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財団記録・情報保安管理局より通達
このファイルには、以下で説明される異常な影響への耐性を高めるデジタル形式の記憶補強効果があります。ファイルの閲覧中に副作用が出た場合は、所属サイトのRAISA代表者に報告してください。
— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ
SCP-5897実例。
特別収容プロトコル
SCP-5897実例は収容時に破壊します。1点のみがサイト-43の大容量データストレージ施設1号に保管されます。
I/O METATRONは物理的なメディアを扱う全てのウェブサイトをスキャンして、SCP-5897の説明と一致するリストを捜索します。販売者はSCP-5897の起源について尋問した後、記憶処理を施して更なる監視下に置きます。大規模な企業チェーンの小売店もこの措置の対象となります。
アメリカ大陸でのメディア流通に関連する全ての倉庫は、GOI-5889との関連性がないかを調査されます。
説明
SCP-5897はヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディア (GoI-5889) によって製作・配布され、"歴史上の有名な戦い"と題された箱入りDVDシリーズの総称です。SCP-5897は表向き、歴史的な武力衝突についてのドキュメンタリー・シリーズとされています。DVD本体とケースはどちらも異常ではありません。どの映像にもデジタル加工は施されておらず、その内容にも拘らず実際の映像だと証明されています。
SCP-5897の異常性は1人以上の人間がドキュメンタリーを視聴すると発現します。これらのドキュメンタリーは、歴史的な記録や財団の歴史データベースにおいて全く認知されていない戦闘を題材として取り上げます。ある特定の包括的な戦闘が記録に残っている場合でも、ドキュメンタリー上で描写される事件は外部では知られていません。積極的にSCP-5897を視聴する人物は、描写された戦闘に関する小学校時代の授業の記憶を一時的に思い出すことが可能になります。
SCP-5897を視聴した人物は、DVDを積極的に見続けない限り、そこで述べられた情報の記憶を全て失います。
SCP-5897の内容:
SCP-5897の最初のエピソードは、1950年代初頭のロシア歩兵隊による侵攻を題材としている。映像は主にロシア語で、一部にグリーンランド語が使用されている。以下の抜粋は翻訳済である。
エピソード1: ソビエト連邦軍によるグリーンランド侵攻 — 1951年
SCP-5897、エピソード1の一場面。ソ連軍の作戦に動員された僅か2両の装甲車両の片方。
[導入としてグリーンランドの首都、ヌークの夏の風景が映し出される。映像は海上からの広範な空撮に切り替わり、数隻の兵員輸送船が街の外の海岸に揚陸する様子を示す。映像は黒い背景の前にいるソ連軍士官に切り替わる。]
サーシャ・アレクセイエフ大佐: 俺たちは命令を受けていた。グリーンランド国民を革命の陣営に引き入れなければならなかった。それで、俺たちの師団が動員されたんだ。師団には数千の兵しかいなかったが、当時あの街の人口は2万人以下で、取り立てて言うほどの軍も控えていなかった。
[映像が切り替わり、ソ連兵の集団が町に向かって海岸を行進している様子が映る。映像に合わせて、アレクセイエフ大佐が話し始める。]
