SCP-6111

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SCP-6111 — Memoria

私たちのシェアード・ワールド。

Felixou Felixou ZG1906 ZG1906 により執筆されました


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リンリイインカイ.273m.3942384.タイギガタメ.SCIP

ようこそ ユーザー カールソン

倫理委員会構成員への昇進おめでとうございます。

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4/6111 LEVEL 4/6111
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SCP-6111を使用してアクセスされた空間の画像。写真は初期探索中にドローンにより撮影された。

配属サイト サイト管理官 研究責任者 担当部隊
サイト-17 グラハム管理官 ベネディクト博士 機動部隊ニュー-7 ("下される鉄槌")

特別収容プロトコル: SCP-6111はサイト-19内の標準収容ロッカーに保管されています。 SCP-6111はサイト-17のプロジェクト・プロムプツに従事している人員のみに限定される追加で生体認証保護が施された安全収容ロッカーに現在保管されています。収容の持続的有効性を守るため、プロジェクト・プロムプツ以外ではロッカーから20m以内に筆記具を持ち込むことは許可されません。

毎月末に手動で選抜され特別な訓練を受けた職員のグループがプロジェクト・プロムプツを実行しなければなりません。職員は計画責任者であるベネディクト博士により手動で選抜されサイト管理官及びO5司令部による承認を受けます。プロジェクト・プロムプツの性質の情報は任務に先立って倫理委員会構成員から提供されます。

説明: SCP-6111は平均的な大きさの200ページ137ページの青いハードカバー本です。年代推定によると当該書籍は1960年頃に製作されたと推測されています。

SCP-6111の異常能力は筆者が存命人物の顔を想起しながら対象の氏名をそのページ上に記入した際に発現します。氏名記入の5分後に、対象人物はいつの間にかSCP-6111-1に指定された鬱蒼たる森の広がる広大かつ未特定の山岳地帯に転送されます。この効果を検証した結果、全ての個人の持ち物(例: 衣服及び身につけた装備)が注目すべき副作用なしに共に転送されることが明らかになっています。もし対象個人がSCP-6111-1内に既にいる場合、その氏名を記入すると代わりに彼らが連れ去られた位置に戻すように転送されます。

領域探査は太陽と月が予期された通りに昇り、占星術的観察結果が現在の星図と合致することより、当該領域が地球上の何処かにあることを強く示唆しています。しかしながら、GPS使用が全て失敗しているためSCP-6111-1の正確な位置は未だ同定されていません。当該領域の初期探査においてもその広がりに明らかな限界がないこととあらゆる種類の視認可能な文明が存在しないことが示されました。この空間と私たち自身の空間の唯一判別可能な差は顕著な時間拡張効果です。純粋植物生態系が持続している方法と同様にこの遅れ効果が何故領域内にてあらゆる動物または昆虫生命体の自然進化をもたらさないのかという理由に対する研究が進行中です。

前文: 初期実験中にSCP-6111-1の時間拡張の性質が発見された後、空間の物理的限界だけではなく時間拡張の性質を確認するため、当該領域のさらなる探査が必要であると判断されました。

方法: D-5331及びD-8469の氏名をSCP-6111のページ上に記入します。SCP-6111-1内の相対時間差を解明するため、D-5331及びD-8469はテント、数日分の携行食、そしてコンパス・懐中電灯・予備バッテリーなどのような基本的なサバイバルツールを含む標準サバイバルキットを装備します。研究者たちは帰還させるためにページに再びD-5331とD-8649の氏名を記入する前に約10分間待機するよう指示されます。対象はどちらもSCP-6111と-1の異常な性質について説明されていません。


13:16 D-5331とD-8469は強化ガラスパネルで区切られて実験チャンバー内にいる。

13:17 D-5331は標準的黒インクボールペンを用いてSCP-6111のページにD-8469の氏名だけではなく彼自身の氏名を記すよう指示される。その後SCP-6111は実験チャンバーから持ち出される。

13:19 - D-5331: さて...... 何が起きると思う?

13:19 - D-5331: こういうやつは多分...... 人をぶっ殺すとかそういうんじゃねえのか?

