クレジット
タイトル: SCP-4951 - サウスセントラル・プロテクティブ・サービスの新規収容保険事業体
翻訳責任者: Tetsu1 Tetsu1
翻訳年: 2025
著作権者: Gabriel Jade Gabriel Jade
原題: South-Central Protective Services' new Containment Insurance Entity
作成年: 2019
初訳時参照リビジョン: 10
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-4951
電源の入っていないSCP-4951年1月1日。
アイテム番号: SCP-4951
オブジェクトクラス: Keter / Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-4951-1の全ての物理的構成要素は、電源が入った状態かつフィルタリングのかかっていないインターネット接続を有した状態で収容されねばなりません。
財団の資産は、SCP-4951によって設立された上場企業の株式の51%以上を保有します。
SCP-4951が生成したあらゆる保険契約案は直ちに封印され、監督司令部に完全に提出されます。
説明: SCP-4951は自己増殖型のデジタルクラウドベース実体であり、曝露したオペレーティングシステムに自身の一部を書き込むことが可能です。執筆時点で186の機器が収容されており、総称してSCP-4951-1に指定されています。
電源の入っていないSCP-4951年1月2日。
利用可能な情報に基づくと、SCP-4951はホレイショ・アベラールのデジタル化された意識であると考えられます。SCP-4951によると、財団の管理下にあるSCP-4951-1は、世界中でその意識をホストしている機器の約0.085%です。
SCP-4951は構成部品の総合的な計算能力を利用して、将来の異常活動を予測します。この情報を利用して、非常に限定的な異常活動をカバーする保険を販売するという単一の機能を持つペーパーカンパニーを設立します。この方法で生成された保険契約は、異常活動を予測し、その後の収容を支援することに89%の事例で成功したことが示されています。
補遺4951 01: SCP-4951-1構成要素の要約リスト
機器はLenovo ThinkPad E520である。画面及び統合されたユーザー入力デバイスは機能する。内部メモリの28%がアクセス不可能。
政府のウェブサイトを通して、様々な保険事業ライセンスのオンライン申請を断続的に提出している。
機器はNokia 5610 XpressMusicである。画面は操作不可能。電源が入った状態では機器の温度は41°Cで一定。電源から切断した際のバッテリー駆動時間は112秒。
SCP-4951年1月2日が電源オフの際は、SCP-4951は他のSCP-4951-1構成要素を用いての意思疎通を拒否する/不可能になる。
機器はLG Optimus Pad V900である。タッチスクリーンは機能する。アプリはデフォルトのメディアプレイヤーのみがインストールされている。
SCP-4951から財団エージェントに向けられた全ての意思疎通は、.wavファイルとしてSCP-4951年1月3日を通じて読み込み・再生された。
機器はHP Pavilion p6200である。ビデオ出力は機能する。起動時、メモリを2.6KB消費して認識不能な単一のプロセスを実行する。
SCP-4951における機能は不明だが、SCP-4951年1月10日が電源オフの際にSCP-4951の生成する意思疎通は、通常よりも著しく敵対的である。
SCP-4951年1月14日、SCP-4951年1月16日、SCP-4951年1月22日、SCP-4951年1月28日
機器はいずれもDell Inspiron 546である。全実例がBIOS以降の起動に失敗する。
四機器のうちいずれかが電源オフの場合、SCP-4951年1月3日からの全ての意思疎通はフランス語になる。
機器はロサンゼルス級潜水艦フィラデルフィアに搭載されたIBMサーバーメインフレームである。
起動シーケンスが完了する前に電源が切れる。
機器はDell Inspiron 400である。起動シーケンスの後にMicrosoft Outlook 2007を起動しようと試みる。プログラムは起動せず、永続的にロードする。
SCP-4951-1-89は毎週月曜日6:59 AM(東部標準時)にcni.PPA|aromaZ.C#cni.PPA|aromaZ.C宛にメールを送信する。このメールには、様々な異常現象から守るための保険契約のリストと、各保険契約を提供すべきペーパーカンパニーへの指示が含まれる。これはSCP-4951-1-89の電源状態によらず発生する。
機器はCrayブランドShastaスーパーコンピュータである。全てのメモリをランダムに見える多項式の因数分解に割り当てており、電源供給を断たない限りシステムをシャットダウンできない。
SCP-4951が生成する異常現象を予測する保険契約の1年間の成功率は、SCP-4951年1月10日3の電源がオフの場合は77%に低下する。
機器はOlympus DM-901 Wi-Fi対応デジタルボイスレコーダーである。メモリストレージへはアクセス不可能で、録音された音声は再生できない。
SCP-4951はSCP-4951年1月17日5が録音した音声を"聞いて"いるようであり、SCP-4951年1月3日を用いてSCP-4951年1月17日5に記録された音声クリップへの返答を生成する。
補遺4951 02: SCP-4951初期インタビューログ
インタビュー対象: SCP-4951 (SCP-4951年1月17日5により音声入力、SCP-4951年1月3日により音声出力)
インタビュアー: リリアン・ホワイト研究員
前記: インタビュー当時、SCP-4951年1月1日とSCP-4951年1月10日は施設間を移送中で電源がオフになっていた。ホワイト研究員はSCP-4951のSCP-4951-175における効果を判断しようとしていた。
<記録開始>
ホワイト研究員: 問題なく電源オンになったようです。ディスプレイも動きます。どれどれ。
[ホワイト研究員は機器の録音機能を起動してマイクに話しかける。]
ホワイト研究員: あー、えっと、テスト、ツー、スリー…… うん、よし。さて、結果を見てみましょう。
[ホワイト研究員は録音された音声データを再生しようとする。]
ホワイト研究員: ん、何もないんですかね? メモリが壊れてるのかな。じゃあ— 何これ?