アレクセイエフ大佐: だが... あの有様だ。
[カメラ視点が空を見上げ、暗色の雷雲があり得ないほどの速さで巻き立つのを映す。暗雲から低い雷鳴が聞こえ、嵐の中から閃光が放たれる。突然、何本もの落雷が進軍するソ連軍に集中する。ソ連軍の90%が落雷の直撃を受け、死んで地面に倒れる映像が17分間にわたって続く。落雷が止み、僅か数百名まで減った兵士が兵員輸送船へと撤退する。映像が再びアレクセイエフ大佐に切り替わる。]
アレクセイエフ大佐: ...奴らにあんな武力があるなんて、どうして俺たちに分かるはずがある? 文字通りの神々だ。レーニンも吃驚さ... こんな事態は予想もしていなかった。
SCP-5897の第2エピソードは紀元前267年頃、中央アジア統治時代の終わりに近いダエーバイトの戦闘を題材としている。ダエーバイト語と推定される言語が使用されているが、死語であるために翻訳は困難である。
エピソード2: モンゴル・ステップにおけるダエーワの敗北 – 紀元前267年
[導入場面はモンゴルの北東、ユーラシア・ステップの草原である。映像が空撮に切り替わり、青銅の鎧を着て槍を持った数千人の兵士が隊列を組んでいる様子を示す。隊列の中には、自律性と植物の特徴を有するヒト型実体の姿も数十体見られる。洗練された赤いローブを着用し、黄金のティアラを被った女性が木製の高座に座り、数十人の従者に囲まれている。彼女は兵団を見下ろし、軍事指導者らしき人物らに話しかけている。彼女の指示を受けて、全軍が行進を開始する。映像が切り替わり、スタジオの椅子に着席した女族長がカメラに向かって話し始める。]
女族長: [理解不能の発言。]
[映像が草原に戻り、ダエーバイト兵団を横切るように視点が移動して、太陽がまだ地平線から昇って間もない東方を映す。明るく照らされた空に何らかの動きが見える。不定形の実体の姿が辛うじて確認できる。女族長による状況説明らしき発言は続いている。]
女族長: [理解不能の発言。叫び声。]
[映像が切り替わり、迫り来る実体に矢を放ち始めたダエーバイト兵団を斜め横から見下ろす視点になる。間もなく、樹木実体群も上肢の有機砲を発射し始める。不定形の実体は、見たところ攻撃に怯むことなく空から降下してくる。横長の形状であり、胴体から数本の長い体肢が生えたナメクジのような姿をしている。]
女族長: [理解不能の発言。テーブルを何度も叩く大きな音。]
[ナメクジ型実体はダエーバイト兵団の頭上に浮かび、6本の付属肢を掲げる。それぞれの付属肢の先端が鮮やかな青色に輝き始める。突然、ダエーバイト兵団の足元の地面から蒸気が噴出し、数百トン相当の岩屑が兵団の上から降り注ぐ。数秒のうちに兵団が壊滅状態となり、撤退し始める。]
女族長: [理解不能の発言。小声。]
[視点がナメクジ型実体に戻る。実体が再び輝き始めると、生き残ったダエーバイト兵の腹部も光り始め、彼らは叫び声を上げる。ダエーバイト兵たちの唇、鼻、耳から小さな炎が噴出し、数千名の生き残った兵士が地面に倒れる。カメラ視点は体内の炎によってくすぶる数千体の死体を映しながら移動する。]
[映像が暗転した後、改めてスタジオの椅子に座る女族長を映す。彼女は目に涙を浮かべてカメラを見つめている。女族長は何も持っていない両手に視線を落とす。]
SCP-5897の第3エピソードは、古代ローマ帝国の軍団がカルタゴ軍を壊滅させるため、10年ぶり2度目の北アフリカ侵攻を敢行した際の出来事を題材としている。エピソード全体を通してラテン語が使用されている。以下の抜粋は翻訳済である。