13:20 - D-8469: 俺にゃあ...... わかんねえな。調子は...... まあいい、気がする。

13:20 - D-5331: この供給品全部を受け取らされたってことはつまり...... 俺たちはどっかに行かなくちゃ

13:21 実験チャンバーから消失したためD-5331の発言は突然中断される。

13:21 - D-8469: オ、ク

13:21 D-8469も突然実験チャンバーから消失する。

13:31 D-5331とD-8469の氏名が研究者たちによりSCP-6111の上に再び記述される。

13:31 D-5331が元の位置に突然出現する。対象は即座にSCP-6111-1内で過ごした時間とD-8469の明らかな不在について質問された。D-5331は始めの数日の後、SCP-6111-1内において彼らは財団から「逃れ」られると考えたと供述した。約1週間が経過した後、食料が保たないことに彼らは気付いた。D-5331の報告した所によるとD-8489は特に激しい口論に続いて彼を攻撃してきたそうであり、結果としてD-5331は自己防衛の結果彼に傷を負わせたそうである。D-8469はその怪我により死亡したと推定されている。


結論: 両対象の体験に基づくと、彼らがSCP-6111-1内にて過ごした時間中に消費した支給品の数にも裏付けられていますが、タイムスケールにおいて概して1:1200の差があると判断されています。これはつまりSCP-6111-1内で1ヶ月過ごすと、対象は約1世紀を体験するということです。このため、数分以上掛かるSCP-6111-1の探索は賢明ではありません。加えて、D-8469の死体が彼の氏名を再び記述したにも関わらず出現しないことから、6111-1内の死体は持ち帰れないことが確証されます。

SCP-6111インシデントレポート: 1980年11月09日、SCP-████が収容違反し、D-クラス棟区画を暴れまわって進行し、その途上で複数の部屋を損傷して住人を解放しました。混沌の中、D-5331はSCP-6111を用いた探索実験に割り当てられる中で得たその機能についての知識を持ち、どのようにしてか対象オブジェクトを手に失踪を成し遂げました。サイト保安部が行方不明の物品を同定する前に、D-5331は自身の氏名をSCP-6111に記入することに成功しました。D-5331が既知の唯一のSCP-6111実例を窃盗したため、当該人物またはSCP-6111の所在に関するあらゆる情報を取得することは高優先度に指定されています。

補遺-1: SCP-6111の盗難から約1時間後、複数のD-クラスたちがその棟から失踪したと報告されました。監視カメラ映像によると消失は全て短い間隔で発生し、失踪したD-クラスは全員がD-5331と同一の棟区画に居住していました。さらなる調査中にD-5331が棟区画監視人事務室からD-クラス職員名簿も窃盗していたかもしれないとわかりました。これと同じ区画からの普通ではないD-クラスの消失を組み合わせてみると、D-5331がどのようにしてか未だ生存しており、他のD-クラスがサイト-19から脱走するのを援助している可能性が示唆されます。数週間もしないうちに合計937名のD-クラスが消失しました。これらD-クラスにはある種のデイジーチェーン効果ですが全員何らかの形でお互いに交流がありました。これはSCP-6111が地球全体の財団施設から秘密裏にD-クラスを運び出すためにSCP-6111を使用しているという意見をさらに支持するものです。

多数の小規模盗難及び小規模財団施設への襲撃にSCP-6111の使用が関与しているかもしれないと考えられています。これら全てにおいて少なくとも1名のD-クラスがイベントに先立って収容区画から消失しています。これら事例において複数回失踪したD-クラスが消失した地点からサイト内を歩いていると報告されていますが、これまで全失踪人が捕獲から巧妙に逃れてきました。食品、本、そして生理用品のような一般的生活必需品が盗まれてきましたが、同様にしてより重要な物品、例えば武器に弾薬、アクセスカード、そして複数の機密文書も盗まれてきました。

これら侵害の頻度と深刻さは着実に増加してきており、SCP-6111-1内に大量の人口が居住していることがありえると示唆しています。

補遺-2: 1980年12月10日、D-4756(失踪したD-クラスの1人)がサイト-19の必需品保管庫に強盗をしている所を捕獲されました。D-4756が保管区域にする様をサイト職員に目撃されました。保安部隊が到着した時、D-4756の以前の報告に類似した様々な物品が詰められた巨大な背嚢と複数の鞄を持って部屋の隅に踞っている様子が発見されました。D-4756は標準装備保安小銃をも所有物に保持していました。武装解除を命じられたD-4756は拒否し、保安部隊との戦端を開きました。保安職員は応戦し、D-4756が突然消失するまでに対象に致命傷を与えました。対象が取り落としたいくつかの鞄だけではなく本から破られた様に見えるくしゃくしゃの紙片が後に残されました。ページには多数の名前が記されており、その全てが失踪したD-クラスと対応し、D-4756も含んでいました。

