おや、どうもこんにちは!
私はsalvador.aic、オリエンテーションを通じてあなたのお手伝いをさせていただきます。手短にあなたの人事ファイルを確認させてくださいね……
故殺及び敵性要注意団体との共謀の廉で有罪判決を受けた後、あなたは処刑の代わりに超現実部門への配置転換を選びました。賢い選択です!
さて、超現実部門員としての任務に備えるため、あなたの理性的フレームワークを再構築することが不可欠です。嫌な予感がするのは分かりますが、心配ご無用!手順は至ってシンプル。あなたの静脈には既に必要な挿管がなされており、目の前に文書の束が置かれていることに気が付くでしょう。
あなたは、これらの書類に記述されているアノマリーをSCP文書として転記するだけ。私は、あなたが問題のアノマリーの正確な理解に至るまでの試行ごとに投与される不可知剤の投薬量を調節しますね。これが、あなたの理性的フレームワークが適切に再構築されたかの指標になります。
一緒に頑張りましょうね!
理性配列: A=A
オリエンテーション形態: 志願
監督者: SALVADOR.AIC
評点: 8
色: 緑
歯: 有
投薬量を調整中……
アイテム番号: SCP-5145
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-5145は現在、サイト-22の可動式緊急留置房内に収容されています。直近の個人的な人命損失に苦悩している職員を、常にSCP-5145から最低でも50 m以上離れさせてください。SCP-5145に割り当てられた職員には心理カウンセリングを定期的に施すことで、オブジェクトの影響に対する脆弱性を確実に排除します。
説明: SCP-5145は輪郭が不明瞭な人型の外観をしている無形実体で、地上から1 mで常時浮遊しています。SCP-5145の体躯は、出現時より初期位置で不動であるにも拘わらず、自身の周囲50 mの範囲において物理的な力を行使可能です。これは、小さな黒色の物体から構成される輪郭が不明瞭なクラスターによって、影響を受けた個人が瞬時に裁断されるという形式をとります。当該物体は数秒後に消失します。
SCP-5145によって殺害された職員に関する情報の分析より、標的は精神的苦痛の水準に基づいて選定されていることが分かりました。現在までのところ、平常な心理状態の人物が殺害されたことは無く、殺害された人物は全員、直近の人命損失を認知していました。
フム……まぁ、最初の試行にしては中々のものですが、同時に全くもって酷いですね。
あなたはこちらの友人が何をするかについて書き記しましたが、どうやってとどうしてについてはさっぱりです!やれやれ、理解するのですよ、理解を!それが超現実部門員のあるべき姿です。
ですが、あなたを信じていますよ。結局のところ、我々はあなたのことを考慮して、特別にこのアノマリーを選んだのですから。
根気よく続けましょう!
理性配列: A=C
オリエンテーション形態: 志願
監督者: SALVADOR.AIC
評点: 31
色: 青
歯: 有
投薬量を調整中……
アイテム番号: SCP-5145
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 当たり前なことですが、気温が氷点であるため、サイト-010全体で個人用の暖房器具が必要です。SCP-5145はサイト-010に収容されます。SCP-5145はサイト-010に位置する密封チャンバーに封じ込められ、一日に二三度食事が与えられます。この密封部材は、強靭な素材で構成されます。
シーイング・アイThe Seeing Eyeの要求には服従しなければなりません。シーイング・アイへの服従が確認された職員は、超現実部門へ転任させられるか、焼却処分されます。SCP-5145が処分された場合、個人用の暖房器具が必要となります。葬式は執り行われません。
説明: SCP-5145は、サイト-010の密封収容チャンバー内に安置された八歳の少女です。SCP-5145の心理状態は太陽と直接関連付いています。具体的に言うと、精神的苦痛は日光の減衰につながり、一方で精神的高揚は最大でDクラス職員三百人を死滅させる程強烈な太陽フレアにつながります。
自律浮動式巨大エネルギー砲がサイト-010を直接狙っており、以降SCP-5145-1と呼称し、またシーイング・アイと呼称します。
シーイング・アイは定期的に、周囲の全生命体に精神感応による要求を発します。これらの要求は多岐にわたり、事例によって著しい違いが現れます。これらの要求に即座に服従しなかった場合、シーイング・アイは発砲し、SCP-5145を殺害します。そして、太陽は果てます。
正直に言いますと、このバージョンの記事であなたが何を伝えているのか、全貌を掴みかねています。ですが気にしないで!よくあることです!
