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特別収容プロトコル
METATRON.aicはメディア制作会社、大学のメディア研究学部、メディア系出版物 ("ET"や"バラエティ"など) に関連する電子メールサーバをスキャンし、SCP-6123への言及を捜索します。
SCP-6123に関わる通信が確認された場合は、機動部隊カッパ-43 ("メディエーターズ") が派遣され、受信者に記憶処理を施します。
SCP-6123関連の物理的な郵便物への対策が検討されていますが、現時点では明確な解決策が考案されていません。通信の原点が特定されるまで、SCP-6123はKeter分類のアノマリーと見做されます。
説明
SCP-6123は、メディアの解釈と制作に関する議論の促進を目的として繰り返されている、"メディアとあなた"と題された一連のセミナー・プログラムです。SCP-6123は不定期に、未特定の異次元世界で開催されます — この空間は、数百人の参加者を受け入れ可能な小規模カンファレンスセンターに似ていると報告されています。
SCP-6123事象が発生すると、これまでのところ未知の基準で選択された人物たちが招待状を受け取ります。現在、SCP-6123の招待状は参加登録を依頼する電子メールの形式を取っています。招待状で受取人に指定された人物がウェビナーにアクセスすると、異常な手段でSCP-6123が開催されるカンファレンスセンターに転送されます。
発見:
サイト-43のリリアン・リリハンメル博士は以下の電子メールを受信し、サイト管理官マッキンスに警告しました。
To: リリアン・リリハンメル, PhD、サイト-43
From: マリアン・マクファーソン、ヴィキャンデル=ニード パブリックアウトリーチ担当
件名: "メディアとあなた"セミナー独占招待状
日付: 2021年06月29日
ハロー、リリアン! リリアンって呼んでもいい? あなたが手掛けてる素敵な研究のおかげで、私たちはもうあなたのことをよく知ってるような気がするの。あなたにはメディア研究の経験があるから、私のチームはあなたこそ7月5日 9:00 ESTに開催予定のセミナーに打って付けの参加者だと思ってるの! 手順は、添付したリンクをクリックして、あなた専用のユーザーネームとパスワードを登録すればいいだけ。ね、ごく普通でしょ。
質問があれば何でも受け付けるわ。このウェビナーは無料だから、費用は心配しないでね!
素敵な一日になりますように!
– マリ
電子メールの送信者がGOI-5889 ("ヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディア") の構成員らしいと気付いたリリハンメル博士は、マッキンス管理官との相談を経て、ウェビナーへの参加登録を決定しました。当日、彼女はパソコンの録画プログラムや、生体情報モニター付きの予備ボディカメラなどの記録装置を使用しました。以下は記録内容の書き起こしを要約したものです。
補遺 6123-1
SCP-6123事象の録画
日付: 月曜日 – 2021年07月05日
序: 研究のため、リリハンメル博士はGOI-5889から受信した電子メールに述べられるところのウェビナーを記録する。
[リリハンメル博士がノートパソコンの電源を入れる。彼女は居室にある私用デスクに座っている。彼女はマグカップでコーヒーを飲みながら、GOI-5889の参加登録プロセスで紹介されたポータルサイトにログインする。セッションが始まると、リリハンメル博士は居室から消失し、明るく照らされたカンファレンスセンターの内部に出現する。]
リリハンメル: ちょっといったい何-
[リリハンメル博士が取り落としたコーヒーカップが床で砕け散る。ちょうどこの瞬間、ウィリアム・ウェトル博士が隣に出現し、彼のスラックスにコーヒーが飛び散る。]
ウェトル: こん畜- リリアン?
リリハンメル: ウェトル? こんな所で何してるの? あと、何があったの?
ウェトル: メディアリテラシーのウェビナーに参加しないかという招待メールが来てな、途端にボーン、君のコーヒーで全身ずぶ濡れにされたばかりだよ。
リリハンメル: 集中しなさい、ウェトル。私たちはたった今、サイトから未知の異常な手段で拉致されたのよ。
不明人物: ハロー! ウェトル博士、リリハンメル博士、やっと会えたわね!
[1体の女性ヒト型実体が博士2名に接近する。当該実体は濃紺色のスカートスーツと山吹色のネクタイを着用し、血まみれの包帯で目や鼻を含む頭部の上半分を覆っている。汚れた赤い頭髪が包帯の隙間からこぼれ、肩のあたりまで垂れているのが分かる。襟元に付着した血の雫を除けば、スーツは清潔である。]
不明人物: [元気よくウェトルと握手する。] 私、マリ・マクファーソンよ。Eメールでお話ししたわね。ようこそ!