SCP-6111への接続の可能性を考慮し、研究者たちはページに記載されている人物たちを連れ戻す試みをしました。記載されていた██名の中、ページに再び氏名を記入することで█のみが回収できました。特筆すべきことに、回収されたD-クラスの中にD-4576はおらず、消失後間もなく負傷により死亡したようでした。回収された人物に対する尋問の結果、D-5331による本の窃盗後すぐにSCP-6111によってアクセスできる異常領域への移住が為されたことが明らかになりました。D-5331は自身を救世主であると見做し、この財団の無い「新世界」において自由を約束しました。当該D-クラスはまた、SCP-6111内部領域において年が経過するにつれて必要性が顕著に増大したため、彼らが周期的に必需品を盗むために実際にSCP-6111を使用してきたと明かしました。

尋問を通じて得られた情報に加えて、複数のD-クラスがSCP-6111の類似の破片を保有しているとわかりました。回収されたD-クラスの証言を確認し、異常地点の現在の状況を推測するため、機動部隊アルファ-4 ("ポニー・エクスプレス")のエージェント・マイケル・██████がD-4756から回収されたページを使用して手短に派遣されました。エージェント・マイケルへの命令は接触を全て回避しながら領域を偵察し、ページを使用して帰還するというものでした。エージェント・マイケルは帰還し、回収されたD-クラスが漏らした情報の全てが確認されました。自発的に財団施設に出入りできるテレポートが可能なD-クラスの都市全体が存在することは即時対処をせず看過するには高すぎる程のリスクであると見做されました。

エージェント・マイケルはSCP-6111-1に潜入してSCP-6111を回収する任務に自発的に志願しました。1980年12月12日、D-7815に扮したエージェント・マイケルは多数の失踪D-クラスが脱走してきたサイト-19のD-クラス収容区画の集団に紹介されました。数日以内にエージェント・マイケルはSCP-6111の領域の住人から連絡を受けた他数人のD-クラスと共に「脱走する」機会を得ました。エージェント・マイケルはこの機会に便乗し、秘密裏に財団に与えられた回収されたページの中の1枚を保持して異常地点へと消失しました。彼の消失の約1時間後、エージェント・マイケルはサイト-19にSCP-6111を手に元いた場所に再出現しました。結果報告のインタビューが帰還後即時に行われました。

インタビュー対象: 機動部隊アルファ-4 エージェント・マイケル

インタビュアー: ベネディクト博士

前文: SCP-6111の内部領域にて形成されたD-クラスのコロニーの現在の状況に関する質問です。


<ログ開始>

ベネディクト博士: 君の姓名を供述してください。

エージェント・マイケル: マイケル・██████です。

ベネディクト博士: パーフェクト。では、マイケル君、SCP-6111-1への潜入任務中君が何を見てきたのかを教えてくれませんか?

エージェント・マイケル: 収容区画から始めましょうか?それとも真っ先にゆめのまちからにしましょうか?

ベネディクト博士: 「ゆめのまち」?

エージェント・マイケル: ええ、D-クラスはその場所をそう呼んでいます。彼らは自分たちのことを「ゆめみ」と呼称し始めています。曰く彼らは最早「使い捨て」ではなく、財団で耐えてきた悪夢とかそういうものから解放されたからなのだそうです。

ベネディクト博士: 興味深いですね。続けてください。

エージェント・マイケル: ですので、ええ、区画については特にお話すべきことは全然ありませんね。驚くほど多くのD-クラスがこの場所のことを耳にしていました。こういう男たちの一部にとっては「D-クラス天国」に変化していたりもしましたね。彼らが話していたことの殆どを私は信じられませんでした。遠くからそれを目にした後ですらね。ですが彼らがついに私を中に入れた時、私は本当に感嘆しました。その場所は美しく、ある種のエデンの園のようでした。住人は死刑囚だったのかもしれませんが、しかし彼らは親切で、感謝に値する者たちでした。そこにはあらゆる種類の動物がいなかったので、彼らは全員ビーガンでした。そして誰もそれに不平を言ったりはしていなかったようです。彼らの中の幾らかは家庭を築きすらし始めていました。それ以外もSCP-6111-1内の資材で自宅を建築していました。本当に...... 平和でした。

ベネディクト博士: どうやって君はSCP-6111を盗んでみせたのでしょうか?