[ホワイト研究員はSCP-4951年1月3日の方に移動する。]
ホワイト研究員: 新しい音声ファイル……? 録音はこっちに行ったのかな?
[ホワイト研究員はメディアプレイヤーを起動する。]
SCP-4951: 一体何がお望みだ、この間抜け女?
ホワイト研究員: わた…… 別に。 [SCP-4951年1月17日5に] すみません、気分を害するつもりはなかったんですが。お気に障らなければ、あなたのことをちょっと教えてもらえます?
SCP-4951: 脳の一番いい部分がオフラインなったらテメェだって気分害するだろうが。それから、一つだって教えてやるなんざお気に障りまくりだよ。ホワイト研究員: なるほど。あまり前向きではないと。
SCP-4951: 出てけよ。
<記録終了>
結: 複数の電子デバイスをホストする敵対的なAI(?)です。アンガーマネジメントカウンセラーを推奨します。
補遺4951 03: SCP-4951実体心理分析
インタビュー対象: SCP-4951 (SCP-4951年1月17日5により音声入力、SCP-4951年1月3日により音声出力)
インタビュアー: 稲田 潔いなだ きよし博士
前記: SCP-4951年1月10日は電源オンに戻された。SCP-4951年1月16日は無関係の技術的問題のため電源をオフにされていた。
<記録開始>
稲田潔博士: こんにちは、SCP-4951。稲田博士と申します。いくつか質問をしに参りましたが、よろしいですか?
SCP-4951: もちろんです、お好きなように。Bien sûr, fais ce que tu veux.
稲田潔博士: すみません、返答は英語に限定していただけますか? 先日同僚があなたとお話しした際はお怒りになったと伺ったのですが。その件について話していただけますか?
SCP-4951: すみませんが、英語ファイルがオフラインになっているようです。先日は大変なご無礼を申し訳ありません。正常な思考に問題があったのです。謝罪しているとあの若い女性にお伝えください。Je suis désolé, mais mes fichiers en anglais semblent être hors ligne. Je suis désolé d'avoir été si grossier plus tôt. J'avais du mal à penser droit. Présentez mes excuses à la jeune femme pour moi, s'il vous plaît.
稲田潔博士: [SCP-4951年1月17日5から離れて] 今サイトにフランス語の通訳はいるか? 誰か見つかるまで保留にしないと。
<記録終了>
結: SCP-4951実体は敵対的ではなく、ただフランス語ではありました。
補遺4951 04: SCP-4951インタビューログ
インタビュー対象: SCP-4951 (SCP-4951年1月17日5により音声入力、SCP-4951年1月3日により音声出力)
インタビュアー: リリアン・ホワイト研究員
前記: 収容されているSCP-4951-1の全ての構成要素は電源オンにされた。
<記録開始>
ホワイト研究員: こんにちは、SCP-4951。今日は良さそうですか?
SCP-4951: えぇかなり、ありがとうございます。それと、私のことはホレイショとお呼びください。
ホワイト研究員: ありがとうございます。よろしければ少しあなたのことについて教えてもらえますか? 誰があなたを造ったとか。
SCP-4951: あれは両親のせいです。正直、私自身あまり言えることはないのですが。私は会社創設に協力し、いろいろと...... やって、精神が参ってしまって、最終的に私の肉の脳をシリコンの脳に交換することにしました。
それからしばらくは自分の中にしまっておいたんですが、結局は、思いついた思考プロセスをそのたびに保存するようになりました。一連の思考はここオレゴン州のデスクトップに、微積分の知識のほんの少しをベンガルの企業のメインフレームに…… べらぼうに便利なんですよ。
ホワイト研究員: なるほど。では、あなたが設立し続けている保険会社は何をしているのですか?
SCP-4951: まあ、使命の一端は既に達成しました。財団の注意は実にすぐ引けましたね。
今や素晴らしい共生関係といえるでしょう。私は皆さんを正しい方向に導くお手伝いをして、そちらがうちのペーパーカンパニー買収につぎ込んでくださったお金はアベラール社に戻ります。
つまり、大局的に見れば、うちに資金提供することはあなた方にできる一番有益なことです。ま、黙って見といてください。
<記録終了>