[リリハンメルは実体から1歩後ずさる。]
マクファーソン: どうしたの? セミナーに登録してくれたんでしょ?
リリハンメル: あなた、出血してるみたいよ。
マクファーソン: 興奮するとつい顔が赤くなっちゃうの! あなたたちが来てくれてとっても嬉しいわ。他の参加者たちと一緒に登録テーブルに並んで、名札を受け取ってちょうだい!
[実体は別な人物と話すために背を向けるが、その人物は目を大きく見開いて落ち着きなく周囲を見渡し、ホールの反対側にある登録テーブルに向かう。]
マクファーソン: メディアリテラシーに情熱的に向かい合う人たちを見ると心が弾むわね! オーケイ、お二人とも楽しんで! 休憩時間中に感想を聞きに来るから!
[リリハンメルはウェトルに向き直る。]
リリハンメル: どうやってここまで連れてこられたか全然分からなくてムカつくわ。でも一番腑に落ちないのはね... どうしてアンタがここに居るわけ、ウェトル?
ウェトル: 冗談は止せ。再現研究以上にメディアと深く関わってる部門があるか?
[リリハンメルが声に出して呻く。]
ウェトル: 今度はどうした?
リリハンメル: アンタが正論言うのって大嫌い。滅多に無い事だから予想もできないわ。
[リリハンメルとウェトルは約10分間、建造物の出口を確保しようと試みるが、外部に繋がるドアや窓を発見できない。利用可能な出口が無いため、博士2名はセミナーに参加することを決定する。]
リリハンメル: たった今気付いたけど、アンタ、それと知りつつ公式な承認を得ずにVKTMのセミナーに参加したってことよね。この馬鹿が。
ウェトル: [呟く。] メールにはざっと目を通しただけだったんで...
[簡潔にまとめるため、重要性の低い15分を割愛。リリハンメルとウェトルは登録テーブルに並び、第1セッションの会議室に通される。最初の簡潔な会議では、その日のセミナーの予定が説明される。予定表を再現したものは次の通り。]
メディアリテラシー入門講座
本日のセッションについて話しましょう
本日のセッション概要
理論編 - 理論上での理論
- 作者と観衆 (AA)
- メッセージと意味 (MM)
- 表現と現実 (RR)
応用編 - 理論を実践する
- 重要なメディアを作る
- 観衆の関心を惹く
- 行間を読む
[以下は各セッションの要約された書き起こしである。当ファイルにはアノマリーとの関連性があるセクションのみが掲載されている。]
理論編: 作者と観衆
[蛍光灯で照らされたカンファレンスルームに50人以上の参加者が集まり、各々が名札を付けてプラスチックの折り畳み椅子に座っている。部屋の正面にステージがあり、演壇が設置されている。プレゼンターが演壇に歩み寄り、マイクを調節する。このセッションのプレゼンターは明るい紫色の皮膚を有する高齢の男性ヒト型実体である。彼の声は力強いが金属質である。鼻の代わりに空洞がある。]
プレゼンター・アルファ: 私の名前はロドルフォ・"ブーツ"・ゴーサッチ。いいや、私を"ブーツ"とは呼ばないでほしい。これから本日のセミナーの第1セッション、"作者と観衆"について話したいと思う。
リリハンメル: [声を潜めて言う。] あらあら、愉快な男だこと。
ウェトル: [普通の声量。] そうかい、私は好感が持てると思うよ。
[博士2名の前に座っている女性が振り向き、ウェトルに"シーッ"と言う。リリハンメルが口を手で隠して笑う。]
プレゼンター・アルファ: 私語は慎んでくれたまえ、失礼な。
リリハンメル: そうよ、ウェトル。
ウェトル: 何だ、ここは高校か? 私は博士だぞ!
プレゼンター・アルファ: 2人とも話は終わったかね? それとも、君たちが代わりにプレゼンテーションをやりたいか?