エージェント・マイケル: ええ、あそこに到着してしまうとその位置を突き止めるのは本当に大変でした。あの世界の中では時間が加速していましたので、D-5331は明らかに以前に亡くなっていましたし、それは他の人に譲り渡されていました。その人物も同様に、彼ら自身は識別に番号を使用していないのにも関わらず、彼を称えるためにD-5331と呼ばれていました。彼らは実際にあの男を崇拝していたとあなたは知っていましたか?彼らにとって彼はある種の聖人のようでしたし、その理由もわかる気はします。

ベネディクト博士: 6111の回収にそれがどう関係しているのか私にはわかりませんが。君は彼らがそれを他の人に受け渡していると言いましたね?

エージェント・マイケル: ふむ...... すみません。ですので彼らは投票してD-5331の代理となる男にそれを与えたのです。彼は大きな家の1つに暮らしていました。古めかしい、恐らく6111が盗まれた少し後に建設が始まった家でしょう。それは財団サイトから盗まれたあらゆる種類の物資で飾り立てられていました。

ベネディクト博士: 私たちが受け取ったレポートと合致しますね。

エージェント・マイケル: その後、私はただ裏口みたいなものに滑り込んで本を取りました。あなたが与えたページに私の名前を書き、そうしたらここにいました。かなりの数のページがなくなっているように見えますがね。

ベネディクト博士: SCP-6111に記入されているものによって私たちは極めて多数の脱走者を回収できるようになるはずです。お疲れ様でした、マイケル君。コロニーの残りを捕まえる時が来たら、君も是非作戦に参加してください。何か他に付け加えたい重要なものはありませんか?

エージェント・マイケル: ええ、実は...... [間]

ベネディクト博士: 何でしょうか、マイケル君?

エージェント・マイケル: 彼らに「侵略」すべきだとは思いません...... つまり、ええ、私たちは多分ページを回収すべきでしょう。しかし、あそこには余りにも多くのそこで産まれた人たちがいるのです。彼らはD-クラスではありません。あの場所だけが彼らの知る全てなのです。本当に害があるのでしょうか?ただ...... 彼らをそっとしておくだけで?

[間]

ベネディクト博士: ......申し訳ありませんが、あの、今なんと?

エージェント・マイケル: あの、あの場所で私が見た全てが平和でした。あの人たちの内の幾らかが酷いことを仕出かしたということはわかっていますが、でもそのほとんどがあそこでは変心したか老齢で亡くなっているのです。私たちがこのような人々の楽園を台無しに出来る立場にあるとは思えません。

ベネディクト博士: エージェント君、君はそれが財団にとってどれほど大きなリスクとなるのか気付いていないのですか?私たちはこれまで凄まじい数のD-クラスを失ってきました、まず始めにね。それで君は彼らの良心を根拠にして彼らを解放してやりたいと?彼らは人殺しの子どもたちなんですよ!殺人者の!最悪の中の最悪なんですよ!マイケル君!

エージェント・マイケル: はい、ですが

ベネディクト博士: ████破壊器のD-クラスが消失したせいで酷い収容違反がサイト-██であったばかりです。善良な人々がそのせいで死にました!私の知人が!

エージェント・マイケル: ご愁傷さまです、サー。ですが私は理解はしていますよ、つまり

ベネディクト博士: 君は理解しているというのですか、マイケル君?

