雪で覆われます。この温度では凍結したみぞれによって大量の氷が形成され、さらには強風も吹くために、不整地であれば落雪や、場合によっては雪崩が発生し得ます。この寒冷気候はSCP-649が閉じられるまで継続します。

一致してはいませんが、周辺へのSCP-649の効果はSCP-2082と同様に及びます。さらなる比較研究の要請は現在も承認待ちです。

発見: 1987年04月19日、財団エージェントがウエストバージニア州███████████における季節外れのブリザードを報告しました。調査の結果、このブリザードの原因はSCP-649であると特定されました。

1987年04月22日、SCP-649が吹雪の中心で回収されました。天候の急変を目撃した地元住民にはクラスC記憶処理が施されました。この冬季気象の原因は地球温暖化によって局所の前線が変化したためだとするカバーストーリーが流布されました。

補遺-649-A: 実験ログ

実験-649-1

説明:
SCP-649を開封したまま実験チャンバーに置き、1人のDクラス職員 (D-1226) にSCP-649に携わるよう求めた。

結果:
D-1226は警戒し、アノマリーに携わる前にいくつかの基本的な質問に回答してもらえるか尋ねた。過去の実験で概ね協力的であったことから、この要求は受理された。

SCP-649を開封してから15分後に温度が低下し、D-1226が震え始めた。D-1226はこの震えを実験開始の合図とした。

D-1226はSCP-649を手に取り、マッチを点けて両手を温めようとした。マッチは点火せず、さらに4回試みた後で別のマッチでも同様に試した。マッチが擦られるたびに、実験室の環境はますます厳しくなった。

異常性発現から6分後、D-1226は明らかに困惑した様子を見せ、呼吸困難になってSCP-649を落とした。

異常性発現から8分後、D-1226はせん妄の兆候を見せ始め、それから意識の消失と回復を繰り返し始めた。D-1226は今がいかに美しい冬の夕暮れであるかを呟いた。

異常性発現から10分後、D-1226はSCP-649を閉じるよう命令されたが、そうすることができず意識を失った。財団エージェントが押し入り、SCP-649を再収容した。D-1226は凍傷と低体温症の治療のために医療棟へと運ばれた。

実験-649-2

説明:
観測およびサンプルの収集のため、SCP-649を開封したまま実験チャンバーに置き、異常性を発現させた。

結果:
ペナ博士が降雪と土壌の採取を開始した。その最中に見られている感覚があると述べた。

風の分析中、ペナ博士は遠方の霧に小さなシルエットが薄らと目視できると報告した。ペナ博士は実験を続ける前に、健康チェックのために実験チャンバーを退出するよう勧告された。

再開時、ペナ博士は雪玉をぶつけられた。実験の録画ではここで子供の笑い声が聞き取れる。

環境に見合った服装をした3人のDクラス職員が連れてこられ、部屋の反対側まで縦断し、その後に帰還して起こり得る天候の変化やその他目ぼしいものを報告するよう指示された。

20分が経過しても誰も帰還や応答をせず、実験は中止となった。標準プロトコルに従い、SCP-649は閉じられ、再収容された。

ビデオ映像を確認したところ、4:07:00頃の時点で1人のDクラス職員が小さな人影と雪合戦に従事している様子が見られた。それから霧の中に紛れていき、やがて実験チャンバーの壁を通過して、延々と続いているように見受けられる猛吹雪の中へと消えた。

Dクラス職員は一人も回収されていない。Dクラス職員を用いた実験は全て保留となった。

Footnotes
. 備考: マッチを擦っても着火せず、消耗もしなければ、状態が変わることもありません。
. 分析の結果、これらに異常性は無いと判明しました。
ページリビジョン: 4, 最終更新: 10 Jul 2022 11:48
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