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アイテム番号: SCP-5812
オブジェクトクラス: Eparch
特別収容プロトコル: SCP-5812はサイト-77に収容され、当実体が発見された施設・空間は入り口に監視カメラを実装した上で封鎖されます。
説明: SCP-5812は全体に銀メッキが施された、プライベート用と推測される小型船舶です。モーター等の水中推進用動力源は装備されていません。特筆すべき特徴として、船体の外部にはメッキの施されていない鋼鉄製の棺が鎖で何重にも巻かれて縛りつけられています。鎖を取ることは容易と見なされていますが、棺は溶接によって開くことが物理的に不可能になっています。非破壊検査により、棺内部の内容物は以下のものであると判明しています。
- ワイン (棺内全体を満たしている。)
- 人型実体 (既に死亡したと見られている。)
- 弾丸5発分
- 木製の杭 (人型実体の胸部を貫いており、何らかのメッキが施されている。)
SCP-5812は非異常であり、他に特筆に値する特徴はありません。
SCP-5812は2022年02月10日に発生した地震の際、サイト-77の地下から異音が発生したことがきっかけで発見されました。異音の原因を調査した結果、サイトの地下空間より更に30m下からハッチが発見されました。ハッチの先は廊下に繋がっており、広大な地下空間に通じていました。
当空間は重厚な鋼鉄製の扉で封鎖されていたと考えられていますが、発見時は破損していました。これは度重なる地震によって損壊したと推測されています。扉には「怪奇部門」と記されており、付近に落ちていたプラカードにはイタリア語で「傲慢たる伯爵(The Count Who is Arrogant)」と書かれていました。
SCP-5812は空間内に安置された状態で発見されました。当アノマリーが置かれていた部屋はセメントで覆われています。特記事項として、壁や天井に無数の損傷跡があります。また、SCP-5812付近には過去に財団で使用されていた型の機動部隊用ヘルメットとメモ用紙が2枚発見されました。
ヘルメットには財団の記章と未知の紋章、そして「MTF Γ-0」の記載がありました。一方、紙にはそれぞれ以下のような記載がありました。
通達: SCP-███は財団による収容がこれ以上不可能であると考えられているため、O5-11の指示の元、怪奇部門の管理下に置かれることになりました。収監と制裁は機動部隊ガンマ-0("炎の剣")が担当する予定です。
- メインリストからの削除
- 関連人物への記憶処理
- 部門用データベースへの保管
- [書き起こし不能]
- 収監
現在までに財団が機動部隊ガンマ-0のコードネームを使用した形跡はなく、O5-11も関与を否定していることは留意すべきです。
追記: SCP-5812が発見された空間について担当職員が扉前の壁に違和感を報告していたため、O5-11主導による秘密裏の追加調査が行われました。調査の結果、壁の先に更に廊下が存在することが判明しました。
当廊下にはSCP-5812のものと同様の構造をした部屋が数十個接続されており、その内1部屋の扉は破損しているために侵入が可能です。侵入可能な部屋の中にはイヌ科のものと思われる、保存処理された死体が存在しており、複数の薬品で毒殺された形跡があります。
残りの部屋についても非破壊検査によって、何らかの要因で死亡した実体が収納されていると判明しています。これら全ての部屋にはそれぞれプラカードが設置されていますが、全て損傷した形跡があります。
廊下の最奥に位置する部屋は元から解放されています。内部は空ですが、血痕が周囲に多く付着しています。扉にプラカードは装填されておらず、代わりにイタリア語と英語で以下のような記載がされた貼り紙が確認されています。
通達
機動部隊ガンマ-0への連絡
この部屋は使用されません。新たな罪人が現れることはないため、この施設は封鎖されます。
怪奇部門
特筆すべきことに、当文書には過去のO5-11の筆跡による署名が記載されています。しかし、現在のO5-11はSCP-5812等の内容物を含む、サイト-77についての説明や関係資料の引き継ぎを一切されていません。加えて、該当する代のO5-11も退役の際に記憶処理を受けている上に既に死亡しています。そのため、施設に関する記録はデータベース上にて残存していません。