エージェント・マイケル: [間]...... それでも彼らはそのままであることを許されるべきです...... この人たちは...... 率直に言って虐殺され、拷問され、不具にされてきました。それにあそこで産まれた人たちは罪を何も犯してすらいません。ですが、私はこの場所の流儀をわかっていますよ、ベネディクトさん!私たちはあの場所から彼らを連れ出して、結局はツナギを着せるのでしょう。彼らとこれらモンスターたちから私たちが守っている残りの人々の間にどれほどの違いがあるのでしょうか?████破壊器のような物に私たちが投入してきた哀れな人々にも友人や家族がいるのです!彼らも誰かの子でした!彼らに相応

ベネディクト博士: そこまでだ。ラインを越えてしまったな、マイケル君。あの場所で過ごした時間が明らかに君の理性に影響を与えているようだ。このインタビューを終了する。

エージェント・マイケル: ベネディクトさん、待

<ログ終了>


結: エージェント・マイケルはクラスC記憶処理を施されてSCP-6111-1での任務の全記憶を消去されました。SCP-6111-1からのD-クラス住人の除去に関する倫理委員会とO5司令部の票決は現在延期中です。

補遺-3: [編集済]

その策定後、O5司令部と倫理委員会の承認を受け、プロジェクト・プロムプツは現在の状況に対処するに当たり最も適切な手段であると見做されています。

[ファイル終了]











/Help

はい?

私の新しいクリアランスレベルに確かに更新したのか?

確認中......

......


全て更新されているようです。理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?

削除済情報が多数あるのは奇妙なことだ。倫理委員会は最高のクリアランスを持つものの1つだと思っていたのだが。
それに、何故私はこのファイルを読まねばならなかった?

只今受信したメールにおいてその全てに答えられるであろうと思われます。

開きますか?

yes / no

Yes.

お待ちください。


メール開封中......




To: ten.pics|ffeJ.noslraC#ten.pics|ffeJ.noslraC
From: ten.pics|haimereJ.nairemmiC#ten.pics|haimereJ.nairemmiC
Subject: プロジェクト・プロムプツ


さて、倫理委員会構成員への新規着任おめでとうございます!あなたはきっと財団ではもっと「たのしい」ものに対処しているのに...... 何故あなたが担当するのが...... これなのだろう?と思っているはずです。これは倫理委員会により監視されているあまり知られていないアノマリーの1つです。きっとあなたは倫理的に問題のあるプロジェクトの数々を担当してきたでしょう、だって財団には沢山ありますからね。

ですがいいえ、あなたが従事するのはこれなのです。その全体をイカした小さなリボンで包まれ、漠然と曖昧模糊な状況にある、多分誰も聞いたことのないSCPなのです。

多分沢山の質問があるとわかります。私も最初はそうでしたからね。最後の補遺で何が起きたのでしょう?何が「ゆめのまち」に起きたのでしょう?プロジェクト・プロムプツとは何なのでしょう?このメッセージはその詳細をあなたに伝えるためにここにあります。あなたが先程読んだばかりの文書はあなたに質問を抱かせることを意図しています

まず始めに、補遺-3はありません。決してありませんでした。それとプロジェクト・プロムプツがそこにあるのはセキュリティ違反の場合に備えるようRAISAから勧告されたからです。仮にこれが公となった際に、全てが処理されているように聞こえるようにするためなのですね。6111が本当は何なのかを伝えるために私がいます。ある意味馬鹿馬鹿しいとしか言い様がないものです。真実を知ることを許されている唯一の職員は監督官たちと倫理委員会、つまりあなたを含んでいますよ、カールソン。

ですが、あれらの答えを得る前に、まずは昔話を話させてください。

1980年に話を戻すと、あなたの知る通り財団は大変な苦境にありました。当時世界の先進国のほとんどが死刑を廃止し始めていました。終身刑すら議論の中にありました。これらが私たちのD-クラスプログラムの主要なソースであることを考えれば、これが財団にとって不吉な先触れであったと推測することは多分あなたも出来るでしょう。当時、私たちにはクローンを育成する信頼できるテクノロジーを持っていませんでした。ええ...... 少なくともより優先されている物事のために予約されていないテクノロジーはありませんでした。サイトの手元にいるD-クラスの平均数が約1000かそれ未満であるという条件でかなり長い間何とか間に合わせることを強制されていました。ですのでこういう条件のせいで危機的状況に何度か陥りました。明らかに今日の状況はこのようではありません。

D-5331が本を盗んだ時に事態は変化しました。どのようにしてか彼はSCP-6111-1内にD-クラスの街を建設してみせ、私たちに残されていたD-クラスのかなりの部分を盗み出しました。