エピソード3: ローマ帝国による第二次カルタゴ焼き討ち – 紀元前137年
SCP-5897、エピソード3の一場面。第二次カルタゴ焼き討ちの経験を語るトリビュラス・サイラス・マグヌス・アウレリウス。
[地面に近接したカメラ視点が砂漠の砂の上を移動していき、やがてローマ軍団の兵士たちのサンダルが映る。視点がズームアウトして上昇し、隊列を組む歩兵隊を映す。映像が切り替わり、ローマ兵たちとトリビュラス・アウレリウスの姿が隣り合わせに並んだ画面になる。]
トリビュラス・アウレリウス: 私の部下は廃墟の外れで陣を組みました。我々は誰しも、14年前に輝かしい都を焼き落としたという父たちの話を聞いていましたが、まさか自分がそこに向かうとは思っても見ませんでした — あのような理由では、と言うべきでしょうか。
[映像がローマ兵に焦点を当てる。カメラは向きを変えてより大勢の歩兵隊を映した後、向かい側に視点を向ける。カルタゴの廃墟を形成する石が震え続けているのがはっきりと分かる。廃墟の中から、何者かがカメラに向かって緩慢に歩いてくる。最初は数体しかいないその姿は徐々に増えていき、やがて数千体の敵勢力を形成する — いずれも遥か昔に滅びたカルタゴの神々によって死霊術で動かされている腐乱死体である。]
トリビュラス・アウレリウス: カルタゴ人たちは帰ってきたのです。
SCP-5897の第4エピソードは20世紀への変わり目、義和団の乱と中国北部に隠遁していた小規模なナルカ共同体の紛争を題材としている。このエピソードは北京官話で進行する。以下の書き起こしは翻訳済である。
エピソード4: 天津サーキック蜂起 – 1900年
SCP-5897、エピソード4の一場面。天津市の大悲院が映っている。
[近接武器と少数の銃器で武装した数百人の農民が、小さな町の要所を占領している。町外れには大きな僧院がある。農民たちは修道院を取り囲んでおり、修道院の門は暴徒たちに対して閉ざされている。無名のナレーターが状況説明を始める。]
ナレーター: 1900年の春、義和団は北京の北東に位置する小規模な自治体、天津を占領しようと進軍しました。民兵たちの指導者は、西欧の軍によって北京から排除された場合の代替策を求めていたのです。
[数名の農民が僧院の門を叩き、中の人々に呼びかけている。それと分かる反応はない。映像が切り替わり、黒い背景の前にいる中国人男性を映す。画面上に表示されるテキストは、この男性を義和団の古参、邢亚非シン・ヤーフェイとして紹介している。]
邢亚非: 僧侶たちは敵ではないというのに、我々の義に対して門を開こうとはしなかった。あの蜂起は我々の誇り高き地を侵す西欧帝国主義の毒とキリスト教の堕落に対抗するためのものだ。我々はまともな僧侶を虐待してはいない。それにも拘らず、大悲院の門は閉ざされたままだった。
[映像が義和団に戻る。門を叩く者たちに増援が加わる。伐採した木に鎖を取り付け、表面に線路用の釘を打ち込んだ即席の破城槌が後ろに引かれ、門に叩き付けられる。邢亚非が映像に合わせて話し始める。]
邢亚非: 要請を拒否されて、私の兄弟たちは疑念を抱いた。僧侶たちはまさかキリスト教の宣教師を、さもなければ西欧諸国の工作員を匿っているのではないか? 荒事になるのを望んではいなかったが、僧侶たちの拒絶を放置するわけにはいかなかった。
[義和団は破城槌で僧院の鉄扉を叩き始める。6回目の打撃で、門が勢いよく内側に開き、剣や槍を装備した数十名の義和団民兵が僧院の中庭へと突入する。]
邢亚非: 彼らはごく当たり前の身なりをしていた...