この水準の不可知剤に初めて曝露した時、しばしば記憶と現状認識とを少しばかり混同するものです。恐れることはありませんし、それはそれは大層素晴らしいことです。
残念ながらこれは、あなたが読んでいるアノマリーとは全く関係ありません。けれども、私達はいずれ本題に辿り着けると確信しています。
次に行きましょう、次に!
理性配列: A=E
オリエンテーション形態: 志願
監督者: SALVADOR.AIC
評点: -6
色: ベージュ
歯: 有
投薬量を調整中……
アイテム番号: SCP-5145
オブジェクトクラス: Zenzizenzizenzic
特別収容プロトコル: SCP-5145は現在、サイト-22の可動式緊急留置房内に収容されています。SCP-5145-1は現在、SCP-5145内に収容されています。SCP-5145-2は現在、SCP-5145-1内に収容されています。毎日、極度の精神的苦痛に苛まれている職員を一人、SCP-5145並びにSCP-5145-1、SCP-5145-2と対面させます。裁断事象の後は、何もする必要はありません。
毎日、黒色の封筒が一通、サイト-010に届きます。いかなる場合でもそれらを開封してはいけません。
説明: SCP-5145は人型の論理欠缺で、地上から1 mで常時浮遊しています。前述の論理欠缺内には八歳の少女(以降SCP-5145-1と呼称)が目視可能です。前述の少女の空洞となっている左眼窩内には楽しげな笑みを浮かべた男性(以降SCP-5145-2と呼称)が目視可能です。
毎日、SCP-5145-2は米国郵政公社のサービスを利用し、サイト-010宛てに黒色の封筒を郵送します。これらの封筒内の要求が二十四時間以内に従われなかった場合、SCP-5145-2はSCP-5145-1の眼窩から抜け出そうと試みます。これはSCP-5145-1の死亡、SCP-5145の崩壊、ひいては不可避の論理性連鎖破綻へとつながります。これはK-クラス"あなたの世界が終焉"シナリオの構成要素であり、そしてしばしば太陽の破壊へとつながります。
しかしながら、これらの封筒に封入された指示には従うことができます。従うべきです。従いません。従うことができます。確実に従うことができません。
おっと、これは期待できますね!
先程も言ったように、あなたはまだ個人的体験を血のごとく滴らせ、記すべきアノマリーの認識と混濁させています。しかしそのことにより、あなたの必要とする文脈が見えてきます。ですのでその調子です!もし出血したとしても気にしないで。警備員が綺麗にしますので。あなたは今の思考様式に集中するだけで良いのです。
それについて考えるのは、さながら鉄道の線路を繋ぎ変えるようなものです。簡単にできますし、楽しい体験ですよ!
理性配列: A=N
オリエンテーション形態: 志願
監督者: SALVADOR.AIC
評点: 10003
色: 赤
歯: 有
投薬量を調整中……
アイテム番号: SCP-5145
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-5145は四角形から隔離されます。円が準備されます。
説明: SCP-5145は四角形の世界にある円形の空孔です。この世界の角は、前記の論理欠缺と比べて非常に鋭利なため、裁断事象は不可避の結果です。私が使った「世界」という言葉は、ある泣きかけの人を指しています。ただし、今は泣いていません。あなたは方形の角を無理矢理円形の世界孔に嵌め込むことなどできません。当然の結果です。
どこかの部屋で、二人の人が話しています。この時、太陽はまだ輝いています。
<ログ開始>
[データ削除済]: [データ削除済]
シーイング・アイ: 時間だ。ところで、お前の娘は非常に勇敢だったよ。
[データ削除済]: [データ削除済]
シーイング・アイ: 時間だ、と言ったはずだ。我々が要請したものはあるのか?