[どちらの博士も発言しない。]
プレゼンター・アルファ: ありがとう。ふーーーむ。何処まで話したかな? ああ、それでだな、ここで中心となるコンセプトはメディアの制作者と消費者の間にある大きな差異だ。作者はコンテンツを設計し、観衆はそれを消費する。簡単だろう? しかし、実はそれ以上の意味がある。メディアを理知的に消費したいなら — 或いは、理知的に消費させるつもりでメディアを作りたいなら — 芸術が重要だ。芸術とは即ち何を意味するのか? 勿論、意図をコード化してメディアに埋め込むことだ。この手順は取り散らかる場合もある。
[リリハンメルが挙手する。]
プレゼンター・アルファ: 何かな? 質問は普通セッションの最後なんだがね、お嬢さん。
リリハンメル: 失礼しました、ゴーサッチさん。ですが、あなたが今言った"取り散らかる"とは何を指しているのですか?
プレゼンター・アルファ: 何を指しているか? 内臓に決まっているだろう! さて、続けてもいいかな? 他に質問があるなら最後まで待ってくれたまえ。
理論編: メッセージと意味
[このセッションのプレゼンターは推定身長が3m弱の大柄な女性実体である。白地に白のスリーピース・スーツを着ている。彼女の声は静かだが旋律的であり、発言にはしばしば1874年製ストラディバリウス・バイオリンの弦を弾く際の音と一致する残響が伴っている。彼女はハーベイシャス・ウィロビーと自己紹介する。]
プレゼンター・ベータ: "意味"とはごく単純で、作者がメディアに何を伝えさせたいか、それがどのように解釈され得るかを指します。これを長々と論じる必要は無いでしょう。さて、メッセージについて理解すべき重要なことは、媒体こそが大切だという点です。あなたのメディアはどのような形を取るでしょうか? 小説、ラジオ番組、サラニュールSaranürの暗黒の儀式、ポッドキャスト、映画 — メディア制作者としてのあなたが意図する意味の伝達手段としては、どれも独自のプラス面・マイナス面があります。
[ウェトルが咳払いをして、大声で話し始める。]
ウェトル: さっき途中で何と言ったんだ?
プレゼンター・ベータ: ラジオ番組です。ええ、未だにラジオを聞いている人々がいるのは我々一同にとっても驚きです。あなたがラジオの存在を忘れてしまったのも不思議ではありませんね。では先に進みます。
理論編: 表現と現実
[このセッションのプレゼンターは首から下が灰色の毛皮で覆われたヘラジカのような四足歩行実体である。一般的な頭部の代わりに、関節のある腕が生えた3枚の画面があり、様々な映像が絶えず高速で流れている。プレゼンターの声はテレビ司会者の故 レジス・フィルビンと87.89%一致する。プレゼンターは自己紹介しない。]
プレゼンター・ガンマ: イイカ、ヨク聞ケ! 表現トハ君タチガ問題ノメディアヲドウ組ミ立テルカダ。制作クオリティ、方向性、長サ、スターノ知名度、執筆力 — コレラハ全テ表現ヲ構成スル。君タチガサウィン祭デ恋人ニ贈ルプレゼントノリボント包装紙ダ。
[プレゼンター・ガンマはここから12分間咳込む。この間、プレゼンターの頭部の画面には戦争、病気、貧困、一般的な暴力を表す画像が映っている。]
ウェトル: おーい、誰かあいつに喉飴をやってくれ。
リリハンメル: それを何処から食べさせるつもり?
プレゼンター・ガンマ: 失礼シタ、今週ハアレルギーガ酷インダヨ。エエト、何処マデ話シタ? アー、ソウソウ。ソノ一方デ現実トハメディアガ実際ニ告ゲヨウトシテイルコトヲ指ス。自動車ノコマーシャルヤ健康保険ノ広告ガ人生ノ歓ビヲ伝エテクル、コレガ表現ダネ。デハ現実ハトイウト、ソレラハ君タチニ物ヲ買ワセタイノダ。
昼食休憩
[リリハンメルとウェトルは食堂で丸テーブルに座り、食べ物を目の前に置いている。周囲では他の参加者たちが他のテーブルに座っている。リリハンメルのボディカメラに映る人物の一部は精神的苦痛を感じているように見え、多くの者は食事に手を付けていない。白のブレザーとペンシルスカートを着た女性が身体を前後に揺らしている。彼女は"エインズリー・イアハート"という名札を付けている。]
リリハンメル: それを食べるなんて信じられない。
[ウェトルは機械的に目の前の食事 — ライ麦パンのハムサンドイッチ、アボカド、ポテトチップス — を食べている。]
ウェトル: 私は腹が減ってるんだよ、リリアン。
リリハンメル: 周りを見てみなさい、私はここで一切何も食べる気は無いわよ。それに、グリム容認プロトコルは未知の異次元空間で食物を消費するのを固く禁じてる。
ウェトル: それにしちゃコーヒーを躊躇いなく飲んでるようだがね。
リリハンメル: そこまで人間辞めてないわ。これはアラビカ豆なの。
[背後から大声が聞こえ、ウェトルは危うく椅子から転げ落ちそうになる。]
マクファーソン: ああ、食事を気に入ってくれてすごく嬉しいわ、ウィリアム! フィリーのお気に入りのお店から空輸してもらったの! [リリハンメルに向き直る。] お腹は空いてない、リリアン?