[5人の仏教僧が、接近する義和団を囲むような半円形を描いて立っている。彼らは衣を脱ぎ始め、腰周りに縄を締めた緩い絹の下袴だけの姿になる。5人の僧侶はいずれも武器を持っていないが、武術太極拳の構えを取っている。邢亚非の解説が続く。]
邢亚非: 我々は彼らに呼び掛けた。「どうか頼む、ここに異国人がいないのを確認したいだけなのだ!」と。だが彼らはただ首を横に振るばかりで、口を利いたのは指導者格の僧侶だけだった。彼は我々を余所者と呼び、僧院から立ち去れと要求した。そこから事態は悪化した... 私は暴力を望まなかったが、同志たちは憤激した。そして大混乱になった。敢えて言うが、あの僧侶たちは間違いなくキリスト教徒などではなかった。
[僧侶5人の身体が膨張し、赤みがかった斑色に変わり始める。黒い鱗が拳と肘を覆うように小さくまとまって形成され、手足の指先から鉤爪が生え始める。]
指導者格の僧侶: [理解不能の言語。]
[5人の僧侶は — 今や各々が身長2m以上で、数百キログラムの筋肉が追加されている — 数十名の義和団民兵に襲い掛かる。触手が目を潰し、鉤爪が喉を切り裂き、指が心臓をえぐり出す。僧侶たちは急速に義和団の血に染まっていくが、攻撃を止める気配はない。剣や槍による負傷は僧侶たちの動きを鈍らせるが、倒すには至らない。義和団の残りが僅か10名 (他数名が逃走) になると、僧侶たちは鋭い歯と爪をむき出してその中に飛び込んでいく。最後の数人の義和団民兵は、僧院の中庭に横たわって身悶えする — 彼らの筋肉は異常に収縮し、それによって骨が砕け、血液が鼻・口・耳から流出している。最後の義和団民兵は口から血を溢れさせながら泣き叫び始め、彼の目は膨らんで破裂する。]
指導者格の僧侶: [理解不能の言語。他の僧侶たちに断固とした口調で語りかけている。]
[映像が黒い背景の前にいる邢亚非に戻る。]
邢亚非: 我々は西欧の侵略者に気を配るあまり、国内の敵を見落としていた。あの日我々が天津を占拠できなかったのは、僧侶を1人殺すごとに何十人もの犠牲が出たからだ。そして1ヶ月後、我々が再びあの街に進軍した時、僧院は放棄されていた。まるで昔話か何かのように、悪魔どもがいた形跡は全く残っていなかった。唯一の証拠は、生き残った我々の話だけだ。
SCP-5897の第5エピソードはカナダ軍による軍事行動を題材としている。
エピソード5: セントルイスの戦い – 1972年
[導入場面では、カナダ軍がアメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスの街を包囲している。無名のナレーターが状況説明を始める。]
ナレーター: カナダの侵攻部隊がどのようにして発見されずにセントルイスまで辿り着けたか、はっきりとは分かっていませんが、一旦到着した彼らは時間を無駄にしませんでした。かつて"西部への入口"と呼ばれたこの街は、二度と同じ在り方には戻れないのです。
[カナダ軍が発電所、警察署、大通り、そしてごく僅かな現地の駐留部隊など、街の戦略的要所を占拠する様子がモンタージュ技法で示される。]
SCP-5897、エピソード5の一場面。トロントに改めて設置されたアーチ。
ナレーター: 1世紀半前にアメリカのホワイトハウスを破壊してなお飽き足らず、カナダ軍はたった一つの使命を果たすためにセントルイスへと乗り込みました — アメリカ西部開拓の象徴、ゲートウェイ・アーチの強奪です。モニュメント盗難はヨーロッパ中心主義を掲げる資本主義国家の根強い問題であり、今回も例外ではありませんでした。
SCP-5897の第6エピソードは、アメリカ連合国とイギリスの間で勃発した海戦を題材としている。
エピソード6: クリフトン海戦 – 1862年
[導入場面は夏のクリフトン湾。イギリス国旗を掲げた3隻の戦列艦が、湾からより広大なカリブ海へと出航する。場面が切り替わり、アメリカ連合国の旗を掲げた鋼鉄の蒸気戦艦3隻が北から接近してくる様子が映る。イギリス王立海軍所属、シンクレア・カーター大尉の声がナレーションを始める。]
シンクレア・カーター大尉: それは全く思いもよらないことでした。私たちは敵に立ち向かう連合国の大義を支援してすらいた。王家の土地を併合するという彼らの決定は、ほとんど筋の通らない話でした。