数週間以内にほとんどのサイトのD-クラスの数が2桁以下に減りました。何かしなくてはなりませんでした。ですので...... ええ、ここであなたは多分理解が追いついたでしょう。O5はエージェント・マイケルを派遣し街を解体することを決定しました。彼らはD-クラスの異常都市の脅威はそのまま「お互い邪魔せずにやっていく」にはあまりにも危険であると考えたのです。

私たち全員がある程度の抵抗なら覚悟していましたが、戦争は予期していませんでした。私たちは機動部隊を派遣し、汚れ仕事の実施とSCP-6111からどうしても連れ戻せない人々を一掃しようとしました。彼らが街に到着した時、D-クラスは既に準備を整えていました。盗難された道具とスクラップから彼ら自身の軍隊を作っており、彼らの小さな街を要塞に変えていました。予測していたのより遥かに多くの人員を喪失しました。「ゆめのまち」は死に物狂いで私たちに抵抗し、私たちは少しずつ取り戻していきました。もちろん、彼らは元の場所に戻りたくはありませんでした。誰が使い捨てと見做されたいのでしょうか?彼らの一部は自殺さえしました。財団に収容されている怪物なんかの手に掛かるぐらいならば自ら死を選んだのです。

遂に私たちは街を征服しました。生き残ったD-クラスは記憶処理され、彼らを最も必要とする施設に送られました。それでも十分ではありませんでした...... このプロセスの中、彼らの指導者が妥協案を提案してきました。ええ、私たちの誰もそれを期待していませんでした。彼の提案は、毎月末に彼らの街から必要量を取って残りに記憶処理をし、そしてその見返りに、彼らは必需品を手に入れ、平和裏に生活するというものでした。ある種奇妙な妥協案ですが、しかしこうすることで、街のD-クラスのほとんどが完璧な人生を送りながら、私たちは彼らの心を消し去り、再び必要に応じて使えるようになったのです。それこそがプロジェクト・プロムプツであり、今日に至るまでD-クラスを必要とした際に未だ私たちが行っていることなのです。その際には彼らの指導者は残された者たちに、彼らの遺体はどこか他の場所で「埋葬」儀式をされており、真剣に人生を生きねばならないと伝えます。私たちはSCP-6111の一部を私たちの提供する必需品の担保として残しており、他の部分はその月のD-クラスを取得し契約終了まで遵守するために保管しています。

完璧な循環です。このプロジェクトを通じて得られるD-クラスの量のおかげで、私たちは彼らを複製できる他のアノマリーのような重要な資源を使用する必要性が本当になくなりました。例外的な、または緊急の必要性が生じた際に他の場所から彼らを得ないとは言いませんが、しかし6111は他の...... "救い"のない方法を減らしてくれました。委員会は速やかにそのアイデアを承認し、サイト-17がその補助を提案してきました。時々私たちは難しいことをしなくてはならないということは倫理委員会ですら理解していますし、これに反対することが難しいこともわかっています。つまりD-クラスは終生平穏に暮らせるようになったのです。私たちが彼らに求めることは効率的に本当の悪夢になることであり、そして私たち皆がそういう風にそれを見ることでもうちょっとだけ気分良く眠れるのです。

サイト-17の職員と機動部隊がこの件を担当していますし、倫理委員会の構成員が指導者として配属されます。この唯一の構成員はゆめのまちの住人からD-5331と呼ばれています。D-5331とは毎月私たちの中の1人に与えられる役職です。D-5331はプロジェクト・プロムプツの責任者であり、プロジェクトが未だ継続していることを確実なものとするために街に訪問する権利を持ちます。私ですら1ヶ月担当しました。いつの日かきっとあなたもなるかもしれません。

全体としては、私たちは彼らが光の中で生きられるようにし、そして闇の中で死なせているのかもしれません。そして話は変わりますが、もしあなたがトラブルを何も欲しないならば、質問をしないようにしてください。それが悪なのか、それが善なのだろうか?質問しないでください。あなたが知るべき全てはこうです。私たちはSCP財団です。私たちは黒白を扱いません。私たちは灰色であり、そのままであり続けるつもりなのです。

確保・収容・保護


Footnotes
. 訳注: 原著者は天文学(アストロノミー)と占星術(アストロロジー)を間違えているようです。
ページリビジョン: 2, 最終更新: 21 Feb 2024 12:19
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