リリハンメル: いいえ、私は大丈夫。コーヒーだけで十分よ。
マクファーソン: もし良ければ、ヴィーガンやベジタリアン向けの料理もあるのよ? 楽しい時間を過ごしてもらいたいの!
[マクファーソンはリリハンメルに話しかけながらテーブルに身を乗り出す。数滴の血液がマクファーソンの包帯からこぼれ、ウェトルのサンドイッチに落ちる。]
リリハンメル: いいえ、でもありがとう。ところで、質問があるのだけれど構わないかしら?
マクファーソン: 勿論構わないわ! 私はそのためにいるのよ。
リリハンメル: あなたたちyou peopleはここで何をしようとしているの? つまり、専門家を50人近く拉致して非公開の場所でセミナーに参加させる目的は?
マクファーソン: ええっと、人々people... ああ! ヴィキャンデル=ニードの話ね! 人々、そうね。私たちは人々だわ。その、私たちの目的は勿論、メディアリテラシーを高めることよ。全てはより良い明日TMの一環なの。
リリハンメル: 成程。じゃあ、質問を変えるわ。他の参加者たちはどんな面子?
マクファーソン: 学者さん、広告業界やメディア制作業界のプロ、カルト信者、他にも沢山! あなたも是非自己紹介してあげて。いつ人脈作りが新しいコネクションを生むか分からないんだから!
[マクファーソンは別のテーブルへ移動する。ウェトルはサンドイッチに落ちた血滴を見つめている。]
リリハンメル: まだ腹ペコかしら、ウィリー?
[ウェトルは呻き、皿を押し退ける。]
応用編: 重要なメディアを作る
[ゴーサッチが改めてこのセッションのプレゼンターを務める。時折、ゴーサッチは"コカ・コーラ"ブランドの清涼飲料水のボトルを取り出し、鼻の空洞に少量注ぎ込む。その都度、彼は快感を表すものと思しき音を発する。]
プレゼンター・アルファ: では本題に入ろうか。どのように重要なメディアを作ればいいのか? 私が訊いているのは、諸君のメディアをコミュニティに影響を与えるコンテンツにするにはどうすべきかということだ。正直に言うが、これは単純ではない... まず第一に-
[このセッションの続きは、ミーム汚染の恐れと品位の観点から検閲されている。]
[約1時間が経過。ウェトルとリリハンメルがカンファレンスルームを退室する。リリハンメルの呼吸と心拍数は上昇しており、泣いていることが明白である。彼女は目を擦る。ウェトルがゴミ箱の傍で立ち止まり、嘔吐する。]
応用編: 観衆の関心を惹く
[このセッションのプレゼンターは、プレゼンター・ガンマと、人間男性の形を取って飛び散る火花で構成された実体である。火花はハビエル・カルネリアンという名前で紹介される。]
プレゼンター・ガンマ: 基本ハ説明シタ通リダケレド、君タチガ本当ニ知リタイコトハ分カッテイル。 "ドウヤッテメディアニ観衆ノ興味ヲ惹キ付ケレバイインダ?" コノテーマニツイテ語ルナラ、僕ノ友人ハビエル以上ノ適任者ハイナイ。サ、始メテクレ。
プレゼンター・イプシロン: [空電音と金属の軋る音が3分間続く。]
プレゼンター・ガンマ: ソノ通リ、ミーム! 君タチガ投ゲ付ケルメディアガドンナモノデアレ、観衆ヲ注目サセルナラソイツニミームウィルスヲ仕込ムニ限ルンダ。TWITTERやTIKTOKガ普及シタ昨今、人々ハ消費物ニゴク短イ間シカ関心ヲ示サナイヨウダ。ソコデ、観衆ノ頭ノ中ヘト入リ込ミ、彼ラガ一生掛ケテ訓練サレテキタミームベクトルミタイニ、ソノ関心ヲ広メルヨウニ仕向ケナキャイケナイ。
プレゼンター・イプシロン: [花火を連想させるけたたましい爆発音が96秒間続く。]
プレゼンター・ガンマ: 当然ダガ、ミームハ必ズ責任ヲ持ッテ扱ッテクレ。僕ラノ仕事ハ脳ミソヲ黒焦ゲニスルコトジャナインダカラネェ! [大声で笑う。]
[プレゼンター・ガンマは30秒間咳込む。]