[カメラは前進する連合国の船にズームインする。船の技術は時代にそぐわず、世界各国の海軍が20世紀まで発揮できなかったレベルの工業能率を示している。明白にそれと見て分かる兵器は、各戦艦の船首に1つだけ据えられている — 光り輝く電弧に囲まれ、絶え間なく黒煙を吐き出している大砲である。]
カーター大尉: 私は王立海軍に10年近く勤めていましたが、あんな兵器を目にしたことはついぞありませんでした。その破壊力に対する準備などできるはずもありません。
[大砲のうち2門が発射され、数キロメートル先まで伸びた電弧が2隻のイギリス艦を直撃する。2隻は即座に炎に包まれ、船体が傾き始める。片方の船は2つに割れて急速に沈み始め、もう一方の船では乗組員が火災を消し止めようと奮闘している。]
カーター大尉: しかし、彼らが誰に魂を売ってあのような戦力を得たにしても、そいつは契約を守っていなかった。
[映像が連合国の船に戻る。発射された2門の大砲が大きく黒煙を拭き上げながら爆発し、電弧が船の表面に沿って流れるのが視認できる。どちらの船首も内破し、水面下に船体を引き込んでいく。2度目の爆発で高さ数十メートルの水柱が立つ。残ったイギリスと連合国の船はお互いに接近し続ける。カーターはナレーションを続ける。]
カーター大尉: 彼らが砲撃しなかった理由は分かりません。しかし、あの馬鹿どもは同じ針路を取り続け、私たちは女王陛下の領地を御守りする義務に縛られていました。銃を以てこちらの気概を示すことになるだろうと思いました。
[イギリス艦は旋回し、接近する金属の船体に片舷斉射を行う。幾度も命中するものの、連合国艦は当初の針路を進み続ける。再びの砲撃が失敗した後、イギリス艦は連合国艦に横付けし、お互いの船体を繋ぐロープが投じられる。]
カーター大尉: 艦長から敵艦へ乗り込めと命じられた時は、鋼の味を思い知らせてやる気満々でしたが... あの呪わしい船に足を踏み入れたことを後悔しています。
[カメラはイギリス艦乗組員の1人に対応する視点に切り替わる。数名の人物が金属製の連合国艦の甲板上を漫然と歩き回っている。これらの人物らは破れた制服を着ており、皮膚は黄ばみ、金属が身体の大部分に接合している。この金属は錆びた鉄で、有機的に皮膚を貫通しているように見える。イギリス海兵たちは3名を斬り捨て、艦橋へ突入する。艦橋の中では、さらに6名の人物が船体の鋼鉄と融合し、金属が有機組織を貫いている。大量の血液と身体組織が艦橋の床に散らばっている。1人の男性が金属質な緊迫した声で呻く。最前方にいるイギリス海兵が屈んで嘔吐する。]
カーター大尉: 彼らが取引した悪魔の正体が何であれ、彼らの命は代償として奪われ、何十人もの海兵が癌のように育つ鋼鉄に溶け込んでいました。彼らは確かに敵でしたが、今でも私はあの哀れな連中の夢を見ますよ。結局、私たちは船倉にあった黒色火薬の樽を爆発させて、彼らを創造主の裁きへと送り出しました。
[映像が暗転する。]
カーター大尉: 私は、最悪の敵にさえ、あんな運命が降りかかるのを望みません。とは言うものの... あそこは人間を家畜のように所有し続けるために内戦を始めた裏切り者たちの国ですから... 事によると、当然の報いだったのかもしれません。
2007年6月17日、財団資産はSCP-5897の収容違反警告を受けました。アイダホ州ボイシの倉庫に、大量のSCP-5897実例から成る出荷物が保管されていたことが判明しました。これらの出荷物はベスト・バイ、ウォルマート、ターゲット等の大規模小売店からの大量返品でした。SCP-5897の異常性によって、購入者がその内容を視聴した記憶を保てなかったため、販売されたSCP-5897実例の約95%は不良品のDVDとして返品されたようです。
財団職員は倉庫の経営管理者に接触しました。管理者はSCP-5897がかつて同社の倉庫から出荷されていたことを認めたものの、製造元の住所や使用された口座などの記録は"ヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディア"としか残されていませんでした。
SCP-5897は自己収容している異常存在だと考えられていましたが、これらの事案に鑑み、現時点での分類はKeterのままに留められます。ヴィキャンデル=ニードについては更なる調査が進行中です。