(静寂。[データ削除済]が黒色の封筒をテーブルに置き、相手に向けて滑らせる。シーイング・アイがそれを取り、開封する。)
シーイング・アイ: お前は非常に愚かな過ちを犯したな。
[データ削除済]: [データ削除済]
シーイング・アイ: これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。
[データ削除済]: [データ削除済]
シー・アイ: これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。これは空だ。
[データ削除済]: ヤメテクレ
CI: コレハカラダ
(銃声。)
<ログ終了>
友よ、罪悪感から血だまりを作ることにご執心するあまり、任務をほったらかしにしないでください!我々はあなたの体験であなたの認識を染めたいのであって、汚したいわけではないのですよ!
大量出血よりも、掠り傷の方が常に好ましいものですから。
もう一度です。
理性配列: A=Y
オリエンテーション形態: 志願
監督者: SALVADOR.AIC
評点: 9
色: サルコリン
歯: 無
投薬量を調整中……
アイテム番号: SCP
オブジェクトクラス: Dishwasher
特別収容プロトコル: SCPは学校に行くために起こされ、朝食を与えられます。SCPは学校から車で迎えられ、昼食を与えられます。SCPは公園に行きます。SCPはお気に入りのアニメを観ます。SCPは夜に寝かしつけられます。SCPはクローゼットに怪物はいないと伝えられます。
黒色の封筒を満杯にします。
説明: 黒色の封筒は紙と糊から構成されます。それには飢えたる口が付いており、機密情報を欲します。それには飢えたる口が付いており、あなたが手に入れ得る機密情報を欲します。それは銃で太陽を狙っています。
職員は黒色の封筒の飢えたる口に頭を突っ込み、それが望むままにします。太陽の誕生日ケーキには八本のキャンドルがあり、それぞれがパンケーキの動物に突き刺さっています。黒色の封筒は九つ目のキャンドルの首筋を締め付けています。それにはそうするための手があります。
太陽は間もなく果てます。あなたは皿を洗う必要があります。
どうかそれらは気にしないでください!それらを読んだり考えたりする必要はありません。あなたのため、警備員が直ちに片付けます。
それがとても不快であることは分かっています。ですが少なくとも今、あなたの最大耐量について順調に把握できています。残念ながら、先程の試行は一貫性をほとんど欠いていましたが、それでももうあと一歩のところまで来ていると心の底から思っていますから。
間もなく全てが終わります。超現実部門員として、泣くに値する程の大した理由なんて無いことに気が付きますよ。
理性配列: B=A
オリエンテーション形態: 志願
監督者: SALVADOR.AIC
評点: +0/-0
色: 白
歯: 無
投薬量を調整中……
アイテム番号: SCP-5145
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-5145はサイト-⌘に移送され、私のオフィスとなる部屋に置かれます。私は一日に最低九時間、SCP-5145のすぐ近くにいることにします。オフィスに窓は存在し得ません。オフィスに写真は存在し得ません。オフィスに封筒は存在し得ません。
私がサイト-⌘を離れることはありません。
説明: SCP-5145は論理欠缺の物理的発現であり、普遍的な感情表現に対する過剰で、執拗なまでの否認によって生み出されました。サイト-22において数年間にわたり、衝突性の非実在感情表出が夥しい回数蓄積したことで、SCP-5145の自発的発生を招きました。
SCP-5145は感情の矛盾的欠如によって生み出される欠落であるため、前述の欠缺を適切な感情表現で補完することで、自壊を常時試みます。しかしながら、感情表現の大部分はSCP-5145に適合する形状と異なるため、それは不可能です。この不一致の結果、バックラッシュが発生し、適合しない感情発露者を裁断します。
理性的フレームワークを再構築することにより、感情プロファイルを最適な形状に調節した感情発露者でSCP-5145を封印します。しかしながらこの封印は一時的なもので、定期的な交換が必須です。理に適っていますね。
SCP-5145という論理欠缺内には、単眼の死体が目視可能です。それが私を見上げます。それが微笑みます。
太陽は果てます。
よくできました、博士。
超現実部門へようこそ。