プレゼンター・イプシロン: [慟哭する声と金属の軋る音が22秒間続く。]
プレゼンター・ガンマ: イヤイヤ、大丈夫。アレルギーガ酷クテ嫌ニナッチャウネ。トニカク、今言ッタヨウニ、観衆ガ昔ノヨウニアッサリト君タチノメディアニガッツリ食イ付イテクルノヲ期待シチャイケナイ。コレハ慈善事業ジャナイ、ダロウ? 製品ヲ販売スル仕事ダ。ダカラ、僕ヲ信ジテクレ、君タチノメディアガ何デアロウトモ、感染性ノミームヲソノ中心ニ置クコト、ソレガ鍵ナノサ。
応用編: 行間を読む
[ハーベイシャス・ウィロビーが改めて最終セッションのプレゼンターを務める。]
プレゼンター・ベータ: つまり、結論として重要なのは、メディアに暗号や強制力を注入するのはディズニーも間違いなくやっているという点です。それとも、マーベル映画が軍産複合体を増強し、億万長者ばかりをヒーローにしているのは、原作がそうだからとでもお思いですか? メディアとは即ち着想を伝達するものであり、そのための最良の手段こそ、観衆を望み通りに動かす強制力をメディアにエンコードすることなのです。
[ウィロビーは水を一口含み、30秒間うがいをする。]
プレゼンター・ベータ: 競争相手をチェックする時は用心しなければいけません。注意を払っていなかったせいで、あなたが何週間もかけて — そして文字通り何パイントもの血を流して — バイアグラのCMのために作ったミーム集合体が、ワーナー・ブラザーズの新しい強制衝動と混ざった挙句、アイン・ランド流の哲学を掲げる人肉食政治集団を結成させるような事態は避けたいものです。メディアミームの相互交流は危険です — カーダシアン家に何があったかを見れば一目瞭然でしょう! あの一家はクレーターから内臓を除去し終えていないのに、もうすぐ6ヶ月経ちますよ。
セッションの終了後、参加者 (ウェトルとリリハンメルを含む) は連絡先情報の確認を求められ、"お土産"のバッグを渡されました。連絡先情報を提供した後、リリハンメルとウェトルは消失し、各々ウェビナーにログインした場所へと帰還しました。
リリハンメル博士は、全ての主要なメディアや出版物に含まれるミームのメディア研究を拡充するプログラムを、マッキンス管理官に提言しました。マッキンス管理官は提言を監督評議会に取り次いだものの、このような投機的計画に伴い得るコストの観点から、今会計四半期中の実現は困難との返答が得られました。提言は来四半期の初めに改めて検討予定です。
6週間後、全ての参加者は身元を特定され、記憶処理を施されました。参加者が執筆したSCP-6123に関する合計15本の記事がインターネットから削除され、一般社会への影響を阻止するために広域標的型の記憶処理コードが出版物に組み込まれました。
補遺 6123-2
上記ログに記載された出来事に関するウェトル博士とリリハンメル博士の報告を受けて、マッキンス管理官は"お土産"バッグ (SCP-6123-1と指定) を隔離し、クラスA保安プロトコルに従って検査するように指示した。バッグには以下の物品が入っていた。
- 背中にヴィキャンデル=ニードのロゴが入った黒のLサイズユニセックスTシャツ 1枚。
- 痛みの激しいカード用紙に印刷されたヴィキャンデル=ニードのサービス広告 1枚。裏面には連絡先情報が記載されている。再現画像は以下の通り。
私たちが付いています。あなたの夢見るメディアに手を伸ばしましょう。
ヴィキャンデル=ニードはその世界を築くためにあります。
より良い世界TM
- GOI-5889が制作したメディアのハイライト総集編が記録されたフラッシュドライブ 1個。GOI-5889のニュースレターを購読しなければならないという強迫観念を刷り込む異常効果を帯びたミーム認識災害が含まれる。
- アメリカ及びカナダの雑貨小売店チェーン "ベッド・バス&ビヨンド" の60ドル分のギフトカード 1枚。